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一年生
過去⑨
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お母さんがピアノを弾く。
それを聴いて過ごしていた。
ある日のこと、お母さんは私に、ピアノを教えてくれた。
優しい笑顔で、そっと…。
私がその時、上手くひけなくても笑顔で頑張ったねと。
大丈夫だよって支えてくれた。
でも、いつの日にか、お母さんは私にピアノを教えなくなる。
ただ、いつも何も言わずに、私のピアノを聴いていた。
終わったあとに一言、「ありがとう」とニッコリ笑う。
お兄ちゃんのところに行く前のささやかなしあわせ。
毎日毎日、聴いてくれて、ある日、「今日も良かったよ」と言ってくれた。
私の音楽で、喜んでくれる人が居る、お母さんも喜ぶ…それがなんだか、とっても嬉しかった。
私はどんどんピアノが好きになって…。
本当に目指そうと思った。けれども…。
色々あって、私はピアノを見るのが嫌になった。
困ってる時、お母さんはピアノを弾いてくれる。
最近はあんまり弾かなくなったけれど、あの時とほとんど変わらない。
私はそれに励まされた。
もう一度、ピアノを弾くんだって。
けれども、私はもう弾きたくないと思った。
あの時のように指が動かなかった…。
その時、お母さんはそっと私の手を握る。
そして、言った。
「あなたが今、本当に望む方向へ進みなさい」
そこから、お母さんはピアノについて話すことはなかった。
高校に入っても、また、私の大切なものを奪った人と会う。
高校なら、もう会わないと思ってた。
だけど…。
彼は私の前で言った。
もう一度…。
その言葉を聞いて、お母さんの言葉を思い出した。
あの時から、もうピアノの話は一切出さない。
だけど、あの時からずっと、その言葉が浮かんできていた。
あなたが、今、本当に望む方向へ進みなさい。
私は諦めきれない…。
だから、彼と同じ場所に。
最初は少し恨んでたところもあるけど、段々、彼の見え方が変わってきた気がする。
そもそも、あのノートを真剣に考えてた彼が…
人の苦しみを望むはずなんてない
それから、彼は、色々なことに挑戦していった。
恥ずかしさなしに、正しいと思ったことを頑張ってする
その姿を見たら、頭の中に、ピアノが浮かんできた。
もう一度、弾きたい…。
でも、あんなにずっと弾いてきたのに、今ではもう、見る影もなかった。
下手な音楽を、みんなに聴いて欲しくない…。
恥ずかしいから…。
私は心の中で葛藤していた。
もう一度チャレンジするか、しないか…。
その時の私には、何度も浮かんでくるお母さんの言葉と、すすむくんの頑張る姿が浮かんでいた。
そして、ある日、私はピアノの前にいた。
もう見ないでいたいと思っていたのに、私の目の前にある。
その時、お母さんが「弾く?」と話して微笑んだ。
私は少し迷って「うんっ!」と言った。
そこで、私はピアノに向き合う。
あの時のことを思い出すと怖かった。
だけど、そっと、ピアノに触れる。
昔のことが思い返される。
最初の時はおぼつかない指の動き、でも、少しずつよくなっていった。
私は夢中で、弾いていた。
私は自分の弾く音楽を聴くのが、そして、みんなに聴いてもらうのが好き。
私はあの頃のように、少しずつ、次へと進めていった。
そして、中盤になると、私は手を止める。
私の音楽を聴くのが恥ずかしかったのもあるし、これ以上聴きたくなかった。
私はお母さんの方を見る。
すると、ただ、微笑んでいた。
何も言わずに。
私は前に言ってたお母さんの言葉、そして、すすむくんの姿を思い浮かべた。
私はピアノに戻った。
上手く弾けない。
だけど、今は、これでいい…。
そして、私は最後まで続けた───────
私は立って、お母さんのところに行くと、「頑張ったね」と私の背中をさすった。
「お母さん!」
私は嬉しくて一杯の笑顔になる。
その時、決めたんだ…。
私はこれから
──────
それを聴いて過ごしていた。
ある日のこと、お母さんは私に、ピアノを教えてくれた。
優しい笑顔で、そっと…。
私がその時、上手くひけなくても笑顔で頑張ったねと。
大丈夫だよって支えてくれた。
でも、いつの日にか、お母さんは私にピアノを教えなくなる。
ただ、いつも何も言わずに、私のピアノを聴いていた。
終わったあとに一言、「ありがとう」とニッコリ笑う。
お兄ちゃんのところに行く前のささやかなしあわせ。
毎日毎日、聴いてくれて、ある日、「今日も良かったよ」と言ってくれた。
私の音楽で、喜んでくれる人が居る、お母さんも喜ぶ…それがなんだか、とっても嬉しかった。
私はどんどんピアノが好きになって…。
本当に目指そうと思った。けれども…。
色々あって、私はピアノを見るのが嫌になった。
困ってる時、お母さんはピアノを弾いてくれる。
最近はあんまり弾かなくなったけれど、あの時とほとんど変わらない。
私はそれに励まされた。
もう一度、ピアノを弾くんだって。
けれども、私はもう弾きたくないと思った。
あの時のように指が動かなかった…。
その時、お母さんはそっと私の手を握る。
そして、言った。
「あなたが今、本当に望む方向へ進みなさい」
そこから、お母さんはピアノについて話すことはなかった。
高校に入っても、また、私の大切なものを奪った人と会う。
高校なら、もう会わないと思ってた。
だけど…。
彼は私の前で言った。
もう一度…。
その言葉を聞いて、お母さんの言葉を思い出した。
あの時から、もうピアノの話は一切出さない。
だけど、あの時からずっと、その言葉が浮かんできていた。
あなたが、今、本当に望む方向へ進みなさい。
私は諦めきれない…。
だから、彼と同じ場所に。
最初は少し恨んでたところもあるけど、段々、彼の見え方が変わってきた気がする。
そもそも、あのノートを真剣に考えてた彼が…
人の苦しみを望むはずなんてない
それから、彼は、色々なことに挑戦していった。
恥ずかしさなしに、正しいと思ったことを頑張ってする
その姿を見たら、頭の中に、ピアノが浮かんできた。
もう一度、弾きたい…。
でも、あんなにずっと弾いてきたのに、今ではもう、見る影もなかった。
下手な音楽を、みんなに聴いて欲しくない…。
恥ずかしいから…。
私は心の中で葛藤していた。
もう一度チャレンジするか、しないか…。
その時の私には、何度も浮かんでくるお母さんの言葉と、すすむくんの頑張る姿が浮かんでいた。
そして、ある日、私はピアノの前にいた。
もう見ないでいたいと思っていたのに、私の目の前にある。
その時、お母さんが「弾く?」と話して微笑んだ。
私は少し迷って「うんっ!」と言った。
そこで、私はピアノに向き合う。
あの時のことを思い出すと怖かった。
だけど、そっと、ピアノに触れる。
昔のことが思い返される。
最初の時はおぼつかない指の動き、でも、少しずつよくなっていった。
私は夢中で、弾いていた。
私は自分の弾く音楽を聴くのが、そして、みんなに聴いてもらうのが好き。
私はあの頃のように、少しずつ、次へと進めていった。
そして、中盤になると、私は手を止める。
私の音楽を聴くのが恥ずかしかったのもあるし、これ以上聴きたくなかった。
私はお母さんの方を見る。
すると、ただ、微笑んでいた。
何も言わずに。
私は前に言ってたお母さんの言葉、そして、すすむくんの姿を思い浮かべた。
私はピアノに戻った。
上手く弾けない。
だけど、今は、これでいい…。
そして、私は最後まで続けた───────
私は立って、お母さんのところに行くと、「頑張ったね」と私の背中をさすった。
「お母さん!」
私は嬉しくて一杯の笑顔になる。
その時、決めたんだ…。
私はこれから
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