思想学部

ケーキ

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一年生

練習試合II①

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それから、冬休みにはいり、練習試合の日がやってきた。

2回目ではあるが、今回は、大会を見据えたそれになるだろう。

しかし、心の中に少し思うことがあった。

それは、人数的な問題と、相手の情報が全くないこと。

つまり、どうなるか全然予想がつかないという事だ。

思想学部の皆で考自高校に到着する。

他の学校はいつ来ても、新鮮な気持ちになった。

もし、違う学校の生徒だったら、全宝高校に行った時、こんな気持ちになるのだろうか…?

その時の僕はとても落ち着いていた。

───────

そして、この学校の思想学部と僕らが一堂に会する。

これからはじまる…。緊張で一杯だった。

すると、向こうの思想学部が何やらこちらを見て話している。

「あの人達、弱そう。」

「しかも、4人だってよ。これは楽勝だな。」

クスクスと笑った。

「顧問も居ないみたいだし、見捨てられてんじゃね?」

耳が痛いことを沢山言ってくる。

すると、向こうの顧問の先生が、コホンと咳払いした。

みんなの前に出てきて、ルール説明をしてくれた。

まだ詳しいことは知らなかったからありがたい。

重要なことはこれだ。

まず、5人と5人で行い、1VS1で対戦していく。

その中で、自分の思想や、考えなどをお互い主張しあう。

そして、どちらかが負けを認めると、相手の勝ちになる。

先に3勝した学校の勝利。

だが、他にも、細かいルールがあり、どちらかが5人達していない場合は、勝ち抜き戦になる。

その場合は最後まで残っていた学校の勝利。

それを聞いて、少し安心した。勝ちを目指すなら、僕達の思想学部は不利になる。

みちかさんは優しいし、しずくさんはよく泣いてしまう…。

なので、3勝は厳しいと思っていた。

ところで、ルールはまだそれだけではなく、負けにもいくつか種類がある。

同じ学校の人が負けを宣告すること、一方が、何も言わず5分以上が経過すること。

それも負けになる。

ルール説明が終わって、対戦することに。

最初はしずくさんが行くことになった。

今日はなんだか、やる気が1杯だ。

「頑張る!」

そう言って、対戦相手の元へ向かう。

相手は柏野真矢さんという女性。

僕はじっと見守った。

まやさんは「あなたが相手?弱そう」と笑う。

はじまってないのに、しずくさんは今にも泣きそうだ。

相手の参加しない審判がはじまりをつげる。

ちなみに、ホームタウンディシジョンになりそうだ。

しかし、審判ははじまりを告げること、最後の方の判定だけなので、特に干渉することはできない。

僕は頭の中でホッとしていると、対戦は終わっていた。

しずくさんが泣いて続行不可能となったのだ。

みちかさんが傍によって、優しく背中をさわる。

相手の方を見ると、「私、すごい強くなってる。部長が教えてくれたおかげかも」と言っていた。

彼女が悲しんでいるのに、対戦とは皮肉なことだ…。

僕はみちかさんに「対戦には出なくていいから、しずくさんのそばにいてあげて欲しい」と話す。

すると、みちかさんが「だけど…対戦人数少ないのでしょう…?」と僕の目をみつめた。

「後のことは僕とすすむくんに任せて欲しい。」

すすむくんの方を見て「それでいいでしょ?」と笑う。

彼は元気に「うん!」と言った。

僕はそれを見てホッとした。

今日は朝からずっと、いつもの元気な彼でいる。

そっとしておいて良かったのかも。

僕は気持ちを切り替えた。

「まや、つぎは俺にやらせてくれ!」

「分かったよ、がせ。私はもう満足したから後は任せるね。」

とても自信満々にがせが出てきた。

彼は何か言っているようだったが、僕の耳には何も入ってこない。

僕はこの対戦に自信がある。


そして、対戦がはじまった。

「あいだだっけ?君から先に思想言って。」

僕は言われるがまま「僕の思想は普通であること」と。

「つまらない思想だな。俺はその逆が俺の思想だ。」

少しズキっときた。

僕は心の中で落ち着かせて、その説明をする。

「これは、今まで生きてきて思ったこと。なるべく気楽に生きるためには、自分が普通になるのが必要なんだ。」

「楽に生きる?くだらない考えだ。」

そう言って笑った。

そして、沢山の否定を受ける。

僕の番が回ってきて、懲りずにただひたすら説明した。

────────

「こいつ、なんでこんなに否定されてんのに…。」

がせは疲れの色をみせはじめる。

弱音を言った。だけど、まだその時じゃない…。

僕は落ち着かせて、また説明をはじめる。

「分かった…!もういい。俺の負けだ。」

僕は心の中でやった…と思った。

考えてた作戦が幸をそうしたんだ。

しかし、全く何もなかったはずもなく、終わったあとにそれはおそってきた。

僕はすすむくんに「ごめん…。後のこと任せてもいいかな?」と言う。

すると、「任せてよ!」と笑う。

相変わらずすすむくんだ。

その元気な笑顔を見て安心した───────
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