思想学部

ケーキ

文字の大きさ
91 / 190
ニ年生

1つの考え

しおりを挟む
午後の部活がはじまった。

シソウくんがなんだかうずうずしている。

「どうしたの?」

僕が話しかけると、彼は「ありがとうございます!」と言った。

「思想学部の人達皆に、話したいことがあります。」

視線が彼に集まる。

「僕には1つの考えがある。」

周りをグルっと見て、彼は続けて言った

「創作、それは、無限の考えを作れる自由な空間。」

「自由が故に、縛りを設けてしまいます。」

「ただ、それが本当に必要な縛りかどうか…。それは考えるテーマでもあると思います。」

そこから彼の話がはじまった。

「言葉は、時代によって意味が変わってきます。

今とは全く反対に変わることも。」

「その変わった2つ。悪いものからいいものへ、いいものから悪いものへ。」

「前者を絆化現象、後者を姑息化現象と呼ぶことにしましょう。」

シソウは夢中になって話す。

「前者の絆化現象は、元の意味は動物をつなぎ止めておく紐だった。」

「しかし、今では、友情など人との繋がりとして、いい意味を持っている」

「次に後者の姑息化現象については、しばらく休むことをさしているらしい。」

「だが、時がつれて、卑怯なことをする意味に変わってしまった」

「つまり、さっき言った通り、前者は悪い意味、普通のところからいい意味に変わるもの。」

「反対に後者はいい意味、普通のところから悪い意味に変わるものを指す。」

「ここで提唱したいことがあるんです。前者は昔より良くなったからいい、しかし、後者は悪くなったってことで、防がなきゃいけないこと。」

「つまり、僕が言いたいのは、前者の絆化現象を推奨し、後者の姑息化現象を阻止すること!」

「これが僕のアイディアです」

夢中になって話していたため、周りは見ていなかった。

見回してみると、聞いて居ない人、理解できて無さそうな人も多かった。

やっぱりダメか…

心の中でシソウはそう思った。

すると、すすむくんが言う

「理解は出来なかったけどいいアイディアだと思ったよ!」 

近くで、トモさんが、「私もいいと思う。だけど、あなたに今、必要なのは、いいアイディアかより、周りを見ることだと思う」と。

「頑張り過ぎないでね」

「トモさん優しいね。」

「創作を見たから!」

「なるほど」

すると、そこに、みおさんが入ってきた。

「ところで、さっきのするの?」

そう言って楽しそうに笑う。

「しないよ。」

「どうして?」

「僕ができるのは、アイディアを思いつくことだけだから。行動力はない。」

シソウは下を向いた。

「最初に言った通り、創作って言うのは、無限の可能性がある。」

「それによって多くのことを助け、多くのことを発明する。」

「ただ、そんな創作者にかけているものがあるんだ。それは行動力。」

「どうしても言葉だけになってしまうんだ。」

「そうなんですね!」

「はい。そんな行動力のない人に必要なのは、行動力のある人。」

「そして、行動力のある人に必要なのは色々なアイディアを思いつく人。」

「もちろん、行動力があって、アイディアが思いつく人もいていいと思う。創作でも、どんな存在でも許容しているから」

シソウくんは自分のからに閉じこもりやすい人だと、僕は心の中で思う。

「ところで、シソウくんはどうして話そうと思ったの?」

「言ってませんでしたね。」

シソウくんは1度、トモさんの方を見た。そして話す

「実は…僕達の国では、創作が禁止されています。」

「だからこそ、創作である自分の考えを人に話したい。」

「勿論、実行はしなくていいです。同時に人の考えも聞いてみたい。」

「創作が禁止されてないこの場所だからこそ…できることを…。」

「そうだったんだ…。」

「ここはいいですね。来る前は、こんな面白い部活があるとは考えても見ませんでした。」

「ただ、一緒に創作話し合える仲間ができたらいいなって。」

僕は何もいえなくなった。

「これ以上求めてはいけませんよね…。」

すると、すすむくんが前に出てくる。

「大丈夫!話してくれてとても嬉しい。僕は、こういう風に、皆の考えを聞きたいこともあってこの部活を作ろうと決心した」

「だから、いつでも大歓迎だよ。また聞かせて欲しい。」

「ありがとうございます!」

シソウくんはとても嬉しそう。

心の中で良かったね。と思った。

しかし、創作が禁止されてる国…。色々な場所もあるんだな…と思った。

───────

シソウとトモが家に帰る途中、トモが「おめでとう」と言った。

「ありがとう。トモさんのおかげだよ。」

「私は何もしてないよ」

「部活で言う前に、背中を押してくれた。とても勇気づけられたんだ。」

「そう?」

「うん。また求めてしまうようで悪いんだけど…」

「何かな?」

「良ければ、また思いついた時、話を聞いて欲しいんだ」

「いいよ。」

「ありがとう…」

───────
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

慈愛と復讐の間

レクフル
ファンタジー
 とある国に二人の赤子が生まれた。  一人は慈愛の女神の生まれ変わりとされ、一人は復讐の女神の生まれ変わりとされた。  慈愛の女神の生まれ変わりがこの世に生を得た時、必ず復讐の女神の生まれ変わりは生を得る。この二人は対となっているが、決して相容れるものではない。  これは古より語り継がれている伝承であり、慈愛の女神の加護を得た者は絶大なる力を手にするのだと言う。  だが慈愛の女神の生まれ変わりとして生を亨けた娘が、別の赤子と取り換えられてしまった。 大切に育てられる筈の慈愛の女神の生まれ変わりの娘は、母親から虐げられながらも懸命に生きようとしていた。  そんな中、森で出会った迷い人の王子と娘は、互いにそれと知らずに想い合い、数奇な運命を歩んで行くこととなる。  そして、変わりに育てられた赤子は大切に育てられていたが、その暴虐ぶりは日をまして酷くなっていく。  慈愛に満ちた娘と復讐に駆られた娘に翻弄されながら、王子はあの日出会った想い人を探し続ける。  想い合う二人の運命は絡み合うことができるのか。その存在に気づくことができるのか……

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

スライム退治専門のさえないおっさんの冒険

守 秀斗
ファンタジー
俺と相棒二人だけの冴えない冒険者パーティー。普段はスライム退治が専門だ。その冴えない日常を語る。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

処理中です...