魔法学院の最底辺

かる

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非難

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「フッ!」

俺は翼を使い、彼女の呪文によって降ってくる剣や槍を紙一重でかわしながら彼女に接近しようとした。

「まっすぐ来るなんて随分と余裕ですね!」

彼女は近くにあった剣や槍を拾い、投げつけながら俺のほうへと自分から接近してきた。

「っと!」

髪をかすめ、髪の毛がはらりと落ちた。俺は急ブレーキをかけ、急いで離れ、間合いを取った。

「へぇ、体術のほうにも結構自信があるようだな。」

「当然です。もともと私は体術を重視としていましたから。」

「なるほどな、魔法はあくまで補助とする方か。」

ピリピリと張りつめた空気が肌に伝わる。どのくらいの時間が経過しただろうか。疲労感だと1時間は向き合っているような感覚がした。

「フォージ!」

「ここ!」

俺は翼をはためかせながら頭の上まで飛び、そのまま垂直に降下した。

「甘いですよ……。」

そのまま俺の襟をつかまれ組み伏せられた。そして首元に剣を当てられた。

「私が女だからって力勝負で勝てると思いました?私言いましたよね。私、体術には自信があるって。」

「はぁ、降参だ……。」

俺は審判にそう告げ、立ち上がろうとしたら彼女はまだ剣をのど元に突き付けていた。

「私の話はまだ終わっていませんよ?」

「別に今お前の話を聞く義理はない。」

「今のこの状況でそれがいえるんですか?」

俺は首元に充てられた剣をつかみ、冷静に力を込めて彼女のほうへ押し戻した。

「力による支配ってのは自分が相手よりも格上である時のみだって教えられなかったのか?」

「な!こんな力!んぐぐぐ……。」

彼女の努力むなしく押し戻されて俺が立ち上がり歩き始めるとかの所は俺に向かって叫んできた。

「ふざけるな!まだ試合は終わっていなかったじゃないか!おい!逃げるな!」

俺は無言で試合会場を後にした。

「けーいちゃん!試合は残念だったね……そこに座りなさい……」

「いや……これから用z「座りなさい?」」

姉さんの顔は笑っていたが明らかに目が怒っていた。

「途中で投げ出したでしょ!」

姉さんは腰に手をやり、正座している俺を叱るように上から見下ろした。

「はい……目立ちたくなくて……。」

「はぁ、それだから慧ちゃんは周りに私たちより劣ってるなんて言われるのよ?あなたが一番強いのに!」

「いやでもさ……ね?」

「ね、じゃない!」

「すみません……。」

「私は自慢の弟が周りから貶されるより褒められているほうが嬉しいの。」

「はい……。次回は頑張ります。」

「よろしい……次こそは頑張ってね?それで?さっき叫んでた子は何について叫んでいたの?」

「試合後に少し本気出しました……。」

「はぁ……そりゃ怒るよ……。」

「すみません……。」

俺は姉さんに謝ってばかりいた。周りの視線がないところに連れてきてくれたのが幸いだが。

「で?桃は?」

「あ!忘れてた!早く行こ!」

「おーう……ってちょっと待って……足しびれた……。」

「何やっての!早く!」

「正座させた姉さんが言うセリフかそれ……。」

俺はどうにか立ち上がり、姉さんとともに桃の試合会場へと向かうと明らかに桃が優勢なのが見て取れた。対戦相手は膝をつきだいぶぼろぼろの状況であったのに対して桃はほとんど傷がなく、余裕で立っているという対照的な状況であった。

「桃は今回の試合も余裕そうだな。」

「えぇ……って桃ちゃんの試合はちゃんと見てるの!?」

「あぁ、前回を除けば全部見てるな。」

「私の試合は見てないくせに……。」

「え?なんか言った?」

「何でもないよ、ふーんだ。」

「ごめんね、姉さん。でもこれからはちゃんと見れるようにしたよ。」

「な!聞こえてるんじゃないか!この地獄耳め!」

「悪かったって!ごめんごめん。」

「もういい!早く桃ちゃんの応援をする!」

「はい!」

応援をしようと桃のほうへ向いた瞬間



巨大な地震とともに天井が崩落した。



「キャアアアアアアアアアアアアアアアアア!」



周りの人々が悲鳴を上げ混乱に陥った。

「桃!」

俺は崩落の瞬間、急いで柵を乗り越え肉体強化などの魔法を詠唱しながら、天使の翼を使い桃とその対戦相手を翼で包み、守った。その後、崩落が落ち着いた後周りの視線が俺に集まった。

「外交科のやつ、魔王科と勇者科による神聖な血統を……邪魔をしやがった!」

「まだ試合中でしょ?やっぱり外交科じゃルールも守れないか……。」

「まぁ外交科だしね……クスクスクス……。」

俺を非難するような声と笑い声が響いた。

「やっぱり外交科なんていらないよ。かーえーれ!」

「かーえーれ!」

「「かーえーれ!」」

周りの人による帰れコールが一体となった。そのあと一人によって静寂がもたらされた。

「どうして……どうして周りの皆は慧ちゃんのことをそこまで言うの!」

姉さんの大きな声が会場全体に響き渡った。

「今は天井が崩落してそれどころじゃないのに……桃ちゃんと対戦相手の子を守ろうと必死になった慧ちゃんのことをそこまで言うの!?周りのみんなは天井が崩落したとき悲鳴を上げて我が身第一優先だったのに自分の身よりも他人の身を優先した慧ちゃんをそこまで言うの!」

周りが静かになった後一人が小さくつぶやいた。

「外交科だから。」

「外交科だからって……あの人を能力で判断することはできないんですか!?」

「出来てもだよ、外交科の時点で俺たちなんかより劣っているんだよ。だからみんなはあいつを貶すことで安心感を得る。合理的な話だろ?」

「合理てk「姉さん!もういい……。」」

「お兄様……。」

「悪いな桃、お前達の試合を邪魔して。」

「そんなことありません!」

「君にも迷惑をかけたな、ごめんな。」

俺が謝るとその子は首を横に振った。

「迷惑だなんてとんでもない、ありがとう。」

と、一言言った。

「周りの観客席にいる人も悪かったな。」

俺は一礼すると試合会場を後にしようとした。すると後ろから姉さんが走ってやってきた。

「慧ちゃん!どこにいくの……?」

「始末書だよ。」

「そんな!慧ちゃんは悪いこと何もやってないじゃない!」

「姉さんたちがそう言っても周りがあれだけいたんだ。世論を覆すことは難しいよ……。今日はもう疲れたし先に帰らせてもらうね。」

「慧ちゃん!慧ちゃん!……」

姉さん声が徐々に小さくなっていった。
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