本当は私、最強なんです。

るこら

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第二章 潜入開始!生徒会には近づきません!

第七話 生まれるのはなあに?

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 目を覚ますと、腕の中が生暖かいことに気づいたメアリーは、驚いて目を覚ます。
「ん……、なに……」
 目を伏せて腕の中を見ると、卵がすっぽりとおさまっていた。
「あぁ、そっか、たまご、もらったんだっけ………」
 時間を見ると………午前、8時。
「う、そ……」

 開始2日目で、遅刻になるかもです⭐︎


「行ってきまぁぁぁーーーすっっっ」
 メアリーは、窓から風魔法を駆使して飛び出した。
 実は風魔法は五大魔法には含まれていないのだが、かなり難しい魔法だ。
 だから、メアリーはこの風魔法が1番苦手だったのだが、レイのおかげでかなり上達した。
………と、本人は思っているが、メアリーの風魔法は、“かなり上達した”ではなく、5リットと同じくらい、ではあるのだ。


「到着!間に合った、良かった………!」
 カバンの中をチラリと見る。
「たまごも、無事………!
 そういえばこの子……何が生まれてくるんだろうなぁ………」


 風魔法を駆使してメアリーが空を飛ぶ様子を学園内から見ているものが、5人。
 ーーー生徒会役員達である。

会計のアリス、庶務のキエール、書記のルナ、副会長のアレン、そして………生徒会長の、エドワード。この国の第一皇子だ。
 皇子は、周りを見渡していった。
「高度な風魔法だね。使っているのは、転入性のメアリー嬢か。
……少し見張る必要があるかな。」
 ルナが少しだけ目を上げていった。
「…そうね。わたくし、あのような完成された風魔法……あまり見たことがありません。風魔法は、あまりにも難しいと言うのに。……ねぇ?」
「どーする?見張るってゆーんならぁ、生徒会に入れるのが1番だけどぉ………いま、もう役は埋まっちゃってるからさー、いっちばん仕事しなくても良くて、役にも立ってない、キエール様。その名の通り、きえてくーれないっ?♡」
アリスは最後だけ、顔に似合わぬ低い声。
副会長であるアレンも、意地悪な笑みを浮かべる。
「そうだな。キエール。お前は………この生徒会に、いらない。」
「ふ、副会、ちょ……」
 おどけるようにしながらも、アレンの目に迷いはもうないようだ。
 それは、ルナ、アリスも同様。
「そ、そんな、か、会長………!!」
「うーん、そうだねぇ、あ、キエール君?」
「へ?」
 エドワードは優雅に立ち上がると、キエールの前に立ち、ポケットの中を探った。
「あ、あった。」
「な、や、やめっ」
「これ、なーんだ。」
 エドワードがキエールのポケットのなかから札束を取り出すと……
「ひっ、ひいいっ!!」
 キエールは半泣きで逃げ出した。
 エドワードは笑顔のまま手を前に出し、草魔法を放つ。
 草は絡まり合って蔦になり、シュルシュルとキエールの元に近付いてゆく。
 そして、そのままキエールの胴体に絡みつき、グッと抑え込んだ。
 キエールは、泡を吹いて気を失う。
「あは、バレてないとでも思ったわけ?」
 アリスはそう言って笑うが、目の奥底は全く笑っていない。
「けっ、俺はこいつをずっと生徒会に入れたままにするなんて嫌だったからな。だってずっと金盗まれてルナが悪者にされるんだぞ?かわいそーだろ。ま、そろそろ潮時だったってだけだな。」
 アレンも冷めた目をしている。
「あらアレン様、わたくしは大丈夫でしてよ。それに、キエール様の家から出る賠償金の方が、額が多いですから。生徒会に支障はありません。いえ……名誉は、少し、失われてしまうかもですけど。」
「そうだね。そのためにも……メアリー嬢には、働いてもらいたいところだ。」
生徒会の密会に気づくものはいなかった。


「アリア、おっ、おはようっ!」
「お、おはよっ、メアリー。」
 アリアとは、昨日一緒にご飯を食べたりして、すっごく仲良くなった。
 まぁ、私の礼儀はまだまだだけど。
お互い緊張しているのがなんだか面白くなって、その後2人で笑う。
「ねぇ、今日はアリア、なんの授業をうけるの?」
「ええと……今日はね、乗馬の授業を受けてみようと思うの。昔、母様と乗ったっきりで……この学園に入ってからは一回もやってないの。」
「へぇ、じゃあ私もそうしよっかなぁ」
「そっ、そう?あのね、今日乗馬を受けようと思ったのは、メアリーも誘おうかな、
思ってたからなの。一緒に乗馬、受けてくれる?」
「もっ、勿論、ですっ!」
「よかった!」
アリアは、花が綻ぶように笑う。
この笑顔が、メアリーは大好きだった。


「よ………っと、」
 アリアは見事な手つきで馬にまたがる。
「ほら、メアリーもやってみて?」
「は、はいっ」
馬の手綱に力を入れて跨ろうとするが……… 
「きゃあっっ!」
 手綱に力を入れ過ぎてしまったのだろうか。馬が体を捩り、メアリーは馬に跨ろうとした不安定な形のまま、宙に浮かぶ。
(どうしよう、風魔法を使う?だめ、ここじゃみんなが見ている………!
 魔法はできるだけ使わない方がいいよね、後でボロを出すかもしれないから。じゃあどうすれば… っっっ)
「あぶない」
 誰かの手がメアリーの肩と、膝の後ろを支える。いわゆるお姫様抱っこだ。
「へ、っ、えっ、えと、」
パニックに陥るメアリーを見るのは………
この国の皇子、エドワード・メリアード。
「「「きゃーーーーーーーーっっっ」」」
女生徒たちの歓声が飛び交う。
(誰だろ………)
そう、メアリーはエドワードの顔を教えてもらっていない。
メアリーがパニックになっているのは、“皇子に抱かれているから”ではなく、“知らない男性に触られている”からなのだ。
ぴゃっとエドワードの腕から飛び降りてメアリーは頭を下げる。
「えと、あっ、ありがとう、ございます、すみません、重かった、です、よね」
「いや、軽かったよ?ところで、さ。」
「へ?」
メアリーが首を傾げる間に、エドワードはすっと口をメアリーの耳元に近づける。
「君、なんでつかえるのに風魔法を使わなかったのかな?」
(ば、ば、バレてるぅぅぅぅぅ!!??)
「う、や、あの、かっっ、勘違いっ、ですっ!私、風、魔法だなん、て、使えませ………っ」
「へぇ?そう………。」
目を細めるエドワードの奥底は、獲物を探るような目。
(こっ、ここっ、こわ、いいっ)
……………その時。
「コイツに触れんな」
首元をくっと引き寄せられ、誰かの腕の中に閉じ込められる。
向きが逆のため、後ろで自分を抱きしめているのが誰か分からない。………でも。
(この、声は………)
「………行くぞ」
「へ?」
またまたお姫様抱っこをされる。
顔を上げると、やはり、アルだった。
「アル、ちょっ、授業ちゅ………っ」
「関係ねぇ」
「ちょっ、関係なくないからぁぁぁぁぁっっっっっ!!」
アルとメアリーの姿は空にきえていった。


(『アル、』ねぇ………あの問題児のアルバートまで手懐けているとは………中々面白いね。)
「やはり君が欲しいよ、メアリー。」
小さな声でつぶやいた後、さっさと消えてゆくエドワードを皆が不思議そうに見つめていた。


そんな中、アリアは………
(え?うそ、メアリーが連れてかれちゃった!?えぇ!?教えてあげようと思ってたのに………。って違う!)
「メアリーって、あのアルバート様と知り合いなのかしら?」
不思議……。

周りの生徒たちは、今の出来事をうまく理解できていなかった。それは先生も同じことで、5分くらいぼーっとした後、
「じゅっ、授業を再開します、メアリー嬢の事は、他の先生に連絡しますから……!」
と、いうことになり、乗馬の授業は再開した。


一方、メアリー。
(た、た、たすけてええええええええ!?)
………メアリーの心の中は、不安で満ち溢れていた。
(終わった、全部バレた……)






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