8 / 9
8章
見えるあなたと見えない僕
しおりを挟む
「終わったよ~」
その声が耳から頭にくる時、だんだん現実へと変わって行く。
「体調など悪いところはないですか」
「はい…」
そう答えてからあの出来事が夢だったのではないのかと思ってしまうほどここは平和だった。
「何か見えましたか」
そう聞かれ違和感を覚える。
「みんな見えるんじゃないんですか」
その言葉に笑いながら柏井さんは手の疲れを取るようにふっている。
「波動が合わないと見えないんですよ。霊自身が何か伝えたい場合は除きますけど」
霊自身が何か伝えたいと思うことはないと付け足してから天野さんは立ち上がった。俺が触った霊が華さんだということを知らないのか…。俺はてっきりわかっている物だと思っていたが全てわかるというわけでもないのか…。
「天野さんたちは華さんのことってどれだけ知っているんですか」
そう尋ねると柏井さんからは即答で天野さんからは少し立ってから答えが返ってきた。
『一割かそれ以下ですね』
彼女が最後完成させたのは自分から好んで霊になる方法。どんな方法かは分からないが、簡単なわけはない。だからこそあれほどにもやつれ死んだのだろう。死ぬまではわからない実験をする勇気はすごい。いや…もしかしたらどちらでも良かったのではないのだろうか。
「仕事入ったけど見てく~」
そう聞かれもう一つの目的の方を思い出す。本来は仕事の参考にするための見学だったことを思い出す。けどあれだけの時間を過ごしたのに時刻は十分しか経ってないことに驚く。
「どうする~」
「お願いします」
そういうと笑いながら出ていってしまった。着いていこうとすると隣で天野さんが車を取りに行くだけと教えてくれた。柏井さんが行った方向とは反対の方向にある玄関に向かう。そのに行くと柏井さんは運転席ではなく助手席に座っていたため、天野さんが運転席に座る。
「なかなか経験できないことを経験したけどどうだった?まぁ怖かったでしょ」
助手席からこちらを覗きながらそう言ってくる。
「なんか怖いというよりかは、不思議な感じでした」
その言葉に天野さんはミラー越しにこちらを見ただけてそれ以上何も言わなかった。話はそれて小説の話へと変わっていった。
「すごい賞取っているんだ~」
「一度だけですけどね」
そんな話をしていると車はだんだん暗い森の中へと入っていった。道という道が無くなると車から降りて外に出る。
「いるね~」
「えぇ」
そんな二人の会話を聞いて周りを恐る恐る見るがいいのか悪いのかそれらしきものは何も見えなかった。
「見てみますか」
そう言って出された手を見る。今回相手にする霊は子供で大人しいしらしいがだからといって見られるほどの肝は座っていない。
「早くしなよ~。じゃないと始めちゃうよ」
半ば無理やりに繋がれて前を見ると少女の霊と目が合う。だが、今まで見てきたあのおぞましい姿とは違く人間だと言われたら納得してしまほどに普通の見た目をしていた。
「霊と触れ合えば触れ合うほどその身が霊に取り込まれていくんです。この子は霊と触れ合っていないからまだ魂が綺麗なんですよ」
そう言い終わると繋いでない反対の手で少女の近くを指さす。それにつられてそこを見ると男の子の霊がうろついている。その背には札が貼られていた。いつの間に貼ったのか…少女の背にはその札より少し小さいサイズのものが貼られていた。
「あれは霊力が強いほど強力な札を貼っているんです。じゃないと消せないので」
そう説明されても現実味が無さすぎて理解できない。ただ苦しそうに消えていく霊を見ているのは少し気分が悪かった。
「終わった」
やがて少女が消え札が落ちると前、天野さんが俺の部屋でやっていたように柏井さんが札を燃やしていった。
「この後どうなるんですか」
そう聞くとあまりいい顔はせずに
「分かりません」
と答えてくる。天野さんの手は離れ車へと戻っていく。天野さんの運転によりマンションの近くまで送ってもらう。そして少し玄関で話している姿を見て柏井は
「そういうことか」
と呟く。その言葉は二人に聞こえることは無かった。
その声が耳から頭にくる時、だんだん現実へと変わって行く。
「体調など悪いところはないですか」
「はい…」
そう答えてからあの出来事が夢だったのではないのかと思ってしまうほどここは平和だった。
「何か見えましたか」
そう聞かれ違和感を覚える。
「みんな見えるんじゃないんですか」
その言葉に笑いながら柏井さんは手の疲れを取るようにふっている。
「波動が合わないと見えないんですよ。霊自身が何か伝えたい場合は除きますけど」
霊自身が何か伝えたいと思うことはないと付け足してから天野さんは立ち上がった。俺が触った霊が華さんだということを知らないのか…。俺はてっきりわかっている物だと思っていたが全てわかるというわけでもないのか…。
「天野さんたちは華さんのことってどれだけ知っているんですか」
そう尋ねると柏井さんからは即答で天野さんからは少し立ってから答えが返ってきた。
『一割かそれ以下ですね』
彼女が最後完成させたのは自分から好んで霊になる方法。どんな方法かは分からないが、簡単なわけはない。だからこそあれほどにもやつれ死んだのだろう。死ぬまではわからない実験をする勇気はすごい。いや…もしかしたらどちらでも良かったのではないのだろうか。
「仕事入ったけど見てく~」
そう聞かれもう一つの目的の方を思い出す。本来は仕事の参考にするための見学だったことを思い出す。けどあれだけの時間を過ごしたのに時刻は十分しか経ってないことに驚く。
「どうする~」
「お願いします」
そういうと笑いながら出ていってしまった。着いていこうとすると隣で天野さんが車を取りに行くだけと教えてくれた。柏井さんが行った方向とは反対の方向にある玄関に向かう。そのに行くと柏井さんは運転席ではなく助手席に座っていたため、天野さんが運転席に座る。
「なかなか経験できないことを経験したけどどうだった?まぁ怖かったでしょ」
助手席からこちらを覗きながらそう言ってくる。
「なんか怖いというよりかは、不思議な感じでした」
その言葉に天野さんはミラー越しにこちらを見ただけてそれ以上何も言わなかった。話はそれて小説の話へと変わっていった。
「すごい賞取っているんだ~」
「一度だけですけどね」
そんな話をしていると車はだんだん暗い森の中へと入っていった。道という道が無くなると車から降りて外に出る。
「いるね~」
「えぇ」
そんな二人の会話を聞いて周りを恐る恐る見るがいいのか悪いのかそれらしきものは何も見えなかった。
「見てみますか」
そう言って出された手を見る。今回相手にする霊は子供で大人しいしらしいがだからといって見られるほどの肝は座っていない。
「早くしなよ~。じゃないと始めちゃうよ」
半ば無理やりに繋がれて前を見ると少女の霊と目が合う。だが、今まで見てきたあのおぞましい姿とは違く人間だと言われたら納得してしまほどに普通の見た目をしていた。
「霊と触れ合えば触れ合うほどその身が霊に取り込まれていくんです。この子は霊と触れ合っていないからまだ魂が綺麗なんですよ」
そう言い終わると繋いでない反対の手で少女の近くを指さす。それにつられてそこを見ると男の子の霊がうろついている。その背には札が貼られていた。いつの間に貼ったのか…少女の背にはその札より少し小さいサイズのものが貼られていた。
「あれは霊力が強いほど強力な札を貼っているんです。じゃないと消せないので」
そう説明されても現実味が無さすぎて理解できない。ただ苦しそうに消えていく霊を見ているのは少し気分が悪かった。
「終わった」
やがて少女が消え札が落ちると前、天野さんが俺の部屋でやっていたように柏井さんが札を燃やしていった。
「この後どうなるんですか」
そう聞くとあまりいい顔はせずに
「分かりません」
と答えてくる。天野さんの手は離れ車へと戻っていく。天野さんの運転によりマンションの近くまで送ってもらう。そして少し玄関で話している姿を見て柏井は
「そういうことか」
と呟く。その言葉は二人に聞こえることは無かった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
繰り返しのその先は
みなせ
ファンタジー
婚約者がある女性をそばに置くようになってから、
私は悪女と呼ばれるようになった。
私が声を上げると、彼女は涙を流す。
そのたびに私の居場所はなくなっていく。
そして、とうとう命を落とした。
そう、死んでしまったはずだった。
なのに死んだと思ったのに、目を覚ます。
婚約が決まったあの日の朝に。
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる