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第二部 高校生編
処女性に価値を感じるのは男の本能。だからねんねは可愛い
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月曜日である。
全力で眠ったおかげで先日の眠気を引きずることもなく、極めて良好な健康状態で登校することが出来た。
休むことに全力を尽くすというのも妙な話だが、力の抜き方は知らないやつから潰れていくのだ。
そういう意味ではそう的外れでもないように思える。
「よっ、雄大」
「おー、はよー」
精力的な俺とは対照的に、雄大はぼうっとしたまま動かない。
可哀想に。きっとこやつは受験戦争で追い込みをかけすぎて潰れてしまうことだろう。
友人としてそうなる前に休息のハウツーってやつを教え込んでおかなければ。
「なあ」
「どうした?」
いきなり話しかけてきた雄大に対応する。
ボーッとしたり話し出したりと忙しい奴だ。
「お前さ・・・図書館の女神って知ってる?」
「知らん。図書館の魔女なら知ってる」
「それはそれで気になるが、多分俺とは別の話だな」
ちなみに俺が言ってるのは紫もやしの話である。
「それで? その図書館の女神ってのは何の話だ。何を司ってる」
「別にTRPGの話はしてないし、日本神道の話もしてない。俺がしてるのは現実の話だ」
「現実に存在する時点で女神とは言わんよ」
「お前あれだよな、色々めんどくせえわ」
「うっせ。お前以外にゃ気遣いするわ」
「なんだ友好アピールか? あるいは薔薇営業か?」
「残念ながら俺に男色の気はない」
「俺にもねえよ」
「大体営業して客を寄せようという根性が気に食わん。そこまでしないとファンがつかないなら元より死に体だろう」
「宣伝できた方が信者になってくれる可能性が高まるだろ。母数が増えるんだから」
「そりゃそうだが、露骨に媚びるのもな・・・」
「露骨に媚びなきゃ誰も拾わないのさ。ポテチばかり食べてスルメの良さを忘れてる」
「ほう、その心は?」
「いや別にそういうのはないけど」
「そういうのがないなら比喩表現を使うな」
「後からじわっと来る笑いが一番印象に残る・・・みたいな?」
「え? それは『ちょっとそこ、4、2、0~』みたいな話?」
「そもそもあれ別にじわっと来ないじゃん」
「言っちまったなぁ!? それをぉ!?」
すわ戦争か、という段階で先生が入って来て大事には至らなかった。命拾いしたな。
まあ俺も『図書館の女神』なんて戯言を聞かなくて済んだので、お互い様かもしれないが。
*
授業中、ふっと再燃した厨二心を遺憾なく発揮してノートの端っこに『図書館の魔女』についての設定を書きなぐってみたりした。
予想以上に出来が良いので、暇なときにでも小説にしてネットに投稿してみよう。
そうなると・・・もっと練りこむ必要があるな。
こういうどうでもいい設定を練るのが割と好きなのだ。
設定厨というのだったか。
しかしこうやって設定を組むだけでも段々ストーリーの様なものは浮き上がってくる。最も、これを形にするのが難しいのだろうが。
音楽であれば直感で、半ば適当に演奏しても割となんとかなったりもするのだが、小説は体裁を色々整える必要がある。
「安心院、着替え」
最初に名乗る女神の名前をタナトスに決めた所で、どこの誰とも知れぬ奴から『次は体育だから着替えろよ』と言われた。
いや、というか誰だこいつ・・・。
ああ、懇親カラオケで連絡先交換した奴の一人か。
名前は、伊藤か。相変わらず細高い鼻をしている。
「ああ、そうだったな」
ノートを置いて着替えを始めると、教室に別クラスの男子がなだれ込んでくる。
そのクラスにうちのクラスの女子がなだれ込んでいることだろう。
「いやー、安心院ってムキムキだな」
「本当に。なんだその筋肉は」
「正直服の上からでも何となくわかったけど・・・生で見ると迫力が違うな」
「じゅるり」
おい誰だ、垂涎みたいな反応した奴は。
俺は百合はイケるが薔薇は遠慮してるんだ。
ふレんズとおホモ達は似ているようで全く違うと知れ。
「え、ていうかなんでそんな鍛えてんの? 何部?」
「軽音楽部。理由は・・・義務感、かな」
暇さえあれば筋トレしている俺だが、別に筋トレ自体が好きなわけではない。
単になじみに見合うだけの男になろうと自分を磨いた結果、筋肉の重要性に気付いたのだ。
まずほぼすべてのメンズ服が見栄えよく着れる。
次にいざ脱いだ時の自信が違う。
また、運動において高いパフォーマンスを発揮する。
さらに外見だけで威圧効果があるのでナンパ散らしに最適。
おまけに健康寿命まで延びると来た。
まだまだあるぞ。
だからみんなも筋トレ、しよう!
おっと、しかしもし始めるならきちんと毎日欠かさず続けるんだぞ?
筋肉はね、毎日かまってやらないと拗ねてしまうんです。女と同じですよ。でも女と違うところがある。それはね、裏切らない所ですよ。HAHAHA。
・・・HAッ! まずいな、最近侵食がだいぶ巧妙になってる。
筋肉自体のメリットで論理的逃げ場を作ってきやがる。
「義務感ってなんだよ」
「男らしくありたいってだけさ」
とりあえず彼らを筋肉の闇から守るべく、ここはメリットを並べることはやめておこうと思う。
*
さて、体育であるが。
事前の組み分けによって、俺は野球をすることになる。
ちなみに野球については全く知らない。
そもそもチームを組むような競技を全然していないのだ。サッカーもバレーもバスケも知らない。
なので未経験者枠に行ったのだが、周囲から感じる『その筋肉で未経験は無理でしょ』という視線が痛い。
しかし事実は事実なので鋼の意思でその場にとどまる。視線に負けて経験者枠に行けば恥をかくのは俺だ。
初心者向けの講習を受ければ、腕自体はメキメキ上達した。
そりゃ当然だ。基礎能力、つまりは筋肉が違う。
ボディビルダーの見せるための筋肉ではなく、アスリートの動くため筋肉でもなく、ストリートファイターの戦うための筋肉だ。
汎用性が違う。
まあ一点に絞った機能で言えば勝てやしないのだが。
そういえば最近喧嘩絡みの事してないな。
鈍ってないと良いんだが。
それはそれとして上がった腕は授業内では即戦力だったので野球部連中に次いでの活躍となった。
彼らは文化部に迫られた危機感でより一層練習に励むことだろう。
善哉善哉。
ちなみに他の人たちにアドバイスを請われたときは『筋肉が足りない』だけで済ませた。
実際差なんてそれくらいだし。
*
「とまあ今日あったことなんてそんなもんですよ」
「安心院君は筋肉の伝道師だった・・・?」
そこなのか。
なにやら大胸筋近辺をしげしげと部長に眺められ、俺は少し居心地が悪かった。
放課後。
部室へ行った俺には利根川部長による尋問が行われていた。
曰く、土日の間にしこたま連絡を入れたのに何一つ音沙汰無いのはどういう了見か、とのことだ。
まさか素直に白状するわけにもいかないので適当言ったのだが、その煽りで今日何をしたかまで事細かに聞かれた。
その結果白状した一部が体育の一件である。
なお、図書館の魔女の下りは部長に言っていない。
考えるのは楽しいが、それとこれとは話が別だ。
「安心院君って筋肉質とは思ってたけど、そんなにとはねえ。ちょっと胸の所触ってみてもいい?」
「どうぞー」
多分部長と何も変わらないと思うが。
「チェスト!」
「弁慶ッ!?」
いきなり弁慶の泣き所を足刀で打ち抜かれた俺はかつてない断末魔を上げた。
筋肉にも死角はあるのだ。
「な、なぜ・・・」
「ふんっ! 僕の前で失礼なこと考えるからさ」
「失礼な事なんて何も・・・」
「じゃあ何考えてたのか言ってごらんよ」
「『板』具合で言えば胸もまなも似たようなものかと」
「キャオラッ!」
「烈ッ!?」
綺麗な水月蹴りであった。
しかし狙いがそれたのか、頑健な腹筋がダメージを打ち消す。
「誤チェストにごわす。しかし僕の蹴りを弾くなんて・・・ホント固いんだね。お腹触っていい?」
「どうぞ。お腹なら違うでしょうし」
「もう一発いっとく?」
「失礼しました」
俺の答えに満足したのか、改めて腹筋を触る部長。
すす、と静かにこちらに近寄り、今まさに沸騰している薬缶でも触るのかと言わんばかりの動きで立てた人差し指が迫る。
ちょん、と僅かに触れればそれこそ熱された鉄板でも触ったかのように引っ込める。
俺の見立てでは今ので分かる感触などカッターシャツのそれぐらいなのだが。
なのに部長ときたらそれだけで顔を真っ赤にしている。
「・・・どうでした?」
「・・・固かった」
「そうですか」
多分気のせいですよ。とは言いづらい。
ぽてん、と対面側に改めて座る部長。
そうして俺たちは、残り時間を気まずげに過ごすのだった。
全力で眠ったおかげで先日の眠気を引きずることもなく、極めて良好な健康状態で登校することが出来た。
休むことに全力を尽くすというのも妙な話だが、力の抜き方は知らないやつから潰れていくのだ。
そういう意味ではそう的外れでもないように思える。
「よっ、雄大」
「おー、はよー」
精力的な俺とは対照的に、雄大はぼうっとしたまま動かない。
可哀想に。きっとこやつは受験戦争で追い込みをかけすぎて潰れてしまうことだろう。
友人としてそうなる前に休息のハウツーってやつを教え込んでおかなければ。
「なあ」
「どうした?」
いきなり話しかけてきた雄大に対応する。
ボーッとしたり話し出したりと忙しい奴だ。
「お前さ・・・図書館の女神って知ってる?」
「知らん。図書館の魔女なら知ってる」
「それはそれで気になるが、多分俺とは別の話だな」
ちなみに俺が言ってるのは紫もやしの話である。
「それで? その図書館の女神ってのは何の話だ。何を司ってる」
「別にTRPGの話はしてないし、日本神道の話もしてない。俺がしてるのは現実の話だ」
「現実に存在する時点で女神とは言わんよ」
「お前あれだよな、色々めんどくせえわ」
「うっせ。お前以外にゃ気遣いするわ」
「なんだ友好アピールか? あるいは薔薇営業か?」
「残念ながら俺に男色の気はない」
「俺にもねえよ」
「大体営業して客を寄せようという根性が気に食わん。そこまでしないとファンがつかないなら元より死に体だろう」
「宣伝できた方が信者になってくれる可能性が高まるだろ。母数が増えるんだから」
「そりゃそうだが、露骨に媚びるのもな・・・」
「露骨に媚びなきゃ誰も拾わないのさ。ポテチばかり食べてスルメの良さを忘れてる」
「ほう、その心は?」
「いや別にそういうのはないけど」
「そういうのがないなら比喩表現を使うな」
「後からじわっと来る笑いが一番印象に残る・・・みたいな?」
「え? それは『ちょっとそこ、4、2、0~』みたいな話?」
「そもそもあれ別にじわっと来ないじゃん」
「言っちまったなぁ!? それをぉ!?」
すわ戦争か、という段階で先生が入って来て大事には至らなかった。命拾いしたな。
まあ俺も『図書館の女神』なんて戯言を聞かなくて済んだので、お互い様かもしれないが。
*
授業中、ふっと再燃した厨二心を遺憾なく発揮してノートの端っこに『図書館の魔女』についての設定を書きなぐってみたりした。
予想以上に出来が良いので、暇なときにでも小説にしてネットに投稿してみよう。
そうなると・・・もっと練りこむ必要があるな。
こういうどうでもいい設定を練るのが割と好きなのだ。
設定厨というのだったか。
しかしこうやって設定を組むだけでも段々ストーリーの様なものは浮き上がってくる。最も、これを形にするのが難しいのだろうが。
音楽であれば直感で、半ば適当に演奏しても割となんとかなったりもするのだが、小説は体裁を色々整える必要がある。
「安心院、着替え」
最初に名乗る女神の名前をタナトスに決めた所で、どこの誰とも知れぬ奴から『次は体育だから着替えろよ』と言われた。
いや、というか誰だこいつ・・・。
ああ、懇親カラオケで連絡先交換した奴の一人か。
名前は、伊藤か。相変わらず細高い鼻をしている。
「ああ、そうだったな」
ノートを置いて着替えを始めると、教室に別クラスの男子がなだれ込んでくる。
そのクラスにうちのクラスの女子がなだれ込んでいることだろう。
「いやー、安心院ってムキムキだな」
「本当に。なんだその筋肉は」
「正直服の上からでも何となくわかったけど・・・生で見ると迫力が違うな」
「じゅるり」
おい誰だ、垂涎みたいな反応した奴は。
俺は百合はイケるが薔薇は遠慮してるんだ。
ふレんズとおホモ達は似ているようで全く違うと知れ。
「え、ていうかなんでそんな鍛えてんの? 何部?」
「軽音楽部。理由は・・・義務感、かな」
暇さえあれば筋トレしている俺だが、別に筋トレ自体が好きなわけではない。
単になじみに見合うだけの男になろうと自分を磨いた結果、筋肉の重要性に気付いたのだ。
まずほぼすべてのメンズ服が見栄えよく着れる。
次にいざ脱いだ時の自信が違う。
また、運動において高いパフォーマンスを発揮する。
さらに外見だけで威圧効果があるのでナンパ散らしに最適。
おまけに健康寿命まで延びると来た。
まだまだあるぞ。
だからみんなも筋トレ、しよう!
おっと、しかしもし始めるならきちんと毎日欠かさず続けるんだぞ?
筋肉はね、毎日かまってやらないと拗ねてしまうんです。女と同じですよ。でも女と違うところがある。それはね、裏切らない所ですよ。HAHAHA。
・・・HAッ! まずいな、最近侵食がだいぶ巧妙になってる。
筋肉自体のメリットで論理的逃げ場を作ってきやがる。
「義務感ってなんだよ」
「男らしくありたいってだけさ」
とりあえず彼らを筋肉の闇から守るべく、ここはメリットを並べることはやめておこうと思う。
*
さて、体育であるが。
事前の組み分けによって、俺は野球をすることになる。
ちなみに野球については全く知らない。
そもそもチームを組むような競技を全然していないのだ。サッカーもバレーもバスケも知らない。
なので未経験者枠に行ったのだが、周囲から感じる『その筋肉で未経験は無理でしょ』という視線が痛い。
しかし事実は事実なので鋼の意思でその場にとどまる。視線に負けて経験者枠に行けば恥をかくのは俺だ。
初心者向けの講習を受ければ、腕自体はメキメキ上達した。
そりゃ当然だ。基礎能力、つまりは筋肉が違う。
ボディビルダーの見せるための筋肉ではなく、アスリートの動くため筋肉でもなく、ストリートファイターの戦うための筋肉だ。
汎用性が違う。
まあ一点に絞った機能で言えば勝てやしないのだが。
そういえば最近喧嘩絡みの事してないな。
鈍ってないと良いんだが。
それはそれとして上がった腕は授業内では即戦力だったので野球部連中に次いでの活躍となった。
彼らは文化部に迫られた危機感でより一層練習に励むことだろう。
善哉善哉。
ちなみに他の人たちにアドバイスを請われたときは『筋肉が足りない』だけで済ませた。
実際差なんてそれくらいだし。
*
「とまあ今日あったことなんてそんなもんですよ」
「安心院君は筋肉の伝道師だった・・・?」
そこなのか。
なにやら大胸筋近辺をしげしげと部長に眺められ、俺は少し居心地が悪かった。
放課後。
部室へ行った俺には利根川部長による尋問が行われていた。
曰く、土日の間にしこたま連絡を入れたのに何一つ音沙汰無いのはどういう了見か、とのことだ。
まさか素直に白状するわけにもいかないので適当言ったのだが、その煽りで今日何をしたかまで事細かに聞かれた。
その結果白状した一部が体育の一件である。
なお、図書館の魔女の下りは部長に言っていない。
考えるのは楽しいが、それとこれとは話が別だ。
「安心院君って筋肉質とは思ってたけど、そんなにとはねえ。ちょっと胸の所触ってみてもいい?」
「どうぞー」
多分部長と何も変わらないと思うが。
「チェスト!」
「弁慶ッ!?」
いきなり弁慶の泣き所を足刀で打ち抜かれた俺はかつてない断末魔を上げた。
筋肉にも死角はあるのだ。
「な、なぜ・・・」
「ふんっ! 僕の前で失礼なこと考えるからさ」
「失礼な事なんて何も・・・」
「じゃあ何考えてたのか言ってごらんよ」
「『板』具合で言えば胸もまなも似たようなものかと」
「キャオラッ!」
「烈ッ!?」
綺麗な水月蹴りであった。
しかし狙いがそれたのか、頑健な腹筋がダメージを打ち消す。
「誤チェストにごわす。しかし僕の蹴りを弾くなんて・・・ホント固いんだね。お腹触っていい?」
「どうぞ。お腹なら違うでしょうし」
「もう一発いっとく?」
「失礼しました」
俺の答えに満足したのか、改めて腹筋を触る部長。
すす、と静かにこちらに近寄り、今まさに沸騰している薬缶でも触るのかと言わんばかりの動きで立てた人差し指が迫る。
ちょん、と僅かに触れればそれこそ熱された鉄板でも触ったかのように引っ込める。
俺の見立てでは今ので分かる感触などカッターシャツのそれぐらいなのだが。
なのに部長ときたらそれだけで顔を真っ赤にしている。
「・・・どうでした?」
「・・・固かった」
「そうですか」
多分気のせいですよ。とは言いづらい。
ぽてん、と対面側に改めて座る部長。
そうして俺たちは、残り時間を気まずげに過ごすのだった。
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