幼馴染でマジカルなアレが固くなる

余るガム

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第二部 高校生編

溜息すると幸せが逃げると言える奴の脳内は幸せだと思うよ ♡

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「あっ・・・今日は」
「なじみがする、だろ? でも悪いな。こっちが我慢できないわ」

 少し拗ねたような表情で睨んでくるなじみ。
 正直全く怖くない。むしろ可愛いまである。

「むー・・・まあ、でも交換条件ね」
「条件?」

 なぜか『こそこそ』と言った感じでなじみが囁く。

「私の全部・・・ドロドロにすること」

 発情故か羞恥故か、顔を真っ赤に紅潮させ、所在なさげに視線を逸らすなじみ。
 しかしチラチラと向けられる視線には強い期待が感じ取られる。

「大丈夫」

 俺はその期待の全てに応え。

「そんなこと言わなくても」

 そしてその期待を超えることを決意した。

「もう俺以外見れないって所までドロドロにしてやるよ」
「んふっ」

 小さく零れる息はさしずめ押し殺し損ねた笑い。
 まるでいたずらっ子が会心の悪戯の成就を空想して漏らす様な、小さく、しかし強い笑み。

 ちゅ・・・。

 とても静かにキスをした。
 音こそ鳴ったが、啄む様な軽いキスだ。

 そうしてお互いを再確認して、俺たちの行為は始まった。



 さて。
 とりあえず今のお互いの服装を確認しよう。

 まず俺。
 学校から帰ってすぐのために制服だ。
 まだ五月も半ばという事で長袖のワイシャツにネクタイ、夏用ズボンといった合服を着用している。その内ネクタイと長い袖がない夏服に移行するだろうが、それはもう少し先の話だ。

 次になじみ。
 どうやら帰宅からそこそこ時間が経っているらしく、既に制服ではない。
 上下ともに長尺ではあるものの生地は薄く、濡れれば容易く透けてしまうだろう。構造にも遊びが散見され、体を動かしやすい、非常にラフな装いである。
 しかし胸元などはぴっちりと閉ざされており、彼女の身持ちの固さがうかがえる。
 では制服どこかと視線で探れば、壁に掛けてあるらしい。

んむ・・・?
なんかあの壁・・・。

「ケーくん?」

 呼びかけるなじみの声で我に返る。
 今はとりあえずなじみに集中だ。

「なじみ、脱がすぞ・・・」
「ん・・・」

 ズボンのゴム部分から指を滑り込ませ、上半身をゆっくりと脱がしていく。
 シャツを着ていなかったらしく、すべすべのお腹を指が撫で上げる。

「ふああっ」

 くすぐったいのか、それとも感じてしまったのか。
 甘い声がなじみから上がる。

 硬いブラの表面を沿うように手を動かせば、促されたなじみが両腕を挙げて上半身が下着姿になる。
 トップスを腕から抜く前に俺の手が止まってしまった。

 そこにあったブラは、ハーフカップ。

 普段のバストの形状維持を主体にしているものとはまさしく次元の違う露出。
 G70の巨大なブラにみっしりと詰まった豊満なバストから生まれる渓谷の如き谷間を惜しげもなく晒す姿は、まさに『華』。

 そしてその華は、俺のためだけに咲いている。

 今だけではない。未来永劫、枯れ果てるその時までか、あるいは枯れ果てた後も。

「これって・・・」
「うん、この前ケーくんとランジェリーショップ行った時に買ったやつ」

 あの時は俺と言うより微と行ったんだと思うが、口には出すまい。
 目に見えた地雷原に突っ込むほどの蛮勇なんざ持ち合わせちゃいないのさ。

「ケーくんとね、エッチするためだけに買った下着だよ」

 そんな事を言われては男として興奮せざるを得ない。

 まだ両腕を突っ込まれたままのトップスを放置してボトムスを下着を残してズリ下げる。

 ショーツもまた、普段とは違っていた。
 明らかに布地が少ないが・・・それは決して下品ではなく、むしろエロスを含有した芸術性すら感じ取れる。
 というか普段の布地が多いだけで、若年層の女性の主流はこれぐらいなのではないだろうか。そんな相場は知らないが。

 色気のない下着こそ、そそるものがあると俺は思う。日常の中から切り出された印象を受けるそれらの生々しさ故だ。
 しかしこういった特別な下着もまた非日常感が強く、それはそれでいとおかし。

「見られちゃった、ね・・・」

 なじみは顔を更に赤らめ、目を逸らして言う。

「ねえ、ケーくんも脱いで。私だけ下着姿なんて恥ずかしい」
「あ、ああ・・・」

 俺はなじみの言葉に促されてパンイチになる。

 なじみに脱がして貰おうとも思ったが、なじみは中途半端に脱がされた自らの服で拘束されている。
 この状態で服を脱がして貰うのは難しいだろう。

 というかなじみはなんでその状態から脱そうとしないのか。

「なじみ、お前動ける?」
「え? そりゃあ・・・」

 しばらくもぞもぞと動いて。

「・・・」
「・・・」
「・・・わー、ケーくんこれ動けないかもー」

 見事なほどの棒読みだった。

 当然である。
 先述もしたが、なじみが今着ているのは部屋着。
 構造には遊びが多く、生地自体も伸縮性に富んでいる。
 いくら他人に中途半端に脱がされたからとて、意図せず完全に拘束されるなどありえない。

 なのでこれは。

「これじゃーケーくんに何されても動けないなー」

 なじみによる。

「どれだけめちゃくちゃにされても抵抗一つできないなー」

 ただの。

「でもどれだけドロドロにされても私は全然オッケーなんだけどなー」

 拘束イメージプレイの誘いである。

「・・・じゃあ、俺はこの機に乗じてなじみを滅茶苦茶にしないとな」
「うん、そうして」

 さて。
この状況の場合、最初に手を出すべきはどこだろうか。

 別にいつも通りの全身愛撫から始めてもいいのだが、それも少々芸がない。
 嘘が苦手ななじみがせっかく自分からこういう状況を作ったのだから、どうせならいつもと違うテイストで責めたい所。

 しばし逡巡して最初の一手を決めた俺は、陰茎に血液と超能力を注ぎ込んで準備を整える。
 爆発的に膨張した陰茎はそのまま俺のトランクスのボタンを弾き飛ばし、その威容を晒した。

 うっすらピンクのオーラに包まれているのは俺の目の錯覚だろうか。
 我が愚息をみてなじみが一層の発情をしたのは確信できるが。

「じゃあ・・・」
「うん・・・」

 口数も少なく言い交した後、なじみの脚の間へ・・・行くと見せかけて、全身をなじみの顔側に大きく移動させる。

 ちょうど胸元あたりで馬乗りになる形。

 心なしかなじみも意外そうな顔だ。

「ケーくん?」
「ん、こういう感じは初めてだろ?」

 なじみが是と答える前。
 みっしりと詰まったブラジャーの中の柔肉の中へと、陰茎を沈める。

 そう、馬乗りパイズリの構えである。

 Gカップの両側からブラジャーごと陰茎に押し付け、腰を前後に動かす。
 初めてしばらくはすべすべの肌とプルプルの胸の感触しかなく、征服感こそあるものの気持ちよくはなかった。

「ケーくんのが私のおっぱいに出たり入ったり・・・」

 なじみは何度も眼前に突き出される亀頭にうっとりと見入っている。

「ね、ケーくん。深く差したまま少し止めて」

 その言葉に応じて一際強く腰を差し込んだ時、なじみは行動を起こす。

「すんっ」

 顔を亀頭に近づけ、大きく息を吸い込んだ。
 鈴口から覗く我慢汁の匂いと、陰茎全体を覆うどぎついピンク色のオーラが、小ぶりな鼻に吸い込まれていく。

 いや今なんか余計なものまで。

「~~~ッ!!」

 その思考が思考として結実するより早く、なじみの体が跳ねた。
 馬乗りになっているからいいが、そうでなければ一瞬ベッドから浮き上がっていただろうと思う程に大きく。

 足は斜め45度でピンと伸ばされ、時々痙攣する腰は明らかに快楽を逃がそうとしている。
 離れたここからでも『ぷしゅッ』と愛液を噴く音が聞こえそうだ。

 目は大きく見開かれたまましばらく硬直し、やがて脱力して息を吐く。

 ふう、と細長く吐き出された息は亀頭にぶつかり、背筋をぞわぞわさせる様な快感を生んだ。

「凄い・・・」

 なじみは呆然と呟く。

「においだけで、イっちゃったぁ・・・」

 恍惚、という単語を辞書で引いたら今のなじみの顔が出てきても可笑しくない。
 それほどまでに蕩け切った表情だった。

 しかし匂いの他に超常っぽいものが吸い込まれていくのを見ている身としては少々複雑である。

 そんな消化し難い感情を抱えていると、何かがドクンと脈打った。
 俺ではない。

 拍動の根源はなじみの心臓だった。

 それが陰茎を通して俺に伝わっているのだ。

 脈動はドンドン大きくなり、体温はそれに比例して上昇していく。
 高まる体温はそのまま発汗に繋がり、なじみの全身がいつも以上にしっとりしていく。
 とくれば肉と肉が合わさり密閉空間となっている胸の谷間など、温度も湿度も急上昇。
 体温と同じく血圧も上がり、なじみの乳首はブラの上からでも分かる程に勃起し、乳房全体すら膨張したように感じる。

 そこに挟まっている俺の陰茎は急激に締め付けられ、突如トロトロに変貌した乳内に迷い込む。
 大きな拍動の度にそのすべてがふるりと揺れ、新鮮な快楽を届けてくる。

 つい先ほどまで征服欲しか満たされなかった谷間は、即座に『性器』と呼べるだけの快楽供給器官に生まれ変わった。

 想定外の進化で心の準備が出来ておらず、理性に制御し切られる前に体が快楽を求めて腰を振り出したのは、もはや必定と言えよう。

「これ・・・凄い・・・んぅ、ケーくん・・・わた、しのおっぱい、気持ちい?」

 この行為。
 当然ながら女性側に快楽はない。
 そりゃ相当続ければその内開発されていくのかもしれないが、今日が初めてというなじみにとってはあるはずがない。

 にもかかわらず、腰を前後させるたびになじみは小さく喘ぎ、明らかに感じている。

「ああ・・・気持ち、いいぞ」
「えへへ・・・私ね、今なんか変な感じなの」

 生物として、人間としての充足を極めたと言わんばかりだ。
 しかしその『変な感じ』というのは少々気になる。究極的には現状の体勢が変なのだし、もし精神的に忌避感があると言うならすぐやめるべきだが・・・いや、拘束している体なのだから別にいいのか? いやいやそういう事じゃないだろ・・・

「変って、どんな風に?」
「なんだかね、体が生まれ変わっていく感じ。蝶ヶ崎なじみっていう一個人が死んで、ケーくんの付属品になっていくの。ケーくんを気持ちよくするために、私の全部が再構築されてる気分」

 ほう。
 一つの溜息。

「ダメだよぉ・・・こんなの、私・・・」

 また吐かれる溜息。
 少し間をおいて、もう一度。
 それよりわずかに近く、もう一度。

「頭、おかしくなっちゃう」

 連続して吐かれるため息は継ぎ目が見つからず、紅潮した顔も合わせれば発情しているようにしか見えない。

 しかし瞳の中の恐怖がそれを発情ではないと証明する。

「ケーくんの付属品になったら、私」

 泣きそうな顔で、実際涙目だ。
 そんな悲哀に満ちた表情で、なじみは続ける。

「幸せ過ぎて、死んじゃう」

 過呼吸の様に聞こえる溜息。
 そう、それはあくまで溜息だ。

 なじみは今、逃がしている。

 溜息で。
 溜息を連発することで、自分に降り注ぐ『それ』を逃がしている。

 そうしないと、過剰に供給される『それ』で死んでしまうから。
 否、『それ』が供給されなくなった時、死んでしまうから。

 溜息を吐くと、逃げる物。

 人はそれを、『幸福』と呼ぶ。
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