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第二部 高校生編
そりゃ嫁の方が大事だからね ♡
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なじみが俺を誘導したのは階段の後ろ側だ。
どうやら設計の都合上空洞になっている部分が在るらしく、そこへ入り込む形らしい。
その空洞を活かして外へと直通の大きめのドアが設置されている以外は何もなく、また立地やドアの風体から見てほとんど・・・ここ数カ月は一度も使われていないようだ。一年一学期であるため、入学から誰も使っていないのかもしれない。
つまりは、人目を避ける最高のスポットの一つという訳である。
「へえ、こんなところあったんだな」
「部内の機材を確認した後に探したの。息抜き用にね」
「そういえば随分澄ましてたな?」
「あっ、あれは他の部員遠ざけるためだもん! 集中したいのに話しかけてきてうるさいから・・・」
「へー、じゃあ俺が尋ねてきたのも集中を乱す五月蠅い騒音だった?」
「ケーくんは別! だって私ケーくんの、声も・・・好き、だから」
ちょっとずつ先細りしながら、それでもボソボソと好意を伝えてくれるなじみには、やはりこちらも愛情しか抱けない。
「ああもう・・・可愛いなあ、なじみは」
人目につかないのを良い事に、なじみの柔らかく、しかし華奢な体を抱き寄せる。
稲穂の様に容易く、たおやかにこちらへ体重を預けるなじみ。
本来、制服というのは体のラインが出るものではない。
しかしなじみほどに高校生離れしたスタイルを持つ人間からすれば関係ない事のようで、ブラウスで覆ってなお突き出している胸が俺の体に押し付けられる。
二重三重の被服によって本来の柔らかさは感じられないが、この重量感だけで至福の時だ。
「んっ・・・」
なじみがくぐもる様な声を出して、腕を背中に回してきた。
それに応じて俺もなじみの腰に腕を回す。
「ここ、学校だね・・・」
「そうだな」
「誰かきたら、噂されちゃうかな」
「今更だろ」
「・・・したい?」
「したい。でも今は」
腕を一気に上げ、なじみの頭蓋を上向きに持ち上げる。
そしてふるりと揺れる唇にキスをした。
「これで我慢する」
「ケーくんズルい・・・なんか私がやらしい子みたいじゃん」
「学校であんな風に誘ってくる時点でやらしい子だよ、お前は」
「違うもん」
顔を俺の胸板に埋め、なじみがぼそりと呟く。
「私がやらしいの、ケーくんだけ、だもん」
ふう、やれやれ。
「なじみ」
「何?」
「ちょっと今日部活早退できる?」
「え? ・・・データの保存とかしたら、別にできるけど・・・」
「じゃあ、今日はちょっと早く帰ろうか」
俺の提案の意味をなじみは察したのだろう。顔を真っ赤にして、期待に染まった笑顔で。
「わかった。3分後に昇降口ね」
*
男の少年の違いで、最も的確なものを一つ挙げよ。
このアイデンティティへの問いかけに対して聞いたことがある中で一番説得力を感じたのは『玩具の値段』という回答だった。
三つ子の魂百まで、ともいうが、要するに男という生物は男が思っている以上に単純に出来ているという話をしたいわけである。
ではなぜ今そんなことを話すのか、という点については、この話を今の俺は物凄く実感しているからだ。
「♪~」
小さく鼻歌まで歌う程上機嫌ななじみ。
そしてその手を恋人繋ぎで握る俺。
肉を感じないのに柔らかく、骨を感じないのにしっかりしている。
指など擦れ合うたびに悦びが生まれ、掌はもう二人の手汗でじっとりと蒸れていた。
外面こそ『純情な高校生カップル』という風体を保っているが、恋人繋ぎすら前戯の一環となり果てている。
ちょっと前にこの掌をべろべろと舐め回した俺だが、正直キモかったな~と反省していた。
しかし現時点では既にもう一回舐めたいくらいだった。あの反省も所詮は賢者タイムの産物だったというわけよ。
普段から何度も何度も歩いている通学路だというのに、なじみと一緒であるというだけでこの幸福感だ。まこと、男とは単純なものである。
歩くスピードは普段の半分以下。お互いがお互いの歩幅に合わせているのだから当然だ。
この時間が長く続いて欲しいという心理も働いての事だろうが、同時に早く家に着いてしまいたいという気持ちもある。
俺史上、一二を争う葛藤がここにある。対抗は渡辺およびその背後組織を信用するかどうか。
「あ」
俺は一言漏らしてなじみの腕を引く。
なじみが俺の腕の中に納まったところで、先ほどまでなじみが居た所を自転車が通過していく。すれ違い際の舌打ちが最高に心地よい。
ふと視線を下に向ければ、ふにゃふにゃになったなじみの赤ら顔。
繋いでいた手を放してなじみの腰に持っていき歩を速める。
無心で歩み続ければ自宅はすぐそこだ。
ちょうど来ていたエレベーターに乗り込み、階層を上がっていく。高層に住んでいるわけでもないので階段の方が速かったかもしれない。
しかしポケットを漁って鍵を取り出すぐらいの時間は出来たので良しとしよう。
鍵を片手に準備して廊下を歩き、部屋のドアを迅速に開ける。腕に抱き寄せるなじみを中へ招き入れ、自分も入って鍵を閉める。
ここまでの帰り道で既にお互いのテンションは十分。
淫蕩な笑顔でキスをせがむなじみに応えて、頭ごと抱き寄せ、唇を合わせる。
相も変わらずぷるぷると潤いに満ちた唇。整列した純白の歯。少し長く、柔らかい舌。甘味すら感じるヌルヌルの唾液。
細められた瞳は興奮に潤み、悩まし気に歪む眉は期待と不安に彩られている。
それらすべてが混ざり合い、幸福感となって二人の脳を焼く。
ぷあ、と唇が離れたときには、二人とも上半身がはだけていた。
自らでも気づかぬうちに相手の衣服を脱がせていたのだ。
気づいてしまえば歯止めは効かない。
熟練者の滑らかな手つきでお互いの服が剥かれていく。
手が止まったのは、二人とも下着のみになった時だった。
なじみはいつもの通り、こんなスタイルからは想像もできないほど地味な下着だ。本来ならもっと『攻めた』下着が似合うと思うのだが、白のフルカップでは堅実が過ぎる。
とはいえ夏服の期間ではブラ紐が透けてしまう為、勝負にイケる様な下着など誰も着用していないのだが。
ちなみにニーソは着けている。単純に自然な流れで脱がせられなかった。
あとベッドに向かいながら脱がせ合ったので、廊下に衣服が散乱しているがこの際無視だ。
二人一緒にベッドの中に倒れ込んで、その勢いのままにキス。
歯がぶつかって小気味よい音を奏でた。
思い返せば六歳の頃からずっとキスをしてきた。
もはや俺たちの間では『おねだり』の合図として定着しつつあり、その後に本領が待っているという前菜の様な扱いの行為である。しかしやはりその前菜自体に味わいが無いわけではない。後のメインディッシュに印象を食われているだけで、キスだって十分に心地よい。
いきり立った肉棒をなじみの鼠径部に押し付けつつ、押し付けられるなじみの胸を受け入れる。
キスの方は首に任せ、両腕と両足はなじみの体を引き寄せるのに使う。なじみも同じような四肢の動かし方をしているので、お互いの体はドンドン密着していく。
キスだけで上がり切ったテンションがお互いの体温でわかる。
火照り、汗ばんだ体は火傷しそうに熱く、しかしより密着して火傷しようと体が動く。
火傷するには、下着が邪魔だ。
考えるより早くその事実に至った体は既になじみの下着を奪い取ってベッドの外へ放り出す。俺のパンツもなじみが取り払って同じ様に放り出した。
ベッドの上で横並びになって見つめ合い、お互いが裸な事を確認したら、後は早かった。
体をズリズリと寄せ合って、パズルのピースがハマるのと同じくらい自然に、俺たちは一つになった。
口と、性器で。
なじみから溢れる快楽を喘ぎ声をキスで塗りつぶし、明滅する瞳をしっかりと凝視しながら続ける。
とはいえ横並びなのでそこまで大きな動きはなく、密着した状態で体を揺するぐらいだ。
キスしているから抑えられているが、していなければそこそこの・・・具体的には微に聞こえるくらいの嬌声が響いただろうぐらいの快楽はある様なので、これぐらいでも十分。
酸素を求めて口を話した時にはなじみの絶頂カウントは10を超えていた。
しかしまだまだ終わらない。絶頂10回なんて序盤も良いところだ。それはなじみも重々承知している。既に適応し楽しめるだけのキャパシティを持っているのは彼女の才覚か努力の賜物か。
ぐいっと体を持ち上げ、今度は正常位に移行する。
「なじみ」
「な、に・・・?」
「まだ、夕方だな」
「うん・・・」
それだけで全てを察したなじみは口角を上げ、おねだりした。
「ケーくんの精液、いっぱいいっぱい、くださいな」
*
「だから悪かったって。なんか良い感じに盛り上がっちゃんだよ」
『なんでダブルデートの是非を聞くだけでCまで盛り上がり切るんだ』
「いや、是非の方はまだ聞いてないけど」
『さらに意味わからん。用件を伝える前の世間話で最後まで行く事ってある?』
「しょうがないだろ可愛かったんだから。俺が居るなら天真爛漫なのにいなかったら敬語で回り遠ざけるとかこんなもん襲ってしかるべきだろ」
『しらねーよ・・・まあ、お前らの仲が良好なら、こっちとしては安心か。例えつまらなくても楽し気な連中が一緒に居るだけで楽しくなるもんだからな』
「その通りだ。つまりこれはお前に俺たちがダブルデートに付き合うだけの円満さがある事の証明という訳だな」
『後付けってことがゆっくり実況よりわかる』
「ゆっくり実況ってなんだよ」
『・・・まあ、知らんなら知らんでいいが』
ちなみに起きたなじみに聞いてみたら、『ケーくんが居るなら何でもいい』という予想通りの解答を貰った。
キスした。
どうやら設計の都合上空洞になっている部分が在るらしく、そこへ入り込む形らしい。
その空洞を活かして外へと直通の大きめのドアが設置されている以外は何もなく、また立地やドアの風体から見てほとんど・・・ここ数カ月は一度も使われていないようだ。一年一学期であるため、入学から誰も使っていないのかもしれない。
つまりは、人目を避ける最高のスポットの一つという訳である。
「へえ、こんなところあったんだな」
「部内の機材を確認した後に探したの。息抜き用にね」
「そういえば随分澄ましてたな?」
「あっ、あれは他の部員遠ざけるためだもん! 集中したいのに話しかけてきてうるさいから・・・」
「へー、じゃあ俺が尋ねてきたのも集中を乱す五月蠅い騒音だった?」
「ケーくんは別! だって私ケーくんの、声も・・・好き、だから」
ちょっとずつ先細りしながら、それでもボソボソと好意を伝えてくれるなじみには、やはりこちらも愛情しか抱けない。
「ああもう・・・可愛いなあ、なじみは」
人目につかないのを良い事に、なじみの柔らかく、しかし華奢な体を抱き寄せる。
稲穂の様に容易く、たおやかにこちらへ体重を預けるなじみ。
本来、制服というのは体のラインが出るものではない。
しかしなじみほどに高校生離れしたスタイルを持つ人間からすれば関係ない事のようで、ブラウスで覆ってなお突き出している胸が俺の体に押し付けられる。
二重三重の被服によって本来の柔らかさは感じられないが、この重量感だけで至福の時だ。
「んっ・・・」
なじみがくぐもる様な声を出して、腕を背中に回してきた。
それに応じて俺もなじみの腰に腕を回す。
「ここ、学校だね・・・」
「そうだな」
「誰かきたら、噂されちゃうかな」
「今更だろ」
「・・・したい?」
「したい。でも今は」
腕を一気に上げ、なじみの頭蓋を上向きに持ち上げる。
そしてふるりと揺れる唇にキスをした。
「これで我慢する」
「ケーくんズルい・・・なんか私がやらしい子みたいじゃん」
「学校であんな風に誘ってくる時点でやらしい子だよ、お前は」
「違うもん」
顔を俺の胸板に埋め、なじみがぼそりと呟く。
「私がやらしいの、ケーくんだけ、だもん」
ふう、やれやれ。
「なじみ」
「何?」
「ちょっと今日部活早退できる?」
「え? ・・・データの保存とかしたら、別にできるけど・・・」
「じゃあ、今日はちょっと早く帰ろうか」
俺の提案の意味をなじみは察したのだろう。顔を真っ赤にして、期待に染まった笑顔で。
「わかった。3分後に昇降口ね」
*
男の少年の違いで、最も的確なものを一つ挙げよ。
このアイデンティティへの問いかけに対して聞いたことがある中で一番説得力を感じたのは『玩具の値段』という回答だった。
三つ子の魂百まで、ともいうが、要するに男という生物は男が思っている以上に単純に出来ているという話をしたいわけである。
ではなぜ今そんなことを話すのか、という点については、この話を今の俺は物凄く実感しているからだ。
「♪~」
小さく鼻歌まで歌う程上機嫌ななじみ。
そしてその手を恋人繋ぎで握る俺。
肉を感じないのに柔らかく、骨を感じないのにしっかりしている。
指など擦れ合うたびに悦びが生まれ、掌はもう二人の手汗でじっとりと蒸れていた。
外面こそ『純情な高校生カップル』という風体を保っているが、恋人繋ぎすら前戯の一環となり果てている。
ちょっと前にこの掌をべろべろと舐め回した俺だが、正直キモかったな~と反省していた。
しかし現時点では既にもう一回舐めたいくらいだった。あの反省も所詮は賢者タイムの産物だったというわけよ。
普段から何度も何度も歩いている通学路だというのに、なじみと一緒であるというだけでこの幸福感だ。まこと、男とは単純なものである。
歩くスピードは普段の半分以下。お互いがお互いの歩幅に合わせているのだから当然だ。
この時間が長く続いて欲しいという心理も働いての事だろうが、同時に早く家に着いてしまいたいという気持ちもある。
俺史上、一二を争う葛藤がここにある。対抗は渡辺およびその背後組織を信用するかどうか。
「あ」
俺は一言漏らしてなじみの腕を引く。
なじみが俺の腕の中に納まったところで、先ほどまでなじみが居た所を自転車が通過していく。すれ違い際の舌打ちが最高に心地よい。
ふと視線を下に向ければ、ふにゃふにゃになったなじみの赤ら顔。
繋いでいた手を放してなじみの腰に持っていき歩を速める。
無心で歩み続ければ自宅はすぐそこだ。
ちょうど来ていたエレベーターに乗り込み、階層を上がっていく。高層に住んでいるわけでもないので階段の方が速かったかもしれない。
しかしポケットを漁って鍵を取り出すぐらいの時間は出来たので良しとしよう。
鍵を片手に準備して廊下を歩き、部屋のドアを迅速に開ける。腕に抱き寄せるなじみを中へ招き入れ、自分も入って鍵を閉める。
ここまでの帰り道で既にお互いのテンションは十分。
淫蕩な笑顔でキスをせがむなじみに応えて、頭ごと抱き寄せ、唇を合わせる。
相も変わらずぷるぷると潤いに満ちた唇。整列した純白の歯。少し長く、柔らかい舌。甘味すら感じるヌルヌルの唾液。
細められた瞳は興奮に潤み、悩まし気に歪む眉は期待と不安に彩られている。
それらすべてが混ざり合い、幸福感となって二人の脳を焼く。
ぷあ、と唇が離れたときには、二人とも上半身がはだけていた。
自らでも気づかぬうちに相手の衣服を脱がせていたのだ。
気づいてしまえば歯止めは効かない。
熟練者の滑らかな手つきでお互いの服が剥かれていく。
手が止まったのは、二人とも下着のみになった時だった。
なじみはいつもの通り、こんなスタイルからは想像もできないほど地味な下着だ。本来ならもっと『攻めた』下着が似合うと思うのだが、白のフルカップでは堅実が過ぎる。
とはいえ夏服の期間ではブラ紐が透けてしまう為、勝負にイケる様な下着など誰も着用していないのだが。
ちなみにニーソは着けている。単純に自然な流れで脱がせられなかった。
あとベッドに向かいながら脱がせ合ったので、廊下に衣服が散乱しているがこの際無視だ。
二人一緒にベッドの中に倒れ込んで、その勢いのままにキス。
歯がぶつかって小気味よい音を奏でた。
思い返せば六歳の頃からずっとキスをしてきた。
もはや俺たちの間では『おねだり』の合図として定着しつつあり、その後に本領が待っているという前菜の様な扱いの行為である。しかしやはりその前菜自体に味わいが無いわけではない。後のメインディッシュに印象を食われているだけで、キスだって十分に心地よい。
いきり立った肉棒をなじみの鼠径部に押し付けつつ、押し付けられるなじみの胸を受け入れる。
キスの方は首に任せ、両腕と両足はなじみの体を引き寄せるのに使う。なじみも同じような四肢の動かし方をしているので、お互いの体はドンドン密着していく。
キスだけで上がり切ったテンションがお互いの体温でわかる。
火照り、汗ばんだ体は火傷しそうに熱く、しかしより密着して火傷しようと体が動く。
火傷するには、下着が邪魔だ。
考えるより早くその事実に至った体は既になじみの下着を奪い取ってベッドの外へ放り出す。俺のパンツもなじみが取り払って同じ様に放り出した。
ベッドの上で横並びになって見つめ合い、お互いが裸な事を確認したら、後は早かった。
体をズリズリと寄せ合って、パズルのピースがハマるのと同じくらい自然に、俺たちは一つになった。
口と、性器で。
なじみから溢れる快楽を喘ぎ声をキスで塗りつぶし、明滅する瞳をしっかりと凝視しながら続ける。
とはいえ横並びなのでそこまで大きな動きはなく、密着した状態で体を揺するぐらいだ。
キスしているから抑えられているが、していなければそこそこの・・・具体的には微に聞こえるくらいの嬌声が響いただろうぐらいの快楽はある様なので、これぐらいでも十分。
酸素を求めて口を話した時にはなじみの絶頂カウントは10を超えていた。
しかしまだまだ終わらない。絶頂10回なんて序盤も良いところだ。それはなじみも重々承知している。既に適応し楽しめるだけのキャパシティを持っているのは彼女の才覚か努力の賜物か。
ぐいっと体を持ち上げ、今度は正常位に移行する。
「なじみ」
「な、に・・・?」
「まだ、夕方だな」
「うん・・・」
それだけで全てを察したなじみは口角を上げ、おねだりした。
「ケーくんの精液、いっぱいいっぱい、くださいな」
*
「だから悪かったって。なんか良い感じに盛り上がっちゃんだよ」
『なんでダブルデートの是非を聞くだけでCまで盛り上がり切るんだ』
「いや、是非の方はまだ聞いてないけど」
『さらに意味わからん。用件を伝える前の世間話で最後まで行く事ってある?』
「しょうがないだろ可愛かったんだから。俺が居るなら天真爛漫なのにいなかったら敬語で回り遠ざけるとかこんなもん襲ってしかるべきだろ」
『しらねーよ・・・まあ、お前らの仲が良好なら、こっちとしては安心か。例えつまらなくても楽し気な連中が一緒に居るだけで楽しくなるもんだからな』
「その通りだ。つまりこれはお前に俺たちがダブルデートに付き合うだけの円満さがある事の証明という訳だな」
『後付けってことがゆっくり実況よりわかる』
「ゆっくり実況ってなんだよ」
『・・・まあ、知らんなら知らんでいいが』
ちなみに起きたなじみに聞いてみたら、『ケーくんが居るなら何でもいい』という予想通りの解答を貰った。
キスした。
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