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第二部 高校生編
実家に荷物取りに行くだけでこの始末よ
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一人暮らしした方が効率が良いとはいえ、それも境界線ぎりぎりの話である。
実家へ戻るのにそこまでの手間はかからないしそれなりに慣れ親しんだ道だ。デートと言うには雰囲気やら意外性やら、そういうのが全く足りない。
しかし微としてはそれでもいいのだ。
新しい刺激が嫌いな彼女は基本的に安心感を求めている。雰囲気も意外性も彼女からすれば不純物か害悪である。
「変わらないわね、この辺も」
「もう2年か。久しぶりなのに変わらないというのはどんな気分だ?」
「・・・正直、少し変わっていて欲しかったような気もするわ」
俺が歩き出すのに釣られる様に、俺の後ろを隠れるようについてくる微。
普段の堂々とした態度とは真逆だが、彼女に多くの傷をつけた土地であり、ある意味トラウマの温床みたいな場所では流石に委縮するのだろう。
変化があれば、その委縮もいくらかマシなものだったのだろうが。
大丈夫だという代わりに、微の手を握る。
普段から体温は低めだが、更に冷たく、少し震えてもいる。
きゅ、と弱々しく握られる手だが、後ろに回しているので少し体勢的にしんどい。言う訳にもいかないので我慢するが。
やがて微の家に着く。元よりここを目指していたのだから辿り着かない方が困るのだが、微からすれば複雑であろう。
「そんなにしんどいなら来なけりゃよかったろうに。別におさがりなんて言わなくても」
「ダメよ。あの子が楽しんでないと、こっちもなんかやりづらいわ」
そういうもんかね。なじみといると庇護欲を煽られる感じは確かにわかるけど。
微は意を決したようにインターホンに指を伸ばし・・・押すことなくひっこめた。
「そういえば連絡とかしたのか?」
「いえ、時間が無かったから。んー、まあ良いわよね。別に」
そういうと鞄から鍵を取りだし、勝手知ったると言わんばかりにドアの鍵を開ける。
「・・・」
「任せろ。10人消すのに2秒あれば釣りがくる」
割と冗談抜きで。
そういえば時々言ってるけど、実際にそういう場面になったら俺ってちゃんとやれるんだろうか。童貞って普段は強気に色々言ってるけど、いざ実際にするってなると一気に委縮するし、それと同じようなものかもしれんな。
・・・あとで渡辺に頼んで試してみるか。要らないって言ってたし、割と安く譲ってくれるかもしれない。
俺を盾にしたまま、微が家の中を進む。
「あ・・・微・・・」
俺のものではない男の声。
視界の外でもはっきりと分かる程、高速で微がそちらへ振り向く。
「そ、その男の子は・・・」
「お久しぶりでございます。私は私立鷹弓高校1年図書委員、安心院傾でございます。仁科先輩におかれましては、図書委員の仕事で大変お世話になっております。本日は先輩が実家から荷物を運搬するという事で、普段手伝っていただいているお仕事のお礼と言っては何ですが、男手を貸し出そうと名乗り出た次第であります」
「え? ああ、うん」
怒涛の謎敬語ラッシュでたじたじになる中、微が話し出す。
「いくわよ、安心院君」
ぐいっと引っ張られ、微の部屋へと引きずり込まれる。
そういえばなぜ彼は平日の昼間にこんなところにいるんだ? 仕事はどうした仕事は。
まあいい、今は微だ。
病的なまでにドアのカギを確認し、後付けの南京錠と閂を掛け、複数回部屋を見回してから、微はようやく落ち着いた。
カタカタ・・・。
「ほれ微、おいで」
小さく震える微に、両手を伸ばして呼びかける。
ふらりと倒れ込むように抱き着いてきて、勢いの余り後ろ向きに倒れてしまいそうだ。
さて、彼女のトラウマの原点はこの家である。
今でこそ気弱で家庭に居場所がなさそうなあの微の父親であるが、実はああなったのはここ4,5年の話なのだ。
それまではバリバリのエリート会社員で収入も多く、しかし誠実で謙虚という理想的な父親だった。
理由までは知らないが、彼は過度のストレスにさらされて、娘である微を強姦しかけた。若き日の妻の面影を残し、しかし凌駕する顔と体。そして父親と娘という上下関係。まあ、切れてしまうだけの事はあるんじゃないだろうか。
その刹那、彼女の中の人体破壊の才能が覚醒した。
力加減というものが分からなかった当時の微は全力で歪みに拳打を叩き込み、爆発した恐怖は何十発という連撃を実現させる。
一般的に知られる急所への攻撃と比べ、費用対効果は2倍前後。少女の細腕でも十分致命の連撃だった。
最も恐ろしいのは『後遺症の類が一切なく、ただ痛いだけ』という点であっただろう。熟達した今ならその辺りも自在なのだが、当時はそういう訳でもなかった。
そんなわけで彼女の貞操は守られたわけだが、実の父親に強姦されかけた恐怖は彼女の中に留まり・・・しかしだからこそ、彼女は暴力の確実さを痛感して今に至る。
娘に易々と撃退されて父親は委縮状態になってしまったという、割と複雑な家庭なのだ。
何よりも複雑なのは、外側から見た時普通な家族に見える点である。実際、俺も微に相談されるまでいい家庭に育っているように思っていた。なにせ行動の随所に育ちの良さが散見されるのだから。『水着を借りたい』なんてお願いの為に、こうしてトラウマを押してまで実家に帰るあたりもお人好しである。
まあ、それでも彼女は不安がって、俺という保険を連れてきたわけであるが。
普段は俺の方から抱きしめるなど、なじみの手前ありえないが・・・今日ばかりは良いだろう。なじみの為に頑張ってくれたわけであるし、ここまで疲弊しているのだし。
ぎうぎう。
「はっはっは。お前の細腕では無理だな」
じっ。
「まあ、別そう言っても良かったんだが、拗れそうだったからな」
実際、外部に父親以上に信頼できる人間を作ったという点についての嫉妬があったのかもしれないしな。
それが自分であるというのは、何とも面映ゆい話であるのだが。
ぷんすこ。
「そういうのが無いとは言わない」
ぎうぎう。
「だから無理だって。というか水着は良いのか?」
じっ。
「別に断る理由も・・・まああるが、今回ばかりは良いだろうさ」
それを聞いて、微は体を離して押し入れへ向かう。
彼女の部屋は妙に収納が多いが、それは自分の衣服や荷物を全てこの部屋の内側に仕舞い込む為らしい。その大部分は現在の部屋に移動済みだが、使用頻度の少ないものや思い入れの無いものはこちらにある。今回の水着も『買ったはいいが着る機会が無い』という典型的な衝動買いの慣れ果てだ。
はあ。
「そう言われるとなんか俺が悪いみたいだな」
きょとん。
「大半はそうだろうな。だがそれが俺に適用される道理はない」
にこにこ。
「まあ、いまいち迎合できない側面があるのは認める」
それを欠点と思ったこともない。大衆の意見に迎合するならなじみと交際する時点でアウトなのだ。迎合などしてやるものか。
ぺいっ。
「・・・渡されても、どうしろと?」
わきわき。
どうだろうか。
やってやれないことは無いと思うが、流石に自信がない。
まあいい、物は試しだ。
「ふむ・・・」
渡された水着を両手で吊り下げ、形を見る。
ワンピースタイプだが随所が紐で結ばれており、サイズは思ったより融通が利くらしい。しかしカップ数の方は流石に無理らしく、こちらは割と限定的だ。
カップの中に手を入れ、形を整える。
しばらく内外から触って確認した。
「まあ、大丈夫だろうな」
すすす。
「引くな引くな。大雑把なあたりだから。確実にどうこうとか言うアレじゃないから」
*
ついでにおいてあったいくつかの物品を鞄に詰め込み、俺と微は逃げるように家を出た。
「お疲れ様」
「・・・ん」
帰りの電車の中で、微は頭を俺の肩に乗せる。
そこに珍しく優しい言葉をかけて、彼女がやめるまでそうさせていた。
実家へ戻るのにそこまでの手間はかからないしそれなりに慣れ親しんだ道だ。デートと言うには雰囲気やら意外性やら、そういうのが全く足りない。
しかし微としてはそれでもいいのだ。
新しい刺激が嫌いな彼女は基本的に安心感を求めている。雰囲気も意外性も彼女からすれば不純物か害悪である。
「変わらないわね、この辺も」
「もう2年か。久しぶりなのに変わらないというのはどんな気分だ?」
「・・・正直、少し変わっていて欲しかったような気もするわ」
俺が歩き出すのに釣られる様に、俺の後ろを隠れるようについてくる微。
普段の堂々とした態度とは真逆だが、彼女に多くの傷をつけた土地であり、ある意味トラウマの温床みたいな場所では流石に委縮するのだろう。
変化があれば、その委縮もいくらかマシなものだったのだろうが。
大丈夫だという代わりに、微の手を握る。
普段から体温は低めだが、更に冷たく、少し震えてもいる。
きゅ、と弱々しく握られる手だが、後ろに回しているので少し体勢的にしんどい。言う訳にもいかないので我慢するが。
やがて微の家に着く。元よりここを目指していたのだから辿り着かない方が困るのだが、微からすれば複雑であろう。
「そんなにしんどいなら来なけりゃよかったろうに。別におさがりなんて言わなくても」
「ダメよ。あの子が楽しんでないと、こっちもなんかやりづらいわ」
そういうもんかね。なじみといると庇護欲を煽られる感じは確かにわかるけど。
微は意を決したようにインターホンに指を伸ばし・・・押すことなくひっこめた。
「そういえば連絡とかしたのか?」
「いえ、時間が無かったから。んー、まあ良いわよね。別に」
そういうと鞄から鍵を取りだし、勝手知ったると言わんばかりにドアの鍵を開ける。
「・・・」
「任せろ。10人消すのに2秒あれば釣りがくる」
割と冗談抜きで。
そういえば時々言ってるけど、実際にそういう場面になったら俺ってちゃんとやれるんだろうか。童貞って普段は強気に色々言ってるけど、いざ実際にするってなると一気に委縮するし、それと同じようなものかもしれんな。
・・・あとで渡辺に頼んで試してみるか。要らないって言ってたし、割と安く譲ってくれるかもしれない。
俺を盾にしたまま、微が家の中を進む。
「あ・・・微・・・」
俺のものではない男の声。
視界の外でもはっきりと分かる程、高速で微がそちらへ振り向く。
「そ、その男の子は・・・」
「お久しぶりでございます。私は私立鷹弓高校1年図書委員、安心院傾でございます。仁科先輩におかれましては、図書委員の仕事で大変お世話になっております。本日は先輩が実家から荷物を運搬するという事で、普段手伝っていただいているお仕事のお礼と言っては何ですが、男手を貸し出そうと名乗り出た次第であります」
「え? ああ、うん」
怒涛の謎敬語ラッシュでたじたじになる中、微が話し出す。
「いくわよ、安心院君」
ぐいっと引っ張られ、微の部屋へと引きずり込まれる。
そういえばなぜ彼は平日の昼間にこんなところにいるんだ? 仕事はどうした仕事は。
まあいい、今は微だ。
病的なまでにドアのカギを確認し、後付けの南京錠と閂を掛け、複数回部屋を見回してから、微はようやく落ち着いた。
カタカタ・・・。
「ほれ微、おいで」
小さく震える微に、両手を伸ばして呼びかける。
ふらりと倒れ込むように抱き着いてきて、勢いの余り後ろ向きに倒れてしまいそうだ。
さて、彼女のトラウマの原点はこの家である。
今でこそ気弱で家庭に居場所がなさそうなあの微の父親であるが、実はああなったのはここ4,5年の話なのだ。
それまではバリバリのエリート会社員で収入も多く、しかし誠実で謙虚という理想的な父親だった。
理由までは知らないが、彼は過度のストレスにさらされて、娘である微を強姦しかけた。若き日の妻の面影を残し、しかし凌駕する顔と体。そして父親と娘という上下関係。まあ、切れてしまうだけの事はあるんじゃないだろうか。
その刹那、彼女の中の人体破壊の才能が覚醒した。
力加減というものが分からなかった当時の微は全力で歪みに拳打を叩き込み、爆発した恐怖は何十発という連撃を実現させる。
一般的に知られる急所への攻撃と比べ、費用対効果は2倍前後。少女の細腕でも十分致命の連撃だった。
最も恐ろしいのは『後遺症の類が一切なく、ただ痛いだけ』という点であっただろう。熟達した今ならその辺りも自在なのだが、当時はそういう訳でもなかった。
そんなわけで彼女の貞操は守られたわけだが、実の父親に強姦されかけた恐怖は彼女の中に留まり・・・しかしだからこそ、彼女は暴力の確実さを痛感して今に至る。
娘に易々と撃退されて父親は委縮状態になってしまったという、割と複雑な家庭なのだ。
何よりも複雑なのは、外側から見た時普通な家族に見える点である。実際、俺も微に相談されるまでいい家庭に育っているように思っていた。なにせ行動の随所に育ちの良さが散見されるのだから。『水着を借りたい』なんてお願いの為に、こうしてトラウマを押してまで実家に帰るあたりもお人好しである。
まあ、それでも彼女は不安がって、俺という保険を連れてきたわけであるが。
普段は俺の方から抱きしめるなど、なじみの手前ありえないが・・・今日ばかりは良いだろう。なじみの為に頑張ってくれたわけであるし、ここまで疲弊しているのだし。
ぎうぎう。
「はっはっは。お前の細腕では無理だな」
じっ。
「まあ、別そう言っても良かったんだが、拗れそうだったからな」
実際、外部に父親以上に信頼できる人間を作ったという点についての嫉妬があったのかもしれないしな。
それが自分であるというのは、何とも面映ゆい話であるのだが。
ぷんすこ。
「そういうのが無いとは言わない」
ぎうぎう。
「だから無理だって。というか水着は良いのか?」
じっ。
「別に断る理由も・・・まああるが、今回ばかりは良いだろうさ」
それを聞いて、微は体を離して押し入れへ向かう。
彼女の部屋は妙に収納が多いが、それは自分の衣服や荷物を全てこの部屋の内側に仕舞い込む為らしい。その大部分は現在の部屋に移動済みだが、使用頻度の少ないものや思い入れの無いものはこちらにある。今回の水着も『買ったはいいが着る機会が無い』という典型的な衝動買いの慣れ果てだ。
はあ。
「そう言われるとなんか俺が悪いみたいだな」
きょとん。
「大半はそうだろうな。だがそれが俺に適用される道理はない」
にこにこ。
「まあ、いまいち迎合できない側面があるのは認める」
それを欠点と思ったこともない。大衆の意見に迎合するならなじみと交際する時点でアウトなのだ。迎合などしてやるものか。
ぺいっ。
「・・・渡されても、どうしろと?」
わきわき。
どうだろうか。
やってやれないことは無いと思うが、流石に自信がない。
まあいい、物は試しだ。
「ふむ・・・」
渡された水着を両手で吊り下げ、形を見る。
ワンピースタイプだが随所が紐で結ばれており、サイズは思ったより融通が利くらしい。しかしカップ数の方は流石に無理らしく、こちらは割と限定的だ。
カップの中に手を入れ、形を整える。
しばらく内外から触って確認した。
「まあ、大丈夫だろうな」
すすす。
「引くな引くな。大雑把なあたりだから。確実にどうこうとか言うアレじゃないから」
*
ついでにおいてあったいくつかの物品を鞄に詰め込み、俺と微は逃げるように家を出た。
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