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第二十五話 輝く裸体
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ワイバーンが降り立った地に戻り、寝ていたベドジフを起こした伊吹は、彼に手綱を握らせて来た道を戻ることにした。
スコウレリアのワイバーン乗り場に着くと、イゴルが出迎えてくれた。
「どうでした? 浮遊島は」
「ケイモさんに会えたんで、よかったです」
地面に座ったワイバーンの背から、ウサウサ、伊吹、ベドジフの順で降りると、イゴルは麻縄で杭とワイバーンを繋いだ。
「危なそうな連中とか、いやせんでしたか?」
「革命軍なら、いましたよ」
「いたんですか……」
イゴルが汚い物でも見るような目をする。
「変なマスクにマントをしていましたよ。顔を隠してるってことは、お尋ね者か何かなんですか?」
「そりゃ、国が捕まえようとしてるのもいやすが……。革命軍とは無関係のユニットを装って暮らすために、素性を隠して行動してるのが大半って聴きやすけどね。だから、謝礼を払えそうにないのに島へ行くのは、そっち関係か所有者から逃げてる人かと……いやぁ~、何でもない何でもない」
自分が貧乏なチガヤのユニットだけに、そっち関係に思われたんだろうなと、伊吹は苦笑した。所有者から逃げてる方だったとしても、イゴル的には逃がすのを手伝ったと見なされ、所有者に責められることを考えれば、島行きを歓迎しない気持ちもわかる気がした。
「で、何かされやしたが?」
「別に、何も」
「それは何より」
揉み手をしながら、イゴルはうんうんと頷いた。
「何かするような人達なんですか?」
「そいつはもう……。今までに色んな事件を起こしていやすからね。ここいらで有名なのは、活動資金を得ようとして、スコウレリア大金庫の主、ヒューゴ氏の関係者をさらった事件でやすかね。あれ以来、氏の関係者は街中でヒューゴという名を口にしなくなったとか」
「そんなことがあったんですか」
「他にもありやすよ。間抜けな話でいったら、基地局を占拠した事件でやすかね。『脳内変換』を発動させなくして、困らせたところで要求を突き付けるつもりだったようですが、自分たちの言葉も変換されなくなって、要求どころじゃなくなったっていう……」
生活に必要な拠点を抑えることの意義みたいなものは何となくわかったが、この件に関しては本末転倒過ぎて呆れるところがあった。
「まぁ、関わらない方がいい連中ですよ」
「そうですね」
「はい。ご利用、ありがとうございやした~」
ニコッと笑ったイゴルに会釈し、伊吹はウサウサと共に闘技場へと向かった。
闘技場に入ると、観客席でワニック、マユタン、サーヤ、ブリオが輪になって話し合っていた。
「まだ始まってないよね?」
そう声をかけ、伊吹は輪の中に入っていった。
「ああ、まだだ」
答えたワニックは隣にいたマユタンとの間隔を空け、そこに伊吹とウサウサを座らせた。
「何を話してたの?」
「対戦相手についてだ。今日の相手は、ギボウシ探偵事務所らしい」
「どんな人が出てくるの?」
「知らん」
「は?」
知らない相手について話していたのかと思うと言葉もない。黙っているとサーヤが話し始めた。
「あたいらも探ってはみたんだけどさ、今のところは対戦表に書かれた名前しか知らないんだ。何て書かれているのかも、人に訊いて知ったくらいでさ」
「相手は何処に?」
「ずっと控室にいるってさ」
「そうなのです。お陰でマユタンの『能力解析』も出番がないのだ」
「じゃあ、相手の能力がわかるのは、バトル開始前になってからか」
戦う前に能力がわかれば、綿密な作戦を練られたのに……と、少し残念になる。無論、控室は対戦相手とは一緒にならないので、そこで会うということもないし、相手の方に入ることもできなくなっていた。
「相手がユニフォームを着て出てくれば、そこに書かれた文字と対戦表の文字を照らし合わせて、こいつらかってわかるんだけどさ……」
「まぁ、そうだよね。ところで、参加できるのは5人までなんだけど……どうするの?」
「俺は出るぞ」
伊吹が言い終わる前に、ワニックが言葉をかぶせてくる。
「ワニックには出てもらわないとね。戦い向きな人って、他にいないし……。あと、相手の能力を知るためにも、マユタンには出てほしいかな」
「えへん!」
マユタンが得意げに胸を張る。
「俺は女には手を出さん。女を相手にするヤツが必要だ」
「ああ、それは僕がスキルで……。これで3人。今まで戦ってきた経験から言うと、ウサウサの壁があると助かるし、飛べるサーヤに全体を見ていてほしいし、ブリオにも……」
と言いかけたところで、言葉が続かなかった。ブリオが出て助かったことを思い起こそうにも何一つ浮かばない。
「ブリオ以外ってことだな」
そうこうしているうちに、ワニックがまとめてしまう。
「オイラだけ、出ないんだな……」
「今回は、って話だ。あたいらの誰かがいないときに、また出番が来るさ」
「そうだよ。ブリオ向きの戦いだって、あるかもしれないし……例えば、水中戦とか」
ブリオが落ち込まないようにと、サーヤと伊吹がフォローを入れる。その気を知ってか知らでか、ブリオは口の中に手を入れてボーッとしていた。
そんなやりとりから数十分後、準備をするようにという合図係の案内があり、伊吹たちはユニフォームに着替えて、バトルフィールドに整列することになった。左からワニック、サーヤ、伊吹、マユタン、ウサウサの順で並ぶ。
対する相手は全員女性だった。
ボーイッシュな感じのショートカット少女、八重歯が印象的な茶髪のポニーテール、知的な感じの黒髪ストレートロング、伏し目がちな銀髪ストレートロング、釣り目の金髪ボブカットという面々だった。
肩出しワンピースを着た若い女性陣は華やかだったが、ワニックは別の意味で面食らっていた。女性とは戦わない彼にとっては、戦う相手のいない最悪の状況になる。逆に伊吹にとっては、全員が攻略対象ということになる。
「今回は、旗でも守るとするか……」
力なく言うワニックのガッカリ感はハンパなかった。
「これは凄いのだ!」
対戦相手を確認し終えたマユタンが楽しそうに飛び跳ねる。
「どうしたの?」
「全員、同じ能力なのです! 通り抜けるスキルの『物体通過』に、霧の中にいる同一型ユニットを透過させるアビリティ『透過濃霧』なのだ。でもでも、目だけは透明にならないのです」
「透明になる上に通り抜けるの? そんなの、どうやって相手したら……」
触ろうにも通り抜けられるし、そもそも姿が見えないとくれば、相手の旗を取るしか勝つ方法が無い気がする。旗を取るにしても、相手の方が有利な訳だが。
「嘆くのは、そこではなくてよ」
伊吹の正面にいる黒髪女性が、髪の毛をいじりながら言う。彼女の揃えられた前髪と白い肌は日本人形を連想させる。
「美しいものが見られなくなる。それこそが、悲しみというもの」
「はぁ……」
伊吹には彼女が何を言わんとしているのかピンと来なかった。実際には、透明になったら綺麗な私が見られなくなるから、そっちの方が悲しいでしょというナルシスト発言である。
「いえ、違うわね。喪失を嘆くほどの美に出会ってしまった……。その事実こそが悲しみ。あぁ、美しさとは何と罪深い」
ポエマーなのかなと思って聴いていた伊吹だったが、周りを見てみると誰も彼女の言に耳を貸していなかった。彼女の仲間ですらも。
「彼女、何を言ってんの?」
「あっ、マーヤのこと? 気にしないで。あの子、ちょっと病気なの」
サーヤが目の前にいたポニーテールに訊くと、彼女は苦笑して返した。
「聞こえていてよ、エミーリエ」
「アハハ……」
黒髪のマーヤに名前を呼ばれ、ポニーテールのエミーリエは笑って誤魔化した。
「いつの世も傑出したものを持つ存在は、曖昧な概念で表現される悲しき運命を背負うもの。責めてはいなくてよ、エミーリエ。ただ、私は寂しいだけ」
「早く始まんねぇ~かな」
マーヤが話しているにも関わらず、端にいたボーイッシュな子が愚痴る。
「ねぇ、審判の人。まだぁ~?」
「審判を急かすな。暴言ととられたら負けになる」
金髪ボブカットが審判団の方に声をかけ、それを銀髪のストレートロングがたしなめる。そんな彼女たちの様子を見ながら、何て意識がバラバラなチームなんだろうと思う伊吹だった。
そうこうしてるうちに審判団による説明が始まって終わり、合図係による開始のサインを待つだけとなった。
互いに開始の時を待つこと数十秒、笛の音が場内に鳴り響いた。
ワニックは開始と同時に旗の前まで走っていき、ウサウサも後ろで『好意防壁』を発動するタイミングを窺う。サーヤはジャンプしても届かない位置まで飛び、伊吹とマユタンは前に出て身構えた。
相手は各々の体から霧を出すと、目と服以外を透けさせた。目は開いていれば気づくことが出来たが、伏し目がちな銀髪の女性に至っては、服しか見えない状態になる。
気づけば、彼女たちから発せられた霧は、フィールド中に行き渡っていた。
「服が透けないなら、場所もわかっ……」
場所もわかるから攻撃できると思った伊吹の前で、5人の服が宙を舞った。一斉に脱ぎ捨てたのだ。
脱ぎ捨てられた服が砂地に落ち、相手が何処にいるのかわからなくなる。ワンピースを脱いだら見えないというのは、誰も下着を身に着けていないことを意味していた。
「見えないのだ……はぅっ!」
攻撃を受けたのか、マユタンが腹部を押さえる。
「見えなくても、旗さえ取れば!」
相手の旗に向かって走りだした伊吹の後頭部に、バシッという音ともに打撃が加えられる。
「あたっ!」
砂地に手を着いた伊吹に、容赦のない攻撃が繰り返される。勿論、攻撃自体は見えない。
「ぐっ……」
下を見て痛みに耐えていると、砂地に足跡がつくのが目に入る。この足跡がついた瞬間を狙えば、相手を捕まえられるかもしれない。伊吹は新しくついた足跡の少し上を掴みにかかった。
「あっ……」
姿は見えないが、伊吹は足首を掴んだ気がした。掴んだ時に聴いた声は、金髪の子のものだった。
「てめぇ~、離せ!」
『快感誘導』を放とうにも、休みなく足蹴にされては集中できない。
「カトリナ、通り抜け!」
銀髪の女性の声がしたかと思うと、次の瞬間には伊吹の手は空を掴んでいた。『物体通過』のスキルで、通り抜けられたのだと気づく。
「最悪の組み合わせじゃないか……」
相手の能力に無力感を味わう。
「キャッ!」
女性の悲鳴と同時に、目の前の砂が人の形に象られる。雪が降った後に倒れ込んで作る“雪の妖精”の砂版だった。
「何、これ……」
不思議に思って、かたどられた縁に触れようとすると、人の肌の感触が手に伝わってきた。
「触るなっ!」
バチーンと頬を叩かれるが、相変わらず姿は見えない。ただ、この人の形はスキルで通り抜けした際に、そのまま倒れ込んで出来たものに思えた。おそらくは、体が半分くらい沈んだところで、通り抜けスキルの使用をやめたのだろう。通り抜けるからには、地面も対象のようだった。
伊吹が金髪の子と対峙している頃、ウサウサは砂地につく足跡を見ながら、マユタンやワニックの前に壁を作っていた。突如として現れる石壁に、対戦相手の声が上がる。
「痛っ! なんだよ、この壁」
「あのウサ耳の子が出してるみたい」
「じゃ、そっちを最初に叩こうよ」
「賛成」
ボーイッシュな子と、エミーリエの声だった。
「ウサウサ、来るよ! 自分の前に壁を作んな」
宙を舞うサーヤからの警告を受け、ウサウサが自分に対して『好意防壁』を発動させる。しかし、そこに壁が出来ることはなかった。
対象者への好感度に比例した強度の壁を築けるスキルだが、彼女に対しては何も起こらなかった。自分をよく思っていない、ということになる。
「あんた、自分のこと……」
サーヤが驚いているうちにも、三人分の足跡がウサウサに迫る。攻撃が来ると思った瞬間、ウサウサが身を屈めると対戦相手の声が響いた。
「痛っ!」
「ちょ、待っ……」
仲間同士で殴り合ったようだった。互いに見えないので無理もない。
一方、伊吹は金髪の子の攻撃を受けつつも、彼女が残した砂版の“雪の妖精”を見て妄想していた。
この体のラインの子が傍にいる。それも、一糸まとわぬ姿で。そう考えるだけで、何だかハッピーな気持ちになっていた。
「全裸の子が傍に……」
目をつむってイメージを膨らませたい心境だったが、金髪の子の当たりが強くなってできない。
「見えないからノーカウントだ!」
「大丈夫、心の目で見るから」
「やめろーっ!」
腹に連打を食らい、よろけて倒れると、そこには脱ぎ捨てられたワンピースがあった。そのワンピースを掴むと、あるアイデアがひらめいた。伊吹は「これだ!」と叫んで、脱ぎ捨てられた服の回収に走った。
「お前、何を!?」
金髪の子の声がしたが、気にせずに5人分の服を集めて勝ち誇る。
「人質ならぬ、服質だよ。これで、ずっと全裸のまま……」
伊吹が言い終わるよりも早く、誰かがワンピースを引っ張る。姿は見えないものの、次々に伊吹の前に足跡が増えていった。
「返せ、この変態!」
「ちょっと、それは勘弁してぇ~」
服を取り返そうとする相手と、渡すまいとする伊吹の攻防は、傍目には伊吹がパントマイムをしているように見えた。そのドタバタぶりに、ウサウサも『好意防壁』の発動タイミングを逃し続けていた。
「そういやさ、霧って水蒸気だよな」
敵が伊吹に集中したことで、冷静になったサーヤがワニックに語りかける。
「そうなるな」
「水蒸気ってことは、水だよな。『水分蒸発』で消せないわけ?」
「俺の『水分蒸発』は純粋な水にしか反応しない。これは体を透けさせる霧だ。タダの水ではないだろう」
「やるだけ、やってみたら?」
「そうだな」
ワニックは右手を上げると指をパチンッと鳴らした。
辺り一面を覆っていた霧は晴れ、今まで隠れていた5人の女性の姿が浮かび上がっていく。
「おおっ!」
驚いたのは伊吹だった。いきなり霧が晴れたかと思うと、透明化していた相手の体に色が付き始めたのだから、何が起こったのか理解しきれなかった。
ただ、全裸が見られるという高揚感で、服を持つ手に力が入らなくなる。ファサッと砂地に服が落ちたときには、彼女たちの透明化は解けていた。
「キャーーッ!」
胸元や股間を手で押さえ、彼女たちは悲鳴を場内に響かせた。
例え手で押さえても、その指の隙間から乳首なんかが……という伊吹の期待は、見慣れた光によって打ち砕かれる。彼女たちの裸を光が覆い隠したのだ。
それは、隠したいものや見たくないものを光で覆うアビリティ『光耀遮蔽』だった。
伊吹はウサウサの顔をチラリと見ては、アビリティを憎んで人を憎まずと、自分に言い聞かせた。
「美しさは隠せない。これも運命だというの?」
透明化が解けて全裸があらわになってもなお、マーヤだけは体を隠そうとせず、旗の前で黄昏ていた。
「誰か、早く旗を取って終わりにして!」
「なら、あたしが!」
エミーリエのリクエストに、金髪の子が応える。彼女は胸元を手で隠したまま、旗を取りに走った。
「させるかっ!」
伊吹が慌てて彼女の背中を追う。
胸や股間だけだった『光耀遮蔽』の光が、お尻まで隠し始めたのを見て、伊吹の何かが吹っ切れる。
「クソアビリティがあぁぁぁっ!」
怒りのエネルギーは速さに変換され、金髪の子の肩を捕える。掴まれて体勢を崩した彼女に対し、伊吹は『快感誘導』を放った。
「あっ、ああぁんっ! いやぁんっ!」
艶っぽい声を出して彼女が倒れたものの、必要以上に光で隠されていたことで、伊吹の欲求不満は募るばかりだった。
「もう光は、たくさんだ!」
その不満をぶつけるかのように、相手の旗に向かって全速力で走る。途中、体を隠しながらも3人の女性が立ちはだかったが、片っ端から『快感誘導』を放っていく。
「あはぁんっ!」
「んふぁぁっ!」
快感に体を打ち震わせ、膝をつく彼女たちを避け、マーヤの前まで来る。彼女は行く手を塞ぐ素振りは見せなかったが、それがかえって不気味に思えた。その不気味さを振り払う為に無力化しておこうと、彼女の手を掴んで『快感誘導』を放つ。
「あぁっ……す、すごいわ……ふふふ……」
スキル発動後の彼女の反応を見て、単に変わった人だったんだなという結論を抱き、伊吹は守る者がいなくなった相手の旗を手にした。
「勝者、スコウレリア第三事務所」
判定と共に角笛が吹かれた。
「何だろう、この虚無感は……」
初めてバトルで旗を手にしたのに、伊吹の心は満たされないものがあった。一言で言えば、それは“見たかった”という気持ちなのかもしれない。
スコウレリアのワイバーン乗り場に着くと、イゴルが出迎えてくれた。
「どうでした? 浮遊島は」
「ケイモさんに会えたんで、よかったです」
地面に座ったワイバーンの背から、ウサウサ、伊吹、ベドジフの順で降りると、イゴルは麻縄で杭とワイバーンを繋いだ。
「危なそうな連中とか、いやせんでしたか?」
「革命軍なら、いましたよ」
「いたんですか……」
イゴルが汚い物でも見るような目をする。
「変なマスクにマントをしていましたよ。顔を隠してるってことは、お尋ね者か何かなんですか?」
「そりゃ、国が捕まえようとしてるのもいやすが……。革命軍とは無関係のユニットを装って暮らすために、素性を隠して行動してるのが大半って聴きやすけどね。だから、謝礼を払えそうにないのに島へ行くのは、そっち関係か所有者から逃げてる人かと……いやぁ~、何でもない何でもない」
自分が貧乏なチガヤのユニットだけに、そっち関係に思われたんだろうなと、伊吹は苦笑した。所有者から逃げてる方だったとしても、イゴル的には逃がすのを手伝ったと見なされ、所有者に責められることを考えれば、島行きを歓迎しない気持ちもわかる気がした。
「で、何かされやしたが?」
「別に、何も」
「それは何より」
揉み手をしながら、イゴルはうんうんと頷いた。
「何かするような人達なんですか?」
「そいつはもう……。今までに色んな事件を起こしていやすからね。ここいらで有名なのは、活動資金を得ようとして、スコウレリア大金庫の主、ヒューゴ氏の関係者をさらった事件でやすかね。あれ以来、氏の関係者は街中でヒューゴという名を口にしなくなったとか」
「そんなことがあったんですか」
「他にもありやすよ。間抜けな話でいったら、基地局を占拠した事件でやすかね。『脳内変換』を発動させなくして、困らせたところで要求を突き付けるつもりだったようですが、自分たちの言葉も変換されなくなって、要求どころじゃなくなったっていう……」
生活に必要な拠点を抑えることの意義みたいなものは何となくわかったが、この件に関しては本末転倒過ぎて呆れるところがあった。
「まぁ、関わらない方がいい連中ですよ」
「そうですね」
「はい。ご利用、ありがとうございやした~」
ニコッと笑ったイゴルに会釈し、伊吹はウサウサと共に闘技場へと向かった。
闘技場に入ると、観客席でワニック、マユタン、サーヤ、ブリオが輪になって話し合っていた。
「まだ始まってないよね?」
そう声をかけ、伊吹は輪の中に入っていった。
「ああ、まだだ」
答えたワニックは隣にいたマユタンとの間隔を空け、そこに伊吹とウサウサを座らせた。
「何を話してたの?」
「対戦相手についてだ。今日の相手は、ギボウシ探偵事務所らしい」
「どんな人が出てくるの?」
「知らん」
「は?」
知らない相手について話していたのかと思うと言葉もない。黙っているとサーヤが話し始めた。
「あたいらも探ってはみたんだけどさ、今のところは対戦表に書かれた名前しか知らないんだ。何て書かれているのかも、人に訊いて知ったくらいでさ」
「相手は何処に?」
「ずっと控室にいるってさ」
「そうなのです。お陰でマユタンの『能力解析』も出番がないのだ」
「じゃあ、相手の能力がわかるのは、バトル開始前になってからか」
戦う前に能力がわかれば、綿密な作戦を練られたのに……と、少し残念になる。無論、控室は対戦相手とは一緒にならないので、そこで会うということもないし、相手の方に入ることもできなくなっていた。
「相手がユニフォームを着て出てくれば、そこに書かれた文字と対戦表の文字を照らし合わせて、こいつらかってわかるんだけどさ……」
「まぁ、そうだよね。ところで、参加できるのは5人までなんだけど……どうするの?」
「俺は出るぞ」
伊吹が言い終わる前に、ワニックが言葉をかぶせてくる。
「ワニックには出てもらわないとね。戦い向きな人って、他にいないし……。あと、相手の能力を知るためにも、マユタンには出てほしいかな」
「えへん!」
マユタンが得意げに胸を張る。
「俺は女には手を出さん。女を相手にするヤツが必要だ」
「ああ、それは僕がスキルで……。これで3人。今まで戦ってきた経験から言うと、ウサウサの壁があると助かるし、飛べるサーヤに全体を見ていてほしいし、ブリオにも……」
と言いかけたところで、言葉が続かなかった。ブリオが出て助かったことを思い起こそうにも何一つ浮かばない。
「ブリオ以外ってことだな」
そうこうしているうちに、ワニックがまとめてしまう。
「オイラだけ、出ないんだな……」
「今回は、って話だ。あたいらの誰かがいないときに、また出番が来るさ」
「そうだよ。ブリオ向きの戦いだって、あるかもしれないし……例えば、水中戦とか」
ブリオが落ち込まないようにと、サーヤと伊吹がフォローを入れる。その気を知ってか知らでか、ブリオは口の中に手を入れてボーッとしていた。
そんなやりとりから数十分後、準備をするようにという合図係の案内があり、伊吹たちはユニフォームに着替えて、バトルフィールドに整列することになった。左からワニック、サーヤ、伊吹、マユタン、ウサウサの順で並ぶ。
対する相手は全員女性だった。
ボーイッシュな感じのショートカット少女、八重歯が印象的な茶髪のポニーテール、知的な感じの黒髪ストレートロング、伏し目がちな銀髪ストレートロング、釣り目の金髪ボブカットという面々だった。
肩出しワンピースを着た若い女性陣は華やかだったが、ワニックは別の意味で面食らっていた。女性とは戦わない彼にとっては、戦う相手のいない最悪の状況になる。逆に伊吹にとっては、全員が攻略対象ということになる。
「今回は、旗でも守るとするか……」
力なく言うワニックのガッカリ感はハンパなかった。
「これは凄いのだ!」
対戦相手を確認し終えたマユタンが楽しそうに飛び跳ねる。
「どうしたの?」
「全員、同じ能力なのです! 通り抜けるスキルの『物体通過』に、霧の中にいる同一型ユニットを透過させるアビリティ『透過濃霧』なのだ。でもでも、目だけは透明にならないのです」
「透明になる上に通り抜けるの? そんなの、どうやって相手したら……」
触ろうにも通り抜けられるし、そもそも姿が見えないとくれば、相手の旗を取るしか勝つ方法が無い気がする。旗を取るにしても、相手の方が有利な訳だが。
「嘆くのは、そこではなくてよ」
伊吹の正面にいる黒髪女性が、髪の毛をいじりながら言う。彼女の揃えられた前髪と白い肌は日本人形を連想させる。
「美しいものが見られなくなる。それこそが、悲しみというもの」
「はぁ……」
伊吹には彼女が何を言わんとしているのかピンと来なかった。実際には、透明になったら綺麗な私が見られなくなるから、そっちの方が悲しいでしょというナルシスト発言である。
「いえ、違うわね。喪失を嘆くほどの美に出会ってしまった……。その事実こそが悲しみ。あぁ、美しさとは何と罪深い」
ポエマーなのかなと思って聴いていた伊吹だったが、周りを見てみると誰も彼女の言に耳を貸していなかった。彼女の仲間ですらも。
「彼女、何を言ってんの?」
「あっ、マーヤのこと? 気にしないで。あの子、ちょっと病気なの」
サーヤが目の前にいたポニーテールに訊くと、彼女は苦笑して返した。
「聞こえていてよ、エミーリエ」
「アハハ……」
黒髪のマーヤに名前を呼ばれ、ポニーテールのエミーリエは笑って誤魔化した。
「いつの世も傑出したものを持つ存在は、曖昧な概念で表現される悲しき運命を背負うもの。責めてはいなくてよ、エミーリエ。ただ、私は寂しいだけ」
「早く始まんねぇ~かな」
マーヤが話しているにも関わらず、端にいたボーイッシュな子が愚痴る。
「ねぇ、審判の人。まだぁ~?」
「審判を急かすな。暴言ととられたら負けになる」
金髪ボブカットが審判団の方に声をかけ、それを銀髪のストレートロングがたしなめる。そんな彼女たちの様子を見ながら、何て意識がバラバラなチームなんだろうと思う伊吹だった。
そうこうしてるうちに審判団による説明が始まって終わり、合図係による開始のサインを待つだけとなった。
互いに開始の時を待つこと数十秒、笛の音が場内に鳴り響いた。
ワニックは開始と同時に旗の前まで走っていき、ウサウサも後ろで『好意防壁』を発動するタイミングを窺う。サーヤはジャンプしても届かない位置まで飛び、伊吹とマユタンは前に出て身構えた。
相手は各々の体から霧を出すと、目と服以外を透けさせた。目は開いていれば気づくことが出来たが、伏し目がちな銀髪の女性に至っては、服しか見えない状態になる。
気づけば、彼女たちから発せられた霧は、フィールド中に行き渡っていた。
「服が透けないなら、場所もわかっ……」
場所もわかるから攻撃できると思った伊吹の前で、5人の服が宙を舞った。一斉に脱ぎ捨てたのだ。
脱ぎ捨てられた服が砂地に落ち、相手が何処にいるのかわからなくなる。ワンピースを脱いだら見えないというのは、誰も下着を身に着けていないことを意味していた。
「見えないのだ……はぅっ!」
攻撃を受けたのか、マユタンが腹部を押さえる。
「見えなくても、旗さえ取れば!」
相手の旗に向かって走りだした伊吹の後頭部に、バシッという音ともに打撃が加えられる。
「あたっ!」
砂地に手を着いた伊吹に、容赦のない攻撃が繰り返される。勿論、攻撃自体は見えない。
「ぐっ……」
下を見て痛みに耐えていると、砂地に足跡がつくのが目に入る。この足跡がついた瞬間を狙えば、相手を捕まえられるかもしれない。伊吹は新しくついた足跡の少し上を掴みにかかった。
「あっ……」
姿は見えないが、伊吹は足首を掴んだ気がした。掴んだ時に聴いた声は、金髪の子のものだった。
「てめぇ~、離せ!」
『快感誘導』を放とうにも、休みなく足蹴にされては集中できない。
「カトリナ、通り抜け!」
銀髪の女性の声がしたかと思うと、次の瞬間には伊吹の手は空を掴んでいた。『物体通過』のスキルで、通り抜けられたのだと気づく。
「最悪の組み合わせじゃないか……」
相手の能力に無力感を味わう。
「キャッ!」
女性の悲鳴と同時に、目の前の砂が人の形に象られる。雪が降った後に倒れ込んで作る“雪の妖精”の砂版だった。
「何、これ……」
不思議に思って、かたどられた縁に触れようとすると、人の肌の感触が手に伝わってきた。
「触るなっ!」
バチーンと頬を叩かれるが、相変わらず姿は見えない。ただ、この人の形はスキルで通り抜けした際に、そのまま倒れ込んで出来たものに思えた。おそらくは、体が半分くらい沈んだところで、通り抜けスキルの使用をやめたのだろう。通り抜けるからには、地面も対象のようだった。
伊吹が金髪の子と対峙している頃、ウサウサは砂地につく足跡を見ながら、マユタンやワニックの前に壁を作っていた。突如として現れる石壁に、対戦相手の声が上がる。
「痛っ! なんだよ、この壁」
「あのウサ耳の子が出してるみたい」
「じゃ、そっちを最初に叩こうよ」
「賛成」
ボーイッシュな子と、エミーリエの声だった。
「ウサウサ、来るよ! 自分の前に壁を作んな」
宙を舞うサーヤからの警告を受け、ウサウサが自分に対して『好意防壁』を発動させる。しかし、そこに壁が出来ることはなかった。
対象者への好感度に比例した強度の壁を築けるスキルだが、彼女に対しては何も起こらなかった。自分をよく思っていない、ということになる。
「あんた、自分のこと……」
サーヤが驚いているうちにも、三人分の足跡がウサウサに迫る。攻撃が来ると思った瞬間、ウサウサが身を屈めると対戦相手の声が響いた。
「痛っ!」
「ちょ、待っ……」
仲間同士で殴り合ったようだった。互いに見えないので無理もない。
一方、伊吹は金髪の子の攻撃を受けつつも、彼女が残した砂版の“雪の妖精”を見て妄想していた。
この体のラインの子が傍にいる。それも、一糸まとわぬ姿で。そう考えるだけで、何だかハッピーな気持ちになっていた。
「全裸の子が傍に……」
目をつむってイメージを膨らませたい心境だったが、金髪の子の当たりが強くなってできない。
「見えないからノーカウントだ!」
「大丈夫、心の目で見るから」
「やめろーっ!」
腹に連打を食らい、よろけて倒れると、そこには脱ぎ捨てられたワンピースがあった。そのワンピースを掴むと、あるアイデアがひらめいた。伊吹は「これだ!」と叫んで、脱ぎ捨てられた服の回収に走った。
「お前、何を!?」
金髪の子の声がしたが、気にせずに5人分の服を集めて勝ち誇る。
「人質ならぬ、服質だよ。これで、ずっと全裸のまま……」
伊吹が言い終わるよりも早く、誰かがワンピースを引っ張る。姿は見えないものの、次々に伊吹の前に足跡が増えていった。
「返せ、この変態!」
「ちょっと、それは勘弁してぇ~」
服を取り返そうとする相手と、渡すまいとする伊吹の攻防は、傍目には伊吹がパントマイムをしているように見えた。そのドタバタぶりに、ウサウサも『好意防壁』の発動タイミングを逃し続けていた。
「そういやさ、霧って水蒸気だよな」
敵が伊吹に集中したことで、冷静になったサーヤがワニックに語りかける。
「そうなるな」
「水蒸気ってことは、水だよな。『水分蒸発』で消せないわけ?」
「俺の『水分蒸発』は純粋な水にしか反応しない。これは体を透けさせる霧だ。タダの水ではないだろう」
「やるだけ、やってみたら?」
「そうだな」
ワニックは右手を上げると指をパチンッと鳴らした。
辺り一面を覆っていた霧は晴れ、今まで隠れていた5人の女性の姿が浮かび上がっていく。
「おおっ!」
驚いたのは伊吹だった。いきなり霧が晴れたかと思うと、透明化していた相手の体に色が付き始めたのだから、何が起こったのか理解しきれなかった。
ただ、全裸が見られるという高揚感で、服を持つ手に力が入らなくなる。ファサッと砂地に服が落ちたときには、彼女たちの透明化は解けていた。
「キャーーッ!」
胸元や股間を手で押さえ、彼女たちは悲鳴を場内に響かせた。
例え手で押さえても、その指の隙間から乳首なんかが……という伊吹の期待は、見慣れた光によって打ち砕かれる。彼女たちの裸を光が覆い隠したのだ。
それは、隠したいものや見たくないものを光で覆うアビリティ『光耀遮蔽』だった。
伊吹はウサウサの顔をチラリと見ては、アビリティを憎んで人を憎まずと、自分に言い聞かせた。
「美しさは隠せない。これも運命だというの?」
透明化が解けて全裸があらわになってもなお、マーヤだけは体を隠そうとせず、旗の前で黄昏ていた。
「誰か、早く旗を取って終わりにして!」
「なら、あたしが!」
エミーリエのリクエストに、金髪の子が応える。彼女は胸元を手で隠したまま、旗を取りに走った。
「させるかっ!」
伊吹が慌てて彼女の背中を追う。
胸や股間だけだった『光耀遮蔽』の光が、お尻まで隠し始めたのを見て、伊吹の何かが吹っ切れる。
「クソアビリティがあぁぁぁっ!」
怒りのエネルギーは速さに変換され、金髪の子の肩を捕える。掴まれて体勢を崩した彼女に対し、伊吹は『快感誘導』を放った。
「あっ、ああぁんっ! いやぁんっ!」
艶っぽい声を出して彼女が倒れたものの、必要以上に光で隠されていたことで、伊吹の欲求不満は募るばかりだった。
「もう光は、たくさんだ!」
その不満をぶつけるかのように、相手の旗に向かって全速力で走る。途中、体を隠しながらも3人の女性が立ちはだかったが、片っ端から『快感誘導』を放っていく。
「あはぁんっ!」
「んふぁぁっ!」
快感に体を打ち震わせ、膝をつく彼女たちを避け、マーヤの前まで来る。彼女は行く手を塞ぐ素振りは見せなかったが、それがかえって不気味に思えた。その不気味さを振り払う為に無力化しておこうと、彼女の手を掴んで『快感誘導』を放つ。
「あぁっ……す、すごいわ……ふふふ……」
スキル発動後の彼女の反応を見て、単に変わった人だったんだなという結論を抱き、伊吹は守る者がいなくなった相手の旗を手にした。
「勝者、スコウレリア第三事務所」
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