【改訂版】僕が異世界のガチャから出た件で ~ソシャゲー世界で就職してみた~

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第三十二話 事件の影響

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 会社で渡された仕事チケットは2枚だったが、チガヤは片方の紙を左手に握り、右手に持った方だけを読み上げた。
「今日のお仕事は、ガチャ神殿での能力鑑定だよ。能力鑑定士が会議に出るから、今日だけ臨時でお願いしたいんだって。報酬は銀貨5枚も貰えるよ」
「破格だな」
「国の依頼だからだろ」
 報酬の額に驚くワニックにサーヤが理由を話す。
「能力鑑定だから、『能力解析』が使えるマユタンと私で神殿に行こうと思うの」
「了解なのです!」
 ピンと背筋を伸ばして、マユタンが足を揃える。自分のスキルを活かして稼げるからか、どことなく誇らしげだった。
「シオリン的には、能力鑑定士が出る会議が気になりますねぇ~。あの人たちを集めて、何を話すのやら」
「バトルに関する会議に出るみたいだよ。今、バトルのルール改正が検討されてて、使用を制限する能力についても話し合われるんだって。だから、呼ばれたんじゃないかな」
「なるほどぉ~。能力のことなら、あの人たちが一番詳しそうですからねぇ~」
 このタイミングで動きがあると、昨日の一件が関係しているような気がしてならない。バトルは会社をPRする場だから、観客の印象を悪くする行為はしないだろうが、意図せず観客を巻き込んでしまいそうな能力があるとも限らない。
「それでね、会議で結論が出るまで、バトルは行われないんだって」
「なん……だと……」
 ワニックは口を半開きにして、フラフラとよろめいた。楽しみを奪われて愕然としているといったところだ。
「それじゃ、私とマユタンはガチャ神殿に行くから。他のみんなには、市場で何か食べ物を買っておいてほしいの」
 マユタン以外が返事をすると、チガヤはシオリンに銅貨を何枚か手渡した。
「食事はマユタンが選びたかったのですぅ~……」
「仕事があるんじゃ、仕方ないだろ。まぁ、好きそうなのを選んでおくよ」
「大いに期待してるのだ!」
 大きな期待を受けて、サーヤが少し困った顔を見せる。それを見て笑うチガヤの左手には、ずっと中身を知らされていない仕事チケットが握られたままだった。
「そっちは、仕事チケットじゃないの?」
 伊吹が指摘すると、チガヤは左手を開いてチケットを見せた。
「仕事チケットだけど、こっちは断るから関係ないよ」
「断るって、どうして?」
「こんな危ない依頼は受けられないもん」
「危険な仕事って?」
「革命軍への潜入と情報収集……。だから、これはナシ。受付に返して終わり。さぁ、マユタン、神殿に行こう」
 チガヤはマユタンの手を引いて受付に行くと、そこで仕事チケットを返却して外に出て行った。
 またしても、このタイミングで……と思う仕事内容だった。まるで、自分のところに革命軍が勧誘に来ることを知っていたかのような依頼に、嫌な予感がしてならなかった。知らない誰かに、自分の運命の糸を握られている。そんな不気味さを感じていた。
 何だかスッキリしない気持ちのまま、伊吹は市場へと向かうサーヤたちの後をついて行った。


 市場は活気があって、賑やかな場所だった。位置的には、前に来た情報倉庫やスコウレリア大金庫の並びにあるが、市場と呼ばれている区画に入るのは初めてだった。
 鉄の棒でテント生地を広げて作った屋根の下では、動物の肉が吊り下げられた状態でスライスされていたり、奇怪な形をした木の実が並べられたりしていた。
 チガヤの家よりも一回り小さな白い建物が複数あり、入り口には図形が描かれた板が掛けられている。描かれている図形は、青い塗料で描かれた菱形、白で描かれた逆三角形が目についた。
「あの建物は何?」
「あれは冷蔵販売してる会社だよ。入ればわかるから、ついて来な」
 サーヤに言われるがまま、菱形の図形が板に書かれた建物に入ると、その中はひんやりとしていた。腰の高さほどあるガラスケースが所狭しと並べられ、その中には魚が入れられている。後からブリオも入って来て、小魚が入っているケースを口を開けて眺めた。
「ここ、寒いね」
「冷気を出すの能力で、冷やしてるからな」
「この寒さも能力なんだ」
 よく見ると、部屋の奥で座っているガタイの良い男は、かなり着込んでいるのに、寒そうに体を震わせていた。
「冷やすことで鮮度が保てるけど、能力を使うヤツは体が冷えて大変らしい」
「だろうね……」
 ガタイの良い男を気の毒に思って見ていると、小人が来てガラスケースの魚を指さした。男は指定された魚を取り出すと、大きな葉にくるんで指を3本立てた。
 小人は棒状の金属を3本取り出して男に手渡し、代わりに魚を受け取って店から出て行った。
「あの金属の棒は何? 魚と交換してたけど」
「あれは旧貨幣さ。現行の貨幣じゃ物に対しての価値が大き過ぎるってんで、価値が銅貨より下の旧貨幣が使われてるところもある」
「へぇ~……。なら、昔のままの方がよかったんじゃない?」
「まぁ、ここだけ見ればな。何でも、ガチャの台座が見つかった頃に合わせたんだと。ガチャをまわせる形と適した額に」
 ガチャが国の在り方を変えたんだなと改めて思う。ポケットに入っていた丸い銅貨を手にし、棒状だとガチャに入れられないなと頷く。
「あの旧貨幣って何で出来てるの?」
「あれも銅が入ってるらしい。あとは……」
「えっ? 銅貨よりも棒の方が体積がありそうだけど、価値的に大丈夫なの? あれを溶かして銅貨を造ったら……」
「人の話は最後まで聞け。銅が入ってるって言ったけどさ、含有率は全然違うから」
「含有率? あっ、合金なんだ」
 ポンッと手を叩いて一人納得する。
「まぁ、そういうことさ。あたいが元いた世界じゃ、金属の強度を増すために、金や銀なんかに違う金属を混ぜるのが普通なんだけど、お前がいたところは違うわけ?」
「ん~……どうだろう? あまり、そういうことに興味なかったからなぁ……」
 元いた世界のことを訊かれても、知らないことは答えられない。
 不意に、ヒューゴの質問にうまく答えられなかった時のことを思い出し、つくづく自分は何を見ていたのだろうという気持ちになる。世界や社会がどうだとか言えるほど、知識が無いことを実感する。
「貨幣は何がメインなんだ? あたいがいたところは、産出量の関係で銀貨だったけど」
「紙幣だよ」
 紙と聴いてサーヤが唖然とする。
「紙だって!? そんなん、すぐ偽造されるだろ?」
「簡単には真似できないようになってるから大丈夫だよ。透かしが入れてあったり、見る角度によって色とかが変わったり、文字が浮かび上がったりするようになってるんだ」
「何だそりゃ……。それって、本当に紙なわけ?」
「うん、たぶん……」
 間違いなく紙だが、疑問視されると不安になってくる。自分の方が間違ってやしないかと……。
「スゲー世界から来たんだな……。にしても冷えるな、ここは。そろそろ出ようか」
 寒そうに腕を擦りながら外に出るサーヤの後につづく。
 彼女が隣の建物に入って行くので、後を追って逆三角形の図形が描かれた建物に入る。そこには大きな棚が幾つも並べられ、中には丸められた布地が置かれていた。
 奥の方では華やかな雰囲気の女性が、『形態投影』で地味な感じの女性の姿を紙に写し、それに布地を重ねて何か話していた。
「ここでは、服を注文できる」
「へぇ~」
 感心しながら建物内を眺めていると、客らしき女性たちが伊吹の顔を見て、刺さるような視線を向けてきた。
「なんか、睨まれているような……」
「あっ、女性向けの店だった」
 慌てて外に出ると、シオリンとぶつかりそうになる。
「おっと」
 なんとか仰け反って避けると、シオリンがニヤついた顔で近寄った。
「女装に興味があったんですかぁ~?」
「ないよ! 女性向けの店だって、知らなかったんだ」
 疑わしげな目を向けるシオリンの上をサーヤが飛んでくる。彼女はバツが悪そうに頭を掻いていた。
「悪い悪い、いつも来てる感覚で入っちまった」
「まぁ、そういうこともあるよね。ちょっと、他の店を見てくるよ」
 彼女にしては珍しいなと思いながら、他の建物にも目を向けてみる。また女性向けの店に入ってはいけないので、外から様子を見て歩くと、男性向けの服を扱う店、様々な道具を販売している店、幾つも樽が置かれた建物があった。

 いろいろと見て回っているうちに情報倉庫の前に辿り着く。チラッと中の様子を窺ってみると、ウサウサが受付の女性と話していた。
「記憶に関する能力について、調べたいのですが……」
「記憶ですか? え~……少々お待ちください」
 受付は厚紙の束を取り出すと、ページをめくって言った。
「記憶に関する能力では、近くにいる人の脳内にあるイメージ、つまりは記憶を映し出す『脳内映写』というアビリティが確認されております。当倉庫にある情報ですと、記憶に関する能力は、こちらだけになりますが、如何なさいますか?」
「そうですか……。お手数をおかけしました。知りたい情報がなさそうなので、今日のところは……」
「それでは、ご利用される日をお待ちしております」
 建物から出てくるウサウサと目が合う。彼女の表情は相変わらず涼しげなものだが、ウサ耳はピクッと動いた。
「何か調べもの?」
「はい、記憶を消す能力はないかと」
「何でまた、そんな能力を……」
 ウサウサは伊吹に近づくと、うつむいて小声で話し始めた。
「昨日の醜態を無かったことにしたくて……」
「醜態? みっともないことなんか、したっけ?」
「多くの人の前で、服を脱ぎました」
 思い出して恥ずかしいのか、ウサウサの顔は『光耀遮蔽』の光に覆われた。もう何度となく見てきた、隠したいものや見たくないものを覆う光だ。
「醜態だなんて、とんでもない。みんなを助けたひと脱ぎだよ? 綺麗だったし、恥じる必要なんかないって……って言っても、恥ずかしいものは恥ずかしいか」
「はい……」
 ウサウサの耳が、ふにゃっと折れ曲がる。
「じゃ、せめて僕だけは、何も見なかったことにするから」
「ありがとうございます」
「でも、助けられたことは忘れないよ」
 『光耀遮蔽』の光で覆われた顔に、ウサウサは手を持っていった。少し頭を垂れているが、光が邪魔で何をしているのかわからない。彼女の気持ちを汲み取ろうにも、顔が見えないと、もどかしさばかりが募っていく。
 “表情を隠す癖が治ったら、笑顔を見せてね”なんて話をしたこともあったが、いまだに表情と言えるものは見ていなかった。昨日、喘いだ顔は見たが……。
 それはそれとしても、自分に協力してくれたことに、お礼が言いたかった。
「あのときは、ありがとう。来てくれなかったら、僕はタダのバカ野郎で終わってた」
「私が行かなくても、あなたは何とかしていたと思います」
「それは買いかぶり過ぎじゃないかな」
 トビアスにスキルを発動した後、油断して酸の海と化したバトルフィールドに叩き落された詰めの甘さを思うに、そこまで自分を高くは評価できなかった。むしろ、最後の決め手となったウサウサこそ、彼女自身を評価してほしかった。
「僕のことより、もっと自分を褒めてあげてよ、醜態を晒したとか思わずに。あんな危ない人の前に、能力を持たない状態で飛び出したんだよ? 勇気がなきゃできないことだって」
 あのときのウサウサは、伊吹に能力を貸し出した状態だった。トビアスが攻撃してきても、いつも以上に守る術がなかった。
「昨日の私は、どうかしていたんです。あの場に飛び出していくことへの恐怖がなかった……」
「えっ?」
「あなたの狙いがわかった。それが嬉しくて、あなたのことが理解できた気がして、それで頭の中がいっぱいでした」
 ウサウサは情報倉庫の壁に背中を当てると、そのまましゃがみ込んで膝を抱えた。伊吹は彼女の隣に行き、同じように膝を抱えて座る。
「そっかぁ……」
 何て言っていいかわからずに、取り敢えず相槌を打つように言う。
 彼女が何か言うのを待ったが、続く言葉はなく、会話の無い時間が過ぎていった。不思議と、それは気まずさのない、むしろ心地いい時間だった。

「お~い、イブキ~、ウサウサ~」
 伊吹たちを呼びながらサーヤが近づいてくる。彼女の後ろには荷物を持ったワニックと、手ぶらのシオリン、ブリオがいた。ワニックが両手に持っている荷物は、大きな葉で何かをくるんだ物だった。
「あっ、サーヤたちだ」
 立ち上がってお尻をパンパンと払い、サーヤたちに合流する。ウサウサも伊吹の後に続く。
「今日の食事は買ったから」
「何を買ったの? マユタンが好きそうな物にした?」
「一応はな。前にマユタンが買ったのと同じなら、文句もないだろ」
 ということは、ワニックが持っている荷物の中身は、お椀型のゼリーということになる。肌色のゼリーの頂には、赤い実がトッピングされていて、あるものを彷彿とさせた。
 お陰で、ウサウサに“何も見なかったことにする”と言った後なのに、昨日見た彼女の下着姿が頭の中で呼び起こされていた。


 マユタンが鑑定業務を終えて家に戻ると、すぐさま食事ということになった。形的にアレなゼリーが置かれたテーブルを皆で囲み、プルンプルンするそれを手づかみで食べる。
「あぁ~、食べているときが一番幸せなのです。やはり、人は生きる為に食べるのではなく、食べる為に生きているのです」
 バクバクと凄い勢いで食べながらも、マユタンが食事への想いを語る。あまりの勢いに、「食べ過ぎると太るよ」という定番の一言を言いたくなるが、彼女に対しては意味のない言葉だと思いとどまり、代わりに違う話題を振ってみる。
「なんか、面白い能力はあった?」
「ん~っと、あっ、限定能力を初めて見たのです!」
「限定って、ガチャで出るのを限定するヤツ?」
「そうなのです! それも『変人限定』という誰が回すんだ的な限定能力なのだ」
 変人しか出ないガチャの需要を考えてみたが、さすがに必要な理由がパッと思いつくことはなかった。
「変人って、どういう人が出るのかなぁ? ねぇ、サーヤはどう思う?」
「イブキみたいなのが出るんだろ」
「僕は普通だよ」
 皆が一斉に伊吹を「大丈夫か」という目で見る。
「お前が普通だったら、この世に変人はいないっての。昨日、あの状況で、あんなことを思いつくのは、変わり者以外の何者でもないから」
「え~そうかなぁ……。あっ、でも、ウサウサは僕の狙いがわかったよね?」
 話を振ったウサウサは『光耀遮蔽』の光で顔を覆い隠した。ウサ耳がくねっと曲がっている。照れくさいのかもしれない。
 それを見て隣に座っていたシオリンが嬉しそうに肘で突いてくる。「何で嬉しそうなの?」と訊こうとしたところで、サーヤの声がかぶさってくる。
「ホント、最後の最後まで、何をする気なのかサッパリだったな」
「あれ? 説明しなかったっけ?」
「してねぇ~よ、何も。力を貸せ、人の心は常に丸裸だ……くらいしか言ってないっての」
「あはは……」
「まったく、何が心は常に丸裸だよ。それじゃ、心は風邪をひき放題だっての」
「うん、そうだね。いつ誰がひいても、おかしくない感じだ……。だから、寄り添った方が良いんじゃない? 裸でも寄り添えば温かいよ」
「ふぅ~ん……」
 訝しげな目をサーヤが向けてくる。元々はオスワルドが言っていたのだが、それを彼を知らないサーヤに言っても仕方ない。
 彼女の視線に堪えられないこともあって、話を軌道修正することにした。
「そういや、限定ガチャって、今も美女限定や飛行限定なの?」
「今日やってたのはね、幼女限定ガチャ、少年限定ガチャ、中年限定ガチャの3つだったよ」
「へぇ~、変わったんだ。前の限定ガチャみたいに、銀貨で回すの?」
「少年限定ガチャは銀貨だけど、幼女限定ガチャは金貨で、中年限定ガチャは銅貨」
「中年って安いんだね……」
 世間の需要というものに哀しさを覚える。
「幼女が金貨とは……。何というか、こう……金貨で回すなら、勇ましい者が出てほしいと思うのは俺だけか?」
「ワニック以外にも、そう思うのはいるだろうさ。まぁ、強さを求めるっていうと、あたいは今朝のアイツを思い出しちまうけどな」
「革命軍か……」
 今朝のことに話題がシフトしたことで、場の空気が少しだけ重くなる。
「奴の正体は、わかったようなものだが、何か行動を起こさなくていいのか?」
「例えば?」
「奴の所有者に正体を明かして、革命軍としての活動を辞めさせるとかだな。アイツらは厄介な連中なのだろう?」
「厄介だからこそ、下手な手は打てない。正体を知られたからには殺す……ってなるのは勘弁してほしいね」
 明日、正体に関して揺さ振りをかけてみようと思うところがあったが、サーヤの言葉を聴くとリスキーな気がしてくる。では、どう打って出るのが妥当なのか、そのことを考えながらの食事となった。
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