職業村人、パーティーの性処理要員に降格。

田原摩耶

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悪い人

06※

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 三人の舐めるような視線を必死に気にしないようにしながらナイトの股ぐらに潜り込む。膝立ちになり、そっと膝を掴んで脚を開かせれば既に膨らみかけていたそこを見て堪らず息を飲む。
 体格からしていい方だと分かっていたが、その膨らみは見てわかるほど大きなものだった。

「……っ、あぁ……」

 耐え兼ねるように息を吐くナイト、その顔は既に赤く、苦しそうに歪んでいる。悪い、そう何度も口の中で繰り返しながら俺はナイトの前を寛げる。そして下着から取り出そうとした瞬間、勢いよく飛び出した性器が顔に当たり思わずぎょっとした。

「……っ、……!」

 質量、熱、硬さ、匂い。他のやつらとも違う、子供の腕くらいはあるのではないかと思うほどの男性器に思わず俺は目が反らせなかった。
 エラ張った亀頭すら口に入るか不安だった。それどころか太い血管に覆われた反り返ったそれを挿入されたらと思うと背筋がぞくりと震える。
 ……何を考えているのだ、余計なことを考えるな。そう自分を叱咤したとき、性器越しにナイトと目が合った。

「っ、スレイヴ殿……ッ無理をするな」
「だ、いじょうぶだ……これくらい……」

 そう、自分に言い聞かせることでしか己を保てなかった。

  濃厚な雄の匂いに頭がくらくらする。
 ……できるのか、これを。ナイトのものだとなるべく意識しないようにするが、そうしようとすればするほど頭がいっぱいになるのだ。
 既に先走りで濡れた肉色の亀頭に恐る恐る唇を押し付けた。

「っ、……ふ、……ぅ」
「く、ぅ……ッ!」

 そのままちろちろと舌先で先端部の窪みを舐めればぴくりとナイト自身が反応するのがわかった。口から離れそうになり咄嗟に根本を掴めば、ドクドクとナイトの鼓動が流れ込んでくるのだ。
 どこがいいのか最早考える頭すらない。この地獄のような時間を早く終わらせたかった。
 そのまま亀頭を咥え、口輪で先っぽを捕らえながら舌で尿道を穿った。

「っん、ぅ……ッ、む……」
「ちゃんとナイトが射精できるまでするんだぞ」

 勇者の声が響く。なんの感慨もない、楽しそうなわけでもない。ただ見守ってるこいつの心理はまるで理解できない。俺は無視してナイトの亀頭をしゃぶる。口の中に広がるナイトの味に目眩がした、口の中のそれが存在感を増すにつれ先程まで挿入されていた下腹部がきゅうっと反応するのだ。奥が疼く。余計なことを考えるな、集中しろ。そう自分に言い聞かせ、俺は尿道から溢れる先走りを吸い出した。

「っ、ん、ッふ……」
「もういい、スレイヴ殿……ッ、こんな真似……」

 やめろ、と何度も口にするナイト。俺だってこれ以上ナイトを苦しめるような真似したくなかった。けれど、それでも止められないのだ。
 これ以上ナイトの恥態を見られたくなくて、俺は早く達させるために咥えられない分竿を両手で握り締めた。
「っ、う」とナイトが小さく呻く。口の中、いつの間にかに溜まっていた唾液をたらりと垂らし、それを塗り込むように両手で性器全体を扱いた。

「っ、ん、ぅ……ッ!」
「は……ッ、く、スレイヴ殿……ッ!」

 先程よりも加速する鼓動。先走りと唾液でどんどん濡れていくその性器は滑りやすくなり、更に扱く手を早める。ぬちぬちと嫌らしい音が響く中、表面に浮かび上がった太い血管をなぞるように指を這わせながら張った亀頭を口全体を使って愛撫する。恐らくナイトから見た俺は酷い顔だろう。それでも、今更なりふり構っていられなかった。

「っ、んぅ……ッ!」

 そのときだった。ナイトへの口淫に必死になっていると、いきなり背後から伸びてきた手に無防備状態の臀部を撫でられる。そのままぐに、と口も閉じきれていないそこに親指を捩じ込まれ中を広げられ、ぎょっと振り返ればそこにはシーフがいた。

「な、し、……っふ……ッ!」
「こっちのことは気にすんなって。……っ、ほら、そのまましゃぶってろ」

 そう、二本目の指が挿入され堪らず仰け反った。
 気にすんなって言われても。勇者も止めない、メイジはというとベッドで胡座を掻いたままこちらを見てる。――この状況から助けてくれる人間など誰一人この場にいない。
 このまま続けるしかないのだろう。ぐちぐちと中を弄られ、精液で濡れそぼった体内をごつごつとした指を探られる。その刺激にガクガクと腰が震え、倒れそうになりながらもナイトの腿にしがみついた俺は再び口淫を再開させた。

「っは、……っん、ぅむ……ッ!」
「そーそー、そのまま……ッ」
「ん゛っ、ふーッ、ぅ、……ッ!」

 入り口の辺りをシーフの指で撫でられるだけで意識が蕩けそうになる。集中できるわけがない。ぬちぬちと淫猥な音が腹の中で響く。どろりと垂れる精液を感じながらも俺はそれを無視して目の前の性器を奉仕するのだ。それは愛撫というにはあまりにも稚拙だっただろう、それでもどくどくと溢れる先走りの量は増し、舌を滑る性器は明らかに大きくなっていってるのだ。

「っ、む、ぅ……ッ!」

 ただ性器を使わない絶頂に近い感覚が持続してるような快感だった。前立腺の凝りの部分を指で柔らかく揉まれ、そこを集中的に愛撫されれば舌を動かすことすらできなかった。

「っん゛う……~~ッ!!」

 逃げようと落とす腰を固定されたまま更に快感に追い詰められる。脳髄に直接電流を流されたようなほどの熱に呑まれ、甘く勃起していた性器がびりびりと震えた。気持ちいい、なんて認めたくない。腰がガクガクと揺れ、腿へと流れ落ちた精液が床を汚す。自分が達してるのかすらわからない。魚のように跳ねる体、最早奉仕どころではなかった。口からは性器が溢れ、ナイトの下腹部にしがみつくことで精一杯の俺からシーフは指を引き抜いた。
 ようやく終わったのか。そう、安堵したのも束の間のことだった。精液でどろどろに濡れ、めくれ上がったその肛門に先程の指とは明らかに太さの違うものが押し当てられ、息を飲む。

「シーフ殿……ッ」
「……ッ、だってさぁ、散々あんなもん見せられて我慢できるわけねえじゃん……っ?」
「俺が暖めてやったんだから大切に使えよ」
「それ言うなよ、萎えるから」

 尻たぶごと左右に押し広げられ、更に腰をゆっくり押し付けられれば散々慣らされたそこはぐぷぷ、と音を立てシーフのものを呑み込んでいくのだ。

「っう゛ぶ、ッ、ふ、ぅ……ッ!」
「……っ、おい休んでんなよ、ナイトが可哀想だろ?」
「っ、ぅ゛……ッ、ん゛ぅ……ッ!」

 やめろ、動くな。そう言いたいのに言葉はくぐもった呻き声になる。拒みたいのに、自分の意思を無視して散々に中に出された精液を潤滑油代わりに滑るように奥まで挿入されれば言葉にならないほどの快感に堪らず背筋が伸びた。

「っ、は、すげ……熱いし吸い付いてくる……っ、もうとろとろじゃねえの」
「ぅ゛ッ、ふ……ッ! う……ッ!」

 両手でガッチリと固定された下腹部に腰を打ち付けられる度に全身が跳ね上がった。ずるうっと引き抜かれ、入り口にカリをひっかけられたかと思えば一気に根本まで深く挿入されれば瞼裏がチカチカと点滅し、視界が大きくぶれた。

「ぅ、おッ、や、め……ッ、も、ッぉひ、ゆっく、ッぅ、うあッ! っ……待っ、ぅ゛ッ、あ……ッ!やっ、抜いっ、ひぃ……ッ!」
「おい、口が空いてんぞ」
「っ、ひ、う……ッ!」
「おいおいスレイヴこんなんじゃ、朝になっても終わんねえぞ」

「ま、俺は全然大歓迎だけどな」と背後のシーフは笑いながら俺の頭を掴み、強引にナイトの股間に顔を押し付けてくるのだ。
「ほら、しゃぶってやれ」とねっとりと絡みつくような優しい声とは裏腹に緩めるどころか早められるピストンに頭がどうにかなりそうだった。鼻先、押し付けられる裏スジにしゃぶりつくのが精一杯だった。

「っふーっ、ぅ……んむぅ……ッ! っ、ぁ、ん、む……っ! ぅ、……あ……ッ!」
「はぁ……っ、やべ、中とろとろ……ッそこらへんの売女より全然アリだわ、おまけに吸い付いてくる……ッ」

「揉める胸がねえのが残念だがな」と下卑た笑いが鼓膜から染み込む。腹の中、じんじんと熱を孕んだ内壁を無理矢理押し広げ腫れ上がった最奥をゴリゴリと押し潰され、堪らず声にならない悲鳴が漏れる。口を閉じることもできなかった。舌を戻すこともできない、油断をすれば意識ごと持っていかれそうになったとき、ナイトと目が合う。滲むそれは怒りだ。俺、周りの連中――そして己か。

「集中しろ集中、ほら……っ!」
「っ、ん、ぅ、く、んんぅ……ッ!」

 起き上がることもままならない、シーフに尻を叩かれその反動でまた達しそうになる。ピストンが加速するに連れ腰が耐えきれずに最早シーフの支えなしでは膝で立つことすらできなかっただろう。犬のように四つん這いでナイトの性器、その裏筋から根本まで唇で吸い付くように刺激する。

「っ、スレイヴ殿、もういい、待て、……ッこれ以上は……ッ!」
「っ、ふ、ぅ……ッ、ん、むぅ……ッ!」
「く、ぅ……ッ!」

 ガチガチに反り返った性器、根本から先っぽまでれろっと舌を這わせ、そのまま亀頭を咥えたときだった。口の中のそれが大きく跳ねた。瞬間ドクンと大きく脈が鳴った。

「っ、ん、ぶ」
「っ、く、ぅ……ッ!」

 それがナイトのものだと理解したときに遅かった。喉奥に直接注ぎ込まれる大量の精液が絡みつく。

「っ、ん゛ぅ、ッ、ふう゛ぷ……ッ!」
「っ、うお、締め付けやべえ……っ! っ、は、このまま出すぞ……ッ!」

 待て、と止める暇すらなかった。吐精される大量の精液を飲み込むこともできないまま藻掻く俺の中にシーフの野郎はそのまま思いっきり中に出しやがった。

「……ッ、――~~!!」

 声すらも出ない。ほぼ同時に体内に射精され、二人の熱を受け止めきれるわけがなかった。
 ナイトの性器から口を離し、吐き出そうとしたときシーフに顎を掴まれ口を閉じさせられるのだ。

「こういうときはごっくんだろ、マナーだ。覚えとけ」
「ん゛ぅ、ぐ……ッ」

 吐き出すことを許されないまま、俺は半ばやけくそに口の中のものを喉奥に流し込んだ。ナイトのものだと思えばまだマシだがそれでもあまりにも量が多く、熱を持った粘着質な精液が喉にひっかかるのを感じながらも俺は小さくえずく。そして俺の喉仏が上下したのを見てシーフは俺の口から手を離し、そして自身をも引き抜いた。
 抜かれる途中掠める亀頭の感触ですら感じてしまいそうな中、栓を失った肛門からはどろりと精液が溢れ出す。シーフの手も離れ、支えを失った俺はそのままその場に座り込んだ。広がった穴からは更にどろりと残った体液が溢れ出したのだ。

「っ、スレイヴ殿……ッ、すまない……」
「……っ、な、いと……っ」

 粘りついた口の中、口を閉じても鼻に残ったナイトの匂いで頭がいっぱいになっていた。すまない、と何度も口にするナイト。たった今射精したばかりにも関わらず既に頭を擡げているそこを見て、息を飲む。
 少なからずナイトが気持ちよくなればよかった。そう思っていたが――。

「ハハッ! なんだナイトお前もう準備万端かよ。ま、気持ちは分からないでもないけどな」
「っ、こ、れは……ッ」

 違う、とナイトが言いかけたときだった。

「お前も一緒だな、ナイト。……お前はこいつのことは肉欲の対象としか見ていない」
「……っ、勇者殿……」
「本当はスレイヴを犯したくて仕方ないんだろ。綺麗事だのなんだ言って結局お前も同じだ。……萎えてない性器が何よりの証拠だろ?」

 そう指摘され、ナイトが息を飲む。
 俺には勇者が何を言ってるのかまるで理解できなかった、言葉ではなくその真意が。それはナイトも同じなのだろう。

「ナイト、認めろ。スレイヴと性行為をしたいと認めればお前も……スレイヴも許してやる。今回のこともなかったことにしてやる」
「……ッ、貴殿は正気ではない、こんなこと……」
「異常か? そう思うならパーティーを抜けろ。こいつを置いて今すぐ部屋から出ていけ」
「な……ッ」

 それは俺達だけではない、シーフも驚いたような顔をしていた。
「シーフ、拘束を解いてやれ」と勇者に指名されたシーフはなんだか含みがある笑みを浮かべ、「はいよ」と手慣れた手付きでナイトの拘束を離すのだ。幾ら武器を持ってない丸腰の状態とは言えあまりにも思い切った勇者の出方にナイト自身も困惑していた。
 勇者には――あいつには自信があるのだろう、ナイトに襲いかかられてもなんとかできるという自信が。
 メイジもシーフもいる、明らかに分が悪いのはナイトだ。

「……っ貴殿は、スレイヴ殿をどうするつもりだ、このまま……っ」
「どうもこうも、こいつには二度と俺から離れられないようにするだけだ。……どうだってもいい、俺と一緒にいてくれるなら」

 俺の知ってる勇者とは思えない言葉だった。
 ……けど、俺はこのときのこいつを知ってる。あのとき、俺をパーティーから追放したときの勇者も確かにこんな目をしていた。――本気だ。
 そのとき、体が宙に浮く。抱きかかえられたのだと気付いたのは目の前にナイトの顔があったからだ。

「っ、な、いと……っ」

 まさか、とナイトの腕を掴んだとき、ナイトはそっと俺をベッドに下ろした。うつ伏せになった体を慌てて起こそうとしたとき、腰を掴まれる。そして。

「スレイヴ殿、すまない。……今は、こうするしかないのだ」
「な、え……」

 下着も身につけていない下腹部、尻の谷間に添えるように押し付けられたそれに息を飲む。
 まさか、こいつは。

「……っ、ぁ、待っ……ッ、や、めろ、ナイト……ッ! お前は、こんなことしなくても……ッ!俺は、も、いいから……ッ!」
「……ッ、目を瞑っていろ、スレイヴ殿。――すぐに、済ませる」
「な、に……言って……ッ、ひッ」

 大きくて、分厚い掌。頭を撫で、抱き締めてくれたあの手が今は俺の尻を鷲掴んでいる。
 食い込む指、尻を掴んだまま左右に肛門を割り広げられれば広がったそこからは中に残っていた二人分の精液が溢れる感触がした。見られたくないところを、触れられたくないところを見られている。それだけでも酷く息が詰まった。それなのに、既に勃起したあの巨大な性器を擦り付けられればそれだけで腰が跳ねる。

「ナイトっ、だめだ、こんな……お前はこんなことしなくても……ッ!」
「……すまない、っ……」

 荒く、熱い息が項に吹きかかる。息だけではない、触れる掌も、性器すらも熱した鉄の棒のようだ。だめだ、ナイト。そう頭を横に振ったが、ナイトはすまないと繰り返すだけだ。そして、すっかり解れたそこに押し当てられる亀頭に息を飲む。いくら解されたとはいえ規格外だ、口に咥えることすら困難だったものが今から自分の体内に入ると思えば戦慄した。

「待っ、無理だ入らな……ぁ……あ゛ぐぅうう――~~ッ!!」

 押し潰される。気遣うようにゆっくりと、それでも明らかに許容範囲を越えた質量に体が悲鳴を上げる。潤滑油代わりのものがあるとはいえみちみちと裂けるように頭を埋めてくるそれに呼吸すらもできなかった。

「ッ、は――ッ、ぐ、ぅ、ひ……ッ!!」
「……っ、スレイヴ殿、息を……っ」
「う゛ぅう……ッ、……ッぁ゛、あ……ッ!」

 内臓ごと押し上げてくるような圧迫感に耐えきれずシーツにしがみつくがそれでも緩和できるものではない。
「うっわ、えげつねー」「スレイヴちゃん頑張れー」と野次を飛ばしてくる二人の声すら頭に入らない。

「ふ、ぅ、ッ! う゛、……ッだ、いじょ、ぉ゛……ッ! ッ、らいじょ……ぉぶ、ぅ……ッだ、からぁ……ッ!!!」
「っ、すまない……ッ」

 スレイヴ殿、と申し訳なさそうなナイトの声が聞こえてきた。大丈夫だと言いたいのに言葉にならない。開いた口からは唾液と獣じみた声が漏れる。
 苦しい、息ができない。
 滑る性器、腹の奥、最奥にまで辿り着いたその先っぽに突き当たりの壁を押し上げられるだけで頭の奥からどろりとしたものが溢れるようだった。そこは、やばい。だめだ。そう頭を振って、腰を浮かせようとするがまともに動けない。

「ぉ……ッ! ぐ、ぅ……ッあだっ、で……――ッ!」
「っ、く、ぅ……ッ! スレイヴ殿……力を抜け……ッ!」

 力を抜くってなんだ。分からない。
 ただナイトを受け入れることが精一杯だった。

「ぅう……――~~ッ!!」

 腹がびくびくと跳ねる。苦しいのに、奥の突き当りを亀頭で体重かけるように押し潰されるだけで腰が甘く疼き、あっという間に甘い絶頂へと追いやられるのだ。断続的に飛び出す最早半透明の精液。自分が射精する度に頭の何処かが壊れていくのがわかった。

「っ、スレイヴ殿、……っ、あと少しの辛抱だ……ッ」
「っ、ふ……ッ、う゛……ッ!」
「……っ、スレイヴ殿……」

 こくこくと何度も頷いて答えた。言葉を発する余裕すらもなかったのだ。頭を撫でられ、軽く顎を持ち上げられる。何事かと驚く暇もなかった。唇を重ねられ、全身がびくりと震える。

「っん、む……っ!」

 それは宥めるようなキスだった。腰を止めたナイトは俺の頬に触れ、いつの間にかに乾いていた涙の跡を指先で拭うのだ。ずっと表情が見えなくて不安だった。けれど、ナイトも同じだ。申し訳なさそうな、苦しそうなその顔にようやく安心したように全身の緊張が僅かに緩む。
 ――俺だけじゃないのだ。

「っ、ん、ぁ……ッ、な、いと、……ッ! ないと……ッ!」

 体を攀じるようにしてナイトにしがみつき、唇を重ねる。片腿を掴んだまま、ナイトは更に腰を進めるのだ。腹が苦しいが、それ以上に重ねられる唇が緩和剤となった。舌を絡め、痛みを堪えるようにナイトの体にしがみつけばまるで子供をあやすようにナイトは俺の後頭部を撫で、更に深く舌を絡めた。濡れた音が響く。外野の声も耳に入らない、一つ一つ箍が外れていく。

「っ、ん、ぅ……ッひ、ぐ……ッ!」

 ナイトの動きに合わせて腰が揺れる。痛くて苦しいだけと思っていたのに今は痛みが薄れていた。びくびくと痙攣する腰を撫でられ、「苦しくないか?」と尋ねられれば結合部越しに伝わるその低い声にすら甘い感覚が流れてくるのだ。

「だ、っ、いじょ……っぶ……ッ」
「……っ、そうか」

 動くぞ、と囁かれ、俺は返事の代わりにナイトの首に腕を回した。

「っ、ぁッ、あ……ぁ……ッ!」

 溜息混じりに声が漏れる。恥も外聞もない。ただナイトに抱かれ、喜びを感じている自分が確かにそこにいた。メイジの仕業か、この狂った状況のせいか、最早わからない。軋むベッド、ぐっと体重をかけるように奥を押し上げられるだけで思考は飛ぶ。次第に性器のストローク感覚が短くなり、覆い被さってくるナイトの呼吸も浅くなる。
 ナイト、と縋り付けば、憐れむような目とともにナイトは俺に唇を寄せ、重ねる。触れるだけの口づけはピストンか加速するにつれ次第に激しさを増し、獣のように噛みつき、唇ごと貪られるのだ。

「っ、ん゛ッ、ふ、ぅ……ッ! ぅっ! んんぅッ!」

 口の中、腹の奥両方から響く水の音に溺れる。自分の意思とは関係なく腰が揺れ、快感を得ようとするのをナイトは僅かに顔を強張らせるのだ。
 険しい目に僅かに動揺の色が滲んだ。

「っ、す、れいゔ殿ッ、待て……ッ一旦、抜くから……っ」

 ナイトが何を慌てているのかわかった。
 膨らんだ腹の奥、根本奥深くまで収まったそれが既に限界だということも。ならば、と俺はナイトの腰を捕らえるように脚を回した。

「っ、このまま……」
「ッ、な……ッ!」
「っ、このまま、で、いい……から……ッ」

 もっと、と強請るよりも先に腰を掴まれる。
 ばちゅん!と腰を叩きつけられ体が大きく跳ねた。

「スレイヴ殿……ッ、スレイヴ殿……ッ!」
「っ、ひ、ぅ゛ッ! ぁ゛ッ、も、はげ、しッ、ん゛ッ、っ、も゛ッ、ぉ、お゛ぐ、ぅ゛……ッ!!」
「ああ、クソ……ッ、貴殿は……ッ! そんなことを……ッ!」
「ひッ、ぎゅ……ッ! ぅ゛ッ、ふ、ぉ゛ッぉ、おご……ッ!」

 ガクガクとイキッぱなしの下腹部に最早感覚などはない、あるのは熱と快感だけだ。叩きつけられるほど肉体は溶けて形を失っていくようだった、ぐるぐると回る視界の中、悲しそうなナイトの顔だけがやけに鮮明に焼き付いていた。そしてすまない、とナイトが唇を動かしたときだった。
 直腸に注がれる先ほどと変わらないほどの熱に呑まれ、意識が遠のいた。
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