ひとまず一回ヤりましょう、公爵様 11

木野 キノ子

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第二章 乱宴

10 ガルドベンダの考え

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ガルドベンダ公爵家では…出発前に、やはり悶着が起こった。

「なぜですか!!お父様!!なぜ抗議しては、いけないのですか!!」

メイリンが…馬鹿みたいに声を張り上げていた。

「当たり前だろう」

ツァリオの声は…静かだがやはり、怒鳴りたいのを耐えているような節がある。

「まずティタノ陛下の前に出たお前の態度自体…平身低頭お詫びせねばならないものだ!!」

「で、でも向こうが礼節を欠いた場合は…」

「礼節など1つも欠いていない!!」

ツァリオの声は…かなり強くなってきた。

「そもそも我が家は、父上の印璽の件で、ティタノ陛下の御不興を買っているのだ。
その上…そんなバカげた抗議をしたら、火に油を注ぐようなものだと、なぜわからん?」

「バカげたとは何ですか!!みんな言ってました!!
女性を裸で戦わせるような事を、するなど…と!!」

「募集要項にあった、戦争形式とは、そういう事だ!!
それを了承してサインした以上…何も言う資格はない!!」

逆に…戦争形式と書かれていて、分からなければ…細部まで確認するのは、本人であって、
主催者側ではない。

「アルフレッドお兄様も、何とか言ってくださいよ!!」

アンナマリーが心配なのだろう…。
ずっと暗い顔をして黙っているアルフレッドが…、いかにもフィリーを庇いだてできないと、
焦っているように、見えたのかもしれない…。

しかし…。

メイリンは自分が、この場での最悪の悪手を踏んだことを、全く分かっていなかった。
平時であれば、言をしっかりと選んで吐けるであろうアルフレッドだが、この時にそんな
余裕はなかった。

「はあ?なんでオレなんだよ?」

メイリンの後ろにいたドロテアを睨みつけ、

「ドロテアが尻出そうが、胸出そうが、それで恥かこうが、オレに何の関係があるんだ!!」

メイリンごと怒鳴りつけているが…明らかにドロテアに向かって言っているようだった。
余談だが、ドロテアは…試合の翌日、ガルドベンダへ出向している。
メイリンが…戻せと言ってきかなかった事と、フィリーも…向こうの様子を見てきた方が
良いと言ったためだ。

「お兄様は女性を裸にする人を、擁護するのですか!!」

1人ぷりぷりして、納得いかないと訴えているが、

「お父様の言葉を聞いていなかったのか!!自分の不甲斐なさを人のせいにするな!!
ついでに言えば、何の罪もない人間を、悪人に仕立て上げるな!!
ドロテアだってドロテアだ!!
戦争形式の戦いに文句をつけるなら、最初からやらなきゃよかったろうが!!!」

アンナマリーの事で、余裕がなくなっている上…モントリアの怪我がドロテアのせいだと
信じ込んでいるアルフレッドは…いっそう冷たい口調で、凍った言葉を吐く。

「ドロテアは精一杯頑張ったのよ!!少しぐらい認めてくれたって、いいじゃない!!」

メイリンは眼を潤ませ、必死に叫んでいる。

「頑張ったぁ?じゃあ、裸になってでも、戦い抜けばよかっただろうよ!!」

「そんなの、ヒドイ!!」

メイリンとアルフレッドのやり取りを…胸の前で手をぎゅっと握って聞いているドロテア。

(私は…何を頑張っているんだろう…。一体何を…)

自分の気持ちとは裏腹に、様々な考えが頭をよぎる。
過去に…騎士になりたいと言って、反対された。
その自分を擁護してくれたのは、アルフレッドだった。
頑張ると言っているのだから、やらせてみればいいと、父に言ってくれたのは…。

だが不意に、頭を振り…。
意識は…頑張って近くにいるモントリアに持って行く。

ポーカーフェイスがしっかりしていて読めないが…。
2人を止める気はないようだ。

「だいたい…このパーティーだって、必ず出なきゃいけないわけじゃないだろう!!
お前もドロテアも出るな、ばーか!!」

アルフレッドはいつもの冷静さを完全に欠いているため、小さい子供のような言動に
なってしまっている。
だがそれだけに、本心だとわかるものだった。

「ど、どうしてそんなひどい事、言えるのよぉ~。
傷付いたドロテアを、エスコートするぐらい、紳士としてしたっていいじゃない!!」

メイリンが泣き出した。

「馬鹿を言うな!!仮にもファルメニウス公爵家のパーティーは、公式の場だぞ!!
ドロテアなんていじめをやる最低女を…なんでオレが横に並べなきゃいけないんだ!!
オレはそんなの、死んでも御免だ!!」

「アルフレッド!!何もそこまで…」

「おばあ様は黙っててください!!」

アルフレッドはとりつくシマもない。

「それにしたって、もう少し優しくしてあげてもいいでしょう!!
今日は少し、おかしいわよ、アナタ…」

ヴィネラェのこの反応は…ある意味致し方ない。
ツァルガの印璽の件は…ガルドベンダ全体に周知させたが、アンナマリー誘拐の件は、
ツァリオとアイリン、アルフレッドで情報をとどめているのだ。

だから…アルフレッドは自分の態度も、言も…一切緩める気は無い…いや、出来ないのだろう。

「とにかく…全員で行くぞ。父上の印璽の件があるから、欠席は不可だ!!」

ツァリオがいい加減にしろと言う意味も込め、怒鳴る。

「くれぐれも…ファルメニウス公爵夫妻の悪口は言わないように!!
それを言ったら…わしはもう、一切の庇いだてをしない。
母上もいいですね!!」

よくわかっているツァリオの、鋭い目が光る。
一番危なっかしい人を、注意している。

「わ、分かっているわよ…」

さすがに今回は、私じゃない…とでも、言いたげな雰囲気だった。

そして行きの馬車の中…メイリンはヴィネラェ、ドロテア、モントリアと一緒に乗った。

「おばあ様!!どうして誰も、取り合ってくれないんですか!!
ティタノ陛下に抗議した私を、逆に責め立てて…。
ドロテアの将来を潰すかもしれない行動を、とった人たちに…誰も…」

ヴィネラェは…メイリンの気持ちはわかるが、さりとて…。

「あのね…メイリン。この世は、正しい事をすれば、必ず認められるワケじゃ無いの。
とにかく…今回は静かにしていてね。
ツァリオがああ言った以上、問題を起こせば、最悪修道院行きよ…」

修道院は…箔を付けるために入る場合もあるが、罪を償わせたり、問題のある婦女子を閉じ込めて
おく、監獄の意味合いも持つ。
ヴィネラェの言う修道院は…間違いなく、後者である。

結局メイリンは…ファルメニウス公爵家に着く直前まで、泣いていた。

ドロテアは…そんなメイリンを慰めつつ、意識は…モントリアの方に向ける。

(やっぱり…。ポーカーフェイスが板についている。なかなか読めない…。
でも…必ずアンタの正体を暴いてやる。アンタのしている事は…絶対に間違ってるから!!)

それは果たして、誰の為なのか…。
ちぐはぐな思いを乗せて…馬車はガタガタと進んでいくのだった…。

一方、アルフレッドの乗っている馬車はと言えば…。

「少し落ち着け!!アルフレッド」

ツァリオが…ずっと親指の爪を噛みつつ、憔悴し続けるアルフレッドに、声を変えた。
アルフレッドは…ツァリオとアイリンと一緒に乗っている。

「お父様はお母様が同じ目に遭っても、落ち着いていられるんですか!!」

痛い所を突いてくる。

「……だからと言って、できる事がないのも事実なんだ…。
ギリアム公爵閣下とオルフィリア公爵夫人は、助けに行ってくれると言ったのだから、
吉報を待つしかない。
そもそもギリアム公爵閣下が何とかできないなら、この国の誰も無理だ。
我々は…パーティー会場で、しょうもない事をしている輩がいたら、それを抑えるなど、
出来る事をして、協力するべきだ」

ツァリオもまた、非常に冷静な分析から、言葉を述べる…。

「わかってますよ…そんな事…」

やり場のない思いが…思わず口から出たようだ。

そして、もう一台の馬車に乗っていた、ツァルガとステファンは終始喋らなかった…。
何を考えているのか…その表情は読めない。
ただ…暗いと言うより、表情…感情が無い…に、近かった。

こうして様々な思いを孕みつつ、ファルメニウス公爵家にやってきた、ガルドベンダ公爵家が
真っ先に向かったのは…。

「ティタノ陛下…ご機嫌麗しゅうございます」

当然…ティタノ陛下の元だった。
事情を知らない者達は、ギリアムとフィリーがいない事、訝しんだと思うが、顔には出さない。

「この度は…我が娘が大変な不始末をしでかしまして、誠に申し訳ございません」

全員で…随分と平身低頭頭を下げている。
メイリンは…頭を下げているせいで、顔は見えない。

「まさかそんな、言葉一つで済ますわけではあるまいな?
おおよそ貴族教育を受けているとは、思えなかったが?」

ティタノ陛下の、痛烈な一言。

「もちろんでございます!!追って処罰は致しますが…、今日の所は兎にも角にも、お詫びを
…と、思った次第でございます」

ツァリオは…普段の様相からは信じられないくらい、平伏している。

「まあよい…。
お前はその辺をしっかりする男だと、わかっているから、今日の所は何も言わん。
せっかく楽しいパーティーの最中じゃ…。
興ざめになるのも、忍びない」

「しかし…先ほどから、アカデミーの懇親会…そして、ギリアム公爵とオルフィリア公爵夫人が
いない事で、色々言っている輩がいるようだ。
それに対し…お前たちがどう接するのか…見せてもらおうか?」

「わかっております!!」

短い言葉に…覚悟が乗っている。

「なら下がれ」

ティタノ陛下は、あまり…多く言葉を発しない。
それが何を意味するのか…分かる者は、誰もいない…。

さて…ティタノ陛下へのご挨拶が済んだ後、メイリンがドロテア、モントリアと共に、真っ先に
行ったのは、当然レファイラの元であった。

「ご機嫌麗しゅうございます、レファイラ王后陛下…。
少々、お話したき事がございます…。お時間を頂けませんでしょうか?」

レファイラは…国王陛下と離れ、レベッカと一緒に、調度品を見ている所だった。

「メイリン嬢…ここで話はよくありません。控室に行きましょう…」

さすがに王家には…しっかりとした控室が用意されている。

控室の鍵を閉めると、メイリンは堰を切ったように、話し始めた。
新聞には…当然、あの最終試合の記事がでかでかと乗り…胸と尻を丸出しで戦った事が、
国中に知れ渡った。
抗議しようにも、ツァリオは一切、動こうともしないし、メイリンが何かするのも禁じた。
これは…フィリーがツァリオには、この試合に何が隠されているか、正確に話したからでも
あるのだが…。メイリンは知る由もない。

メイリンは泣きながら、そんな一連の事を叫ぶ。
そんなメイリンを…見つめるレファイラの目は…感情を孕んでいるようには思えない。

「メイリン嬢…少し席を外してください。ああ、モントリア嬢も…ね。
ドロテア嬢と話があります。当事者ですからね。
大丈夫…悪いようにはしませんから。私も…ドロテア嬢の試合を見て、胸が痛みましたので…」

そう言われたメイリンは…泣き顔に初めて笑顔を張りつけた。
ようやっと…わかってくれる人に出会ったと…。
ドロテアを励ましつつ、メイリンは控室の外に出る。後に残ったドロテアは…平伏したままだ。

「……悔しいですか?ドロテア嬢」

「え?」

ドロテアが初めて顔をあげた。

「アナタの体は…あんな下卑た男どもに、見せるようなものではない…」

レファイラのこの言葉で…ドロテアはまた…平伏し、

「悔しいです…」

ポツリ…と言った。
その姿は…それ以外に言いようがないと言う、悔しさをにじみ出しているように、レファイラには
見えただろう…。

「なら…目には目を歯には歯を…。
オルフィリア公爵夫人にも、同じ恥辱を味合わせたくはありませんか?」

「え…?」

「私はね…今回の事は、由々しき事と思っております。
でも…ファルメニウス公爵家は、王家と言えど、簡単にいう事を聞かせられないのですよ。
だから…身をもって味わってもらう事にしたのです」

レファイラのその言葉と共に…レベッカがトレーに乗せた…何かの草と吹き矢を、ドロテアの前に
置いた…。

「その草は…ヒマシンスと言いましてね…。
その草の絞り汁が体に入ると…一定時間麻痺してしまうのですよ」

ドロテアは…目の前のヒマシンスと吹き矢を…黙って見つめている。

「オルフィリア公爵夫人には…宴会場の皆の眼前で…裸になってもらいます。
その上で…アナタがその吹き矢をオルフィリア公爵夫人に打ち込めば…そのまま動けなくなる…。
隠すこともできない、一糸まとわぬ姿を晒せば…少しはアナタの気持ちがわかると思いませんか?」

レファイラは…この時初めて、満面の笑みを向けた。
しかしそれは…ドロテアを思っての事では、もちろんない。あくまでフィリーに恥をかかせたいだけ。

「どうします?やりますか?やらないなら、この場を去りなさい。
やるなら…この場でヒマシンスの汁を、その吹き矢に塗り付けるのです」

ドロテアは…少しだけ震えていたが、直ぐにヒマシンスに手を伸ばし…その場で絞って、吹き矢に
塗りつけた。

「英断ですよ…ドロテア嬢…」

そして吹き矢を服の中に隠したドロテアは、その場を去った。

レベッカと2人だけになったレファイラは、

「ちょうどいい駒が手に入りましたね…」

ニコニコしている。

「本当ですわ。いい手駒とスケープゴートを、用意せずとも良くなったのですから…。
この作戦に、ちょうどいい連中も見かけましたので、ついでに焚きつけておきました。
王后陛下に不利益しか与えない害虫は…この機会に、しっかりと叩き潰してしまいましょう…」

後ろに控えていたレベッカが…不敵な笑みを漏らしながら、言を吐く。

「まあま、早速仕込みをしてくれたようね…。アナタは父親同様、本当に優秀だわ…。
ジョノァドも、私とレティアがあの女をできるだけ苦しめたいと言ったら…、ヒマシンスと今回の
策を、提供してくれましたからね…。これからも期待しているわよ…」

レファイラは、一転してご機嫌になり、レベッカを褒める…。
それをどう感じたのか…レベッカの厚塗りポーカーフェイスからは、一切読み取れなかった。
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