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第10章 信念
4 ローカス卿の顎が外れたっぽい…
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そのころ中庭…。
「わああ~~~」
中庭はもちろん公爵邸ほどではないが、色とりどりの花が咲き、
見る者を楽しませている。
ちょっとした公園のようだ。
色々疲れる任務をせねばならない団員のためにと、ギリアムが
団長になった時、私費で作ったらしい…。
ちなみに許可さえとれば、摘み取って家に持って帰ったり、
誰かにあげたりもオッケーなんだってさ。
いい上司やね!!
ギリアムは私を中央の花が一番綺麗に咲いている場所に連れて
いく。
私はそこで、自作のお弁当を広げた。
「…私に見せたいものとは、このお弁当ですか?」
「はい!!」
えーとね、これ仕方ないと思うんだけど、この世界のゴハン、
全体的に単調なんよ!!
あ、もちろん公爵家のゴハンは、おやつともども美味しいよ。
けどそれって、経済力で一流のシェフと食材を抱え込めるからこそ
成り立ってるわけですよ。
だから、お貴族様はお出かけの時、シェフも一緒に連れて行ったり
して、野外料理を楽しむことが多し。
ただ…シェフを連れていけない時の、お貴族様のゴハンって、
原則平民とあんまり変わんない…どころか、お貴族様の方が
質素な場合も…。
これにはちゃんと理由があるのだが、その理由を聞いた私は
閃いたのです。
そして発明しました(正確には前世の商品の再現です)。
その発明品のお披露目を、今日するので~す。
さて、お弁当のメインはサンドイッチです。
というより、サンドイッチ一択です。
その場で具材をサンドするという、皆さまが一般的にやってらっ
しゃる行為をやりました。
そして…、
「はい、どーぞ」
ギリアムに差し出すと、手を出さずに私に向かって、黙って口を
開けた。
「……」
これはアレですか?
食わせろってこと?
アツアツカップルがよくやってるヤツですか?
「あの~、受け取ってくださいません?」
確かに規約違反じゃないだろーけど…ここ職場よ?
わかってる?
ギリアム!!
「どうしたんですか?
早く食べさせてください。
私は午後も仕事なので…飢え死にしてしまいますよ」
…んな、子犬みたいな眼ぇして、小首傾げて言われてもサー。
アナタって一週間水だけで、敵軍に猛攻しかけて、要塞キッチリ
落としたって聞きマシタけどー?
そのアナタが~、一食抜いたぐらいで~、死にまセンヨねー。
などと思いながら、結局ギリアムの口にサンドイッチを運ぶ
私…。
だってさぁ!!
やると決めたギリアムの行動を!!
やめさせる方が大変なんだもん!!
「こ…これは…」
ギリアムは一瞬真剣な…驚いた顔になったが、
「お…美味しい!!凄く美味しいです!!フィリー」
とっても喜んでいただけたようで、作ったかいがあったよ~。
……って、わわ!!
ギリアムは私を自分の膝の上に乗せ、
「ではもう一口」
などと言うから、私も諦めて口の中に運んで差し上げた。
「ふふ…、フィリーに食べさせてもらうと、美味しい料理が
より一層美味しくなります」
「そう言っていただけると、私も嬉しいです」
私らの周りって、他人から見たらハートがいくつも飛び交ってる
状態なんやろーな。
まあ、郷に入っては郷に従えやから、もう知らん。
そんな中、ふと…。
視界の端に、何かが入る。
気になって少し、視線をそちらにやれば…。
大口開けて、メダマドコー状態のローカス卿だった…。
「あ、あのギリアム様…ローカス卿の顎が外れてらっしゃる
ようですよ」
いたたまれなくなって、ギリアムに手を放してくれと言いたかった
のだが、ギリアムはローカス卿の方を向きもせず、
「ああ、あの男は顎を外す趣味があるので、お気になさらず」
と、シレっと答える。
「誰がだ!!!ゴラ――――――!!!!」
…よかった。
ローカス卿の顎ははまったっぽい。
くだんのローカス卿は、自分を見つめている私が驚いたと思った
ようで、
「お見苦しい所をお見せいたしました。
ギリアム・アウススト・ファルメニウス公爵閣下、オルフィリア・
ステンロイド男爵令嬢に、ローカス・クエント・ケイシロンが
ご挨拶申し上げます」
と、すぐに言葉を整えた。
うん、デキる男やのぉ。
「そんなにかしこまらないで下さいローカス卿…。
私まだ男爵令嬢ですので、敬語を使われては、逆に恐縮して
しまいます。
ギリアム様と幼馴染とお聞きしていたので、普段の姿が見れて
逆に嬉しかったです」
私が笑顔を向ければ、ローカス卿は照れ臭そうに頭を掻き、
「じゃ…ま…、休憩中だし、いつも通りで行きますよ」
「おや、今日は随分素直なんだな、つまらん」
ギリアムがよっけーなことを言えば、
「うるっせーよ!!オメーはっ!!」
幼馴染な20代男子達は、なんだかとってもほほえましい。
「ローカス卿、お昼はもうお済ですか?」
「え…いや…、自分は午後休みなので、家に帰ってから食べる
つもりでした」
「だったら…」
私はさっきギリアムに作ったのと、同じサンドイッチを作った。
「これ、食べてみていただけますか?
感想が聞きたいのです」
ローカス卿は一口食べると、
「うまっ…!!」
と言って、一気に半分ぐらい食べたところで、
「これは…ソースを入れているのですか?」
と気づいて、慌てて自分の服を確認している。
そう…。
これが具沢山ソース入りサンドイッチが貴族に…いや貴族だから
こそ定着しない理由。
貴族においての礼儀作法の徹底具合は、宗教の戒律と言っても
決して言い過ぎではないくらいだ。
ゆえに食べている時、具がはみ出したり、ソースが服にこぼれたり
する(つまり食べ方が汚くなる)なんてご法度もいいところ。
そしてこの世界に、サランラップやアルミホイルなどの、お便利
グッズは一切ないからね~。
でもさ!!
個人の好みだろーけど、サンドイッチは具沢山、ソース付き
のほうが、断然うまい!!
というわけで、何かラップやホイルの代わりになる物…として
私が前世の知識をフル活用して再現したのが…蜜蠟ラップだ。
知っている人は知っていると思うけど、蜜蠟ラップって、素人
でも材料さえあれば、簡単につくれる。
ローカス卿には、服は大丈夫ですよと、蜜蠟ラップの説明を
した。
「スゴイ…。
こんなものを考え出して作るなんて…オルフィリア嬢は天才
ですね…」
本当にものすごく…感心してくれた。
「え…そんな…買い被りすぎですよ」
だって、ホントの意味で、私が開発したもんじゃないし…。
前世の知識だもん…なんかまた剣山でつつかれた感じ…。
「いいえ!そんなことはありません!
現にフィリーが改良した、騎士たちの携帯食も、大分おいしく
なりました!!」
うん、だから…。
それもだいたい前世の知識…。
しかも、顧客だったマニア客から得た知識…。
ああ、痛い!心の中の剣山がイテー。
一方ギリアムの言葉を聞いたローカス卿は、
「えっ!!そうなのか?」
めっちゃ驚いとる。
…あ、やっぱ近衛騎士団の方もマズいんか…。
「じゃあ、ちょうどいいので、もう一つサンドを作りますね」
私はサンドを二つ作り、一つはローカス卿に、もう一つは
ヒナ鳥と化している、ギリアムの口に放りこんだ。
「これも…うまい…」
そんなに感動してくださるなんて…ああ、剣山が!剣山がぁ!
「実はこのサンド…ザワークラウトを入れてあります」
「えっ……ええええっ!!」
ザワークラウトは前世でこそ、うまい食品として認識されて
いるが、この世界では薬の一種として考えられている。
保存がきかないビタミンに代表される栄養素を体に取り入れる
ための、貴重な薬…。
ゆえに、味を良くしようなどとは考えられていない。
むしろ、良薬口に苦しという言葉があるように(この世界にも
ある)不味いほど売れるという、悲しき位置づけ…。
体調管理も仕事の騎士は、必ずこのザワークラウトを毎日必ず
摂取することが義務付けられている。
大抵渋い顔をしながら、無言で食べているそうな…。
と、いうわけで!!
私はまずザワークラウト自体の味の改善に乗り出した。
苦みを強くするためだけに混ぜられているハーブ(おっちゃんに
確認したら、苦いだけのただの草・毒にも薬にもならぬ)をまず
なくした。
これだけでも味はだいぶマイルドになった。
しかしさらに改良するのが日本人気質!!
私はめっちゃ安い魚を焼いて身を細かくし、オイル漬けにした
もの(ぶっちゃけツナ)をザワークラウトと混ぜ、パテ状にし、
パンに塗るor挟むことにした。
結果…酸味の少しきいた、美味しいツナサンドの出来上がりだ。
マヨネーズも使いたいんやけど…食中毒がね…保存料ないから
さ…。
もうすぐ初夏って季節だからさ…。
「ザ…ザワークラウトって、こんなに美味しく食べられる物
だったのか…」
アラ、カンドーしてくれてはる、よかったよかった。
「いくら体にいい薬とはいえ、毎日摂取するものが不味くては
気がめいってしまうと思って…。
改良してみたのですが、うまくいったようで良かったです」
「ああ、ちなみに」
突然ギリアムが横から口を出す。
「干し肉などの保存食の改良版を、今騎士団のみんなが食堂で
試食していると思うぞ」
「なっ…なにぃ!!」
「あと、近衛騎士団でも不評な健康と体づくりのためのお茶…
それもフィリーが改良して、今回大分飲みやすくなってる」
「な、なんだとぉぉぉ!!」
「ローカス卿、興味があるなら行ってみたらどうだ?」
「しっ、失礼する!!」
ローカス卿は足早に行ってしまった。
「…えっと。
干し肉ならここにも…お茶も…」
と、私が言えば
「フィリーと二人だけの楽しい食事を、これ以上邪魔されたく
ないのです」
ふくれっ面になるギリアム。
…んっとに、この男は~。
私はため息つきつつ、サンドを作り、ギリアムの口に放り込む
のだった。
「わああ~~~」
中庭はもちろん公爵邸ほどではないが、色とりどりの花が咲き、
見る者を楽しませている。
ちょっとした公園のようだ。
色々疲れる任務をせねばならない団員のためにと、ギリアムが
団長になった時、私費で作ったらしい…。
ちなみに許可さえとれば、摘み取って家に持って帰ったり、
誰かにあげたりもオッケーなんだってさ。
いい上司やね!!
ギリアムは私を中央の花が一番綺麗に咲いている場所に連れて
いく。
私はそこで、自作のお弁当を広げた。
「…私に見せたいものとは、このお弁当ですか?」
「はい!!」
えーとね、これ仕方ないと思うんだけど、この世界のゴハン、
全体的に単調なんよ!!
あ、もちろん公爵家のゴハンは、おやつともども美味しいよ。
けどそれって、経済力で一流のシェフと食材を抱え込めるからこそ
成り立ってるわけですよ。
だから、お貴族様はお出かけの時、シェフも一緒に連れて行ったり
して、野外料理を楽しむことが多し。
ただ…シェフを連れていけない時の、お貴族様のゴハンって、
原則平民とあんまり変わんない…どころか、お貴族様の方が
質素な場合も…。
これにはちゃんと理由があるのだが、その理由を聞いた私は
閃いたのです。
そして発明しました(正確には前世の商品の再現です)。
その発明品のお披露目を、今日するので~す。
さて、お弁当のメインはサンドイッチです。
というより、サンドイッチ一択です。
その場で具材をサンドするという、皆さまが一般的にやってらっ
しゃる行為をやりました。
そして…、
「はい、どーぞ」
ギリアムに差し出すと、手を出さずに私に向かって、黙って口を
開けた。
「……」
これはアレですか?
食わせろってこと?
アツアツカップルがよくやってるヤツですか?
「あの~、受け取ってくださいません?」
確かに規約違反じゃないだろーけど…ここ職場よ?
わかってる?
ギリアム!!
「どうしたんですか?
早く食べさせてください。
私は午後も仕事なので…飢え死にしてしまいますよ」
…んな、子犬みたいな眼ぇして、小首傾げて言われてもサー。
アナタって一週間水だけで、敵軍に猛攻しかけて、要塞キッチリ
落としたって聞きマシタけどー?
そのアナタが~、一食抜いたぐらいで~、死にまセンヨねー。
などと思いながら、結局ギリアムの口にサンドイッチを運ぶ
私…。
だってさぁ!!
やると決めたギリアムの行動を!!
やめさせる方が大変なんだもん!!
「こ…これは…」
ギリアムは一瞬真剣な…驚いた顔になったが、
「お…美味しい!!凄く美味しいです!!フィリー」
とっても喜んでいただけたようで、作ったかいがあったよ~。
……って、わわ!!
ギリアムは私を自分の膝の上に乗せ、
「ではもう一口」
などと言うから、私も諦めて口の中に運んで差し上げた。
「ふふ…、フィリーに食べさせてもらうと、美味しい料理が
より一層美味しくなります」
「そう言っていただけると、私も嬉しいです」
私らの周りって、他人から見たらハートがいくつも飛び交ってる
状態なんやろーな。
まあ、郷に入っては郷に従えやから、もう知らん。
そんな中、ふと…。
視界の端に、何かが入る。
気になって少し、視線をそちらにやれば…。
大口開けて、メダマドコー状態のローカス卿だった…。
「あ、あのギリアム様…ローカス卿の顎が外れてらっしゃる
ようですよ」
いたたまれなくなって、ギリアムに手を放してくれと言いたかった
のだが、ギリアムはローカス卿の方を向きもせず、
「ああ、あの男は顎を外す趣味があるので、お気になさらず」
と、シレっと答える。
「誰がだ!!!ゴラ――――――!!!!」
…よかった。
ローカス卿の顎ははまったっぽい。
くだんのローカス卿は、自分を見つめている私が驚いたと思った
ようで、
「お見苦しい所をお見せいたしました。
ギリアム・アウススト・ファルメニウス公爵閣下、オルフィリア・
ステンロイド男爵令嬢に、ローカス・クエント・ケイシロンが
ご挨拶申し上げます」
と、すぐに言葉を整えた。
うん、デキる男やのぉ。
「そんなにかしこまらないで下さいローカス卿…。
私まだ男爵令嬢ですので、敬語を使われては、逆に恐縮して
しまいます。
ギリアム様と幼馴染とお聞きしていたので、普段の姿が見れて
逆に嬉しかったです」
私が笑顔を向ければ、ローカス卿は照れ臭そうに頭を掻き、
「じゃ…ま…、休憩中だし、いつも通りで行きますよ」
「おや、今日は随分素直なんだな、つまらん」
ギリアムがよっけーなことを言えば、
「うるっせーよ!!オメーはっ!!」
幼馴染な20代男子達は、なんだかとってもほほえましい。
「ローカス卿、お昼はもうお済ですか?」
「え…いや…、自分は午後休みなので、家に帰ってから食べる
つもりでした」
「だったら…」
私はさっきギリアムに作ったのと、同じサンドイッチを作った。
「これ、食べてみていただけますか?
感想が聞きたいのです」
ローカス卿は一口食べると、
「うまっ…!!」
と言って、一気に半分ぐらい食べたところで、
「これは…ソースを入れているのですか?」
と気づいて、慌てて自分の服を確認している。
そう…。
これが具沢山ソース入りサンドイッチが貴族に…いや貴族だから
こそ定着しない理由。
貴族においての礼儀作法の徹底具合は、宗教の戒律と言っても
決して言い過ぎではないくらいだ。
ゆえに食べている時、具がはみ出したり、ソースが服にこぼれたり
する(つまり食べ方が汚くなる)なんてご法度もいいところ。
そしてこの世界に、サランラップやアルミホイルなどの、お便利
グッズは一切ないからね~。
でもさ!!
個人の好みだろーけど、サンドイッチは具沢山、ソース付き
のほうが、断然うまい!!
というわけで、何かラップやホイルの代わりになる物…として
私が前世の知識をフル活用して再現したのが…蜜蠟ラップだ。
知っている人は知っていると思うけど、蜜蠟ラップって、素人
でも材料さえあれば、簡単につくれる。
ローカス卿には、服は大丈夫ですよと、蜜蠟ラップの説明を
した。
「スゴイ…。
こんなものを考え出して作るなんて…オルフィリア嬢は天才
ですね…」
本当にものすごく…感心してくれた。
「え…そんな…買い被りすぎですよ」
だって、ホントの意味で、私が開発したもんじゃないし…。
前世の知識だもん…なんかまた剣山でつつかれた感じ…。
「いいえ!そんなことはありません!
現にフィリーが改良した、騎士たちの携帯食も、大分おいしく
なりました!!」
うん、だから…。
それもだいたい前世の知識…。
しかも、顧客だったマニア客から得た知識…。
ああ、痛い!心の中の剣山がイテー。
一方ギリアムの言葉を聞いたローカス卿は、
「えっ!!そうなのか?」
めっちゃ驚いとる。
…あ、やっぱ近衛騎士団の方もマズいんか…。
「じゃあ、ちょうどいいので、もう一つサンドを作りますね」
私はサンドを二つ作り、一つはローカス卿に、もう一つは
ヒナ鳥と化している、ギリアムの口に放りこんだ。
「これも…うまい…」
そんなに感動してくださるなんて…ああ、剣山が!剣山がぁ!
「実はこのサンド…ザワークラウトを入れてあります」
「えっ……ええええっ!!」
ザワークラウトは前世でこそ、うまい食品として認識されて
いるが、この世界では薬の一種として考えられている。
保存がきかないビタミンに代表される栄養素を体に取り入れる
ための、貴重な薬…。
ゆえに、味を良くしようなどとは考えられていない。
むしろ、良薬口に苦しという言葉があるように(この世界にも
ある)不味いほど売れるという、悲しき位置づけ…。
体調管理も仕事の騎士は、必ずこのザワークラウトを毎日必ず
摂取することが義務付けられている。
大抵渋い顔をしながら、無言で食べているそうな…。
と、いうわけで!!
私はまずザワークラウト自体の味の改善に乗り出した。
苦みを強くするためだけに混ぜられているハーブ(おっちゃんに
確認したら、苦いだけのただの草・毒にも薬にもならぬ)をまず
なくした。
これだけでも味はだいぶマイルドになった。
しかしさらに改良するのが日本人気質!!
私はめっちゃ安い魚を焼いて身を細かくし、オイル漬けにした
もの(ぶっちゃけツナ)をザワークラウトと混ぜ、パテ状にし、
パンに塗るor挟むことにした。
結果…酸味の少しきいた、美味しいツナサンドの出来上がりだ。
マヨネーズも使いたいんやけど…食中毒がね…保存料ないから
さ…。
もうすぐ初夏って季節だからさ…。
「ザ…ザワークラウトって、こんなに美味しく食べられる物
だったのか…」
アラ、カンドーしてくれてはる、よかったよかった。
「いくら体にいい薬とはいえ、毎日摂取するものが不味くては
気がめいってしまうと思って…。
改良してみたのですが、うまくいったようで良かったです」
「ああ、ちなみに」
突然ギリアムが横から口を出す。
「干し肉などの保存食の改良版を、今騎士団のみんなが食堂で
試食していると思うぞ」
「なっ…なにぃ!!」
「あと、近衛騎士団でも不評な健康と体づくりのためのお茶…
それもフィリーが改良して、今回大分飲みやすくなってる」
「な、なんだとぉぉぉ!!」
「ローカス卿、興味があるなら行ってみたらどうだ?」
「しっ、失礼する!!」
ローカス卿は足早に行ってしまった。
「…えっと。
干し肉ならここにも…お茶も…」
と、私が言えば
「フィリーと二人だけの楽しい食事を、これ以上邪魔されたく
ないのです」
ふくれっ面になるギリアム。
…んっとに、この男は~。
私はため息つきつつ、サンドを作り、ギリアムの口に放り込む
のだった。
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