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第5章 因縁
7 傍系との話し合い2
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話し合いは…平行線にしかならんか?…と、思ったが、
「あの~、僭越ながら…」
そう言って挙手したのは、グレダル四男。
「ダリア夫人が一度意固地になると、説得はまず無理だと思ったほうがいいです。
だから…もう、ラスタフォルス侯爵家の跡継ぎに関しては、王家に一任する形にしてはどう
でしょうか?」
……ある意味、いい意見やね。
これは…制度として一応あるんだよ。
跡継ぎ問題ってのは、場合によって両者相打ちみたいに、誰も…継ぐ奴がいなくなっちまう
状況になりかねない。
だから…公平に公正に、王家の意志に従いましょう…って。
まあ実際は、賄賂だコネだが横行するから、公正かどうかはわからんが、そんなこと言ってたら、
収拾がつかないからね。
国ってのは、王家に利益が行くように出来ているもんだから、王家が…自分に都合のいい奴を
選ぶ権利は、当然あるんだ。
「まあ…それが妥当かもな…」
「今のダリア夫人じゃあ、誰が跡継ぎになっても、難癖付けそうだし…」
次男と三男も頷いている。
そして…やっぱりダリアには辟易していたんだな…。無理もない。
「でも…そうしますと…」
そう言って発言したのは、グレダル長女。
「ダイヤが跡継ぎになる可能性も、あるのでは…」
それも最もだ。ラスタフォルス侯爵家が願い出ると…可能かもとは思っているんだなぁ。
ファルメニウス公爵家…一応王家の下やし。でも…。
「その事についてなら、心配はいらない」
うちのギリわんこは、そんな事わかってる。
「国王陛下には、そう言った可能性がある旨、しっかりとお話をした。
ダイヤはラスタフォルス侯爵家を継ぎたがっていないのは、裁判で明白となったからな。
その折は…ダイヤを候補から外すと、仰ってくださったよ。
しっかりと証文もとったから、疑うならお見せしよう」
これは…別な意味で、みんながざわついたが…。
あ。ちょっと脇道に逸れますが、種明かしします。
ギリアムの考えで、みんなを養子にしよう…と、なった時、問題は王家。
一代養子とはいえ、難癖付けられると厄介。
ただ…ちょうどその時、国王陛下からお呼び出しが。
ドライゴ陛下が…ティタノ陛下同様、国賓館じゃなく、ウチを使いたいってさ…。
当たって欲しくない予想が、また一つ当たったよ。
んで…ここでギリアムが閃いたようだ。
ちょうど持ってきていた献上する花火のご説明をしだした。
温泉郷でご披露したものは、あくまで試作品。
建国記念パーティーでは、よりよいものを提供すると。
その2つの褒美として、一代養子の事と、ダイヤをラスタフォルス侯爵家の後継から外すこと、
しっかりと了承してもらったのよん。
どっちも金かかんないからね!!
「だったらもう、それでいいんじゃない?」
そう言ってきたのは、グレダル次女。
「ラスタフォルス侯爵家の事は…ラスタフォルス侯爵家が決めるべきって、お父様はずっと
言って来たし…犯罪者を担ぎ上げた…なんて、揶揄されることにならないなら、ウチはもう
いいわよ。どの道…ウチは女の子しかいないから、あんまり関係ないし…。
娘の嫁ぎ先がなくなるなんてことが無ければ、もう関わりたくもないしね」
ちらりとダリアを見たこと…私は見逃さなかった。
「そうよねぇ…。ウチも娘の縁談相手がすごく良物件だから、破談になる事心配してたけど…。
それがないなら、関わらないの一択よね。
今の生活に満足しているから、ラスタフォルス侯爵家の揉め事なんて、ハッキリ言ってどうでも
いいわ」
長女も口をそろえて…やっぱりダリアをチラ見…。
女の嫌な部分て、女の方がよく見える事…多いからなぁ…。
「ちょ、ちょっと…お前たち…少し前まで、散々意見を出して、モノ申そうと…」
ジェルグが出てきたが、
「そりゃ…。ちょっと前まで、犯罪者一族なんて、揶揄されることになるかもだったから、
モノ申したくもなるさ。
でも…蓋を開けてみれば、その心配はほぼなさそうだから…。
その状態で、わざわざ揉め事に首突っ込みたいとは、思わないですよ、お兄様…」
次男の意見を皮切りに…。
「だいたい…ジェルフの奴があんなことになって、むしろ…お兄様に物申したいです!!」
「ホントですよ!!」
他の兄弟たちが…一斉に声を上げた。
「うちの子も罪に問われましたから、大きなこと言えませんけどね!!
ティタノ陛下への侮辱に始まって…。
変態パーティーで、全裸で女性を襲うなんて…馬鹿の極み以外の何なんですか!!」
「そうですよ!!
大体うちの子に変な事吹き込んだのは、ジェルフでしょう!!
騎士として立派に認められれば、ラスタフォルス侯爵家の跡取りになれる!!
だから、頑張るべきだって!!
それを信じて、つるんだウチの子もバカですけどね!!」
三男と四男は…頭痛そうに、しているよ…。
「うちなんか、ジェルフとはあいさつ程度の付き合いなのに…。
そのあおりで…ファルメニウス公爵家の旅行に参加できなかったんですよ!!
下の娘はまだ小さかったから…自分たちはジェルフのバカと何で親戚なんだって、散々言われ
ましたよ!!」
「ウチはもう少し大きいですけど!!似たようなもんですわ!!」
長女と次女……矛先が…ダリアから移ったか…。
ラスタフォルス侯爵家の跡取り問題より…よっぽど実害被ったみたいね…。
大大大好評を泊した旅行は…見事に帰って来た皆様の、話題のネタになったからね。
見たことも聞いたこともないような、目新しいものが沢山あって…。
見たこともないような、美味しい料理に舌鼓を打って…。
竜宮城での浦島太郎は、丁度そんな感じだったんだろーなぁ。
その証拠に…。
貴族の皆様方は、こぞって…次の予約を取りたいって、帰り際に言ってくれたし。
おかげで…夏どころか、秋口の予約すら満杯なんだよね。
そういうのって…特別なコネでもない限り、早い者勝ちだからねぇ…。
「そ、それは今、関係ないだろうが!!」
ジェルグが顔を真っ赤にして叫ぶも、
「そうかもしれませんが、いい機会なので、言わせていただきました!!」
5対1じゃあ、さすがに勝てまいよ。
私達が聞いているからかもしれんが…、ジェルフのバカと自分たちは、関係ないと言いたいんだ
ろうなぁ…。
そんな中…グレンフォ卿が静かに口を開く。
「まず…ダリナとグレリオについては、皆も承知の通り、グレッドの…ラスタフォルス侯爵家の
血筋ではない。
しかし…血がどうであれ、わしは2人の事を、孫だと思っている」
「おじい様…」
これには…2人の目が潤んでいた。
「だから…わしが生きている間に、2人には…爵位と財産を分与しておく。
それについて…異論をはさまないでほしい。
ラスタフォルス侯爵家の事は…やはり王家に裁定を委ねた方が、いいと言う意見…もっともだと
思った…。だからおおむね…そうしようと思う…」
辛い決断だろうけど…もう、そうするしかないんだろうな。
傍系に納得してもらえば…少しばかりの財産を2人に分与することはいいと思う。
2人には…罪はないしな…。
ダイヤに寄生しようとしない限り、私もこの2人に関しては、どーでもいい。
「何を仰るのですか!!ダイヤがいるのにどうして!!」
「さっきから何を聞いていたんだ!!ダイヤはもう…ラスタフォルス侯爵家には戻らん!!
それを認めろ!!」
グレンフォ卿は…もう、諦めたんだろうね。
ここまで拒否が強い人間を、戻すことは不可能だし、戻したところでいい事はないって。
ダリアは…震えながら、下を向いたが…直ぐに顔を上げ、私を見ると
「ダイヤを返しなさい!!」
……ついにプッツン来たか?
非公式の場とはいえ…上位の夫人に命令かよ。
「ダイヤは、ラスタフォルス侯爵家の正式な血筋であり、跡取りなのよ!!
ラスタフォルス侯爵家を継ぐべき人間なの!!
アンタがそれを邪魔していい訳ないだろう!!何の権利があってそんな事するんだ!!
直ぐに返せ!!返せ!!もし返さないなら!!!」
どうする気だよ、メンド草。
「ここいる全員が!!アナタの敵になります!!
それが嫌なら、さっさとダイヤを返しなさい!!」
私は…ポーカーフェイスが思わず、あほ面になりそうになったよ…。
ここまで…自分のいいように、周りが動いてくれて、自分の目的が果たせるなんて…思っている
奴がいるとはね…。
アンタを見る傍系の目…それだけで、私は今までの付き合いが予測できたくらいなのにさぁ。
私はもう…これに言い返す気力も無くなって、黙ってたんだけど…。
なんか背中に…冷ややかなものを感じた…。
あ…。
ヤバい…。
自分を攻撃されるより、私を攻撃される方が、よっぽど嫌なお方が、お怒りだわ。
「諸君…」
ギリアムが…めっちゃ通りのいい声で、静かに手を上げる。
「せっかくだから…この場を、収穫祭時のフィナーレパーティーと…同じにしようじゃないか」
何を意図してるのか…これだけでわかる。
「言いたいことを、各自…言いたまえ。
この…ギリアム・アウススト・ファルメニウスが…許す!!」
ギリアムのこの号令と共に、まずは次男がお辞儀をし、
「ご配慮ありがとうございます。ギリアム公爵閣下…。
私は…私の家族は、ダリア夫人に一切協力する気はありません」
「私もです」
「ウチも…」
「もちろんウチもです」
次男を皮切りに、当然ここにいる傍系の全員が、声を上げたのは…言うまでもない。
「な、何を言っているんですか、アナタ達!!今こそ一丸となって…」
「一丸になって、私達に何の得があるんですか!!」
代表で喋っているような…次男の目は非常に冷たかった。
「アナタは…本当にいつもそうですね。
自分の利益が他人の利益だと思い込んで、なんで言う事をきかないんだと責め立てる。
こっちには利益がないと説明しても、聞く耳持たない。
歳を取れば…丸くなるか、治るかすると思いましたが、全く変わらない。
私らはアナタの私兵でも、小間使いでも…奴隷でもないんですよ?
それなのに…。何でファルメニウス公爵家に盾突くのに、私らを巻き込むんですか?
迷惑千万ですよ、本当に全く…」
「そうですよ!!やるのは勝手ですが、お一人でどうぞ!!
こっちは関係ありませんので、あしからず」
「そもそも…自分が私たちに嫌われているの、本当に今までわからなかったんですか?
だったら凄いですよ…全く」
「本当ですね。絶対に真似したくはありませんが」
「まあ…ウチの娘のいい反面教師にはしてますよ。
ダリア夫人のようにだけは、なるな…ってね」
うっわ…。やっぱ積年の溜まってたもんがあるね…。
予想以上やわ。
ここぞとばかりに、言いたいこと言ってる…。
しかも…直系血族だけじゃなく、相方まで加わってる…。
私は…ひとまず成り行きを見守ることにした。
「あの~、僭越ながら…」
そう言って挙手したのは、グレダル四男。
「ダリア夫人が一度意固地になると、説得はまず無理だと思ったほうがいいです。
だから…もう、ラスタフォルス侯爵家の跡継ぎに関しては、王家に一任する形にしてはどう
でしょうか?」
……ある意味、いい意見やね。
これは…制度として一応あるんだよ。
跡継ぎ問題ってのは、場合によって両者相打ちみたいに、誰も…継ぐ奴がいなくなっちまう
状況になりかねない。
だから…公平に公正に、王家の意志に従いましょう…って。
まあ実際は、賄賂だコネだが横行するから、公正かどうかはわからんが、そんなこと言ってたら、
収拾がつかないからね。
国ってのは、王家に利益が行くように出来ているもんだから、王家が…自分に都合のいい奴を
選ぶ権利は、当然あるんだ。
「まあ…それが妥当かもな…」
「今のダリア夫人じゃあ、誰が跡継ぎになっても、難癖付けそうだし…」
次男と三男も頷いている。
そして…やっぱりダリアには辟易していたんだな…。無理もない。
「でも…そうしますと…」
そう言って発言したのは、グレダル長女。
「ダイヤが跡継ぎになる可能性も、あるのでは…」
それも最もだ。ラスタフォルス侯爵家が願い出ると…可能かもとは思っているんだなぁ。
ファルメニウス公爵家…一応王家の下やし。でも…。
「その事についてなら、心配はいらない」
うちのギリわんこは、そんな事わかってる。
「国王陛下には、そう言った可能性がある旨、しっかりとお話をした。
ダイヤはラスタフォルス侯爵家を継ぎたがっていないのは、裁判で明白となったからな。
その折は…ダイヤを候補から外すと、仰ってくださったよ。
しっかりと証文もとったから、疑うならお見せしよう」
これは…別な意味で、みんながざわついたが…。
あ。ちょっと脇道に逸れますが、種明かしします。
ギリアムの考えで、みんなを養子にしよう…と、なった時、問題は王家。
一代養子とはいえ、難癖付けられると厄介。
ただ…ちょうどその時、国王陛下からお呼び出しが。
ドライゴ陛下が…ティタノ陛下同様、国賓館じゃなく、ウチを使いたいってさ…。
当たって欲しくない予想が、また一つ当たったよ。
んで…ここでギリアムが閃いたようだ。
ちょうど持ってきていた献上する花火のご説明をしだした。
温泉郷でご披露したものは、あくまで試作品。
建国記念パーティーでは、よりよいものを提供すると。
その2つの褒美として、一代養子の事と、ダイヤをラスタフォルス侯爵家の後継から外すこと、
しっかりと了承してもらったのよん。
どっちも金かかんないからね!!
「だったらもう、それでいいんじゃない?」
そう言ってきたのは、グレダル次女。
「ラスタフォルス侯爵家の事は…ラスタフォルス侯爵家が決めるべきって、お父様はずっと
言って来たし…犯罪者を担ぎ上げた…なんて、揶揄されることにならないなら、ウチはもう
いいわよ。どの道…ウチは女の子しかいないから、あんまり関係ないし…。
娘の嫁ぎ先がなくなるなんてことが無ければ、もう関わりたくもないしね」
ちらりとダリアを見たこと…私は見逃さなかった。
「そうよねぇ…。ウチも娘の縁談相手がすごく良物件だから、破談になる事心配してたけど…。
それがないなら、関わらないの一択よね。
今の生活に満足しているから、ラスタフォルス侯爵家の揉め事なんて、ハッキリ言ってどうでも
いいわ」
長女も口をそろえて…やっぱりダリアをチラ見…。
女の嫌な部分て、女の方がよく見える事…多いからなぁ…。
「ちょ、ちょっと…お前たち…少し前まで、散々意見を出して、モノ申そうと…」
ジェルグが出てきたが、
「そりゃ…。ちょっと前まで、犯罪者一族なんて、揶揄されることになるかもだったから、
モノ申したくもなるさ。
でも…蓋を開けてみれば、その心配はほぼなさそうだから…。
その状態で、わざわざ揉め事に首突っ込みたいとは、思わないですよ、お兄様…」
次男の意見を皮切りに…。
「だいたい…ジェルフの奴があんなことになって、むしろ…お兄様に物申したいです!!」
「ホントですよ!!」
他の兄弟たちが…一斉に声を上げた。
「うちの子も罪に問われましたから、大きなこと言えませんけどね!!
ティタノ陛下への侮辱に始まって…。
変態パーティーで、全裸で女性を襲うなんて…馬鹿の極み以外の何なんですか!!」
「そうですよ!!
大体うちの子に変な事吹き込んだのは、ジェルフでしょう!!
騎士として立派に認められれば、ラスタフォルス侯爵家の跡取りになれる!!
だから、頑張るべきだって!!
それを信じて、つるんだウチの子もバカですけどね!!」
三男と四男は…頭痛そうに、しているよ…。
「うちなんか、ジェルフとはあいさつ程度の付き合いなのに…。
そのあおりで…ファルメニウス公爵家の旅行に参加できなかったんですよ!!
下の娘はまだ小さかったから…自分たちはジェルフのバカと何で親戚なんだって、散々言われ
ましたよ!!」
「ウチはもう少し大きいですけど!!似たようなもんですわ!!」
長女と次女……矛先が…ダリアから移ったか…。
ラスタフォルス侯爵家の跡取り問題より…よっぽど実害被ったみたいね…。
大大大好評を泊した旅行は…見事に帰って来た皆様の、話題のネタになったからね。
見たことも聞いたこともないような、目新しいものが沢山あって…。
見たこともないような、美味しい料理に舌鼓を打って…。
竜宮城での浦島太郎は、丁度そんな感じだったんだろーなぁ。
その証拠に…。
貴族の皆様方は、こぞって…次の予約を取りたいって、帰り際に言ってくれたし。
おかげで…夏どころか、秋口の予約すら満杯なんだよね。
そういうのって…特別なコネでもない限り、早い者勝ちだからねぇ…。
「そ、それは今、関係ないだろうが!!」
ジェルグが顔を真っ赤にして叫ぶも、
「そうかもしれませんが、いい機会なので、言わせていただきました!!」
5対1じゃあ、さすがに勝てまいよ。
私達が聞いているからかもしれんが…、ジェルフのバカと自分たちは、関係ないと言いたいんだ
ろうなぁ…。
そんな中…グレンフォ卿が静かに口を開く。
「まず…ダリナとグレリオについては、皆も承知の通り、グレッドの…ラスタフォルス侯爵家の
血筋ではない。
しかし…血がどうであれ、わしは2人の事を、孫だと思っている」
「おじい様…」
これには…2人の目が潤んでいた。
「だから…わしが生きている間に、2人には…爵位と財産を分与しておく。
それについて…異論をはさまないでほしい。
ラスタフォルス侯爵家の事は…やはり王家に裁定を委ねた方が、いいと言う意見…もっともだと
思った…。だからおおむね…そうしようと思う…」
辛い決断だろうけど…もう、そうするしかないんだろうな。
傍系に納得してもらえば…少しばかりの財産を2人に分与することはいいと思う。
2人には…罪はないしな…。
ダイヤに寄生しようとしない限り、私もこの2人に関しては、どーでもいい。
「何を仰るのですか!!ダイヤがいるのにどうして!!」
「さっきから何を聞いていたんだ!!ダイヤはもう…ラスタフォルス侯爵家には戻らん!!
それを認めろ!!」
グレンフォ卿は…もう、諦めたんだろうね。
ここまで拒否が強い人間を、戻すことは不可能だし、戻したところでいい事はないって。
ダリアは…震えながら、下を向いたが…直ぐに顔を上げ、私を見ると
「ダイヤを返しなさい!!」
……ついにプッツン来たか?
非公式の場とはいえ…上位の夫人に命令かよ。
「ダイヤは、ラスタフォルス侯爵家の正式な血筋であり、跡取りなのよ!!
ラスタフォルス侯爵家を継ぐべき人間なの!!
アンタがそれを邪魔していい訳ないだろう!!何の権利があってそんな事するんだ!!
直ぐに返せ!!返せ!!もし返さないなら!!!」
どうする気だよ、メンド草。
「ここいる全員が!!アナタの敵になります!!
それが嫌なら、さっさとダイヤを返しなさい!!」
私は…ポーカーフェイスが思わず、あほ面になりそうになったよ…。
ここまで…自分のいいように、周りが動いてくれて、自分の目的が果たせるなんて…思っている
奴がいるとはね…。
アンタを見る傍系の目…それだけで、私は今までの付き合いが予測できたくらいなのにさぁ。
私はもう…これに言い返す気力も無くなって、黙ってたんだけど…。
なんか背中に…冷ややかなものを感じた…。
あ…。
ヤバい…。
自分を攻撃されるより、私を攻撃される方が、よっぽど嫌なお方が、お怒りだわ。
「諸君…」
ギリアムが…めっちゃ通りのいい声で、静かに手を上げる。
「せっかくだから…この場を、収穫祭時のフィナーレパーティーと…同じにしようじゃないか」
何を意図してるのか…これだけでわかる。
「言いたいことを、各自…言いたまえ。
この…ギリアム・アウススト・ファルメニウスが…許す!!」
ギリアムのこの号令と共に、まずは次男がお辞儀をし、
「ご配慮ありがとうございます。ギリアム公爵閣下…。
私は…私の家族は、ダリア夫人に一切協力する気はありません」
「私もです」
「ウチも…」
「もちろんウチもです」
次男を皮切りに、当然ここにいる傍系の全員が、声を上げたのは…言うまでもない。
「な、何を言っているんですか、アナタ達!!今こそ一丸となって…」
「一丸になって、私達に何の得があるんですか!!」
代表で喋っているような…次男の目は非常に冷たかった。
「アナタは…本当にいつもそうですね。
自分の利益が他人の利益だと思い込んで、なんで言う事をきかないんだと責め立てる。
こっちには利益がないと説明しても、聞く耳持たない。
歳を取れば…丸くなるか、治るかすると思いましたが、全く変わらない。
私らはアナタの私兵でも、小間使いでも…奴隷でもないんですよ?
それなのに…。何でファルメニウス公爵家に盾突くのに、私らを巻き込むんですか?
迷惑千万ですよ、本当に全く…」
「そうですよ!!やるのは勝手ですが、お一人でどうぞ!!
こっちは関係ありませんので、あしからず」
「そもそも…自分が私たちに嫌われているの、本当に今までわからなかったんですか?
だったら凄いですよ…全く」
「本当ですね。絶対に真似したくはありませんが」
「まあ…ウチの娘のいい反面教師にはしてますよ。
ダリア夫人のようにだけは、なるな…ってね」
うっわ…。やっぱ積年の溜まってたもんがあるね…。
予想以上やわ。
ここぞとばかりに、言いたいこと言ってる…。
しかも…直系血族だけじゃなく、相方まで加わってる…。
私は…ひとまず成り行きを見守ることにした。
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