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第6章 空回
3 逮捕のわけは…
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「アンナマリー嬢のしたことは、住居不法侵入罪と器物損壊罪…。
しかもお世話になっている家に対して…となれば、完全に牢屋行きですよ」
「あ、あれは…知らなかったんです!!」
「知らなかったら許されるんですか?
だったら…あなた方に今迷惑をかけている人間が、迷惑になっているとは知らなかった…。
そう言ったら、許すんですね?そうなんですね?」
ギリアム同様…デイビスはこの手の問答が超得意。
アンナマリーは下を向いたまま、言葉を発せなくなった。
「お忙しい所、申し訳ございませんでした…。
ガルドベンダ公爵家に連絡を取ることに致します…」
エドガーは…諦めたように、青い顔で小さな言葉を吐く。
「ま、待ってください、お父様!!私が…あんな行動に出たのは、モントリアのせいです!!
あの女にそそのかされて…それで…。だからモントリアを罰してください!!」
「モントリアなら、色々な余罪が出ましたから、極刑に処される予定で、今牢の中ですよ。
アナタが言うまでもなく…ね」
デイビスの目は…ここでさらに、鋭さを増し、
「だからと言って!!そそのかされて行動した者の罪が、帳消しになるわけじゃない!!
子供じゃないのですから、自分自身でやったことの罪は、しっかりと償うべきだ!!」
一息に言ってのけると、
「どうぞ、お帰りください」
出口の扉を、指示したのだった。
帰りの馬車の中…エドガーが口を開く。
「ひとまず…ガルドベンダ公爵家に我が家との関係を否定してもらおう…。
そうしたら…収まるハズだ」
「お、お父様!!それはおやめください!!」
アンナマリーが体を乗り出す。
「他に方法はないだろう」
「ア、アルフレッド様と私は真剣にお付き合いしていると、お話したではありませんか!!
私にとって…本当に大事な方なんです!!一生を添い遂げたい方なんです!!」
「いい加減にしなさい!!」
イボンヌが声を荒げる。
「アナタは…上の家に嫁ぐための教育を、何も受けていないんですよ!!
ファルメニウス公爵家での一件を見たって、アナタが上の家でやれるわけないと、私は確信
しました!!潔く諦めなさい!!
ただでさえ…多大な負担をアルフレッド様にかけてしまったのに、この上まだ何かやるなど
失礼の極みですよ!!」
「や、やってみなければ、わからないじゃないですか!!」
「いいえ。この世にはやらずともわかることはあります。
アナタは社交界に出る事も、嫌っていたでしょう!!
それでは…上位の夫人は務まりません!!」
結局この後も…やってみなければわからない…の一点張りのアンナマリーを、両親が説得する
そんな声が家につくまで響いていた…。
--------------------------------------------------------------------------------------
「バドセット~。手伝ってくれよぉ~」
アルフレッドは…山のように積まれた求婚状の返事を書いている。
「ツァリオ様から…通常業務に差し支えない程度で、手伝うのは構わないと言われております。
が!!今は業務中ゆえ、お控え下さい」
目録を整理しつつ、事務的に答える。
「みんな冷たいよぉ~」
口をとがらせるが、
「そう申されましても…。
ツァリオ様もアイリン様が婚約者として発表される前は、そんな状況でしたよ。
アカデミーの仕事もしっかりとこなし、返すべき返事はしっかりと書いてらっしゃいました。
ツァリオ様が仰った通り、今までが異常だったのです。
本当にわかってらっしゃらなかったのですか?」
そう言われては…返す言葉がないアルフレッド。
「失礼いたします、お客様が…」
入って来たメイドの言葉に、
「会ってる暇があるかぁ!!追い返せ!!」
「わ、わかりました。アンナマリー様にそうお伝えします」
その言葉を聞いて、机から跳ね起きる。
「それを先に言え!!応接間に通すんだ!!
あ~それと、そこに…侍従長と例の2人…通しておいてくれよ!!」
アルフレッドが身なりを急いで整えているから、
「アルフレッド様、こちらの仕事はやってから行かれた方が…」
バドセットの注意が入った…時にはもう、部屋の扉が開いていた。
もちろん…アルフレッドの姿はない。
バドセットは…ため息をつきながら、書類を整え、部屋を出るのだった。
こうして…応接間で久しぶりにアンナマリーと会ったのだが…。
その口から語られた事実に、かなり憤慨し、
「バドセット!!おかしなことを言っている家に、注意喚起する!!
さっさと準備しろ!!」
「できません」
キッパリと答えるバドセット。
「なんでだよ!!」
「まず…。ガルドベンダ公爵家として注意喚起するなら、ツァリオ様の正式な指令が
必要でございます。
それが無い状態で…勝手に家の名を使って、貴族家に注意などできません。
お判りでしょう?」
かなーり冷静に、言ってのけられる。
ただそのおかげで…アルフレッドの頭に登った血は、少し下がったようで…。
「注意喚起するとなると…。お父様の許可がいる…か…。
デラズヴェル男爵家とウチが関係ないと、言い切る訳にもいかないし…。
う~ん…」
アルフレッドとしても悩みどころだろう。
ギリアムとアルフレッドの大きな違いは、当主であるか否かだ。
ギリアムは当主ゆえ、フィリーを家に入れる事も、全て自分の判断でできたのだが、
アルフレッドは…アンナマリーを家に入れるなら、ツァリオの許可がいる。
「も、申し訳ございません…。この前もご迷惑をかけたばかりなのに…」
しゅんとなったもんだから、慌ててアンナマリーを慰めつつ、
「大丈夫だ。オレが…何とかするから!!」
優しく頭を撫でてやる。
アンナマリーは初めて笑った…。
だが、その笑顔に喜んだのも、つかの間、
「しかし他に…取れる手と言うと…」
顎に手を当て、悩み始める。
「あ、あの!!でしたら…」
アンナマリーが閃いたと言うように、顔を明るくし、
「私を…メイドとして中に入れるのは、どうでしょうか?」
これは…貴族の一定数が、実はやっている事。
メイド奉公に来て、見初められる人間がいる事を利用し…。
婚約者ではなく、メイドとして中に入れて、行儀作法や家の某を仕込むのだ。
「そ、そうか!!その手があったか…。さすがアンナマリーだ!!
早速手配を…」
「不可能です、アルフレッド様」
冷静なバドセットの、ストップがかかる。
「な、なんでだよ!!それだったら問題ないだろう!!」
バドセットは…ちょっとため息ついて、
「あのですね。ガルドベンダとて、メイドの試験は行っているのです。
それに…素行調査もして、その人間の人となりや、経済状況は調べます。
それに照らし合わせると…おそらくアンナマリー嬢は試験を受ける前に、書類審査で弾かれます」
「な、なんでだよ!!実家はしっかりとした家だし、アンナマリーは性格は良いんだ!!
頑張り屋だし、真面目だし…」
アルフレッドは良い所をまくし立てるが、
「ファルメニウス公爵家での、あの一件ですよ!!
それだけでダメだと、わからないのですか、アルフレッド様」
ちょっと口調が強めになる。
「ファルメニウス公爵家ほどでなくとも!!ガルドベンダとて応募者は、常に殺到状態です。
その状況で…上位貴族の礼儀作法も、調度品の掃除の仕方も…そもそも立ち入ってはいけないと
言われる場所の確認も…怠っていたとみなされます!!
募集してくる人間は、その辺を本当にしっかりとわかっていると、面接している身としては
わかっております!!その人間達を差し置いて、不出来な者を取るなどと…。
使用人の中にも、余計な不協和音が広がります!!
そもそもツァリオ様が許可なさいません!!」
「え~、あ、あれは…。ちょっと勢い余っちまって…。
でも、損害を与えようとしたんじゃなくて、あくまで…役に立とうとしただけで…」
ちょっと言い訳として苦しい。その証拠に…。
「気持ちがどうであれ、実際に…損害を与えたなら、そう見られます!!」
バドセットは強硬姿勢を崩さない。
「ネルリネ~。何とかならないか?
アンナマリーは真面目だから…仕込めば色々…頑張ってやるよ!!それは保証する!!」
ネルリネ…そう呼ばれたのは、侍従長だった。
「私の意見は、バドセット殿と一緒ですよ」
表情を変えず…静かに答える。
「そんな事言わないでさぁ~。
そもそもお前たちは…デラズヴェル男爵家より下の、男爵家の出身じゃないか!!
アンナマリーの気持ちだって、少しはわかるだろう!!」
「え?そうなのですか?」
アンナマリーが驚いて、割って入ってくる。
「そ、そうなんだ!!ここにいる3人は…元男爵令嬢なんだよ!!」
「じゃあ、私と同じなんですね!!」
アンナマリーはわかっただろうか…。
その言葉を吐いた時…3人の空気が、変わったこと…。
「あ、あの!!私…根性とガッツには自信があるんです!!
いじめにも屈しなかったから…辛い修行も乗り切れる自信があります!!
だから…ガルドベンダにおいてください!!」
すると…少しの間を置いて…ネルリネが口を開く。
「その言葉を…私達に信じてもらいたいなら、一番最短で、いい方法がございますよ、
アンナマリー嬢…」
本当に…静かな声だった。不気味なくらい。
「本当ですか!!何ですか!!私頑張ります!!」
だがその裏にある感情を、アンナマリーは読み取れなかった。
「ファルメニウス公爵家への借金…10万2千ゴールド…。
アルフレッド様に頼らずに、1人でお返しになってください。
そもそも…アルフレッド様が負うモノではございません。
ガッツと根性があるなら…できますよね?
それが出来ぬうちは…アナタは口だけの、嘘つきと言われても、しょうがないですよ」
アンナマリーの顔が引きつったのは、言うまでもない。
デラズヴェル男爵家の家屋敷全ての家財…そして爵位を売っても、追いつかない金だから。
「あ…あの、それは…」
途端に勢いがなくなる。
「では…私どもは業務の途中ゆえ、失礼いたします、アルフレッド様」
そう言って…3人は足早にその部屋を去ってしまった。
後に残されたアンナマリーは…ぽろぽろと泣き出してしまった。
「あ、あれは…本当に…ワザとじゃ…。
それに…モントリアが悪いのに…悪いのに…」
そんなアンナマリーを…アルフレッドは黙って抱きしめるしか、できなかった…。
しかもお世話になっている家に対して…となれば、完全に牢屋行きですよ」
「あ、あれは…知らなかったんです!!」
「知らなかったら許されるんですか?
だったら…あなた方に今迷惑をかけている人間が、迷惑になっているとは知らなかった…。
そう言ったら、許すんですね?そうなんですね?」
ギリアム同様…デイビスはこの手の問答が超得意。
アンナマリーは下を向いたまま、言葉を発せなくなった。
「お忙しい所、申し訳ございませんでした…。
ガルドベンダ公爵家に連絡を取ることに致します…」
エドガーは…諦めたように、青い顔で小さな言葉を吐く。
「ま、待ってください、お父様!!私が…あんな行動に出たのは、モントリアのせいです!!
あの女にそそのかされて…それで…。だからモントリアを罰してください!!」
「モントリアなら、色々な余罪が出ましたから、極刑に処される予定で、今牢の中ですよ。
アナタが言うまでもなく…ね」
デイビスの目は…ここでさらに、鋭さを増し、
「だからと言って!!そそのかされて行動した者の罪が、帳消しになるわけじゃない!!
子供じゃないのですから、自分自身でやったことの罪は、しっかりと償うべきだ!!」
一息に言ってのけると、
「どうぞ、お帰りください」
出口の扉を、指示したのだった。
帰りの馬車の中…エドガーが口を開く。
「ひとまず…ガルドベンダ公爵家に我が家との関係を否定してもらおう…。
そうしたら…収まるハズだ」
「お、お父様!!それはおやめください!!」
アンナマリーが体を乗り出す。
「他に方法はないだろう」
「ア、アルフレッド様と私は真剣にお付き合いしていると、お話したではありませんか!!
私にとって…本当に大事な方なんです!!一生を添い遂げたい方なんです!!」
「いい加減にしなさい!!」
イボンヌが声を荒げる。
「アナタは…上の家に嫁ぐための教育を、何も受けていないんですよ!!
ファルメニウス公爵家での一件を見たって、アナタが上の家でやれるわけないと、私は確信
しました!!潔く諦めなさい!!
ただでさえ…多大な負担をアルフレッド様にかけてしまったのに、この上まだ何かやるなど
失礼の極みですよ!!」
「や、やってみなければ、わからないじゃないですか!!」
「いいえ。この世にはやらずともわかることはあります。
アナタは社交界に出る事も、嫌っていたでしょう!!
それでは…上位の夫人は務まりません!!」
結局この後も…やってみなければわからない…の一点張りのアンナマリーを、両親が説得する
そんな声が家につくまで響いていた…。
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「バドセット~。手伝ってくれよぉ~」
アルフレッドは…山のように積まれた求婚状の返事を書いている。
「ツァリオ様から…通常業務に差し支えない程度で、手伝うのは構わないと言われております。
が!!今は業務中ゆえ、お控え下さい」
目録を整理しつつ、事務的に答える。
「みんな冷たいよぉ~」
口をとがらせるが、
「そう申されましても…。
ツァリオ様もアイリン様が婚約者として発表される前は、そんな状況でしたよ。
アカデミーの仕事もしっかりとこなし、返すべき返事はしっかりと書いてらっしゃいました。
ツァリオ様が仰った通り、今までが異常だったのです。
本当にわかってらっしゃらなかったのですか?」
そう言われては…返す言葉がないアルフレッド。
「失礼いたします、お客様が…」
入って来たメイドの言葉に、
「会ってる暇があるかぁ!!追い返せ!!」
「わ、わかりました。アンナマリー様にそうお伝えします」
その言葉を聞いて、机から跳ね起きる。
「それを先に言え!!応接間に通すんだ!!
あ~それと、そこに…侍従長と例の2人…通しておいてくれよ!!」
アルフレッドが身なりを急いで整えているから、
「アルフレッド様、こちらの仕事はやってから行かれた方が…」
バドセットの注意が入った…時にはもう、部屋の扉が開いていた。
もちろん…アルフレッドの姿はない。
バドセットは…ため息をつきながら、書類を整え、部屋を出るのだった。
こうして…応接間で久しぶりにアンナマリーと会ったのだが…。
その口から語られた事実に、かなり憤慨し、
「バドセット!!おかしなことを言っている家に、注意喚起する!!
さっさと準備しろ!!」
「できません」
キッパリと答えるバドセット。
「なんでだよ!!」
「まず…。ガルドベンダ公爵家として注意喚起するなら、ツァリオ様の正式な指令が
必要でございます。
それが無い状態で…勝手に家の名を使って、貴族家に注意などできません。
お判りでしょう?」
かなーり冷静に、言ってのけられる。
ただそのおかげで…アルフレッドの頭に登った血は、少し下がったようで…。
「注意喚起するとなると…。お父様の許可がいる…か…。
デラズヴェル男爵家とウチが関係ないと、言い切る訳にもいかないし…。
う~ん…」
アルフレッドとしても悩みどころだろう。
ギリアムとアルフレッドの大きな違いは、当主であるか否かだ。
ギリアムは当主ゆえ、フィリーを家に入れる事も、全て自分の判断でできたのだが、
アルフレッドは…アンナマリーを家に入れるなら、ツァリオの許可がいる。
「も、申し訳ございません…。この前もご迷惑をかけたばかりなのに…」
しゅんとなったもんだから、慌ててアンナマリーを慰めつつ、
「大丈夫だ。オレが…何とかするから!!」
優しく頭を撫でてやる。
アンナマリーは初めて笑った…。
だが、その笑顔に喜んだのも、つかの間、
「しかし他に…取れる手と言うと…」
顎に手を当て、悩み始める。
「あ、あの!!でしたら…」
アンナマリーが閃いたと言うように、顔を明るくし、
「私を…メイドとして中に入れるのは、どうでしょうか?」
これは…貴族の一定数が、実はやっている事。
メイド奉公に来て、見初められる人間がいる事を利用し…。
婚約者ではなく、メイドとして中に入れて、行儀作法や家の某を仕込むのだ。
「そ、そうか!!その手があったか…。さすがアンナマリーだ!!
早速手配を…」
「不可能です、アルフレッド様」
冷静なバドセットの、ストップがかかる。
「な、なんでだよ!!それだったら問題ないだろう!!」
バドセットは…ちょっとため息ついて、
「あのですね。ガルドベンダとて、メイドの試験は行っているのです。
それに…素行調査もして、その人間の人となりや、経済状況は調べます。
それに照らし合わせると…おそらくアンナマリー嬢は試験を受ける前に、書類審査で弾かれます」
「な、なんでだよ!!実家はしっかりとした家だし、アンナマリーは性格は良いんだ!!
頑張り屋だし、真面目だし…」
アルフレッドは良い所をまくし立てるが、
「ファルメニウス公爵家での、あの一件ですよ!!
それだけでダメだと、わからないのですか、アルフレッド様」
ちょっと口調が強めになる。
「ファルメニウス公爵家ほどでなくとも!!ガルドベンダとて応募者は、常に殺到状態です。
その状況で…上位貴族の礼儀作法も、調度品の掃除の仕方も…そもそも立ち入ってはいけないと
言われる場所の確認も…怠っていたとみなされます!!
募集してくる人間は、その辺を本当にしっかりとわかっていると、面接している身としては
わかっております!!その人間達を差し置いて、不出来な者を取るなどと…。
使用人の中にも、余計な不協和音が広がります!!
そもそもツァリオ様が許可なさいません!!」
「え~、あ、あれは…。ちょっと勢い余っちまって…。
でも、損害を与えようとしたんじゃなくて、あくまで…役に立とうとしただけで…」
ちょっと言い訳として苦しい。その証拠に…。
「気持ちがどうであれ、実際に…損害を与えたなら、そう見られます!!」
バドセットは強硬姿勢を崩さない。
「ネルリネ~。何とかならないか?
アンナマリーは真面目だから…仕込めば色々…頑張ってやるよ!!それは保証する!!」
ネルリネ…そう呼ばれたのは、侍従長だった。
「私の意見は、バドセット殿と一緒ですよ」
表情を変えず…静かに答える。
「そんな事言わないでさぁ~。
そもそもお前たちは…デラズヴェル男爵家より下の、男爵家の出身じゃないか!!
アンナマリーの気持ちだって、少しはわかるだろう!!」
「え?そうなのですか?」
アンナマリーが驚いて、割って入ってくる。
「そ、そうなんだ!!ここにいる3人は…元男爵令嬢なんだよ!!」
「じゃあ、私と同じなんですね!!」
アンナマリーはわかっただろうか…。
その言葉を吐いた時…3人の空気が、変わったこと…。
「あ、あの!!私…根性とガッツには自信があるんです!!
いじめにも屈しなかったから…辛い修行も乗り切れる自信があります!!
だから…ガルドベンダにおいてください!!」
すると…少しの間を置いて…ネルリネが口を開く。
「その言葉を…私達に信じてもらいたいなら、一番最短で、いい方法がございますよ、
アンナマリー嬢…」
本当に…静かな声だった。不気味なくらい。
「本当ですか!!何ですか!!私頑張ります!!」
だがその裏にある感情を、アンナマリーは読み取れなかった。
「ファルメニウス公爵家への借金…10万2千ゴールド…。
アルフレッド様に頼らずに、1人でお返しになってください。
そもそも…アルフレッド様が負うモノではございません。
ガッツと根性があるなら…できますよね?
それが出来ぬうちは…アナタは口だけの、嘘つきと言われても、しょうがないですよ」
アンナマリーの顔が引きつったのは、言うまでもない。
デラズヴェル男爵家の家屋敷全ての家財…そして爵位を売っても、追いつかない金だから。
「あ…あの、それは…」
途端に勢いがなくなる。
「では…私どもは業務の途中ゆえ、失礼いたします、アルフレッド様」
そう言って…3人は足早にその部屋を去ってしまった。
後に残されたアンナマリーは…ぽろぽろと泣き出してしまった。
「あ、あれは…本当に…ワザとじゃ…。
それに…モントリアが悪いのに…悪いのに…」
そんなアンナマリーを…アルフレッドは黙って抱きしめるしか、できなかった…。
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