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第六章 冒険編 出来損ないの小鳥
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「マオ様、この度は水の王冠を取り戻して下さり、ありがとうございました」
現在真緒達は、水の王冠を返上する為に城に戻って来た。
「様なんて止してください。私達は何もしていません。全部ジェドさんとライアさんの活躍です」
「いや、俺は只過去へのトラウマに終止符を打っただけだ」
「私も運んだだけで、戦ってはいないよ」
お互いが一番の功労者を譲り合っていると、女王が優しく微笑んだ。
「ふふふ、安心して下さい。あなた達の活躍は、一部始終見させて頂きました」
そう言うと女王は、両目を覆い隠す仕草を見せた。
「えっ、あ、じゃあ、最初から最後まで全部?」
「はい、クラーケンとの戦いから、ライアを取り合う二人の男性の戦いまで確りとね」
「!!」
女王は、チラリとその場にいたライアに目線を送ると、ライアは顔が赤く染まっていた。
「そして、ライアがこの水の都の真実を話した事も……」
その言葉に、一瞬で血の気が引いた。
「!!……ごめんなさい女王様……私、また何も考えずに行動してしまいました……」
「いいのですよライア、元よりあの掟自体が可笑しかったのです。これを機に、私達水の都の民は尾びれを着けるのを自由とします!!」
女王の宣言に、女王を含めたお付きの兵士達は尾びれに手を掛け、勢いよく脱ぎ去った。
「じょ、女王様!?」
突然脱いだ女王達に、驚きを隠せないライア。
「マオさん達には、本当に感謝しています。水の王冠だけでなく、千年前の呪縛から解放して下さいました。何かしらのお礼をさせて欲しいのです」
「そんな、私達は成り行きで助ける形になっただけで、お礼なんて……」
両手を小刻みに交差させて、謙遜する真緒。
「いえ、それではこちらの気が収まりません。…………あ、そうだわ!国宝である、水の王冠には劣ってしまいますが、一族の家宝にあたる品を差し上げます」
女王が両手で、パンパンと叩くと奥の方から、しなやかな美しいフォルムの鎧に薄い布、まるで天女の羽衣の様な装飾が施されている鎧が運ばれて来た。
「これは…………?」
「アーメイデ様が考案され、お造りになった魔法の鎧、“虚空”です」
“虚空”と呼ばれる鎧に施されている布が、ヒラヒラと優雅に揺らめく。
「鎧には風魔法が内蔵されており、一日一回で約十分間、空を自由に飛び回る事が出来ます」
「本当ですか!?」
「はい、更に私達の様な尾びれが無いと動けない未完成ではなく、正真正銘何の補助もいらない装備品なのです!」
「そんな貴重な物、貰ってもいいんですか?」
予想以上の高性能に、受け取る事が不安になる真緒。
「どうぞお受け取り下さい。私達の感謝の気持ちです」
「……そう言う事でしたら、ありがたく頂きます」
真緒は虚空を手に取ると、鱗の鎧を外し付け替えた。
「マオぢゃん……綺麗だなぁ」
「カッコいいです!」
「良く似合っているじゃないか」
「美しいですよ~、真緒さん」
「ありがとうございます!!」
虚空を装備した真緒は、着心地の良さに浸っていた。
「…………それで、皆様はこれからどちらに向かわれるつもりなのですか?」
「え、あ……そうですね……基本的には決まっていません。行き当たりばったりの旅なので……」
「それでしたら、皆様にお伝えしたい事があります」
急に女王の顔付きが変わり、真剣な表情になった。
「何をですか?」
「実は、皆様がクラーケンと戦闘を繰り広げている間、“海の目”を発動させていたのですが、私の能力を知っていたのか……ここより遠く離れた地上から、海に向かって話し掛けて来る方がいたのです。その方はマオさん、あなたに会いに来て欲しいと仰っていました」
「私をですか!?……その人の容姿は分かりますか?」
「……残念ながら、離れすぎていた為か上手く認識する事が出来ず、声だけが聞こえて来ました」
見ず知らずの人物からの呼び出しに、少し恐怖を覚える真緒。
「因みにその人は、何処にいると言っていましたか?」
「雲の上まで成長してそびえ立っているという大木、“クラウドツリー”。その頂上で待ってるそうです」
「“クラウドツリー”だと!!」
女王の話を聞いていたジェドが過剰に反応を示した。
「何か知っているんですか?」
「クラウドツリーは、世界最大級を誇る大木だ。そのあまりの大きさで、常に頂上は雲に覆われて、見た者は誰一人としていないらしい」
「そんな場所があるんですね……」
「ああ、だが問題なのはその道中だ。クラウドツリーに行くには、世界屈指の危険な山…………“ヘルマウンテン”を登らなければならないんだ!!」
「!!」
フォルスの目が一瞬見開かれたが、誰も気づかなかった。
「ヘルマウンテン?」
「ヘルマウンテンはその名の通り、“地獄の山”として恐れられている。毎年、命知らずの挑戦者がその山に挑むが、生きて帰った者は一人もいなかった」
「そんな…………」
「今までの冒険とは訳が違う。生半可な気持ちで挑めば、命は無いだろう…………それでも行きたいか?」
死ぬかもしれない。そんな思いが募るが、覚悟はとうに出来ていた。
「…………うん、私達は世界中を旅するから、その山にも行かないといけないと思うんだ……」
「そうか…………よし分かった。お前達をヘルマウンテンから一番近い港まで、送り届けてやる!」
「いいんですか!?」
「お前達には、返しきれないほどの恩があるからな。じゃあ、俺は先に船に戻って準備を整えておくからな」
そう言うと、ジェドは城を後にした。
「行ってしまわれるのですね……」
女王は、寂しげな表情を浮かべ話し掛けてきた。
「いつでも好きな時に遊びに来て下さい。皆様を歓迎します」
「はい、女王様。色々とありがとうございました」
真緒達は女王にお礼を述べると、城の出口へと歩き始める。
「さぁ、皆行こう!次の目的地は地獄の山“ヘルマウンテン”!!」
現在真緒達は、水の王冠を返上する為に城に戻って来た。
「様なんて止してください。私達は何もしていません。全部ジェドさんとライアさんの活躍です」
「いや、俺は只過去へのトラウマに終止符を打っただけだ」
「私も運んだだけで、戦ってはいないよ」
お互いが一番の功労者を譲り合っていると、女王が優しく微笑んだ。
「ふふふ、安心して下さい。あなた達の活躍は、一部始終見させて頂きました」
そう言うと女王は、両目を覆い隠す仕草を見せた。
「えっ、あ、じゃあ、最初から最後まで全部?」
「はい、クラーケンとの戦いから、ライアを取り合う二人の男性の戦いまで確りとね」
「!!」
女王は、チラリとその場にいたライアに目線を送ると、ライアは顔が赤く染まっていた。
「そして、ライアがこの水の都の真実を話した事も……」
その言葉に、一瞬で血の気が引いた。
「!!……ごめんなさい女王様……私、また何も考えずに行動してしまいました……」
「いいのですよライア、元よりあの掟自体が可笑しかったのです。これを機に、私達水の都の民は尾びれを着けるのを自由とします!!」
女王の宣言に、女王を含めたお付きの兵士達は尾びれに手を掛け、勢いよく脱ぎ去った。
「じょ、女王様!?」
突然脱いだ女王達に、驚きを隠せないライア。
「マオさん達には、本当に感謝しています。水の王冠だけでなく、千年前の呪縛から解放して下さいました。何かしらのお礼をさせて欲しいのです」
「そんな、私達は成り行きで助ける形になっただけで、お礼なんて……」
両手を小刻みに交差させて、謙遜する真緒。
「いえ、それではこちらの気が収まりません。…………あ、そうだわ!国宝である、水の王冠には劣ってしまいますが、一族の家宝にあたる品を差し上げます」
女王が両手で、パンパンと叩くと奥の方から、しなやかな美しいフォルムの鎧に薄い布、まるで天女の羽衣の様な装飾が施されている鎧が運ばれて来た。
「これは…………?」
「アーメイデ様が考案され、お造りになった魔法の鎧、“虚空”です」
“虚空”と呼ばれる鎧に施されている布が、ヒラヒラと優雅に揺らめく。
「鎧には風魔法が内蔵されており、一日一回で約十分間、空を自由に飛び回る事が出来ます」
「本当ですか!?」
「はい、更に私達の様な尾びれが無いと動けない未完成ではなく、正真正銘何の補助もいらない装備品なのです!」
「そんな貴重な物、貰ってもいいんですか?」
予想以上の高性能に、受け取る事が不安になる真緒。
「どうぞお受け取り下さい。私達の感謝の気持ちです」
「……そう言う事でしたら、ありがたく頂きます」
真緒は虚空を手に取ると、鱗の鎧を外し付け替えた。
「マオぢゃん……綺麗だなぁ」
「カッコいいです!」
「良く似合っているじゃないか」
「美しいですよ~、真緒さん」
「ありがとうございます!!」
虚空を装備した真緒は、着心地の良さに浸っていた。
「…………それで、皆様はこれからどちらに向かわれるつもりなのですか?」
「え、あ……そうですね……基本的には決まっていません。行き当たりばったりの旅なので……」
「それでしたら、皆様にお伝えしたい事があります」
急に女王の顔付きが変わり、真剣な表情になった。
「何をですか?」
「実は、皆様がクラーケンと戦闘を繰り広げている間、“海の目”を発動させていたのですが、私の能力を知っていたのか……ここより遠く離れた地上から、海に向かって話し掛けて来る方がいたのです。その方はマオさん、あなたに会いに来て欲しいと仰っていました」
「私をですか!?……その人の容姿は分かりますか?」
「……残念ながら、離れすぎていた為か上手く認識する事が出来ず、声だけが聞こえて来ました」
見ず知らずの人物からの呼び出しに、少し恐怖を覚える真緒。
「因みにその人は、何処にいると言っていましたか?」
「雲の上まで成長してそびえ立っているという大木、“クラウドツリー”。その頂上で待ってるそうです」
「“クラウドツリー”だと!!」
女王の話を聞いていたジェドが過剰に反応を示した。
「何か知っているんですか?」
「クラウドツリーは、世界最大級を誇る大木だ。そのあまりの大きさで、常に頂上は雲に覆われて、見た者は誰一人としていないらしい」
「そんな場所があるんですね……」
「ああ、だが問題なのはその道中だ。クラウドツリーに行くには、世界屈指の危険な山…………“ヘルマウンテン”を登らなければならないんだ!!」
「!!」
フォルスの目が一瞬見開かれたが、誰も気づかなかった。
「ヘルマウンテン?」
「ヘルマウンテンはその名の通り、“地獄の山”として恐れられている。毎年、命知らずの挑戦者がその山に挑むが、生きて帰った者は一人もいなかった」
「そんな…………」
「今までの冒険とは訳が違う。生半可な気持ちで挑めば、命は無いだろう…………それでも行きたいか?」
死ぬかもしれない。そんな思いが募るが、覚悟はとうに出来ていた。
「…………うん、私達は世界中を旅するから、その山にも行かないといけないと思うんだ……」
「そうか…………よし分かった。お前達をヘルマウンテンから一番近い港まで、送り届けてやる!」
「いいんですか!?」
「お前達には、返しきれないほどの恩があるからな。じゃあ、俺は先に船に戻って準備を整えておくからな」
そう言うと、ジェドは城を後にした。
「行ってしまわれるのですね……」
女王は、寂しげな表情を浮かべ話し掛けてきた。
「いつでも好きな時に遊びに来て下さい。皆様を歓迎します」
「はい、女王様。色々とありがとうございました」
真緒達は女王にお礼を述べると、城の出口へと歩き始める。
「さぁ、皆行こう!次の目的地は地獄の山“ヘルマウンテン”!!」
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