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第六章 冒険編 出来損ないの小鳥
大切な人
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理解が追い付かない。聖一が口にした言葉に終始戸惑いを見せる真緒。
「あれ、言わなかったっけ?この勝負“こちらが”勝ったら真緒さんを仲間にするって」
「それって…………」
「おーい、マオぢゃん!!」
不思議に思っていると、遠くの方からハナコの声が聞こえて来た。
「ハナちゃん!?それに、皆!!」
真緒の目線の先には、こちらに手を振って来るハナコと、それに並ぶ様にリーマ、フォルスも近づいて来た。
「マオぢゃん、オラ達勝でだだよぉ!」
「思った以上に歯応えはありませんでしたね」
「経験の差が物を言ったのだろうな」
三人がそれぞれ戦ってた跡地を確認すると、愛子、舞子、シーリャの三人がのびていた。
「あーあ、やっぱりやられてしまったか…………」
それを見た聖一は、予想していた結果に呆れていた。
「つまり真緒さん、“こちらが”というのは複数、四人の勝ち星を基準にしていたのさ」
「それじゃあ…………」
「三対一で真緒さん達の勝ちだ」
真緒は緊張が解けたのか、その場に尻餅をつき、魂が抜けた様に呆然としていた。
「おい、何の話だ?勝ち星だの、基準だの?」
「ああ、実はね僕と真緒さんの二人で、勝った時の賭けをしていたんだ」
「賭けだと?」
全く事情を知らないフォルス達は、聖一から先程の出来事を、細かく説明して貰った。
「つまり…………俺達が負けたら、マオを連れて行くつもりだったのか……」
「そう言う事だね」
「…………マオ、今の話は本当か?」
「…………うん」
フォルスの問いに真緒は、只頷く事しか出来なかった。
「俺達が勝ったから良かった物の…………もっと自分を大切にしろ!!お前がいなくなったら、悲しむ奴がいる事を考えてくれ!!」
「!!…………ごめんなさい……」
真緒は自分を恥ずかしく思った。逃げる逃げないに惑わされ、仲間達の事を頭に入れていなかった。
「でも、マオぢゃんが無事で良がっだよぉ……」
「ハナコさんの言う通りです…………本当に良かった」
「二人供…………」
ハナコとリーマの二人は、真緒を強く抱き締める。そして真緒は、暖かい温もりを感じているのであった。
「…………先程、三対一だと言っていたが、それはつまり…………」
「ああそうさ、僕に負けたという事だ」
「いいか!二度とマオに近づくんじゃない!!それでもなお、仲間に引き入れようとするなら…………俺達が相手になってやる!!」
そう言うと真緒を背に、ハナコ、リーマ、フォルスが聖一の前に立ち塞がる。
「おおっと、流石に三人は分が悪いかな。それじゃあこの辺で失礼させて貰うよ」
聖一は気絶している三人の下へと歩み寄り、懐からロープを取り出してそれぞれの体に巻き付け、リードの様にロープ先端を持つと、そのまま引きずり始めた。
「約束通り、僕達は大人しく手を引く事にするよ。真緒さん、次会う時は本気で戦える事を期待しているからね」
「まさか…………さっきのは本気じゃなかったと言うの…………?」
真緒の言葉に聖一は、含み笑いをして三人を引きずりながら、その場を去った。
「…………」
「マオぢゃん……」
「マオさん……」
重苦しい空気が流れる。全力の一撃が届かず、あまつさえ本気ではなかった。試合に勝って勝負に負けた、そんな思いが真緒の心を侵食していく。
「…………立て、マオ!!」
「……フォルスさん…………?」
落ち込んでいる真緒の目の前に、フォルスが手を差し伸べて来た。
「お前は、一度や二度の敗北で諦めるのか?」
「…………」
「敗北は悪い事では無い。寧ろそれを切っ掛けに、大きく成長出来るとも言えるだろう。最も悪いのは、その敗北から立ち直れない事だ!!」
「!!!」
真緒の全身に、電流が流れたかの様な衝撃が走った。頭の中の霧が晴れ、皆の顔が見える。
「皆…………」
「さぁ、いつまでも座ってないで立つんだ。そこからがアイツへのリベンジの始まりだ!!」
「……はい!!」
真緒は差し伸べられたフォルスの手を取り、立ち上がった。
「フォルスさん、ありがとうございます」
「いや何、俺もあの男には腹が立ってるからな。そのついでだ、ついで」
「フォルスさんったら、素直じゃないんですね」
「ち、違う!俺は只、あの男にだな……」
リーマの横からの一言に慌てるフォルスを見て、思わず笑みが溢れる真緒。
「(やっぱり、このパーティーで旅を続けたい)」
真緒は改めて、このパーティーの素晴らしさ、大切さ、自分には皆が必要不可欠なのだと再認識した。………………そのせいか、気が緩んでしまっていた。ドラゴンとの激しい戦闘と聖一達との戦闘が重なり、地面が脆くなっている事に気づかず、真緒の足下が崩れ落ちたのだ。
「え…………」
「マオぢゃん!!」
「マオさん!!」
「マオーーー!!!」
真緒は崩れ落ちた地面から、物凄い速度で暗闇の中を落下していく。次の地面まで数百メートルもあり、このままでは即死は免れない。
「(しまった!!もう虚空の力は使えない!このままじゃ…………嫌だ、死にたくない……)」
「マオーー!!」
フォルスは、形振り構わず真緒の落ちた穴から飛び込んだ。
「フォルスさん!?」
「マオ、お前を失う訳にはいかない!!」
そう言うとフォルスは、真緒を庇う様に抱き締めた。
「は、離して下さい!!このままではフォルスさんが死んでしまいます!」
「俺よりも、お前が生き残る方が良い。ハナコやリーマやエジタスさんだって納得してくれるだろう」
「…………ふざけんな!!!」
「マオ!!?」
突然の真緒の暴言に戸惑いを見せるフォルス。今まで真緒が仲間に対して暴言を吐いた事は一度もなかった為、実質初めての暴言である。
「どうしてフォルスさんは、いつも一人で勝手に決めちゃうんですか!!納得してくれるだろう?そんなのある訳無いですよ!!大切な仲間が死んで、納得出来る人なんていません!!!」
「マオ…………」
「フォルスさんはさっき、お前がいなくなったら、悲しむ奴がいる事を考えろと言いましたよね…………フォルスさんこそ死んでしまったら、残された人達の事を考えて下さいよ!!!」
「!!!」
フォルスの脳裏に走馬灯の様に、今までの出来事が甦る。
母親が死んでしまったショックから飛べなくなるなんて、正直…………期待外れですよ。
ちょっと待てよ!勝手に進めるんじゃねぇ!!話はまだ終わっていない、理由を言うまで行かせないからな!!
母親は雛の頃、崖から落ちたお前を助けようとして亡くなったのだ。
もうすぐ朝御飯が出来るからね。
俺はパーティーを抜ける。今まで世話になったな…………あばよ。
フォルスさんが戻って来てくれて、本当に嬉しいです!
フォルスさん
「(俺は…………)」
フォルスざん
「(俺は…………)」
フォルスさん
「(俺は…………)」
フォルスさ~ん
「(俺は…………)」
絶対……絶対離さないからね……大好きよフォルス……。
「俺は…………もう二度と大切な人を失いたくない!!!」
するとフォルスは両手を大きく広げ、真緒の肩を鉤爪でしっかりと掴んだ。
「フォルスさん!?」
「暴れないでくれよ!!」
フォルスが飛ぼうとすると、脳裏にフラッシュバックが映る。血まみれで倒れている母親では無く、雛の頃の自分を優しく暖かい笑みであやしている母親の姿であった。
「(母さん…………ありがとう。俺を守ってくれて…………今度は俺が大切な人を守る番だ!!!)」
フォルスは大きな翼で見事空を飛び、落ちた穴から脱出した。
「フォルスさん!!空を……!!」
「ああ、ついにやったよ。俺は鳥人フォルス!空を制する者だ!!」
この時初めてフォルスは、過去のトラウマを克服し、空を自由に飛べる事が出来る様になったのであった。
「あれ、言わなかったっけ?この勝負“こちらが”勝ったら真緒さんを仲間にするって」
「それって…………」
「おーい、マオぢゃん!!」
不思議に思っていると、遠くの方からハナコの声が聞こえて来た。
「ハナちゃん!?それに、皆!!」
真緒の目線の先には、こちらに手を振って来るハナコと、それに並ぶ様にリーマ、フォルスも近づいて来た。
「マオぢゃん、オラ達勝でだだよぉ!」
「思った以上に歯応えはありませんでしたね」
「経験の差が物を言ったのだろうな」
三人がそれぞれ戦ってた跡地を確認すると、愛子、舞子、シーリャの三人がのびていた。
「あーあ、やっぱりやられてしまったか…………」
それを見た聖一は、予想していた結果に呆れていた。
「つまり真緒さん、“こちらが”というのは複数、四人の勝ち星を基準にしていたのさ」
「それじゃあ…………」
「三対一で真緒さん達の勝ちだ」
真緒は緊張が解けたのか、その場に尻餅をつき、魂が抜けた様に呆然としていた。
「おい、何の話だ?勝ち星だの、基準だの?」
「ああ、実はね僕と真緒さんの二人で、勝った時の賭けをしていたんだ」
「賭けだと?」
全く事情を知らないフォルス達は、聖一から先程の出来事を、細かく説明して貰った。
「つまり…………俺達が負けたら、マオを連れて行くつもりだったのか……」
「そう言う事だね」
「…………マオ、今の話は本当か?」
「…………うん」
フォルスの問いに真緒は、只頷く事しか出来なかった。
「俺達が勝ったから良かった物の…………もっと自分を大切にしろ!!お前がいなくなったら、悲しむ奴がいる事を考えてくれ!!」
「!!…………ごめんなさい……」
真緒は自分を恥ずかしく思った。逃げる逃げないに惑わされ、仲間達の事を頭に入れていなかった。
「でも、マオぢゃんが無事で良がっだよぉ……」
「ハナコさんの言う通りです…………本当に良かった」
「二人供…………」
ハナコとリーマの二人は、真緒を強く抱き締める。そして真緒は、暖かい温もりを感じているのであった。
「…………先程、三対一だと言っていたが、それはつまり…………」
「ああそうさ、僕に負けたという事だ」
「いいか!二度とマオに近づくんじゃない!!それでもなお、仲間に引き入れようとするなら…………俺達が相手になってやる!!」
そう言うと真緒を背に、ハナコ、リーマ、フォルスが聖一の前に立ち塞がる。
「おおっと、流石に三人は分が悪いかな。それじゃあこの辺で失礼させて貰うよ」
聖一は気絶している三人の下へと歩み寄り、懐からロープを取り出してそれぞれの体に巻き付け、リードの様にロープ先端を持つと、そのまま引きずり始めた。
「約束通り、僕達は大人しく手を引く事にするよ。真緒さん、次会う時は本気で戦える事を期待しているからね」
「まさか…………さっきのは本気じゃなかったと言うの…………?」
真緒の言葉に聖一は、含み笑いをして三人を引きずりながら、その場を去った。
「…………」
「マオぢゃん……」
「マオさん……」
重苦しい空気が流れる。全力の一撃が届かず、あまつさえ本気ではなかった。試合に勝って勝負に負けた、そんな思いが真緒の心を侵食していく。
「…………立て、マオ!!」
「……フォルスさん…………?」
落ち込んでいる真緒の目の前に、フォルスが手を差し伸べて来た。
「お前は、一度や二度の敗北で諦めるのか?」
「…………」
「敗北は悪い事では無い。寧ろそれを切っ掛けに、大きく成長出来るとも言えるだろう。最も悪いのは、その敗北から立ち直れない事だ!!」
「!!!」
真緒の全身に、電流が流れたかの様な衝撃が走った。頭の中の霧が晴れ、皆の顔が見える。
「皆…………」
「さぁ、いつまでも座ってないで立つんだ。そこからがアイツへのリベンジの始まりだ!!」
「……はい!!」
真緒は差し伸べられたフォルスの手を取り、立ち上がった。
「フォルスさん、ありがとうございます」
「いや何、俺もあの男には腹が立ってるからな。そのついでだ、ついで」
「フォルスさんったら、素直じゃないんですね」
「ち、違う!俺は只、あの男にだな……」
リーマの横からの一言に慌てるフォルスを見て、思わず笑みが溢れる真緒。
「(やっぱり、このパーティーで旅を続けたい)」
真緒は改めて、このパーティーの素晴らしさ、大切さ、自分には皆が必要不可欠なのだと再認識した。………………そのせいか、気が緩んでしまっていた。ドラゴンとの激しい戦闘と聖一達との戦闘が重なり、地面が脆くなっている事に気づかず、真緒の足下が崩れ落ちたのだ。
「え…………」
「マオぢゃん!!」
「マオさん!!」
「マオーーー!!!」
真緒は崩れ落ちた地面から、物凄い速度で暗闇の中を落下していく。次の地面まで数百メートルもあり、このままでは即死は免れない。
「(しまった!!もう虚空の力は使えない!このままじゃ…………嫌だ、死にたくない……)」
「マオーー!!」
フォルスは、形振り構わず真緒の落ちた穴から飛び込んだ。
「フォルスさん!?」
「マオ、お前を失う訳にはいかない!!」
そう言うとフォルスは、真緒を庇う様に抱き締めた。
「は、離して下さい!!このままではフォルスさんが死んでしまいます!」
「俺よりも、お前が生き残る方が良い。ハナコやリーマやエジタスさんだって納得してくれるだろう」
「…………ふざけんな!!!」
「マオ!!?」
突然の真緒の暴言に戸惑いを見せるフォルス。今まで真緒が仲間に対して暴言を吐いた事は一度もなかった為、実質初めての暴言である。
「どうしてフォルスさんは、いつも一人で勝手に決めちゃうんですか!!納得してくれるだろう?そんなのある訳無いですよ!!大切な仲間が死んで、納得出来る人なんていません!!!」
「マオ…………」
「フォルスさんはさっき、お前がいなくなったら、悲しむ奴がいる事を考えろと言いましたよね…………フォルスさんこそ死んでしまったら、残された人達の事を考えて下さいよ!!!」
「!!!」
フォルスの脳裏に走馬灯の様に、今までの出来事が甦る。
母親が死んでしまったショックから飛べなくなるなんて、正直…………期待外れですよ。
ちょっと待てよ!勝手に進めるんじゃねぇ!!話はまだ終わっていない、理由を言うまで行かせないからな!!
母親は雛の頃、崖から落ちたお前を助けようとして亡くなったのだ。
もうすぐ朝御飯が出来るからね。
俺はパーティーを抜ける。今まで世話になったな…………あばよ。
フォルスさんが戻って来てくれて、本当に嬉しいです!
フォルスさん
「(俺は…………)」
フォルスざん
「(俺は…………)」
フォルスさん
「(俺は…………)」
フォルスさ~ん
「(俺は…………)」
絶対……絶対離さないからね……大好きよフォルス……。
「俺は…………もう二度と大切な人を失いたくない!!!」
するとフォルスは両手を大きく広げ、真緒の肩を鉤爪でしっかりと掴んだ。
「フォルスさん!?」
「暴れないでくれよ!!」
フォルスが飛ぼうとすると、脳裏にフラッシュバックが映る。血まみれで倒れている母親では無く、雛の頃の自分を優しく暖かい笑みであやしている母親の姿であった。
「(母さん…………ありがとう。俺を守ってくれて…………今度は俺が大切な人を守る番だ!!!)」
フォルスは大きな翼で見事空を飛び、落ちた穴から脱出した。
「フォルスさん!!空を……!!」
「ああ、ついにやったよ。俺は鳥人フォルス!空を制する者だ!!」
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