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第九章 冒険編 雲の木の待ち人
待ち人の正体
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「~~♪~~~~♪」
真緒達と分かれたエジタスは、鼻歌混じりにこの村の村長へと挨拶をしに向かっていた。
「おぉ~!漸く辿り着きました!」
そう言うエジタスの目の前には、草木が一本も生えていない荒れ果てた地面が広がっていた。村長の家どころか、建造物らしき物は何処にも見当たらなかった。
「いや~、久しぶりに訪れましたが…………相変わらず、何も変わっていませんね~」
エジタスが荒れ果てた地面を歩いていると、その中心に一本の剣が突き刺さっていた。
「あっ、ありましたありました!懐かしいですね~まさか、まだ突き刺さっているだなんて思っても見ませんでしたよ…………おわぁ!?」
その突き刺さっている剣にエジタスが近づこうとすると、見えない何かに弾かれてしまった。
「?……これは……結界ですか?成る程……こうして置けば、村の誰かが近付いたとしても大丈夫という訳ですか…………」
エジタスはベタベタと結界を触りながら、侵入経路が無いかを確かめる。
「まぁ、私には関係ないですけどね!」
そう言うとエジタスは、パチンと指を鳴らして一瞬でその場から姿を消した。そして、それからすぐに結界の内側へと姿を現した。
「結界はあくまで、外部からの侵入を防ぐ為の魔法。それは空間を曲げたとしても侵入は不可能……ですが、私の“転移”は空間を曲げるのでは無く、空間を“飛び越える”……簡単に言えば結界が張られている空間には触れずに、直接内側へと“転移”した訳ですね」
エジタスは、ここにいない誰かに説明するかの様に話終わると、突き刺さっている剣に近付いた。
「それでは……さっさと抜いて、マオさん達と合流しましょうかね~」
そう言いながら、エジタスが剣に触れようとすると、まるで電流が全身を駆け巡るかの様な衝撃を受けた。
「……まさか剣にまで対策をしているとは、用心深いですね~…………いや、これは私を警戒しての対策ですかね…………」
エジタスは再び、剣を握り締める。するとまたしても、全身に強い電流が駆け巡る。しかしエジタスは、握った手を離そうとしない。
「成る程……触る時間が長ければ長い程、電流の強さも変わる仕組みですか…………ですが私にとって痛みは、どうでもいい事です」
そう言うとエジタスは、徐々に引き抜く力を強めていく。仮面を被っている為、苦しんでいるのか、それとも平気なのか、表情が分からない。そして剣はあっさりと抜けてしまった。
「う~ん!良い電気マッサージになりました~!肩こりが直りましたよ~!」
エジタスが右肩を回しながら喜んでいると、剣が突き刺さっていた切れ目から黒い煙が漏れ出した。
「さ~て、やりたい事はやれましたし、私もマオさん達の所に戻りましょうかね」
そう言うとエジタスは、抜いた剣を投げ捨ててパチンと指を鳴らして、その場から姿を消すのだった。
***
「ア、アーメイデってあの、二千年前に初代勇者と供に魔王を討伐して世界を平和へと導いた……あのアーメイデ様ですか!?」
「様は止めてくれ、私はそんな大層な者じゃ無いんだ。せめて、さん付けで頼むよ」
あまりに以外な人物であった為、しばらくの間固まっていた真緒達だったが、その中でリーマが震える声で話し掛けた。
「あ、あの!わ、私魔法使いで!それであの!ずっとアーメイデさんを目標にしていて!えっと!その!あ、握手してもよろしいでしょうか!?」
緊張し過ぎて、自分でも何を言っているのか分からなくなっているリーマは、取り敢えず握手だけでもと手を差し出した。
「へぇー、私を目標にしてくれるなんて嬉しいね。握手位ならいくらでもしてやるよ」
そう言うとアーメイデは、リーマと握手を交わした。
「あ、あ、ありがとうございます!!もうこの手は一生洗いません!!」
「いや洗いなさい。汚いから…………あら?その魔導書、見覚えがあるわね?」
興奮気味のリーマに少し引いているアーメイデは、リーマが持っている魔導書に目が行った。
「えっ、あっ、こ、これは私の師匠から譲り受けた物で……」
「師匠という事は……あんた、あのハナタレ坊主の弟子かい!?」
「し、師匠を知っているんですか!?」
「ああ、何を隠そう。あいつは私の弟子だった男だからね」
「師匠が……アーメイデさんの弟子……やっぱり師匠は凄い人でした!」
自分の師匠が英雄の弟子であった事に、喜びを感じるリーマ。
「それで?あのハナタレ坊主は、元気にやってるのかい?」
「…………いえ、師匠は亡くなりました。もうかなりの歳だったので……」
「!!…………そうか……それは酷な事を聞いてしまったね……最近、時を感じるのが鈍くなって来たよ。私も歳かね…………」
「そんな!アーメイデさんが気を使う事はありません!それに私は今こうして、マオさん達と旅が出来ているので全然辛く無いです!」
リーマは真緒達を見ながら、笑顔で答えた。
「そう言ってくれると、こっちも気が楽になるよ」
「あの……話の途中にすみません。聞いてもいいですか?」
リーマとアーメイデが話に夢中になっていると、真緒が声を掛けて来た。
「あぁ、すまないね。昔の弟子の話が出て来たと思ったら、つい話し込んでいたよ」
「あなたがあの有名な、アーメイデさんである事は理解しました。しかし、あなたは二千年前の人間である筈なのに、どうしてそんなにも若々しいのですか?」
最もな疑問だった。普通に会話をしていたが忘れてはならない。アーメイデは、二千年前の初代勇者と供に旅をしていた人物。つまりは最低でも二千歳は越えている事になるのだ。
「……そうだね。それの説明と、あんた達を呼んだ訳も話したいけど、こうして立っているのもなんだ……話は家に戻ってからしようじゃないか」
そう言って、アーメイデが歩き出した先には小屋が建てられていた。何処にでもありそうな、木材で建てられた普通の小屋だった。
「どうしますか?」
「ついて行く他あるまい……」
「ぞれに……リーマぢゃんは先に行っぢゃっだみだいだよぉ?」
「え?」
真緒がハナコの指差した方向に顔を向けると、既にアーメイデの側を寄り添い歩くリーマがいた。
「マオさーん!何やっているんですか!?置いていきますよ!!」
「…………何だかリーマの性格、変わってない?」
「憧れの存在に会えて、興奮しているんだろ……」
「あんなリーマ、初めで見だだぁ…………」
リーマの変化に驚きつつも、真緒達は二人の後を追い掛けるのだった。
「さて、着いたよ。まぁ、人をあげられる程立派な家では無いけど、ゆっくりしていってくれ」
「そんな!アーメイデさんの家にあがらせて貰えるなんて、光栄です!!」
アーメイデは、真緒達が全員来た事を確認すると、小屋の扉をノックする。
「おーい!帰ったよ!開けておくれ!」
「アーメイデさんの他に誰かいるんですか?」
「ん?あぁ、弟子が一人いてね。あんたの師匠が私の弟子だった頃からいる子なんだけど、中々将来性の高い子なんだよ」
同居人の説明をアーメイデがしていると、中から声が聞こえて来た。
「はいはーい!今開けますよー!」
勢いよく開かれた扉の先には、一人の女性が立っていた。髪はボサボサで、目元は髪ですっかり隠れているがある特徴的な部分があった。
「紹介するよ。私の一番弟子“エピロ”だ」
「どーも皆さん初めまして、アーメイデさんの弟子をしております、エピロです。よろしくお願いします」
特徴的な部分、それは“耳”だった。常人ではあり得ない程の尖った耳を持っていた。そして真緒達はその存在を聞いた事があった。異世界から来た真緒でも、その名前には聞き覚えがある。
「「「「エルフ…………」」」」
この日初めて、真緒達はエルフに遭遇したのだった。
真緒達と分かれたエジタスは、鼻歌混じりにこの村の村長へと挨拶をしに向かっていた。
「おぉ~!漸く辿り着きました!」
そう言うエジタスの目の前には、草木が一本も生えていない荒れ果てた地面が広がっていた。村長の家どころか、建造物らしき物は何処にも見当たらなかった。
「いや~、久しぶりに訪れましたが…………相変わらず、何も変わっていませんね~」
エジタスが荒れ果てた地面を歩いていると、その中心に一本の剣が突き刺さっていた。
「あっ、ありましたありました!懐かしいですね~まさか、まだ突き刺さっているだなんて思っても見ませんでしたよ…………おわぁ!?」
その突き刺さっている剣にエジタスが近づこうとすると、見えない何かに弾かれてしまった。
「?……これは……結界ですか?成る程……こうして置けば、村の誰かが近付いたとしても大丈夫という訳ですか…………」
エジタスはベタベタと結界を触りながら、侵入経路が無いかを確かめる。
「まぁ、私には関係ないですけどね!」
そう言うとエジタスは、パチンと指を鳴らして一瞬でその場から姿を消した。そして、それからすぐに結界の内側へと姿を現した。
「結界はあくまで、外部からの侵入を防ぐ為の魔法。それは空間を曲げたとしても侵入は不可能……ですが、私の“転移”は空間を曲げるのでは無く、空間を“飛び越える”……簡単に言えば結界が張られている空間には触れずに、直接内側へと“転移”した訳ですね」
エジタスは、ここにいない誰かに説明するかの様に話終わると、突き刺さっている剣に近付いた。
「それでは……さっさと抜いて、マオさん達と合流しましょうかね~」
そう言いながら、エジタスが剣に触れようとすると、まるで電流が全身を駆け巡るかの様な衝撃を受けた。
「……まさか剣にまで対策をしているとは、用心深いですね~…………いや、これは私を警戒しての対策ですかね…………」
エジタスは再び、剣を握り締める。するとまたしても、全身に強い電流が駆け巡る。しかしエジタスは、握った手を離そうとしない。
「成る程……触る時間が長ければ長い程、電流の強さも変わる仕組みですか…………ですが私にとって痛みは、どうでもいい事です」
そう言うとエジタスは、徐々に引き抜く力を強めていく。仮面を被っている為、苦しんでいるのか、それとも平気なのか、表情が分からない。そして剣はあっさりと抜けてしまった。
「う~ん!良い電気マッサージになりました~!肩こりが直りましたよ~!」
エジタスが右肩を回しながら喜んでいると、剣が突き刺さっていた切れ目から黒い煙が漏れ出した。
「さ~て、やりたい事はやれましたし、私もマオさん達の所に戻りましょうかね」
そう言うとエジタスは、抜いた剣を投げ捨ててパチンと指を鳴らして、その場から姿を消すのだった。
***
「ア、アーメイデってあの、二千年前に初代勇者と供に魔王を討伐して世界を平和へと導いた……あのアーメイデ様ですか!?」
「様は止めてくれ、私はそんな大層な者じゃ無いんだ。せめて、さん付けで頼むよ」
あまりに以外な人物であった為、しばらくの間固まっていた真緒達だったが、その中でリーマが震える声で話し掛けた。
「あ、あの!わ、私魔法使いで!それであの!ずっとアーメイデさんを目標にしていて!えっと!その!あ、握手してもよろしいでしょうか!?」
緊張し過ぎて、自分でも何を言っているのか分からなくなっているリーマは、取り敢えず握手だけでもと手を差し出した。
「へぇー、私を目標にしてくれるなんて嬉しいね。握手位ならいくらでもしてやるよ」
そう言うとアーメイデは、リーマと握手を交わした。
「あ、あ、ありがとうございます!!もうこの手は一生洗いません!!」
「いや洗いなさい。汚いから…………あら?その魔導書、見覚えがあるわね?」
興奮気味のリーマに少し引いているアーメイデは、リーマが持っている魔導書に目が行った。
「えっ、あっ、こ、これは私の師匠から譲り受けた物で……」
「師匠という事は……あんた、あのハナタレ坊主の弟子かい!?」
「し、師匠を知っているんですか!?」
「ああ、何を隠そう。あいつは私の弟子だった男だからね」
「師匠が……アーメイデさんの弟子……やっぱり師匠は凄い人でした!」
自分の師匠が英雄の弟子であった事に、喜びを感じるリーマ。
「それで?あのハナタレ坊主は、元気にやってるのかい?」
「…………いえ、師匠は亡くなりました。もうかなりの歳だったので……」
「!!…………そうか……それは酷な事を聞いてしまったね……最近、時を感じるのが鈍くなって来たよ。私も歳かね…………」
「そんな!アーメイデさんが気を使う事はありません!それに私は今こうして、マオさん達と旅が出来ているので全然辛く無いです!」
リーマは真緒達を見ながら、笑顔で答えた。
「そう言ってくれると、こっちも気が楽になるよ」
「あの……話の途中にすみません。聞いてもいいですか?」
リーマとアーメイデが話に夢中になっていると、真緒が声を掛けて来た。
「あぁ、すまないね。昔の弟子の話が出て来たと思ったら、つい話し込んでいたよ」
「あなたがあの有名な、アーメイデさんである事は理解しました。しかし、あなたは二千年前の人間である筈なのに、どうしてそんなにも若々しいのですか?」
最もな疑問だった。普通に会話をしていたが忘れてはならない。アーメイデは、二千年前の初代勇者と供に旅をしていた人物。つまりは最低でも二千歳は越えている事になるのだ。
「……そうだね。それの説明と、あんた達を呼んだ訳も話したいけど、こうして立っているのもなんだ……話は家に戻ってからしようじゃないか」
そう言って、アーメイデが歩き出した先には小屋が建てられていた。何処にでもありそうな、木材で建てられた普通の小屋だった。
「どうしますか?」
「ついて行く他あるまい……」
「ぞれに……リーマぢゃんは先に行っぢゃっだみだいだよぉ?」
「え?」
真緒がハナコの指差した方向に顔を向けると、既にアーメイデの側を寄り添い歩くリーマがいた。
「マオさーん!何やっているんですか!?置いていきますよ!!」
「…………何だかリーマの性格、変わってない?」
「憧れの存在に会えて、興奮しているんだろ……」
「あんなリーマ、初めで見だだぁ…………」
リーマの変化に驚きつつも、真緒達は二人の後を追い掛けるのだった。
「さて、着いたよ。まぁ、人をあげられる程立派な家では無いけど、ゆっくりしていってくれ」
「そんな!アーメイデさんの家にあがらせて貰えるなんて、光栄です!!」
アーメイデは、真緒達が全員来た事を確認すると、小屋の扉をノックする。
「おーい!帰ったよ!開けておくれ!」
「アーメイデさんの他に誰かいるんですか?」
「ん?あぁ、弟子が一人いてね。あんたの師匠が私の弟子だった頃からいる子なんだけど、中々将来性の高い子なんだよ」
同居人の説明をアーメイデがしていると、中から声が聞こえて来た。
「はいはーい!今開けますよー!」
勢いよく開かれた扉の先には、一人の女性が立っていた。髪はボサボサで、目元は髪ですっかり隠れているがある特徴的な部分があった。
「紹介するよ。私の一番弟子“エピロ”だ」
「どーも皆さん初めまして、アーメイデさんの弟子をしております、エピロです。よろしくお願いします」
特徴的な部分、それは“耳”だった。常人ではあり得ない程の尖った耳を持っていた。そして真緒達はその存在を聞いた事があった。異世界から来た真緒でも、その名前には聞き覚えがある。
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