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第九章 冒険編 雲の木の待ち人
真緒パーティー VS 魔食(前編)
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「スキル“ロストブレイク”!!」
真緒のスキルが魔食の足に目掛けて放たれる。しかし、かすり傷すら付いていなかった。
「な、何!?この“弾力”は!?」
魔食の全身を覆っていた真っ黒な丸い粒は、真緒の剣を弾く訳でも受け流す訳でも無く、まるでゴムの様に押し返したのだ。
「それなら!私の魔法で焼き付くして見せます!!“スネークフレイム”!!」
リーマの魔導書から炎で形成された蛇が生み出され、魔食に放たれる。そして見事、魔食に命中した。
「そ、そんな…………」
しかし、リーマの魔法が命中したにも関わらず、魔食は何事も無かったかの様に歩み続ける。
「今度はオラの番だ!!新じぐ身に付げだ力を今ごぞ発揮ずるだぁ!!」
そう言いながら、ハナコは魔食の足下へと駆け寄る。そして勢いに身を任せ、飛び掛かった。
「スキル“インパクト・ベア”!!」
両腕を引き、魔食目掛けて溜め込んだ力を一気に解き放った。すると、強い衝撃を受けて魔食は右膝を地面につけた。
「おぉ!!効いているぞ!!」
「ハナコさん凄いです!!」
「オラもやる時はやるだよぉ!」
しかし、まるで何事も無かったかの様に、直ぐ様立ち上がった。
「ぞ、ぞんな…………」
「ハナちゃんの攻撃でも駄目なの……?」
ハナコが放った渾身の一撃をものともしない魔食に、真緒達は言い知れぬ絶望を味わった。
「…………ん?どうしたんだ?」
先程まで、クラウドツリーに向けて歩き続けていた魔食だったが、突然その歩みを止めた。
「止まった…………?」
するとその時、遥か上空から何かが吹き抜ける様な音が聞こえて来た。
「まさか……!?気を付けろ!上から来るぞ!!」
「「「!!?」」」
フォルスの声と同時に、雲の上から巨大な手が迫って来ていた。
「み、皆避けてー!!!」
真緒が叫ぶと、全員その場から離れて迫り来る巨大な手から回避した。巨大な手は、真緒達を掴もうとしていたのか地面ごとえぐり取った。
「あ、あんなのに掴まれたら一瞬で死んじゃうよ…………」
巨大な手がえぐった地面には、五本の指の後が生々しく残っていた。
「でも……どうして攻撃して来たのでしょうか?アーメイデさんの話だと、魔食には自我は無い筈ですよね?」
足下にいる真緒達を狙った攻撃に、リーマは違和感を覚えた。
「…………恐らくだが、歩みの邪魔をする俺達を無意識に排除しようとしているんじゃないか?自我を持ち合わせていないとしても、本能が働く事はあるかもしれない……」
「そうなると……今非常に不味い状況ですよね…………?」
依然として動かない魔食に、悪寒が走る真緒。
「あぁ……完全に排除対象として、認識されたと思う……」
嫌な予感は的中し、再び巨大な手が雲の上から迫って来ていた。
「また来たぞー!!」
真緒達は巨大な手に掴まれない様、全力で回避する。
「幸い、動きがゆっくりだから避けるのは容易だね……」
「だが、このままだといつまで経っても埒が明かないぞ」
魔食に決定的な一撃を与えられない限り、永久に戦いが終わらない。
「あの“弾力”をどうにか出来れば良いんだけど…………」
「手ならある……」
「本当ですか!?」
魔食の打開策として、自信ありげなフォルスが答える。
「俺には、矢に風魔法を掛けて速度を上げる攻撃がある。それを使えば、あの“弾力”も突き破れるのではないかと思う」
「確かに……フォルスさんのブーストなら、突き破れるかもしれないですね」
剣でも魔法でも拳でもない。弓矢にて、魔食の体を突き破ろうとする。
「だがもしかしたら、突き破れない可能性もある。そこで考えたんだが…………」
フォルスは、真緒達にもしもの時の作戦を伝えた。
「ほ、本当に大丈夫でしょうか?」
「あくまで上手くいかなかった時の予備の作戦だが、上手く行く筈だ!!」
「…………はい!私、頑張ります!!」
フォルスの考えに心配するリーマだったが、フォルスの励ましの言葉で決意を固めた。
「それじゃあ、次が来たら作戦開始だよ!!」
「「「おぉ!!!」」」
魔食の攻撃に備えて、準備を整える真緒達。そしてその時は以外にも早く訪れた。三度目の巨大な手が雲の上から迫って来ていた。
「来たぞ!!」
作戦通りに動く為、まず始めに迫り来る巨大な手から回避した。
「よし!行くぞ!!」
フォルスは、空中へと舞い上がり魔食の足目掛けて弓を構えた。
「“ウインド”!!」
フォルスの矢に風がまとわりつく。強い力に、カタカタと震える弓矢をしっかりと指で押さえる。
「出来れば、これで決まってくれよ…………“ブースト”!!」
放たれた矢は風の力によって肉眼では捉えきれない速度となり、魔食の足に勢い良く命中した。
「貫通しろー!!」
「「「行けーー!!」」」
だがしかし、勢い良く命中した矢だったが、次第にその勢いが無くなり始めた。
「くっ…………やはり駄目か……仕方ない予備の作戦に切り替えるぞ!」
「はい!!…………イメージ……勢いが衰えている矢を後押しするイメージ…………」
予備の作戦。それは、フォルスと同じ風属性魔法を扱えるリーマが、勢いが無くなりそうな矢に対して後から勢いを加えて、貫通させようというものだった。しかし、これには大きな問題があった…………元から強い力が加わっている矢に、再び強い力を加えようとすれば矢自体が壊れてしまう。かと言って、加える力が弱すぎるとそもそもが意味をなさないなど、とても調整が難しいのだ。
「行きます!!“サポートウインド”!!」
リーマの魔導書から放たれた小さな風の塊は、フォルスの放った矢に当たる。
「お願い……上手く行って……!!」
すると、小さな風の塊が当たった事で矢の勢いが更に増して、遂に魔食の足を貫通した。
「やった!!!」
「上手く行った……」
「リーマぢゃん、流石だぁ!!」
「やったな、リーマ……」
喜んでるのも束の間。貫通した事で、片足を失った魔食はバランスを崩して前のめりに倒れる。
「「「「あっ…………」」」」
「に、逃げてーー!!!」
「「「「うわぁあああ!!!」」」」
真緒達は無我夢中で、その場から離れた。魔食が倒れた事で大きな地響きと、土煙が上がる。
***
「…………み、皆……大丈夫?」
「な、何とか……」
「死ぬかと思ったがな…………」
「オラ……もう走れないだぁ……」
倒れる魔食に命からがら逃げ延びた真緒達は、体力的にも精神的にも疲れていた。
「あっ!村は!?村は無事かな!?」
「大丈夫、ギリギリ届いていなかった様だ」
見ると、魔食が倒れた数十メートル先に村があった。もし、あそこで魔食が動きを止めていなかったら、村は押し潰されていた事だろう。
「良かった…………」
「それで……死んだんですかね?」
魔食は、倒れてからピクリとも動いていなかった。
「分からない……だが、油断しない方が得策だろ……」
「そうですね……取りあえず一度村に戻って、アーメイデさん達に状況を報告しましょう」
そう言うと真緒達は、村へと戻ろうとする。しかしその時、真緒は気づかなかった。背後から、巨大な手が真緒を掴もうとしている事に…………。
「マオぢゃん危ない!!」
「えっ…………?」
いち早く気がついたハナコが、真緒を突き飛ばして身代わりとなった。
「ハナちゃん!!」
「ハナコ!!」
「ハナコさん!!」
「ううう…………!!」
魔食は腰を起こして、片手でハナコを掴み上げる。苦しそうな悲鳴をあげるハナコに、真緒達は危機的状況に立たされてしまった。
真緒のスキルが魔食の足に目掛けて放たれる。しかし、かすり傷すら付いていなかった。
「な、何!?この“弾力”は!?」
魔食の全身を覆っていた真っ黒な丸い粒は、真緒の剣を弾く訳でも受け流す訳でも無く、まるでゴムの様に押し返したのだ。
「それなら!私の魔法で焼き付くして見せます!!“スネークフレイム”!!」
リーマの魔導書から炎で形成された蛇が生み出され、魔食に放たれる。そして見事、魔食に命中した。
「そ、そんな…………」
しかし、リーマの魔法が命中したにも関わらず、魔食は何事も無かったかの様に歩み続ける。
「今度はオラの番だ!!新じぐ身に付げだ力を今ごぞ発揮ずるだぁ!!」
そう言いながら、ハナコは魔食の足下へと駆け寄る。そして勢いに身を任せ、飛び掛かった。
「スキル“インパクト・ベア”!!」
両腕を引き、魔食目掛けて溜め込んだ力を一気に解き放った。すると、強い衝撃を受けて魔食は右膝を地面につけた。
「おぉ!!効いているぞ!!」
「ハナコさん凄いです!!」
「オラもやる時はやるだよぉ!」
しかし、まるで何事も無かったかの様に、直ぐ様立ち上がった。
「ぞ、ぞんな…………」
「ハナちゃんの攻撃でも駄目なの……?」
ハナコが放った渾身の一撃をものともしない魔食に、真緒達は言い知れぬ絶望を味わった。
「…………ん?どうしたんだ?」
先程まで、クラウドツリーに向けて歩き続けていた魔食だったが、突然その歩みを止めた。
「止まった…………?」
するとその時、遥か上空から何かが吹き抜ける様な音が聞こえて来た。
「まさか……!?気を付けろ!上から来るぞ!!」
「「「!!?」」」
フォルスの声と同時に、雲の上から巨大な手が迫って来ていた。
「み、皆避けてー!!!」
真緒が叫ぶと、全員その場から離れて迫り来る巨大な手から回避した。巨大な手は、真緒達を掴もうとしていたのか地面ごとえぐり取った。
「あ、あんなのに掴まれたら一瞬で死んじゃうよ…………」
巨大な手がえぐった地面には、五本の指の後が生々しく残っていた。
「でも……どうして攻撃して来たのでしょうか?アーメイデさんの話だと、魔食には自我は無い筈ですよね?」
足下にいる真緒達を狙った攻撃に、リーマは違和感を覚えた。
「…………恐らくだが、歩みの邪魔をする俺達を無意識に排除しようとしているんじゃないか?自我を持ち合わせていないとしても、本能が働く事はあるかもしれない……」
「そうなると……今非常に不味い状況ですよね…………?」
依然として動かない魔食に、悪寒が走る真緒。
「あぁ……完全に排除対象として、認識されたと思う……」
嫌な予感は的中し、再び巨大な手が雲の上から迫って来ていた。
「また来たぞー!!」
真緒達は巨大な手に掴まれない様、全力で回避する。
「幸い、動きがゆっくりだから避けるのは容易だね……」
「だが、このままだといつまで経っても埒が明かないぞ」
魔食に決定的な一撃を与えられない限り、永久に戦いが終わらない。
「あの“弾力”をどうにか出来れば良いんだけど…………」
「手ならある……」
「本当ですか!?」
魔食の打開策として、自信ありげなフォルスが答える。
「俺には、矢に風魔法を掛けて速度を上げる攻撃がある。それを使えば、あの“弾力”も突き破れるのではないかと思う」
「確かに……フォルスさんのブーストなら、突き破れるかもしれないですね」
剣でも魔法でも拳でもない。弓矢にて、魔食の体を突き破ろうとする。
「だがもしかしたら、突き破れない可能性もある。そこで考えたんだが…………」
フォルスは、真緒達にもしもの時の作戦を伝えた。
「ほ、本当に大丈夫でしょうか?」
「あくまで上手くいかなかった時の予備の作戦だが、上手く行く筈だ!!」
「…………はい!私、頑張ります!!」
フォルスの考えに心配するリーマだったが、フォルスの励ましの言葉で決意を固めた。
「それじゃあ、次が来たら作戦開始だよ!!」
「「「おぉ!!!」」」
魔食の攻撃に備えて、準備を整える真緒達。そしてその時は以外にも早く訪れた。三度目の巨大な手が雲の上から迫って来ていた。
「来たぞ!!」
作戦通りに動く為、まず始めに迫り来る巨大な手から回避した。
「よし!行くぞ!!」
フォルスは、空中へと舞い上がり魔食の足目掛けて弓を構えた。
「“ウインド”!!」
フォルスの矢に風がまとわりつく。強い力に、カタカタと震える弓矢をしっかりと指で押さえる。
「出来れば、これで決まってくれよ…………“ブースト”!!」
放たれた矢は風の力によって肉眼では捉えきれない速度となり、魔食の足に勢い良く命中した。
「貫通しろー!!」
「「「行けーー!!」」」
だがしかし、勢い良く命中した矢だったが、次第にその勢いが無くなり始めた。
「くっ…………やはり駄目か……仕方ない予備の作戦に切り替えるぞ!」
「はい!!…………イメージ……勢いが衰えている矢を後押しするイメージ…………」
予備の作戦。それは、フォルスと同じ風属性魔法を扱えるリーマが、勢いが無くなりそうな矢に対して後から勢いを加えて、貫通させようというものだった。しかし、これには大きな問題があった…………元から強い力が加わっている矢に、再び強い力を加えようとすれば矢自体が壊れてしまう。かと言って、加える力が弱すぎるとそもそもが意味をなさないなど、とても調整が難しいのだ。
「行きます!!“サポートウインド”!!」
リーマの魔導書から放たれた小さな風の塊は、フォルスの放った矢に当たる。
「お願い……上手く行って……!!」
すると、小さな風の塊が当たった事で矢の勢いが更に増して、遂に魔食の足を貫通した。
「やった!!!」
「上手く行った……」
「リーマぢゃん、流石だぁ!!」
「やったな、リーマ……」
喜んでるのも束の間。貫通した事で、片足を失った魔食はバランスを崩して前のめりに倒れる。
「「「「あっ…………」」」」
「に、逃げてーー!!!」
「「「「うわぁあああ!!!」」」」
真緒達は無我夢中で、その場から離れた。魔食が倒れた事で大きな地響きと、土煙が上がる。
***
「…………み、皆……大丈夫?」
「な、何とか……」
「死ぬかと思ったがな…………」
「オラ……もう走れないだぁ……」
倒れる魔食に命からがら逃げ延びた真緒達は、体力的にも精神的にも疲れていた。
「あっ!村は!?村は無事かな!?」
「大丈夫、ギリギリ届いていなかった様だ」
見ると、魔食が倒れた数十メートル先に村があった。もし、あそこで魔食が動きを止めていなかったら、村は押し潰されていた事だろう。
「良かった…………」
「それで……死んだんですかね?」
魔食は、倒れてからピクリとも動いていなかった。
「分からない……だが、油断しない方が得策だろ……」
「そうですね……取りあえず一度村に戻って、アーメイデさん達に状況を報告しましょう」
そう言うと真緒達は、村へと戻ろうとする。しかしその時、真緒は気づかなかった。背後から、巨大な手が真緒を掴もうとしている事に…………。
「マオぢゃん危ない!!」
「えっ…………?」
いち早く気がついたハナコが、真緒を突き飛ばして身代わりとなった。
「ハナちゃん!!」
「ハナコ!!」
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