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第九章 冒険編 雲の木の待ち人
アーメイデの決断
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「それじゃあそろそろ、マオさん達の所に戻りましょうか?」
そう言うとエジタスは、砂と化してしまった魔食をその場に放り投げて、マオ達がいる村へと戻ろうとする。
「…………ま、待ちなさい!!」
するとアーメイデが、戻ろうとするエジタスを引き止めた。
「どうしましたか~?」
「…………あなたは……あの子達を何処まで成長させる気でいるの?」
アーメイデは、聞かなければならないと思った。エジタスが真緒達に何処までの成長を望んでいるのか。
「それは勿論……魔王と対等に戦えるまでですよ?」
「!!……本気で言っているの…………?」
魔王と対等に戦える。それは言わば、サタニアと互角の戦いが繰り広げられるという事だった。アーメイデは、エジタスの言葉に耳を疑った。
「本気も本気、大真面目ですよ~。私の目的を成就させる為には、その位まで成長して頂く必要があります…………勇者は魔王と戦う運命にある。アーメイデさんだって理解していますよね~?」
「そ、それは分かっているけど……そもそもあの子達が勇者になれると決まった訳じゃ無いでしょ!?」
エジタスがこれからやろうとしている事に、真緒達の成長は欠かせない物であるがその高みに登り着くまで、どれ程の苦難を強いられるか想像もつかない。
「いえ、マオさん達はもう勇者ですよ」
「えっ…………?」
平然と答えるエジタスに、アーメイデは一瞬思考が停止してしまった。
「お忘れですか~?勇者は名乗るものではありません。誰かに認めて貰うものですよ~?」
「そ、そんなの分かっているわよ!!」
「なら、マオさん達は勇者だって分かりますよね~?」
「何を…………!!」
その時アーメイデは思い出した。村を出る前、魔食の脅威から救われた村人達が真緒達に感謝している事を……。
“あなた方は命の恩人です!!”
“あんな巨大な生き物を倒せるだなんて……もしやあなた方は、伝説に伝えられる“勇者”様ではありませんか?”
「…………!!」
「運命というのは…………非常に都合良く働いてくれる……」
誰かに認めて貰う事が勇者であるのなら、真緒達はあの時に勇者としての道を歩み始めた。
「まさか……この事も計算に入れて魔食を復活させたの…………!?」
「いやいや、さすがにそこまでは期待していませんでしたよ…………ですが、期待以上の結果が得られたのは事実ですね~」
期待していなかった。つまり、組み込まれてはいた。村の危機を真緒達に救って貰う事で勇者としての成長を促し、あわよくば村人達から認めて貰おうとしていた。真緒達の性格を利用したエジタスの計画に、アーメイデは人知れず恐ろしさを感じていた。
「後は成長だけなんですけど……今のマオさん達では、到底魔王に太刀打ち出来ません。だから今度はもっと厳しい試練をマオさん達に与えようと思っているんですよ~」
「正気なの!?こんな無茶な事を続けていたら命がいくつあっても足りないわよ!!」
真緒達の命が危ない。そう思ったアーメイデは、エジタスを説得しようとする。
「そうは言いますけどね~。こうでもしなければマオさん達は成長出来ないんですよ~」
「あなたが指導すればいいじゃない…………」
「私が?ご冗談を……私が教えられるのは基本的な所だけ、勇者を育てるだなんてとてもとても…………」
そう言いながらエジタスは、首を横に振って否定する。
「何を言ってるのよ。あなたなら簡単でしょ……“初代勇者の師匠”なんだから……」
「アーメイデさん……いったい何千年前の話をしているんですか~。あの時と今じゃ、環境が違いすぎますよ~」
「(環境が違う…………その程度の事で、あなたが衰えるとは思えないけどね……)」
しかしそれは、敢えてエジタスには言わない事にした。何故なら話したとしても結局否定の言葉が返って来て、水掛け論になってしまうからだ。
「話は以上ですか?それじゃあ今度こそ村に戻りましょうか~」
「(このままでは、あの子達の命が危ない。だけど……私には勇者を救う資格が無い……それでも…………!!)」
何かを決断したアーメイデは、エジタスの前に立ち塞がる。
「もう~、今度は何ですか~?」
「ちょっと提案があるのだけど…………いいかしら?」
「??」
***
「勇者様!お飲み物をどうぞ!」
「勇者様!お腹は空いていませんか?村一番の料理人が腕を振るいましょう!」
「勇者様!肩をお揉みしましょうか?」
村では、ちょっとした騒ぎが起こっていた。勇者である真緒達に感謝して、村人達が次から次へと奉仕しようとしていた。
「お、お気持ちはありがたいですけど……そこまでして貰う訳には行きません……」
「何を仰るのですか!?あなた方は村の救世主!この位の奉仕は受けて当然です!!」
「で、ですが…………」
どんどん迫って来る村人達に、真緒達は無下にも出来ず困惑していた。
「か、囲まれた!」
「マオさんどうしましょう……」
「オ、オラ何だが……怖ぐ感じるだよぉ…………」
「だ、誰か助けて…………」
村人達に逃げ道を塞がれた真緒達は、助けを祈るしか出来なかった。すると突然、真緒は肩を掴まれた。
「!!?」
「マオさん大丈夫ですか~?」
真緒達が振り返ると、そこには村の外から戻って来たエジタスがいた。
「「「エジタスさん!!」」」
「し、師匠!!ど、何処に行っていたんですかー!?こっちは大変だったんですよ!」
「いや~、すみませんね~。ちょっとアーメイデさんと一緒に散歩していたものですから~」
「さ、散歩ですか…………?」
戻って来たかと思えば、アーメイデと散歩していたと言うエジタスに、真緒達は呆れていた。
「そ、そう言えばアーメイデさんは何処にいるんですか?」
辺りを見回すも、アーメイデの姿は何処にも無かった。
「その前に一旦この場所から離れましょうか。皆さん、私の体に捕まって下さい」
「は、はい!」
真緒達は急いでエジタスの体にしがみついた。そしてエジタスは指をパチンと鳴らして、その場から一瞬で姿を消した。
「ゆ、勇者様!?何処ですか!?」
村人達は、突然消えた真緒達に驚きながら辺りを捜索するのであった。
***
「はい、到着しましたよ」
「こ、ここは……“クラウドツリー”の頂上?」
エジタスの転移で来た場所は、“クラウドツリー”の頂上だった。
「来たわね!」
「アーメイデさん…………?」
目の前にはアーメイデが仁王立ちで、真緒達を待っていた。
「あんた達、修行するわよ!!」
「「「「えっ…………?」」」」
そう言うとエジタスは、砂と化してしまった魔食をその場に放り投げて、マオ達がいる村へと戻ろうとする。
「…………ま、待ちなさい!!」
するとアーメイデが、戻ろうとするエジタスを引き止めた。
「どうしましたか~?」
「…………あなたは……あの子達を何処まで成長させる気でいるの?」
アーメイデは、聞かなければならないと思った。エジタスが真緒達に何処までの成長を望んでいるのか。
「それは勿論……魔王と対等に戦えるまでですよ?」
「!!……本気で言っているの…………?」
魔王と対等に戦える。それは言わば、サタニアと互角の戦いが繰り広げられるという事だった。アーメイデは、エジタスの言葉に耳を疑った。
「本気も本気、大真面目ですよ~。私の目的を成就させる為には、その位まで成長して頂く必要があります…………勇者は魔王と戦う運命にある。アーメイデさんだって理解していますよね~?」
「そ、それは分かっているけど……そもそもあの子達が勇者になれると決まった訳じゃ無いでしょ!?」
エジタスがこれからやろうとしている事に、真緒達の成長は欠かせない物であるがその高みに登り着くまで、どれ程の苦難を強いられるか想像もつかない。
「いえ、マオさん達はもう勇者ですよ」
「えっ…………?」
平然と答えるエジタスに、アーメイデは一瞬思考が停止してしまった。
「お忘れですか~?勇者は名乗るものではありません。誰かに認めて貰うものですよ~?」
「そ、そんなの分かっているわよ!!」
「なら、マオさん達は勇者だって分かりますよね~?」
「何を…………!!」
その時アーメイデは思い出した。村を出る前、魔食の脅威から救われた村人達が真緒達に感謝している事を……。
“あなた方は命の恩人です!!”
“あんな巨大な生き物を倒せるだなんて……もしやあなた方は、伝説に伝えられる“勇者”様ではありませんか?”
「…………!!」
「運命というのは…………非常に都合良く働いてくれる……」
誰かに認めて貰う事が勇者であるのなら、真緒達はあの時に勇者としての道を歩み始めた。
「まさか……この事も計算に入れて魔食を復活させたの…………!?」
「いやいや、さすがにそこまでは期待していませんでしたよ…………ですが、期待以上の結果が得られたのは事実ですね~」
期待していなかった。つまり、組み込まれてはいた。村の危機を真緒達に救って貰う事で勇者としての成長を促し、あわよくば村人達から認めて貰おうとしていた。真緒達の性格を利用したエジタスの計画に、アーメイデは人知れず恐ろしさを感じていた。
「後は成長だけなんですけど……今のマオさん達では、到底魔王に太刀打ち出来ません。だから今度はもっと厳しい試練をマオさん達に与えようと思っているんですよ~」
「正気なの!?こんな無茶な事を続けていたら命がいくつあっても足りないわよ!!」
真緒達の命が危ない。そう思ったアーメイデは、エジタスを説得しようとする。
「そうは言いますけどね~。こうでもしなければマオさん達は成長出来ないんですよ~」
「あなたが指導すればいいじゃない…………」
「私が?ご冗談を……私が教えられるのは基本的な所だけ、勇者を育てるだなんてとてもとても…………」
そう言いながらエジタスは、首を横に振って否定する。
「何を言ってるのよ。あなたなら簡単でしょ……“初代勇者の師匠”なんだから……」
「アーメイデさん……いったい何千年前の話をしているんですか~。あの時と今じゃ、環境が違いすぎますよ~」
「(環境が違う…………その程度の事で、あなたが衰えるとは思えないけどね……)」
しかしそれは、敢えてエジタスには言わない事にした。何故なら話したとしても結局否定の言葉が返って来て、水掛け論になってしまうからだ。
「話は以上ですか?それじゃあ今度こそ村に戻りましょうか~」
「(このままでは、あの子達の命が危ない。だけど……私には勇者を救う資格が無い……それでも…………!!)」
何かを決断したアーメイデは、エジタスの前に立ち塞がる。
「もう~、今度は何ですか~?」
「ちょっと提案があるのだけど…………いいかしら?」
「??」
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「勇者様!お飲み物をどうぞ!」
「勇者様!お腹は空いていませんか?村一番の料理人が腕を振るいましょう!」
「勇者様!肩をお揉みしましょうか?」
村では、ちょっとした騒ぎが起こっていた。勇者である真緒達に感謝して、村人達が次から次へと奉仕しようとしていた。
「お、お気持ちはありがたいですけど……そこまでして貰う訳には行きません……」
「何を仰るのですか!?あなた方は村の救世主!この位の奉仕は受けて当然です!!」
「で、ですが…………」
どんどん迫って来る村人達に、真緒達は無下にも出来ず困惑していた。
「か、囲まれた!」
「マオさんどうしましょう……」
「オ、オラ何だが……怖ぐ感じるだよぉ…………」
「だ、誰か助けて…………」
村人達に逃げ道を塞がれた真緒達は、助けを祈るしか出来なかった。すると突然、真緒は肩を掴まれた。
「!!?」
「マオさん大丈夫ですか~?」
真緒達が振り返ると、そこには村の外から戻って来たエジタスがいた。
「「「エジタスさん!!」」」
「し、師匠!!ど、何処に行っていたんですかー!?こっちは大変だったんですよ!」
「いや~、すみませんね~。ちょっとアーメイデさんと一緒に散歩していたものですから~」
「さ、散歩ですか…………?」
戻って来たかと思えば、アーメイデと散歩していたと言うエジタスに、真緒達は呆れていた。
「そ、そう言えばアーメイデさんは何処にいるんですか?」
辺りを見回すも、アーメイデの姿は何処にも無かった。
「その前に一旦この場所から離れましょうか。皆さん、私の体に捕まって下さい」
「は、はい!」
真緒達は急いでエジタスの体にしがみついた。そしてエジタスは指をパチンと鳴らして、その場から一瞬で姿を消した。
「ゆ、勇者様!?何処ですか!?」
村人達は、突然消えた真緒達に驚きながら辺りを捜索するのであった。
***
「はい、到着しましたよ」
「こ、ここは……“クラウドツリー”の頂上?」
エジタスの転移で来た場所は、“クラウドツリー”の頂上だった。
「来たわね!」
「アーメイデさん…………?」
目の前にはアーメイデが仁王立ちで、真緒達を待っていた。
「あんた達、修行するわよ!!」
「「「「えっ…………?」」」」
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