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第一章 新たなる旅立ち
ヘッラアーデの入会条件
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「…………」
「「「「…………」」」」
何とか他の団員にバレず、やり過ごす事に成功した真緒達。現在、レッマイル13支部とされている教会に戻って来ており、リップを含む真緒達五人が、一つのテーブルを囲んで座り、ボランティア活動で疲労した英気を養っていた。しかしそんな中、真緒だけが他の四人とは少し様子が違っており、戻って来てからずっとテーブルに突っ伏していた。
「…………」
「「「「…………」」」」
気まずい雰囲気。声を掛けようにも、テーブルに突っ伏したままで、一度も顔を上げようとしない。その為、掛けて良いものかどうか悩んでいた。
「…………」
「……あのー、マオさん……いったいどうしたと言うんですか?」
沈黙に耐えかねて、リップが遂に声を掛けた。すると真緒は、ゆっくり顔を上げる。その顔は、何処か不機嫌そうで決して笑顔とは言い難かった。
「…………別に何でもありませんよ……」
「いやでも……」
「何でもありません!!」
そう言うと真緒は、いきなり立ち上がり歩き出してしまった。
「ぢょ、ぢょっどマオぢゃん!? 何処に行ぐつもりだぁ!?」
「ちょっと外の空気を吸って来るだけです!!」
周りの目を気にせず、真緒は大声を上げながら外へと出て行ってしまった。
「マオさん……何かあったんでしょうか?」
「さぁな、もしかしたら女性特有の悩みなのかもしれん……」
「機嫌が良くなってくれると良いんですが……まさかあのまま怒って、リリヤ様からの依頼を放り投げてしまうんじゃ……!?」
「大丈夫だぁ。マオぢゃんは、誰よりも責任感の強い人だぁ。途中で放り出ず事はじないだよぉ。ずっど一緒に旅じでだオラ達が保証ずるだぁ」
真緒の不機嫌な態度に、途中でリリヤの依頼を放り投げてしまうのでは無いかと不安を口にするリップだが、そんな事はあり得ないとハナコが言う中、リーマとフォルスの二人も同意する様に頷く。
「……だと良いんですが……」
半信半疑のリップを他所に、遠くで他の団員と会話をしていたヴォイス団長が、リップ達に歩み寄って来た。
「やぁ、リップ!! 今日も頑張ってくれたね!! お疲れ様!!」
「ヴォイス団長、お疲れ様です」
「君達も、今日は私の無理な頼みを聞いてくれてありがとう!! 本当に助かったよ!!」
「あっ、いえ……どうも……」
「(……何が、まだ声が大ぎぐ聞ごえるだぁ……)」
「(うん、ボランティア活動の時は普通の声量だったのに……)」
「(恐らく、教会内での接し方とボランティア活動内での接し方。二つに分けているんだろう。スラム街の人達に、こんな大声で話し掛けたら警戒されるだろうからな)」
「「(成る程……)」」
ハナコ、リーマはヴォイス団長の無駄に大きい声に関して小声で会話する。そんな二人の会話にフォルスも参加し、自身の考えを述べる。
「あれ!!? そう言えば“ソルト”さんの姿が見えないが、何処に行ってしまったんだい!!?」
「ソルトさん…………あぁ!! ソルトさんでしたら、外の空気を吸いたいと言って出て行きましたよ」
リーマは一瞬、誰の事を言っているのか分からなかったが、何とか真緒の偽名を思い出し、外の空気を吸いに出掛けた事を説明した。
「そうか……それなら取り敢えず君達から聞きたいんだけど……」
「「「…………?」」」
***
「はぁー……」
教会の外。真緒は、教会の壁にもたれ掛かりながら深い溜め息を吐いていた。次いでに、指輪を外して効果時間の回復も行っていた。勿論、周囲に人気が無い事を確認した上で。
「……ちょっと大人気なかったな」
真緒が不機嫌な理由。それは、ボランティア活動中に抜け出した際、自分だけ腹の虫で抜け出したのが恥ずかしいという事だった。
「師匠を崇める宗教団体……その団体に潜り込む為なら、恥も外聞も捨てようと決めていた筈なのに……まだまだ師匠の様に強くはなれないな……師匠……会いたいよ……」
実力やメンタル。どれを取っても師匠のエジタスには遠く及ばない。今は無き、師匠の幻に思わず俯いてしまう。
「……あぁ!! もう!! 考えるのは止め止め!!」
左手で髪の毛を掻きながら、真緒は勢い良く立ち上がる。
「私は私!! 自分なりのペースで師匠に追い付こう!!」
そう言うと真緒は、回復した指輪を嵌めて教会内に戻って行った。
***
「乾杯!!」
鉄の金具が取り付けられた木製のジョッキ同士がぶつかり合う。ぶつかった衝撃で、中のお酒が少量床に零れる。
「はい!! 私歌います!!」
「おぉ、良いぞ!!」
お酒に酔った女性が突然立ち上がり、アカペラで歌い始める。そんな女性に、周囲の男性が合いの手を入れる。
「こ、これはいったい…………」
そんな馬鹿騒ぎを起こしている一同を目にした真緒は、戸惑いを隠せなかった。
「おぉーい!! マオ……じゃながっだ……ソルトぢゃん!! こっぢこっぢ!!」
声のする方向に視線を向けると、遠くのテーブルにハナコ、リーマ、フォルス、リップ、そしてヴォイス団長の五人が真緒に向けて手招きしていた。
「ハ……ラちゃん……これはいったいどう言う事!? 私が少し外れた間、何があったの!?」
真緒は慌ててハナコ達の方へと駆け寄り、何があったのか問い詰めた。
「ぞれが……「私が説明しましょう!!」……ヴォイス団長……」
するとハナコの代わりに、ヴォイス団長が説明係を買って出た。
「今日は私の急なお願いに対して、君達は嫌な顔一つせずに引き受けてくれた!! そのお陰でほんとうに助かったよ!! そんな恩人である君達に細やかなお礼として、歓迎パーティーを開かせて貰ったのだ!!」
「歓迎パーティー?」
「その通り!! 本来はそんな事はしないのだが、君達は特別だ!! 今日一日、飲んで食べて楽しんでくれ!!」
「は、はぁ……あ、ありがとうございます……」
急な歓迎パーティーに、思わず苦笑いを浮かべる真緒。よく見ると、他の四人も真緒と同じ様に苦笑いを浮かべていた。
「次、歌いたい人!!?」
「おぉ!! 次、次は私が歌う番だ!!」
アカペラで歌っていた女性が、次に歌う人を選抜しているのを見つけたヴォイス団長は、大きな声を出しながら大きく手を上げた。
「じゃあ君達、ゆっくり楽しんでくれ!! 私はしばらくあちらで歌って来るよ!!」
そう言うとヴォイス団長は返事を待たずに、歌を歌っている集団に駆け込んで行った。
「……まるで嵐の様な人ですね……」
「本当だね…………」
「ですが、これはチャンスですよ。今の内に、ヴォイス団長の部屋に忍び込みましょう。
ヴォイス団長のパワフルな行動力に、苦笑いを浮かべていると、リップがヴォイス団長の部屋に忍び込もうと提案する。
「えっ、どうしてですか?」
「勿論、“ヘッラアーデ”の情報を手に入れる為ですよ」
「「「「!!!」」」」
「今はまだレッマイルの団員ですが、なるべく近い内にヘッラアーデに潜り込まないといけません。その為にも、ヘッラアーデに関する情報を集めないと……」
「そうか……今なら部屋に忍び込んでも気付かれにくい……」
「……行きましょう」
好条件が揃った今日この日。逃さない手は無い。真緒達は、他の団員に気付かれない様、静かにヴォイス団長の部屋へと忍び込んだ。
***
ヴォイス団長の部屋。朝の面接以来の為、物の配置などは然程変わってはいなかった。
「いいですか、必要なのはヘッラアーデの情報が書かれている書類です。どんなに小さな情報でも構いません。見つけたら報告して下さい」
真緒達五人は手分けして、ヴォイス団長の部屋を漁り始める。机の上や中、側に置かれている書類の束の一枚一枚、丁寧かつ素早く目を通す。
「あっ、これはどうですか!? “ヘッラアーデの各支部は人数上限は百人限定とする。現在、定員に達したのは第1支部から第10支部、第11支部から第15支部は未だ定員に達しておらず”」
しばらく探していると、リーマがヘッラアーデに関する情報が記された書類を発見する。
「それに、入会条件は記されていますか!?」
「えっと、記されていません……」
「そうですか……でも、ありがとうございます。この調子で探して行きましょう」
残念ながら目的の情報は記されておらず、再び漁り始める真緒達。
「無いな……無いな……」
「無いだぁ……無いだぁ……」
「…………あ、あったぞ!! ヘッラアーデの入会条件!!」
「えっ、本当ですか!?」
皆が手分けして探す中、フォルスが遂に目的の情報が記された書類を発見する。真緒達は、慌ててフォルスの周りに駆け寄った。
「読み上げるぞ…………」
レッマイル13支部団長ヴォイスに告ぐ
本日から貴殿を、ヘッラアーデ13支部の面接官に任命する。目的は只一つ、レッマイルに所属している団員の中から、ヘッラアーデ13支部に入会する団員を選抜し、勧誘を試みよ。尚、入会条件として以下の条件を満たした団員のみを選抜する様に、心せよ
ヘッラアーデ入会条件
1.勤勉である事(どんな頼み事も喜んで引き受ける者とする)
2.コンプレックスを抱えている事(容姿に関係するコンプレックスなら、尚に良い)
3.神を信仰していない事(生まれながらに神を信仰していない者だけとする)
尚、勧誘を試みて断られた場合、綺麗に“掃除”する事
以上
「「「「「…………」」」」」
大当たり。真緒達は、ヘッラアーデの入会条件に関する書類を発見した。だがそれよりも、真緒達が驚いたのは他の文章だった。
「……あのヴォイスって人……ヘッラアーデの面接官だったんだ……」
「……只の声の大きい人なのかと思っていました」
「オラも……ぞう思っでいだだぁ……」
「いや、それよりも今考えたら今日の無理なお願いは、1の条件に当て嵌まるかどうか確認していたんじゃないか?」
「確かに……そう考えるとあの急なお願いも納得出来ます……」
真緒達は知らず知らず、ヘッラアーデの入会条件をテストされていた。ヴォイスの策略に、真緒達は息を飲んだ。
「取り敢えず……ヘッラアーデへの入会条件は分かった……これからは、この入会条件に当て嵌まる様に行動しよう」
「もうすぐ……もうすぐ師匠を崇める宗教団体に潜り込めます……そこで、少しでも多く師匠に関する情報を……」
真緒の想いと共に、一同はヴォイス団長の部屋を後にするのであった。
「「「「…………」」」」
何とか他の団員にバレず、やり過ごす事に成功した真緒達。現在、レッマイル13支部とされている教会に戻って来ており、リップを含む真緒達五人が、一つのテーブルを囲んで座り、ボランティア活動で疲労した英気を養っていた。しかしそんな中、真緒だけが他の四人とは少し様子が違っており、戻って来てからずっとテーブルに突っ伏していた。
「…………」
「「「「…………」」」」
気まずい雰囲気。声を掛けようにも、テーブルに突っ伏したままで、一度も顔を上げようとしない。その為、掛けて良いものかどうか悩んでいた。
「…………」
「……あのー、マオさん……いったいどうしたと言うんですか?」
沈黙に耐えかねて、リップが遂に声を掛けた。すると真緒は、ゆっくり顔を上げる。その顔は、何処か不機嫌そうで決して笑顔とは言い難かった。
「…………別に何でもありませんよ……」
「いやでも……」
「何でもありません!!」
そう言うと真緒は、いきなり立ち上がり歩き出してしまった。
「ぢょ、ぢょっどマオぢゃん!? 何処に行ぐつもりだぁ!?」
「ちょっと外の空気を吸って来るだけです!!」
周りの目を気にせず、真緒は大声を上げながら外へと出て行ってしまった。
「マオさん……何かあったんでしょうか?」
「さぁな、もしかしたら女性特有の悩みなのかもしれん……」
「機嫌が良くなってくれると良いんですが……まさかあのまま怒って、リリヤ様からの依頼を放り投げてしまうんじゃ……!?」
「大丈夫だぁ。マオぢゃんは、誰よりも責任感の強い人だぁ。途中で放り出ず事はじないだよぉ。ずっど一緒に旅じでだオラ達が保証ずるだぁ」
真緒の不機嫌な態度に、途中でリリヤの依頼を放り投げてしまうのでは無いかと不安を口にするリップだが、そんな事はあり得ないとハナコが言う中、リーマとフォルスの二人も同意する様に頷く。
「……だと良いんですが……」
半信半疑のリップを他所に、遠くで他の団員と会話をしていたヴォイス団長が、リップ達に歩み寄って来た。
「やぁ、リップ!! 今日も頑張ってくれたね!! お疲れ様!!」
「ヴォイス団長、お疲れ様です」
「君達も、今日は私の無理な頼みを聞いてくれてありがとう!! 本当に助かったよ!!」
「あっ、いえ……どうも……」
「(……何が、まだ声が大ぎぐ聞ごえるだぁ……)」
「(うん、ボランティア活動の時は普通の声量だったのに……)」
「(恐らく、教会内での接し方とボランティア活動内での接し方。二つに分けているんだろう。スラム街の人達に、こんな大声で話し掛けたら警戒されるだろうからな)」
「「(成る程……)」」
ハナコ、リーマはヴォイス団長の無駄に大きい声に関して小声で会話する。そんな二人の会話にフォルスも参加し、自身の考えを述べる。
「あれ!!? そう言えば“ソルト”さんの姿が見えないが、何処に行ってしまったんだい!!?」
「ソルトさん…………あぁ!! ソルトさんでしたら、外の空気を吸いたいと言って出て行きましたよ」
リーマは一瞬、誰の事を言っているのか分からなかったが、何とか真緒の偽名を思い出し、外の空気を吸いに出掛けた事を説明した。
「そうか……それなら取り敢えず君達から聞きたいんだけど……」
「「「…………?」」」
***
「はぁー……」
教会の外。真緒は、教会の壁にもたれ掛かりながら深い溜め息を吐いていた。次いでに、指輪を外して効果時間の回復も行っていた。勿論、周囲に人気が無い事を確認した上で。
「……ちょっと大人気なかったな」
真緒が不機嫌な理由。それは、ボランティア活動中に抜け出した際、自分だけ腹の虫で抜け出したのが恥ずかしいという事だった。
「師匠を崇める宗教団体……その団体に潜り込む為なら、恥も外聞も捨てようと決めていた筈なのに……まだまだ師匠の様に強くはなれないな……師匠……会いたいよ……」
実力やメンタル。どれを取っても師匠のエジタスには遠く及ばない。今は無き、師匠の幻に思わず俯いてしまう。
「……あぁ!! もう!! 考えるのは止め止め!!」
左手で髪の毛を掻きながら、真緒は勢い良く立ち上がる。
「私は私!! 自分なりのペースで師匠に追い付こう!!」
そう言うと真緒は、回復した指輪を嵌めて教会内に戻って行った。
***
「乾杯!!」
鉄の金具が取り付けられた木製のジョッキ同士がぶつかり合う。ぶつかった衝撃で、中のお酒が少量床に零れる。
「はい!! 私歌います!!」
「おぉ、良いぞ!!」
お酒に酔った女性が突然立ち上がり、アカペラで歌い始める。そんな女性に、周囲の男性が合いの手を入れる。
「こ、これはいったい…………」
そんな馬鹿騒ぎを起こしている一同を目にした真緒は、戸惑いを隠せなかった。
「おぉーい!! マオ……じゃながっだ……ソルトぢゃん!! こっぢこっぢ!!」
声のする方向に視線を向けると、遠くのテーブルにハナコ、リーマ、フォルス、リップ、そしてヴォイス団長の五人が真緒に向けて手招きしていた。
「ハ……ラちゃん……これはいったいどう言う事!? 私が少し外れた間、何があったの!?」
真緒は慌ててハナコ達の方へと駆け寄り、何があったのか問い詰めた。
「ぞれが……「私が説明しましょう!!」……ヴォイス団長……」
するとハナコの代わりに、ヴォイス団長が説明係を買って出た。
「今日は私の急なお願いに対して、君達は嫌な顔一つせずに引き受けてくれた!! そのお陰でほんとうに助かったよ!! そんな恩人である君達に細やかなお礼として、歓迎パーティーを開かせて貰ったのだ!!」
「歓迎パーティー?」
「その通り!! 本来はそんな事はしないのだが、君達は特別だ!! 今日一日、飲んで食べて楽しんでくれ!!」
「は、はぁ……あ、ありがとうございます……」
急な歓迎パーティーに、思わず苦笑いを浮かべる真緒。よく見ると、他の四人も真緒と同じ様に苦笑いを浮かべていた。
「次、歌いたい人!!?」
「おぉ!! 次、次は私が歌う番だ!!」
アカペラで歌っていた女性が、次に歌う人を選抜しているのを見つけたヴォイス団長は、大きな声を出しながら大きく手を上げた。
「じゃあ君達、ゆっくり楽しんでくれ!! 私はしばらくあちらで歌って来るよ!!」
そう言うとヴォイス団長は返事を待たずに、歌を歌っている集団に駆け込んで行った。
「……まるで嵐の様な人ですね……」
「本当だね…………」
「ですが、これはチャンスですよ。今の内に、ヴォイス団長の部屋に忍び込みましょう。
ヴォイス団長のパワフルな行動力に、苦笑いを浮かべていると、リップがヴォイス団長の部屋に忍び込もうと提案する。
「えっ、どうしてですか?」
「勿論、“ヘッラアーデ”の情報を手に入れる為ですよ」
「「「「!!!」」」」
「今はまだレッマイルの団員ですが、なるべく近い内にヘッラアーデに潜り込まないといけません。その為にも、ヘッラアーデに関する情報を集めないと……」
「そうか……今なら部屋に忍び込んでも気付かれにくい……」
「……行きましょう」
好条件が揃った今日この日。逃さない手は無い。真緒達は、他の団員に気付かれない様、静かにヴォイス団長の部屋へと忍び込んだ。
***
ヴォイス団長の部屋。朝の面接以来の為、物の配置などは然程変わってはいなかった。
「いいですか、必要なのはヘッラアーデの情報が書かれている書類です。どんなに小さな情報でも構いません。見つけたら報告して下さい」
真緒達五人は手分けして、ヴォイス団長の部屋を漁り始める。机の上や中、側に置かれている書類の束の一枚一枚、丁寧かつ素早く目を通す。
「あっ、これはどうですか!? “ヘッラアーデの各支部は人数上限は百人限定とする。現在、定員に達したのは第1支部から第10支部、第11支部から第15支部は未だ定員に達しておらず”」
しばらく探していると、リーマがヘッラアーデに関する情報が記された書類を発見する。
「それに、入会条件は記されていますか!?」
「えっと、記されていません……」
「そうですか……でも、ありがとうございます。この調子で探して行きましょう」
残念ながら目的の情報は記されておらず、再び漁り始める真緒達。
「無いな……無いな……」
「無いだぁ……無いだぁ……」
「…………あ、あったぞ!! ヘッラアーデの入会条件!!」
「えっ、本当ですか!?」
皆が手分けして探す中、フォルスが遂に目的の情報が記された書類を発見する。真緒達は、慌ててフォルスの周りに駆け寄った。
「読み上げるぞ…………」
レッマイル13支部団長ヴォイスに告ぐ
本日から貴殿を、ヘッラアーデ13支部の面接官に任命する。目的は只一つ、レッマイルに所属している団員の中から、ヘッラアーデ13支部に入会する団員を選抜し、勧誘を試みよ。尚、入会条件として以下の条件を満たした団員のみを選抜する様に、心せよ
ヘッラアーデ入会条件
1.勤勉である事(どんな頼み事も喜んで引き受ける者とする)
2.コンプレックスを抱えている事(容姿に関係するコンプレックスなら、尚に良い)
3.神を信仰していない事(生まれながらに神を信仰していない者だけとする)
尚、勧誘を試みて断られた場合、綺麗に“掃除”する事
以上
「「「「「…………」」」」」
大当たり。真緒達は、ヘッラアーデの入会条件に関する書類を発見した。だがそれよりも、真緒達が驚いたのは他の文章だった。
「……あのヴォイスって人……ヘッラアーデの面接官だったんだ……」
「……只の声の大きい人なのかと思っていました」
「オラも……ぞう思っでいだだぁ……」
「いや、それよりも今考えたら今日の無理なお願いは、1の条件に当て嵌まるかどうか確認していたんじゃないか?」
「確かに……そう考えるとあの急なお願いも納得出来ます……」
真緒達は知らず知らず、ヘッラアーデの入会条件をテストされていた。ヴォイスの策略に、真緒達は息を飲んだ。
「取り敢えず……ヘッラアーデへの入会条件は分かった……これからは、この入会条件に当て嵌まる様に行動しよう」
「もうすぐ……もうすぐ師匠を崇める宗教団体に潜り込めます……そこで、少しでも多く師匠に関する情報を……」
真緒の想いと共に、一同はヴォイス団長の部屋を後にするのであった。
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