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嫌な予感、二人の関係2
しおりを挟む──────ガチャッ!!
不意に、廊下の奥から鍵がひらく音が響いた。
震えていた流歌は一瞬だけ動きを止めると、毛布を跳ね退けて恐る恐る立ち上がる。
詩織は張り詰めていた息をようやく吐ききった。
「詩織、悪りぃな。待たせた。
後は俺が代わるから早く行け」
あおいは濡れた服を脱ぎもせず、怯える兄の前まで急ぎ足で駆け寄る。その体躯を抱き締める前に詩織がさっとタオルを手渡し、渋々に髪の毛を拭いた。
「雨の中ごめんね。着替えはソファに置いといたわ」
申し訳なさそうな姉を、あおいは気にも留めない。
「お互い様だろ、それに急いだのは俺の勝手だ。
やっぱり今日は休んで正解だったぜ」
「あ、あぉ。あめね、ふーの。いたいねぇ」
二人の会話を見ていた流歌は、意味も分からずにそっとあおいに身を寄せる。それに気づいたあおいは、速攻で上着とズボンを着替え、兄の頭を抱きしめる。
「ああ、雨降ってるな。
どこか痛いところはあるのか?」
今朝の不機嫌さは消え、流歌だけに向ける声は兄弟の枠を越えて恋人のような甘さを乗せていた。
詩織は微笑ましい二人を目に焼き付けた後、そろそろとした足取りで玄関を出る。
リビングには、あおいと流歌だけになった。
「あぉ、あぉ、いる?」
存在を確かめるように流歌はあおいの胸に顔を埋める。これはあおいだけにする昔からの癖の一つだった。
「ここにいるよ」
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