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嫌な予感、二人の関係3
しおりを挟むあおいは穏やかに答えた。
「あぉ、るぅ、あ・・・あたま、いたいねぇ」
「え、それはちょっとマズいな」
床に落ちた毛布を拾い上げると、ぎゅうっと縋り付く兄の背中からそっと羽織らせる。身長はあおいの方が若干高いだけなので、目線を合わせるのは簡単だった。
「流歌、寒いか?」
泣き腫らした赤い目で流歌はコクンと頷く。
「るぅ、ちめたい。しぃちゃ、ごめんねぇっ」
────あー、これ。なんか色々混ざってるな。
胸の中で涙を落とす健気な生き物を、あおいは今一度強く抱きしめた。くそっ、なんだこれ。可愛すぎる。
「そっか。教えてくれてありがとな」
「う」
「じゃあ俺と一緒にソファで寝よう。
あったかい毛布もたくさん重ねようぜ」
「いぱい、いいの?」
うるうるした瞳で見上げてくる兄。
あおいは叫びたい衝動をグッと堪えた。
「もちろん良いに決まってるだろ。
ここは流歌の家でもあるんだしさ」
「るぅ、おうち、さむいねぇ?」
「寒くねぇようにしてやるよ、だから安心しろな」
あおいは流歌を持ち上げてソファに横にさせた。身長に見合わない軽すぎる体重に、弟はびっくりする。
「流歌、ちゃんと食ってるか?軽すぎだぞ」
小さな頭を持ち上げてクッションを枕代わりに差し込む。今使っていた毛布の他に、クローゼットに仕舞ってあった予備のブランケットをかけてあげた。
「かぁい?あぉ、ごあんたべてねぇ」
「ブフッ!ち、ちげぇっての。俺じゃねぇよ・・・」
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