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7.★ちょうどいい
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崩れない余裕が憎たらしい。少しでも焦った顔が見たくて、藍音は挑戦的な目を向けて身を起こす。
ナツは抵抗も押さえつけもしない。すんなり腕から抜けることに成功し、彼の下腹部に手を伸ばす。
そっと硬い熱に触れてもナツは特に何も言わなかった。好きにどうぞとばかりに藍音の行動をただじっと見ている。余裕が過ぎる態度は対抗心に火をつけた。
それでも布越しに触る感触は硬く猛っている。興奮したという言葉は嘘じゃなくて、嬉しくなった藍音はベルトに手をかけた。
ナツは面白そうに藍音を眺めたままで、金具が音を立てても全く動じない。
「あんた、黙ってれば清楚でいかにも天使のお手本みたいなのに。酒好きだし、馬鹿だし、思ってたより積極的じゃん」
「なによぉ、馬鹿じゃないもん」
「馬鹿だろ。淫魔に自ら精気を与える天使なんかいるわけない……こともないか」
呟いた語尾は小さく、視線を逸らしたナツの目がすうっと不機嫌そうに細められた。でもそれは一瞬のことで「どっちにしろ馬鹿だ馬鹿」と心底馬鹿馬鹿しそうに呟いた彼は藍音に続きを訴えてくる。
その反応は少し気になるところだが、伸ばされた腕が腰に触れ、するりとヒップを撫でる。
あっ、と思った時には潤む蜜壺に手が到達していた。
この慣れた感じがどうにも悔しい。
再び差し入れられたナツの指が動き出し、さっき与えられた快感がまたすぐに甦る。
金具を外すはずだった細い指は革のベルトを握りしめている。
しとどに溢れる蜜を絡めた指が敏感な蕾を撫で、それだけで痺れるほどの快感が押し寄せた。
増やされた指の質量に驚き高い声を上げた藍音は、思わずナツにしがみつく。
「手、止まってるじゃん。ちゃんと脱がしてくれないとアイネの希望叶えてやれないんだけど」
楽しそうな声を上げながらも、中を行き来する指は執拗に押し上げてくる。
藍音が一番反応する場所を押さえるナツは意地が悪い。軽く睨んでみても身悶えながらでは何の迫力も制止力もなかった。
力の入らない手でやっと外したベルトを広げ、悔し紛れにボクサーパンツを勢いよく下ろす。
それでもナツは「豪快ー」と楽しそうだ。しかし藍音の目は現れた剛直に釘付けになってしまった。
「でっっ……」
(かくない?)
感想を口に出して良いものか迷い、後半は心の声となってしまった。しかし衝撃は伝わったようだ。ナツは当然だとばかりに呆れた顔をする。
「まあね、淫魔だから当たり前じゃん?」
「当たり前?!」
「それにこういう体好きな子多いし。おかげでわりと鍛えてたりするからさ、悪魔なのに俺って真面目だよなぁ」
とぼけているのか天然なのか、それはわからないけど藍音が言いたいのはそこじゃない。全くもってそこではない。
「いやいやいや引き締まった体は私も大好きだよ?! でもね、そこじゃないよね? やっぱり何事にもちょうどいいものがあると思うの!」
「淫魔だから」が理由になるのか不明だが、藍音としては、ほど良い大きさでほど良く早く終わるくらいがちょうどいい。
さっきまでのムードなんか、残念ながら衝撃で吹き飛んでしまった。
藍音の勢いに驚いたナツは垂れ目を瞬き、少し遅れて笑い出す。
「そんなこと言われたの初めてなんだけど。もしかしたらちょうどいいかもよ? ほら、おいで」
「う……ぐ……」
手を差し伸べて「おいで」の破壊力は凄まじい。
それをきっとこの男はわかってやっているのだからタチが悪い。それでも抗えない藍音はぺたんと座った体勢のままそろりと近寄った。
ナツは抵抗も押さえつけもしない。すんなり腕から抜けることに成功し、彼の下腹部に手を伸ばす。
そっと硬い熱に触れてもナツは特に何も言わなかった。好きにどうぞとばかりに藍音の行動をただじっと見ている。余裕が過ぎる態度は対抗心に火をつけた。
それでも布越しに触る感触は硬く猛っている。興奮したという言葉は嘘じゃなくて、嬉しくなった藍音はベルトに手をかけた。
ナツは面白そうに藍音を眺めたままで、金具が音を立てても全く動じない。
「あんた、黙ってれば清楚でいかにも天使のお手本みたいなのに。酒好きだし、馬鹿だし、思ってたより積極的じゃん」
「なによぉ、馬鹿じゃないもん」
「馬鹿だろ。淫魔に自ら精気を与える天使なんかいるわけない……こともないか」
呟いた語尾は小さく、視線を逸らしたナツの目がすうっと不機嫌そうに細められた。でもそれは一瞬のことで「どっちにしろ馬鹿だ馬鹿」と心底馬鹿馬鹿しそうに呟いた彼は藍音に続きを訴えてくる。
その反応は少し気になるところだが、伸ばされた腕が腰に触れ、するりとヒップを撫でる。
あっ、と思った時には潤む蜜壺に手が到達していた。
この慣れた感じがどうにも悔しい。
再び差し入れられたナツの指が動き出し、さっき与えられた快感がまたすぐに甦る。
金具を外すはずだった細い指は革のベルトを握りしめている。
しとどに溢れる蜜を絡めた指が敏感な蕾を撫で、それだけで痺れるほどの快感が押し寄せた。
増やされた指の質量に驚き高い声を上げた藍音は、思わずナツにしがみつく。
「手、止まってるじゃん。ちゃんと脱がしてくれないとアイネの希望叶えてやれないんだけど」
楽しそうな声を上げながらも、中を行き来する指は執拗に押し上げてくる。
藍音が一番反応する場所を押さえるナツは意地が悪い。軽く睨んでみても身悶えながらでは何の迫力も制止力もなかった。
力の入らない手でやっと外したベルトを広げ、悔し紛れにボクサーパンツを勢いよく下ろす。
それでもナツは「豪快ー」と楽しそうだ。しかし藍音の目は現れた剛直に釘付けになってしまった。
「でっっ……」
(かくない?)
感想を口に出して良いものか迷い、後半は心の声となってしまった。しかし衝撃は伝わったようだ。ナツは当然だとばかりに呆れた顔をする。
「まあね、淫魔だから当たり前じゃん?」
「当たり前?!」
「それにこういう体好きな子多いし。おかげでわりと鍛えてたりするからさ、悪魔なのに俺って真面目だよなぁ」
とぼけているのか天然なのか、それはわからないけど藍音が言いたいのはそこじゃない。全くもってそこではない。
「いやいやいや引き締まった体は私も大好きだよ?! でもね、そこじゃないよね? やっぱり何事にもちょうどいいものがあると思うの!」
「淫魔だから」が理由になるのか不明だが、藍音としては、ほど良い大きさでほど良く早く終わるくらいがちょうどいい。
さっきまでのムードなんか、残念ながら衝撃で吹き飛んでしまった。
藍音の勢いに驚いたナツは垂れ目を瞬き、少し遅れて笑い出す。
「そんなこと言われたの初めてなんだけど。もしかしたらちょうどいいかもよ? ほら、おいで」
「う……ぐ……」
手を差し伸べて「おいで」の破壊力は凄まじい。
それをきっとこの男はわかってやっているのだからタチが悪い。それでも抗えない藍音はぺたんと座った体勢のままそろりと近寄った。
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