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47.★逃すわけないです
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「なにそれ、ミルカ最高! いっつも一人で悩んで、俺ほんと馬鹿みたいだよね。呪いとか、斜め上をいくヤバさがたまらないんだけど。いっそ俺を使い魔にして養ってみる?」
「養う……! ああんそれも素敵♡ でもミルカはソウマ様に全てを支配されたいの♡」
「ミルカ、ドMだもんね」
抱きしめていた体をシーツへ転がし、両手首を強く押さえつけられる。
少しの抵抗では外れない力にきゅんと下腹部が反応した。
こうやってたやすく逃げられないことを思い知らされるのは大好物だ。
ただし蒼真に限る。
「こういうの、好きでしょ?」
「ああん♡ 好きぃっ!!」
「声でか……」
興奮で思わず叫んだ声は予想以上に大きく、蒼真はまたもや笑い出した。
どんな笑顔も好きだけど、取り繕わない素の表情はミルカの胸をほっこり温めてくれる。
「あー……、もういっか。色々考えるのやめるよ。俺もミルカといたいし、それにどこまでもストーキングされそうだし」
「さすがソウマ様♡ そうですよぅ、ミルカがソウマ様を逃がすわけないですぅ♡」
ひとしきり笑った後、悪戯っぽく細められた目にミルカの頬が紅潮する。
蒼真が笑うだけでふにゃふにゃとほっぺが落ちそうになって、暴れ出したいくらい胸がきゅうっとこそばゆい。
こんな気持ちは蒼真に出会うまで知らなかった。
心だってお腹だって満たしてくれるのは彼だけ。
そんなことを考えるミルカは伝えるべき大切なことを思い出した。
「あのね。ソウマ様に会えない間、ミルカ一度も精気食べてないの。どう? ミルカのこと、信じられるでしょ?」
えへんと胸を張る様子に蒼真はぱちくりと目を開く。
数回繰り返される瞬き。
褒めてもらえることを期待するミルカの瞳はキラッキラに輝いている。
「……嘘だろ? ミルカが?」
「本当だもん。嘘も隠し事もしないよ。ソウマ様以外、食べられなくなっちゃった。だからソウマ様は責任取らなきゃいけないの」
「マジか……。あのミルカが……。信じられない」
「信じてよぉ! ミルカいい子でしょ? ずっと食欲なかったのに、ソウマ様に会ったら急にお腹すいちゃった♡」
「やっぱ俺のこと食糧だと思ってるよね」
皮肉な言葉とは裏腹に明るく笑う蒼真は嬉しそうに見えた。
軽い音を立てたキスのあと、首から胸へと赤い痕を散らせながら、くちびるが心臓の位置へと辿り着く。
「いいよ、俺も覚悟を決めて責任取ってあげる。雁字搦めに縛り付けて、二度と離してやらないから。だからミルカも俺を裏切らないで」
触れた場所から体の内側にチクリとした小さな痛みを覚える。
懐かしいその感触に心も体も嬉しく跳ね上がった。
刻み込まれる魔法陣の熱。
魂を縛り上げられるような息苦しさ。少しずつ馴染んでいく箇所から蒼真の存在を感じられる。
浅い呼吸を繰り返すミルカを蒼真は幸せそうな顔で眺めている。
滑らかなきめ細かな肌に浮かぶ魔法陣は仄かに赤く発光して、その光をなぞる指にぴくんと体が震えた。
「ん、綺麗。ミルカの白い肌によく映えるよね。隷属の証、似合ってるよ」
「嬉しい! 一生服従しちゃう♡ 絶対に離さないでね。天国の果てでもついていっちゃう!」
「地獄の果てじゃないんだ」
勢いよく抱きついたミルカのセリフがツボに入ったらしい。
今日の彼はよく笑う。ややあって落ち着いた蒼真はこつんと額を合わせた。
頬に手を添え、ゆっくり押し当てられるくちびる。
何度も丹念に合わさるキスはじんわりと幸せを感じさせてくれる。
ほっそりした丸い肩を体温の低い手のひらが撫でて、たっぷりとした胸を掬う。
形を確かめるようにゆっくり揉みしだく力も、先を掠める指も焦ったいほどに優しい。
与えられる口づけは少しずつ深みを増しているけど、いつものような激しさはない。
丁寧になぞる舌に焦れたミルカは、ちょんと舌先で突いてみる。
そうやって先を幾度か合わせるだけでじんとした快感が頭を痺れさせた。
不意に蒼真の指が丸まったツノに触れる。そういえばツノも尻尾も隠していないけど、蒼真がどう思っているのか不安を覚えてしまう。
形や質感を調べるような手つきと観察するような眼差し。
心細い視線を投げかけたミルカに、蒼真は少し不服な顔をした。
「養う……! ああんそれも素敵♡ でもミルカはソウマ様に全てを支配されたいの♡」
「ミルカ、ドMだもんね」
抱きしめていた体をシーツへ転がし、両手首を強く押さえつけられる。
少しの抵抗では外れない力にきゅんと下腹部が反応した。
こうやってたやすく逃げられないことを思い知らされるのは大好物だ。
ただし蒼真に限る。
「こういうの、好きでしょ?」
「ああん♡ 好きぃっ!!」
「声でか……」
興奮で思わず叫んだ声は予想以上に大きく、蒼真はまたもや笑い出した。
どんな笑顔も好きだけど、取り繕わない素の表情はミルカの胸をほっこり温めてくれる。
「あー……、もういっか。色々考えるのやめるよ。俺もミルカといたいし、それにどこまでもストーキングされそうだし」
「さすがソウマ様♡ そうですよぅ、ミルカがソウマ様を逃がすわけないですぅ♡」
ひとしきり笑った後、悪戯っぽく細められた目にミルカの頬が紅潮する。
蒼真が笑うだけでふにゃふにゃとほっぺが落ちそうになって、暴れ出したいくらい胸がきゅうっとこそばゆい。
こんな気持ちは蒼真に出会うまで知らなかった。
心だってお腹だって満たしてくれるのは彼だけ。
そんなことを考えるミルカは伝えるべき大切なことを思い出した。
「あのね。ソウマ様に会えない間、ミルカ一度も精気食べてないの。どう? ミルカのこと、信じられるでしょ?」
えへんと胸を張る様子に蒼真はぱちくりと目を開く。
数回繰り返される瞬き。
褒めてもらえることを期待するミルカの瞳はキラッキラに輝いている。
「……嘘だろ? ミルカが?」
「本当だもん。嘘も隠し事もしないよ。ソウマ様以外、食べられなくなっちゃった。だからソウマ様は責任取らなきゃいけないの」
「マジか……。あのミルカが……。信じられない」
「信じてよぉ! ミルカいい子でしょ? ずっと食欲なかったのに、ソウマ様に会ったら急にお腹すいちゃった♡」
「やっぱ俺のこと食糧だと思ってるよね」
皮肉な言葉とは裏腹に明るく笑う蒼真は嬉しそうに見えた。
軽い音を立てたキスのあと、首から胸へと赤い痕を散らせながら、くちびるが心臓の位置へと辿り着く。
「いいよ、俺も覚悟を決めて責任取ってあげる。雁字搦めに縛り付けて、二度と離してやらないから。だからミルカも俺を裏切らないで」
触れた場所から体の内側にチクリとした小さな痛みを覚える。
懐かしいその感触に心も体も嬉しく跳ね上がった。
刻み込まれる魔法陣の熱。
魂を縛り上げられるような息苦しさ。少しずつ馴染んでいく箇所から蒼真の存在を感じられる。
浅い呼吸を繰り返すミルカを蒼真は幸せそうな顔で眺めている。
滑らかなきめ細かな肌に浮かぶ魔法陣は仄かに赤く発光して、その光をなぞる指にぴくんと体が震えた。
「ん、綺麗。ミルカの白い肌によく映えるよね。隷属の証、似合ってるよ」
「嬉しい! 一生服従しちゃう♡ 絶対に離さないでね。天国の果てでもついていっちゃう!」
「地獄の果てじゃないんだ」
勢いよく抱きついたミルカのセリフがツボに入ったらしい。
今日の彼はよく笑う。ややあって落ち着いた蒼真はこつんと額を合わせた。
頬に手を添え、ゆっくり押し当てられるくちびる。
何度も丹念に合わさるキスはじんわりと幸せを感じさせてくれる。
ほっそりした丸い肩を体温の低い手のひらが撫でて、たっぷりとした胸を掬う。
形を確かめるようにゆっくり揉みしだく力も、先を掠める指も焦ったいほどに優しい。
与えられる口づけは少しずつ深みを増しているけど、いつものような激しさはない。
丁寧になぞる舌に焦れたミルカは、ちょんと舌先で突いてみる。
そうやって先を幾度か合わせるだけでじんとした快感が頭を痺れさせた。
不意に蒼真の指が丸まったツノに触れる。そういえばツノも尻尾も隠していないけど、蒼真がどう思っているのか不安を覚えてしまう。
形や質感を調べるような手つきと観察するような眼差し。
心細い視線を投げかけたミルカに、蒼真は少し不服な顔をした。
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