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第五章
56:守り人の挑戦状③ 剣を選べ
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「――剣を選べ」
そう言ってエペに突き出されたのは、二つの長剣だった。
彼女が右手に握るのが金色の剣、左手のが銅色の剣。どちらも美しく、陽光を反射して光り輝いている。
このどちらか、剣を選ぶこと。これが三つ目の試練なのだろう。
「選択は所有者、つまり勇者カレジャスに任せる。仲間などに相談せず、己で考え己で手に取るがいい。さあ」
彼女の言葉の通り、カレジャスが前に出た。
彼は少し緊張した面持ちだ。ダームは見ていることしかできないけれど、「頑張って!」と声援を送る。
金の剣、銅の剣。
どちらも魅力的だ。その輝きは両者とも伝説の剣で間違いないと思わせる力がある。
メンヒが小声で呟いた。「もしも間違ったものを選択するとどうなるのでしょう」
「恐らくは試練失格になるのだろう! それでは今までの努力が水の泡になる! 気をつけなければならないだろう!」
大声でクリーガァが言うものだから、カレジャスがこちらを振り返って睨みつけてきた。
「戦士さん声でかい! 勇者様の邪魔になっちゃうでしょ」
「すまない!」
ダームは「はぁ」と溜息を吐き、もう一度勇者に目を戻す。彼は何かぶつぶつ言っていた。
「金の剣はあからさますぎるな。だからと言って銅の剣は安っぽい。伝説って言うくらいなんだからもっと豪華じゃなきゃいけねえ。だがその思い込みが命取りになるかも知れねえしな……」
ダームだったら躊躇いなく金の剣の方を選ぶだろう。対して、カレジャスは慎重だ。
当然だろう。先ほどクリーガァが言ったように、もしも試練に失格したら? おめおめと帰る羽目になってしまうからだ。
空気はすっかり張り詰め、全員が固唾を呑んでいる。
が、その沈黙は破られた。
「……よし決めたぜ」
カレジャスがそう言うなり、銅の剣を引っ掴む。
「こっちが伝説の剣で間違いねえよ。これが俺の出した結論だ。どうだ?」
その瞬間、エペがまたもにやりと笑いを見せる。そして大きく頷いた。
「わかった。エペはそれを貴様の答えと認める。せいぜいこれから何が始まるのか、楽しみにすることだ」
彼女の言葉からは、何か不穏な雰囲気が感じられた。
ダームがそれを問いかける前に、異常事態が発生する。
「何だこりゃ!?」
カレジャスの体が、まるで太陽のように光出したのだ。
そう言ってエペに突き出されたのは、二つの長剣だった。
彼女が右手に握るのが金色の剣、左手のが銅色の剣。どちらも美しく、陽光を反射して光り輝いている。
このどちらか、剣を選ぶこと。これが三つ目の試練なのだろう。
「選択は所有者、つまり勇者カレジャスに任せる。仲間などに相談せず、己で考え己で手に取るがいい。さあ」
彼女の言葉の通り、カレジャスが前に出た。
彼は少し緊張した面持ちだ。ダームは見ていることしかできないけれど、「頑張って!」と声援を送る。
金の剣、銅の剣。
どちらも魅力的だ。その輝きは両者とも伝説の剣で間違いないと思わせる力がある。
メンヒが小声で呟いた。「もしも間違ったものを選択するとどうなるのでしょう」
「恐らくは試練失格になるのだろう! それでは今までの努力が水の泡になる! 気をつけなければならないだろう!」
大声でクリーガァが言うものだから、カレジャスがこちらを振り返って睨みつけてきた。
「戦士さん声でかい! 勇者様の邪魔になっちゃうでしょ」
「すまない!」
ダームは「はぁ」と溜息を吐き、もう一度勇者に目を戻す。彼は何かぶつぶつ言っていた。
「金の剣はあからさますぎるな。だからと言って銅の剣は安っぽい。伝説って言うくらいなんだからもっと豪華じゃなきゃいけねえ。だがその思い込みが命取りになるかも知れねえしな……」
ダームだったら躊躇いなく金の剣の方を選ぶだろう。対して、カレジャスは慎重だ。
当然だろう。先ほどクリーガァが言ったように、もしも試練に失格したら? おめおめと帰る羽目になってしまうからだ。
空気はすっかり張り詰め、全員が固唾を呑んでいる。
が、その沈黙は破られた。
「……よし決めたぜ」
カレジャスがそう言うなり、銅の剣を引っ掴む。
「こっちが伝説の剣で間違いねえよ。これが俺の出した結論だ。どうだ?」
その瞬間、エペがまたもにやりと笑いを見せる。そして大きく頷いた。
「わかった。エペはそれを貴様の答えと認める。せいぜいこれから何が始まるのか、楽しみにすることだ」
彼女の言葉からは、何か不穏な雰囲気が感じられた。
ダームがそれを問いかける前に、異常事態が発生する。
「何だこりゃ!?」
カレジャスの体が、まるで太陽のように光出したのだ。
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