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アレス編 1日目
冒険者ギルドの判断
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最終的にメンドクサクなった俺はアネモイに頼み、鋼の理を入れた牢屋を土魔法で護送馬車に変化させてもらっているうちに、ユーコンの魔石に魔力を流してユーコンを召喚しておいた。
ユーコンはユニコーンのメスで主と決めた者の言うことには絶対に従うが、それ以外の者には死んでも従わないという幻獣だ。
「マスター、護送車の準備が出来たのデスわ。
あら?メローを召喚されたのデスわね」
「ああ、土魔法製の護送馬車は重いからな」
ユーコンのメローがアネモイに首を撫でられ、気持ち良さそうにしていると言うのに
「おい、俺達をギルドに突き出してもお咎めなしになるぞ。
つまり無駄骨だ、だから大人しく俺達を解放したほうが利口だぞ」
モロスがそう言って格子を掴んで声をかけるものだから、アネモイが鎌の先を喉元に突きつける前にメローが思い切り護送馬車を後ろ足で蹴り飛ばし、横倒しにしてしまった。
「ひぃぃぃ」
あまりのメローの蹴りの威力に怯えて震え上がるモロス・・・それに地面を蓑虫状で転がるキキモネ、モゼリは目を閉じたまま転がるままになっていた。
「あ~お前達喋らないでくれ・・・証拠もあって処罰が無いなら冒険者ギルドに先は無いだろうし、それならそれでアネモイの言う通り、何処かで消せばいいだけだからな」
「オリンポスファンタジー」時代に絡まれた時用の黒い笑顔を浮かべ、そそくさと護送馬車を起こしてメローに繋いでいく。
「メロー、こいつらを街中で目立つように確りと引いていってくれよ」
俺の言葉にメローは解ったと言わんばかりに首を大きく振る。
こうして俺達はアテネポリスへ戻って行った。
道中、色々な冒険者や商人にすれ違うが、鋼の理に気がつくと一瞬すごく嫌そうな顔をして、直後ざま~笑い顔に大抵の奴がなっていた。
「こいつら嫌われてるな」
俺は御者席で頭の裏で手を組んでしみじみと呟いた。
「しょせん盗賊なのデスわ。
他にもかなりの被害者が居るんデスわ」
「君達ちょっといいかな?」
俺達が話をしていると、人の良さそうなオジサンが商品で一杯の馬車を併走させながら話しかけてきた。
「マスターに何か御用デスか?」
アネモイが笑顔で対応すると、オジサンは少し照れたように笑い
「後ろに居るのは悪名高い鋼の理の面々じゃないのかい?」
「そうデスわ、盗賊行為で捕えましたの」
「あ~冒険者ギルドに突き出しても駄目だろうから、アテネポリスなら騎士団に突き出すのがいいかもしれないよ」
「わざわざありがとうございますデスわ。」
オジサンの話によると、こいつらは勝手に人の家に入って灯りの魔道具を分解してそのまま出て行ったり、他の冒険者が戦って弱った魔物を横から倒して素材を奪ったりと、まぁ悪評には事欠かないようだった。
結局地方に居れなくなり、アテネポリスに流れてきたらしいという事が解ってきた。
俺達は最終的に騎士団の詰め所に連れて行くことにして、冒険者ギルドの反応を見るために最初に冒険者ギルドに立ち寄った。
アネモイの頼みで護送馬車に「こいつらは盗賊行為を行いました」と書いて幕の様に吊るしておいた。
「私はこいつらが逃げないように見張っていますデスわ」
「よろしく」
俺は真っ直ぐにアステリアさんの方へ向かっていった。
「アレスさんお帰りなさい、もう依頼は達成ですか?」
笑顔で出迎えてくれたアステリアさんだが、噂どおりの冒険者ギルドならどんな顔をするのかな?
「薬草はまだだけどスライムは達成かもな。
それより、鋼の理というパーティーがスライムに襲われていたから助けたら、盗賊行為を行なわれたのだが」
俺の言葉にアステリアさんは一瞬ピクリとコメカミに血管を浮かばせた。後ろに居た職員に何か合図を出すと、職員は上の階に上がっていった。
「それは災難でしたね、それで盗賊は捕えられたのですか?」
「勿論、外に魔法で作った護送車に捕えてあるよ」
「魔法ですか?アレスさんはソードマン物理系では?」
「ああ、配下が魔法が得意なんだよ」
納得したアステリアさんは嬉しそうに手をポンと叩くと、花が咲いたような笑顔を浮かべた。
「是非見せてください、早速行きましょう」
そう言ってアステリアさんはカウンターから出て来て、俺の腕を引っ張って外に向かっていく。
外に出るとメローとアネモイが冒険者たちに取り囲まれ、アネモイが氷のような視線で冒険者たちを睨みつけていた。
「・・・貴方達何をやっているのですか?」
一瞬風が吹いてアステリアさんの髪が舞い上がり、地獄の底から聞こえてきそうな声を出すと、冒険者達が怯んだように見えた。
「あ、アステリア・・・イヤナニ、この馬が美しいからさ。俺達がもらってやろうと言うのに、このメイドが無視しやがるから、俺達が教育をしようとしてたんだ・・・だから・・・な、なあ」
怯えながら言い訳をする冒険者達に、アステリアさんは思い切りため息をついた。
「アレスさん、すいません。どうやら此処にも盗賊が出たようです。
これはこちらで対処してもよろしいですか?」
そう言って俺に頭を下げてくるアステリアさんを止めたのはアネモイだった。
「お待ちください、お手を煩わせるのも申し訳ないので私達で対処させていただきたいデスわ。
私を犯すとかも言っておりましたので不快なのデスわ」
「そう言っていただけるのはありがたいですが・・・出来れば確実に2~3ヶ月は仕事が出来ないようにしたいので・・・」
上目使いに俺を見てくるが、アネモイも譲らないだろうしな~
「アネモイ、アクション12コンスティレーションの二人を預けるからキッチリ躾けておいてくれ」
俺はそう言って懐から黒いビー玉サイズの魔石に、金で星座のマークが付いた物を2つ取り出して、魔力を流し地面に軽く投げた。
魔石は光を放ち、ショートカットですみれ色の髪の女性「アリエス」と、赤髪で後ろで一本に編んでいる女性「タウラス」が姿を現した。
「え?え?女性が出てきた?」
驚いて二人と俺の間を視線で往復させるアステリアさん。
「アクション12コンスティレーションが一人「アリエス」此処に参りました」
アリエスはマジックキャスターの上級職マジックマスターを持っているドSキャラで、俺がランキングアイテムをつぎ込んで作った最高傑作の一人だ。
「同じく「タウロス」推参」
タウロスは接近職の上位バトルマスターを持つメイドで、同じくランキングアイテムもだが、イベントレアアイテムも使って作り上げた最高傑作の一人だ。
一時期特化型の近衛を作りたくてかなり研究したんだが、結局妹が「オリンポスファンタジー」に復帰したお陰で、中々出す機会が少なくなっていた・・・やはり愛着があるよな~なんて思ってつい見てしまっていた。
「マスター?」
「は!二人とも、アネモイの指示に従ってくれ」
アネモイの声で現実に戻ってきた俺は慌てて指示を出した。
「かしこまりました」
アリエスは恭しく頭を下げ
「了解」
タウラスはニッコリと笑って答えてくれた。
「ささ、この檻にいるのが話をしていた鋼の理です」
俺が気を取り直してアステリアさんに声をかけると
「あ、あの~アレスさんあの二人は?」
何か言いたげなアステリアさんの声を極力気にしないようにして
「僕の配下でメイド長のアネモイと第一メイドのアリエス、第二メイドのタウロスですね」
「魔石から出てきましたよね?しかも見たことの無い色でしたけど」
「ああ、魔物創造魔法で作りだしたんですよ」
俺が極力平静を装ってそう言うと、アステリアさんはピシリと聞こえそうなほど固まって、錆びた音が聞こえてきそうな感じで俺の方へ首を動かした。
「アレスさん・・・ソードマンですよね?それに魔物創造は伝説に出てくる魔法ですよ?」
やっぱヤバイのか・・・この世界は「オリンポスファンタジー」よりも遅れているか、時代が経ちすぎて技術が落ちているのかもしれない。
「まぁ出来るものは仕方ないですよ」
俺はそう言ってサッと目をそらして、アリエス達にオシオキされている冒険者達の悲鳴をバックミュージックにギルドの中に入っていく。
「ま、待ってください。あ、アネモイさん、オシオキが終ったら護送馬車の中に一緒に詰め込んでおいてください。お願いします」
「かしこまりましたデスわ」
アステリアさんが慌てて俺を追いかける気配を背中に感じていた。
俺達がギルド内に入ると、一際背の高いデップリとした男が腕組みをしてギルドの中央に立っていた。
「貴様がアレスとか言うゴミか!キキモネお嬢様をさっさと解放し・・・めぎょ」
俺の方へ進んできた男の喉を指で掴み、持ち上げたアステリアさんが良い笑顔を浮かべて
「あら?マスター、ちゃんと報告を聞きましたか?
伯爵令嬢のキキモネさんが「また」盗賊まがいの事をしました、いえ盗賊ですね。
冒険者ギルドとしては資格を剥奪して、騎士団に突き出すべきだと思いますよ!
それと、アレスさんは保護するべき冒険者です・・・ゴ・ミ・は・マスターとどちらでしょうね?」
あ、顔が青くなっていってる・・・あのギルドマスター死ぬんじゃ・・・
「あら?殺しませんよ。
責任を全部取るためにマスターは居るのですから」
そう言って良い笑顔で答えてくれるけど、心の声漏れてた?まさかね。
「あの、そろそろ降ろさないと顔色がやばいよ」
どん!と音を立ててギルドマスターを落とすと「ほほほ」と笑うアステリアさん。やっぱりこの人を敵に回したら駄目だ。
「ゴホゴホ、し、死ぬかと思った・・・
アステリア君、最近俺様に容赦ないような・・・」
「あ?」
アステリアさんに睨まれて、尻餅をついたまま後ろに下がるギルドマスターが驚くべきことを言い始めた。
「ひっぃ、と、取り合えずだな、俺様の出世のためにもキキモネ様の件は今まで通りに・・・ひぃ」
冷たい目をアステリアさんが向けると、マスターは再び青い顔をして震え上がる。
「少しお話しましょうか?」
「だ、駄目だ!伯爵以上の方が言われるならともかく、登録したての平民の意見など比べる意味も無い」
「ちっ、いらない所で根性出しやがって・・・」
アステリアさんが拳を握っても、ギルドマスターは罰するつもりが無い様だ・・・あれ?
「アステリアさんこれ使えますか?」
俺はアーリアからもらった身分証明プレートを出した。
「こ、これ第三王女の裏書が」
身分証明プレートを手にとって裏を見た途端、ギルドマスターが声を上げた。
「にゃにゅ!キキモネを冒険者ギルドから追放する!」
急に掌を返したギルドマスターのミゾオチに拳を叩き込んだアステリアさんは、その時にギルドマスターが吐き出したゲロの海にギルドマスターを捨てて俺の方へ振り向くと
「これで鋼の理を処罰できるわ、みんな処理お願いね。
アレスさんは少しお話があるのでこちらへ」
メンドクサイ事にならないと良いなと、祈りながら後をついていくのだった。
ユーコンはユニコーンのメスで主と決めた者の言うことには絶対に従うが、それ以外の者には死んでも従わないという幻獣だ。
「マスター、護送車の準備が出来たのデスわ。
あら?メローを召喚されたのデスわね」
「ああ、土魔法製の護送馬車は重いからな」
ユーコンのメローがアネモイに首を撫でられ、気持ち良さそうにしていると言うのに
「おい、俺達をギルドに突き出してもお咎めなしになるぞ。
つまり無駄骨だ、だから大人しく俺達を解放したほうが利口だぞ」
モロスがそう言って格子を掴んで声をかけるものだから、アネモイが鎌の先を喉元に突きつける前にメローが思い切り護送馬車を後ろ足で蹴り飛ばし、横倒しにしてしまった。
「ひぃぃぃ」
あまりのメローの蹴りの威力に怯えて震え上がるモロス・・・それに地面を蓑虫状で転がるキキモネ、モゼリは目を閉じたまま転がるままになっていた。
「あ~お前達喋らないでくれ・・・証拠もあって処罰が無いなら冒険者ギルドに先は無いだろうし、それならそれでアネモイの言う通り、何処かで消せばいいだけだからな」
「オリンポスファンタジー」時代に絡まれた時用の黒い笑顔を浮かべ、そそくさと護送馬車を起こしてメローに繋いでいく。
「メロー、こいつらを街中で目立つように確りと引いていってくれよ」
俺の言葉にメローは解ったと言わんばかりに首を大きく振る。
こうして俺達はアテネポリスへ戻って行った。
道中、色々な冒険者や商人にすれ違うが、鋼の理に気がつくと一瞬すごく嫌そうな顔をして、直後ざま~笑い顔に大抵の奴がなっていた。
「こいつら嫌われてるな」
俺は御者席で頭の裏で手を組んでしみじみと呟いた。
「しょせん盗賊なのデスわ。
他にもかなりの被害者が居るんデスわ」
「君達ちょっといいかな?」
俺達が話をしていると、人の良さそうなオジサンが商品で一杯の馬車を併走させながら話しかけてきた。
「マスターに何か御用デスか?」
アネモイが笑顔で対応すると、オジサンは少し照れたように笑い
「後ろに居るのは悪名高い鋼の理の面々じゃないのかい?」
「そうデスわ、盗賊行為で捕えましたの」
「あ~冒険者ギルドに突き出しても駄目だろうから、アテネポリスなら騎士団に突き出すのがいいかもしれないよ」
「わざわざありがとうございますデスわ。」
オジサンの話によると、こいつらは勝手に人の家に入って灯りの魔道具を分解してそのまま出て行ったり、他の冒険者が戦って弱った魔物を横から倒して素材を奪ったりと、まぁ悪評には事欠かないようだった。
結局地方に居れなくなり、アテネポリスに流れてきたらしいという事が解ってきた。
俺達は最終的に騎士団の詰め所に連れて行くことにして、冒険者ギルドの反応を見るために最初に冒険者ギルドに立ち寄った。
アネモイの頼みで護送馬車に「こいつらは盗賊行為を行いました」と書いて幕の様に吊るしておいた。
「私はこいつらが逃げないように見張っていますデスわ」
「よろしく」
俺は真っ直ぐにアステリアさんの方へ向かっていった。
「アレスさんお帰りなさい、もう依頼は達成ですか?」
笑顔で出迎えてくれたアステリアさんだが、噂どおりの冒険者ギルドならどんな顔をするのかな?
「薬草はまだだけどスライムは達成かもな。
それより、鋼の理というパーティーがスライムに襲われていたから助けたら、盗賊行為を行なわれたのだが」
俺の言葉にアステリアさんは一瞬ピクリとコメカミに血管を浮かばせた。後ろに居た職員に何か合図を出すと、職員は上の階に上がっていった。
「それは災難でしたね、それで盗賊は捕えられたのですか?」
「勿論、外に魔法で作った護送車に捕えてあるよ」
「魔法ですか?アレスさんはソードマン物理系では?」
「ああ、配下が魔法が得意なんだよ」
納得したアステリアさんは嬉しそうに手をポンと叩くと、花が咲いたような笑顔を浮かべた。
「是非見せてください、早速行きましょう」
そう言ってアステリアさんはカウンターから出て来て、俺の腕を引っ張って外に向かっていく。
外に出るとメローとアネモイが冒険者たちに取り囲まれ、アネモイが氷のような視線で冒険者たちを睨みつけていた。
「・・・貴方達何をやっているのですか?」
一瞬風が吹いてアステリアさんの髪が舞い上がり、地獄の底から聞こえてきそうな声を出すと、冒険者達が怯んだように見えた。
「あ、アステリア・・・イヤナニ、この馬が美しいからさ。俺達がもらってやろうと言うのに、このメイドが無視しやがるから、俺達が教育をしようとしてたんだ・・・だから・・・な、なあ」
怯えながら言い訳をする冒険者達に、アステリアさんは思い切りため息をついた。
「アレスさん、すいません。どうやら此処にも盗賊が出たようです。
これはこちらで対処してもよろしいですか?」
そう言って俺に頭を下げてくるアステリアさんを止めたのはアネモイだった。
「お待ちください、お手を煩わせるのも申し訳ないので私達で対処させていただきたいデスわ。
私を犯すとかも言っておりましたので不快なのデスわ」
「そう言っていただけるのはありがたいですが・・・出来れば確実に2~3ヶ月は仕事が出来ないようにしたいので・・・」
上目使いに俺を見てくるが、アネモイも譲らないだろうしな~
「アネモイ、アクション12コンスティレーションの二人を預けるからキッチリ躾けておいてくれ」
俺はそう言って懐から黒いビー玉サイズの魔石に、金で星座のマークが付いた物を2つ取り出して、魔力を流し地面に軽く投げた。
魔石は光を放ち、ショートカットですみれ色の髪の女性「アリエス」と、赤髪で後ろで一本に編んでいる女性「タウラス」が姿を現した。
「え?え?女性が出てきた?」
驚いて二人と俺の間を視線で往復させるアステリアさん。
「アクション12コンスティレーションが一人「アリエス」此処に参りました」
アリエスはマジックキャスターの上級職マジックマスターを持っているドSキャラで、俺がランキングアイテムをつぎ込んで作った最高傑作の一人だ。
「同じく「タウロス」推参」
タウロスは接近職の上位バトルマスターを持つメイドで、同じくランキングアイテムもだが、イベントレアアイテムも使って作り上げた最高傑作の一人だ。
一時期特化型の近衛を作りたくてかなり研究したんだが、結局妹が「オリンポスファンタジー」に復帰したお陰で、中々出す機会が少なくなっていた・・・やはり愛着があるよな~なんて思ってつい見てしまっていた。
「マスター?」
「は!二人とも、アネモイの指示に従ってくれ」
アネモイの声で現実に戻ってきた俺は慌てて指示を出した。
「かしこまりました」
アリエスは恭しく頭を下げ
「了解」
タウラスはニッコリと笑って答えてくれた。
「ささ、この檻にいるのが話をしていた鋼の理です」
俺が気を取り直してアステリアさんに声をかけると
「あ、あの~アレスさんあの二人は?」
何か言いたげなアステリアさんの声を極力気にしないようにして
「僕の配下でメイド長のアネモイと第一メイドのアリエス、第二メイドのタウロスですね」
「魔石から出てきましたよね?しかも見たことの無い色でしたけど」
「ああ、魔物創造魔法で作りだしたんですよ」
俺が極力平静を装ってそう言うと、アステリアさんはピシリと聞こえそうなほど固まって、錆びた音が聞こえてきそうな感じで俺の方へ首を動かした。
「アレスさん・・・ソードマンですよね?それに魔物創造は伝説に出てくる魔法ですよ?」
やっぱヤバイのか・・・この世界は「オリンポスファンタジー」よりも遅れているか、時代が経ちすぎて技術が落ちているのかもしれない。
「まぁ出来るものは仕方ないですよ」
俺はそう言ってサッと目をそらして、アリエス達にオシオキされている冒険者達の悲鳴をバックミュージックにギルドの中に入っていく。
「ま、待ってください。あ、アネモイさん、オシオキが終ったら護送馬車の中に一緒に詰め込んでおいてください。お願いします」
「かしこまりましたデスわ」
アステリアさんが慌てて俺を追いかける気配を背中に感じていた。
俺達がギルド内に入ると、一際背の高いデップリとした男が腕組みをしてギルドの中央に立っていた。
「貴様がアレスとか言うゴミか!キキモネお嬢様をさっさと解放し・・・めぎょ」
俺の方へ進んできた男の喉を指で掴み、持ち上げたアステリアさんが良い笑顔を浮かべて
「あら?マスター、ちゃんと報告を聞きましたか?
伯爵令嬢のキキモネさんが「また」盗賊まがいの事をしました、いえ盗賊ですね。
冒険者ギルドとしては資格を剥奪して、騎士団に突き出すべきだと思いますよ!
それと、アレスさんは保護するべき冒険者です・・・ゴ・ミ・は・マスターとどちらでしょうね?」
あ、顔が青くなっていってる・・・あのギルドマスター死ぬんじゃ・・・
「あら?殺しませんよ。
責任を全部取るためにマスターは居るのですから」
そう言って良い笑顔で答えてくれるけど、心の声漏れてた?まさかね。
「あの、そろそろ降ろさないと顔色がやばいよ」
どん!と音を立ててギルドマスターを落とすと「ほほほ」と笑うアステリアさん。やっぱりこの人を敵に回したら駄目だ。
「ゴホゴホ、し、死ぬかと思った・・・
アステリア君、最近俺様に容赦ないような・・・」
「あ?」
アステリアさんに睨まれて、尻餅をついたまま後ろに下がるギルドマスターが驚くべきことを言い始めた。
「ひっぃ、と、取り合えずだな、俺様の出世のためにもキキモネ様の件は今まで通りに・・・ひぃ」
冷たい目をアステリアさんが向けると、マスターは再び青い顔をして震え上がる。
「少しお話しましょうか?」
「だ、駄目だ!伯爵以上の方が言われるならともかく、登録したての平民の意見など比べる意味も無い」
「ちっ、いらない所で根性出しやがって・・・」
アステリアさんが拳を握っても、ギルドマスターは罰するつもりが無い様だ・・・あれ?
「アステリアさんこれ使えますか?」
俺はアーリアからもらった身分証明プレートを出した。
「こ、これ第三王女の裏書が」
身分証明プレートを手にとって裏を見た途端、ギルドマスターが声を上げた。
「にゃにゅ!キキモネを冒険者ギルドから追放する!」
急に掌を返したギルドマスターのミゾオチに拳を叩き込んだアステリアさんは、その時にギルドマスターが吐き出したゲロの海にギルドマスターを捨てて俺の方へ振り向くと
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