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アテネポリスの騒乱
アレス出陣
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墨汁を垂らした様な真っ暗な海の上を超高速で移動する者が居た。
静かに素早く、影のように音も無く無数のレイスを身に纏い進む。そのアレスの姿は「オリンポスファンタジー」内では、恐怖と悪夢の王「死神ハーデス」と呼び恐れられていた。
神出鬼没、正体不明の死神ハーデスは、ゼウス亡き後の最強のエネミーではないかとか、PKをすると溜まる隠しポイントが上限を超えると出てくる隠しボスだとか言われた存在だ。
普段のアレスを知る者は同一人物とは思わず、神出鬼没な死を振りまく存在に恐怖を覚えたPC(プレイヤー、キャラクター)は多かった。
アレスはミケーネ帝国の軍船の一つに駆け上がり、甲板の影に隠れると、身体に纏わりついたレイスを見張りの兵達に憑依をさせる。
レイスが取り憑いた兵士達は天を仰ぐように大きく両手を広げて、苦悶のうめき声を上げ、身体を痙攣させて生命活動を停止させた。
両腕をだらりと揺らし、目の白目が漆黒に染まる。
オリンポスファンタジーではレイス兵と呼び、脳内リミッターの切れた化け物。
人の形をしていることがビジュアルでの恐怖。
人と同じ様な思考があり、なおかつダメージを気にせず、バカ力を振るう凶悪な存在であるため、中級者の壁といわれていた。
「さて、お前達はこれから残りの兵を襲い、この船を制圧しろ。
手が足りなければ置いて行くレイスの数をあと30増やそう。
ああ、そうだ、提督の船はどれだ?」
レイス兵は木が鳴る様な声で「赤色の塗装の船」と答えると、フラフラと船内に入って行った。
アレスは船内から悲鳴が上がるのを聞いて、次の船へと飛び去っていく。
アレスは次々と同じ手段で、提督の軍船以外を落として行く。
漆黒の闇の海に兵士達の悲鳴が止み、何かを引きずるような不気味な音が各船内に静かに響いていた。
レイス兵の支配する軍船が、赤い軍船を取り囲み、木の橋を架けると、レイス兵が次々に赤い軍船に乗り込み、暴れまわる。
「お、お前達どうしたんだ、持ち場を……ぎゃ!!」
突然の仲間の襲来に、声をかけた赤い軍船の兵士はいきなり振るわれた剣に胴を泣き別れさせる事になった。
「お前達、何をする!」
「反乱だ!防衛兵!」
入り乱れるように防衛兵とレイス兵の激しい戦闘が繰り広げられ、後ろから切りつけられてもレイス兵は止まらず、目の前の兵を確実にしとめていく。
その様子に防衛兵達は怯え始め、次々に討ち取られていき、中には海に飛び込むものも居たが、武具の重さで沈んでいった。
「お前ら落ち着け、槍だ!リーチを用いて囲んで何度も刺せば、流石に死ぬ!
陣系を建て直せ」
若い兵士が声を上げるが一向に混乱は収まらず、少数の若い兵士だけが必死に抵抗するのみになっていた時。
「栄光ある帝国軍人が反乱を起こすとは何事じゃぁ!!
ましてや、反乱軍どもに押され混乱するなど愚の骨頂!!!
我の武威は世界一ぃぃぃぃぃ!!」
艦長室の扉が吹き飛び、筋骨隆々な褐色の巨体の男が幅の広い反りの付いた大剣を片手に甲板に現れた。
「オーリオン戦艦長!ご無事ですか!」
数人の若い兵士が男の周りに駆けつけた。ギロリと戦艦長が若い兵士達を見ると、優しく頭に手を置いて
「貴様ら良く此処で踏みとどまった!我の自慢の息子たちだぁぁぁぁ!」
若い兵士達は嬉しそうに頷き、士気は鰻登りに上がる。
戦艦長が左舷の壁を指差し
「大丈夫だ、左舷壁を背に半円を組む!来い!」
「「「おおおお!!!」」」
オーリオンが先陣を切り、レイス兵を大剣で薙ぎ払う。後を追う兵士達も槍を使って押し払い、陣形を組むのに丁度良い広さを確保して、あっと言う間に陣形を組挙げた。
「耐えろ!我は帝国守護戦士!守りは頑強成り……ぬぅん!プロテクション」
オーリオン戦艦長が床を踏み鳴らし防御力UPの魔法を唱え、円陣の先頭に立つと自慢の大剣をレイス兵に向け、猛獣の様に歯をむいた。
「掛かって来い反乱兵共、我の剣の錆びにしてくれるわぁ!
もっとも手入れして錆など湧かんがな」
襲い掛かるレイス兵を若い兵士達は苦戦しつつも互角に打ち合い、オーリオンが大剣を振るって、次々にレイス兵を倒していく。
激しい戦闘は暫く続いたが、流石に多勢に無勢。対象たるオーリオンも満身創痍になり、全員が死を覚悟したその時。レイス兵の攻撃が止み、レイス兵達が一部を空け、その間を黒い外套を纏った男がゆっくりと歩いてきた。
「素晴らしいな、レイスに操られてリミットの切れた兵士を此処まで圧倒するとは」
「だ、誰だ?
この姿を見たら分かるだろう、嫌味を言う」
今にも倒れそうなオーリオンは奥歯を食いしばり、自分を鼓舞するように男を睨み付けると、男はフードを外し、顔を見せた。
若く、オーリオンにはとても美しい男に見えた。フードを被っていた先ほどまでの死を匂わせる雰囲気から、美しく荘厳な雰囲気に変わったその姿に、一瞬心が惹かれたことをオーリオンは否定できなかった。
「俺はアレス、こいつらの主だ」
「そうか……俺はミケーネ帝国4海将が筆頭、オーリオン・ブロンズ!一騎打ちを所望する!!」
オーリオンが一歩前に出て剣を目の前に掲げた。
「良いだろう」
アレスの穏やかな微笑みに一瞬オーリオンは毒気を抜かれたが、気を引き締めて緩んだ顔を
戦士の顔に変えると
「感謝する。もし、我が敗れてもこの若者達を見逃してほしい、頼む」
「あはははは、良い将だな。
良いだろう、ほらポーションだ」
アレスの取り出した紫色のポーションをオーリオンが受け取る。
あまりの自然な動きにオーリオンから笑がこぼれた。疑う必要がないほどのレベル差を感じ、動いた身体は正直だなと思ったからだ。
「お待ちください、オーリオン戦艦長、先ず私が毒見をいたします」
「ふ、我が帝国兵を支配できる男がなぜ我に毒を盛る。
帝国軍人として最後まで潔く生きよ!」
”え~ただのポーションなんだが……そもそも、PVPで(プレイヤーVSプレイヤー)でなんでそんなに悲壮感漂ってるんだろう?”
「オーリオン戦艦長、貴方は帝国に必要な方だ、此処は俺が」
オーリオンの手を握り説得をしようとする若い兵士に真剣な目を向けて
「いいか、貴様ら若い者の方が我のような老兵より長く帝国に仕え、発展させる力がある。
我の最後の授業、しっかとその目に焼きつけよ」
”熱い人だな、若い兵士が慕うのも分かるな”
オーリオンはそう言うとアレスから受け取ったポーションを一気に飲み干し、大剣を振りかざして一気に間合いをつめた。
「卑怯と言ってくれるなよ!大剣技、ブレイド・ウェーブ」
衝撃波をオーリオンが放つが、その衝撃波をアレスは手に持った鎌で切り裂くと、オーリオンは返す刀で更に衝撃波を放つ。
アレスがそれを鎌の柄で打ち払う時に出来た一瞬の隙を突いてオーリオンが跳躍し
「究極奥義!アースブレイク」
大剣が黄色の光を纏ってアレスに襲い掛かるが、アレスが片手で大剣を掴み、無防備に成ったオーリオンの腹に鎌の柄を叩き込むと、軍船の壁まで飛んで行った。
「痛!あれ?やば!そういえばこれ現実だった!」
アレスは自分の掌から出る血を見て慌てる。
あまりにもアレスが圧倒的でオリンポスファンタジーの復活アイテムや、レギオンも使えたのですっかり気分はゲームだったが、傷つき血が出た事でここが現実の世界だと再認識した。
慌ててオーリオンに駆け寄ると、辛うじて息があった。
「お前ら捕虜になるんなら、オーリオンを助けるがどうする!」
このまま死なせても寝覚めが悪い、何よりアレスは熱いバカが好きだった。
その提案に一瞬お互いの顔を見合わせた若い兵達は頷き合うと。
「わ、分かった……オーリオン戦艦長が助かるのなら」
そう言って若い兵士達は武器を床に落とし、恭順の意思を示す。
「ハイ・メディカル・ケア」
アレスがオーリオンに手を翳し魔法を唱えると、オーリオンのダメージはあっさりと回復したが、意識は戻らないままだった。
”後遺症出ないといいなぁ”
こうしてアレスはミケーネ帝国海軍軍船10隻と捕虜1200人を手に入れた。
静かに素早く、影のように音も無く無数のレイスを身に纏い進む。そのアレスの姿は「オリンポスファンタジー」内では、恐怖と悪夢の王「死神ハーデス」と呼び恐れられていた。
神出鬼没、正体不明の死神ハーデスは、ゼウス亡き後の最強のエネミーではないかとか、PKをすると溜まる隠しポイントが上限を超えると出てくる隠しボスだとか言われた存在だ。
普段のアレスを知る者は同一人物とは思わず、神出鬼没な死を振りまく存在に恐怖を覚えたPC(プレイヤー、キャラクター)は多かった。
アレスはミケーネ帝国の軍船の一つに駆け上がり、甲板の影に隠れると、身体に纏わりついたレイスを見張りの兵達に憑依をさせる。
レイスが取り憑いた兵士達は天を仰ぐように大きく両手を広げて、苦悶のうめき声を上げ、身体を痙攣させて生命活動を停止させた。
両腕をだらりと揺らし、目の白目が漆黒に染まる。
オリンポスファンタジーではレイス兵と呼び、脳内リミッターの切れた化け物。
人の形をしていることがビジュアルでの恐怖。
人と同じ様な思考があり、なおかつダメージを気にせず、バカ力を振るう凶悪な存在であるため、中級者の壁といわれていた。
「さて、お前達はこれから残りの兵を襲い、この船を制圧しろ。
手が足りなければ置いて行くレイスの数をあと30増やそう。
ああ、そうだ、提督の船はどれだ?」
レイス兵は木が鳴る様な声で「赤色の塗装の船」と答えると、フラフラと船内に入って行った。
アレスは船内から悲鳴が上がるのを聞いて、次の船へと飛び去っていく。
アレスは次々と同じ手段で、提督の軍船以外を落として行く。
漆黒の闇の海に兵士達の悲鳴が止み、何かを引きずるような不気味な音が各船内に静かに響いていた。
レイス兵の支配する軍船が、赤い軍船を取り囲み、木の橋を架けると、レイス兵が次々に赤い軍船に乗り込み、暴れまわる。
「お、お前達どうしたんだ、持ち場を……ぎゃ!!」
突然の仲間の襲来に、声をかけた赤い軍船の兵士はいきなり振るわれた剣に胴を泣き別れさせる事になった。
「お前達、何をする!」
「反乱だ!防衛兵!」
入り乱れるように防衛兵とレイス兵の激しい戦闘が繰り広げられ、後ろから切りつけられてもレイス兵は止まらず、目の前の兵を確実にしとめていく。
その様子に防衛兵達は怯え始め、次々に討ち取られていき、中には海に飛び込むものも居たが、武具の重さで沈んでいった。
「お前ら落ち着け、槍だ!リーチを用いて囲んで何度も刺せば、流石に死ぬ!
陣系を建て直せ」
若い兵士が声を上げるが一向に混乱は収まらず、少数の若い兵士だけが必死に抵抗するのみになっていた時。
「栄光ある帝国軍人が反乱を起こすとは何事じゃぁ!!
ましてや、反乱軍どもに押され混乱するなど愚の骨頂!!!
我の武威は世界一ぃぃぃぃぃ!!」
艦長室の扉が吹き飛び、筋骨隆々な褐色の巨体の男が幅の広い反りの付いた大剣を片手に甲板に現れた。
「オーリオン戦艦長!ご無事ですか!」
数人の若い兵士が男の周りに駆けつけた。ギロリと戦艦長が若い兵士達を見ると、優しく頭に手を置いて
「貴様ら良く此処で踏みとどまった!我の自慢の息子たちだぁぁぁぁ!」
若い兵士達は嬉しそうに頷き、士気は鰻登りに上がる。
戦艦長が左舷の壁を指差し
「大丈夫だ、左舷壁を背に半円を組む!来い!」
「「「おおおお!!!」」」
オーリオンが先陣を切り、レイス兵を大剣で薙ぎ払う。後を追う兵士達も槍を使って押し払い、陣形を組むのに丁度良い広さを確保して、あっと言う間に陣形を組挙げた。
「耐えろ!我は帝国守護戦士!守りは頑強成り……ぬぅん!プロテクション」
オーリオン戦艦長が床を踏み鳴らし防御力UPの魔法を唱え、円陣の先頭に立つと自慢の大剣をレイス兵に向け、猛獣の様に歯をむいた。
「掛かって来い反乱兵共、我の剣の錆びにしてくれるわぁ!
もっとも手入れして錆など湧かんがな」
襲い掛かるレイス兵を若い兵士達は苦戦しつつも互角に打ち合い、オーリオンが大剣を振るって、次々にレイス兵を倒していく。
激しい戦闘は暫く続いたが、流石に多勢に無勢。対象たるオーリオンも満身創痍になり、全員が死を覚悟したその時。レイス兵の攻撃が止み、レイス兵達が一部を空け、その間を黒い外套を纏った男がゆっくりと歩いてきた。
「素晴らしいな、レイスに操られてリミットの切れた兵士を此処まで圧倒するとは」
「だ、誰だ?
この姿を見たら分かるだろう、嫌味を言う」
今にも倒れそうなオーリオンは奥歯を食いしばり、自分を鼓舞するように男を睨み付けると、男はフードを外し、顔を見せた。
若く、オーリオンにはとても美しい男に見えた。フードを被っていた先ほどまでの死を匂わせる雰囲気から、美しく荘厳な雰囲気に変わったその姿に、一瞬心が惹かれたことをオーリオンは否定できなかった。
「俺はアレス、こいつらの主だ」
「そうか……俺はミケーネ帝国4海将が筆頭、オーリオン・ブロンズ!一騎打ちを所望する!!」
オーリオンが一歩前に出て剣を目の前に掲げた。
「良いだろう」
アレスの穏やかな微笑みに一瞬オーリオンは毒気を抜かれたが、気を引き締めて緩んだ顔を
戦士の顔に変えると
「感謝する。もし、我が敗れてもこの若者達を見逃してほしい、頼む」
「あはははは、良い将だな。
良いだろう、ほらポーションだ」
アレスの取り出した紫色のポーションをオーリオンが受け取る。
あまりの自然な動きにオーリオンから笑がこぼれた。疑う必要がないほどのレベル差を感じ、動いた身体は正直だなと思ったからだ。
「お待ちください、オーリオン戦艦長、先ず私が毒見をいたします」
「ふ、我が帝国兵を支配できる男がなぜ我に毒を盛る。
帝国軍人として最後まで潔く生きよ!」
”え~ただのポーションなんだが……そもそも、PVPで(プレイヤーVSプレイヤー)でなんでそんなに悲壮感漂ってるんだろう?”
「オーリオン戦艦長、貴方は帝国に必要な方だ、此処は俺が」
オーリオンの手を握り説得をしようとする若い兵士に真剣な目を向けて
「いいか、貴様ら若い者の方が我のような老兵より長く帝国に仕え、発展させる力がある。
我の最後の授業、しっかとその目に焼きつけよ」
”熱い人だな、若い兵士が慕うのも分かるな”
オーリオンはそう言うとアレスから受け取ったポーションを一気に飲み干し、大剣を振りかざして一気に間合いをつめた。
「卑怯と言ってくれるなよ!大剣技、ブレイド・ウェーブ」
衝撃波をオーリオンが放つが、その衝撃波をアレスは手に持った鎌で切り裂くと、オーリオンは返す刀で更に衝撃波を放つ。
アレスがそれを鎌の柄で打ち払う時に出来た一瞬の隙を突いてオーリオンが跳躍し
「究極奥義!アースブレイク」
大剣が黄色の光を纏ってアレスに襲い掛かるが、アレスが片手で大剣を掴み、無防備に成ったオーリオンの腹に鎌の柄を叩き込むと、軍船の壁まで飛んで行った。
「痛!あれ?やば!そういえばこれ現実だった!」
アレスは自分の掌から出る血を見て慌てる。
あまりにもアレスが圧倒的でオリンポスファンタジーの復活アイテムや、レギオンも使えたのですっかり気分はゲームだったが、傷つき血が出た事でここが現実の世界だと再認識した。
慌ててオーリオンに駆け寄ると、辛うじて息があった。
「お前ら捕虜になるんなら、オーリオンを助けるがどうする!」
このまま死なせても寝覚めが悪い、何よりアレスは熱いバカが好きだった。
その提案に一瞬お互いの顔を見合わせた若い兵達は頷き合うと。
「わ、分かった……オーリオン戦艦長が助かるのなら」
そう言って若い兵士達は武器を床に落とし、恭順の意思を示す。
「ハイ・メディカル・ケア」
アレスがオーリオンに手を翳し魔法を唱えると、オーリオンのダメージはあっさりと回復したが、意識は戻らないままだった。
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