49 / 54
僕と君のリング
7.約束
しおりを挟む
side Y
"今日の全体練習はここまでにしよう!後は各自で練習!"
振付け師のひと声で練習は解散となった。
僕は汗を流すため、取りあえずシャワーを浴びに行く予定だけどミンジェはどうするのだろう。
目線だけ動かしてミンジェを探すと、練習室のドアを一人で開けてそっと出ていく後ろ姿が見えた。
多分振付けで納得出来ない所を、一人で煮詰めたいんだろう。また倒れてしまわないか心配なので、後で覗いてみよう。
皆で使う大きな練習室とは違い、そのこじんまりとした部屋はほとんどミンジェ専用の個人部屋。
灯りは点いてるけど、音楽は聞こえてこないのでどうかしたのか慌てて部屋に入ったら、床に丸くなって眠るミンジェを見つけた。
練習生の頃からよく見る光景。
眠っているミンジェを起こさないように、ゆっくりと近づく僕も慣れたもの。
ミンジェの傍に音を立てないように腰を降ろすと、しばらく寝顔を堪能した。唇が少し突き出ているのが可愛くて、思わずにやける。
携帯で写真を撮って確認すると、まだ目元が赤いような気がした。
ミンジェの隣に添い寝の形で横になり、
頭を少し持ち上げて腕を下にすべり込ませた。
腕まくら、成功!
「……っふふ、ヨング!起きないと学校遅刻しちゃうよ……」
「え?学校?」
うわぁ、可愛い!なんか夢見てる?
寝惚けてるのかな?
「うぅぅ、遅刻しちゃうよ……」
朝の事がトラウマになってしまったのか?明らかにうなされている。
思わず、ぎゅっと抱きしめてしまった。
「……ヨング?」
ミンジェの小さな手が、弱々しく僕の胸を叩いた。慌てて腕を弛める。
今日のダンス練習、遅刻はしていないけど、いつも一番最初に練習室に入るミンジェは集合時間ギリギリだったから、自己嫌悪ぎみなのだろう。
朝、二人でシャワーを浴びて、ミンジェからスヒョンの匂いも、僕の匂いもすっかり洗い流されて、なんだか寂しくなったけれど、
" 今日はヨングのベッドに行くから…"
と約束出来て、僕はあっという間に機嫌が直ってしまった。
嬉しくて、シャワーを浴びながら何度もキスしていたら、時間がどんどん過ぎて……。
本当にギリギリになってしまい、ミンジェに怒られた。
その時は、こういうとこお兄さんだなぁって思った。
「今日は一緒に寝てくれる約束ですよ?」
「うん…そうだったね。ごめんね、こんなとこで寝てて…あれ?ヨング、シャワー浴びたのに床に寝ちゃったの ?! 」
ミンジェは僕に頭を預けたまま、目をゴシゴシと擦った。
ミンジェの仔犬のような、可愛らしい黒目を近くで見ると愛おしくて、堪らなくなってくる。
ミンジェは、"よっ"という感じで起き上がって、そのまま脚を伸ばして軽いストレッチを始めた。
なんとなく話があるのかなと思い、僕も起き上がった。
「……ヨング…あのさ、結婚の話ね。今すぐは難しいと思うんだ。僕たちはチームの目標があって、必ず叶えたい夢があるじゃん。」
「はい」
「だから今まで頑張ってきたし、これからも頑張っていかなきゃだよね。 …… だから僕たち……しばらく結婚出来ないと思うんだ」
「……はい」
「僕たちは、愛で繋がってるでしょ。ふふっ何か改めて言うと恥ずかしいな。愛と夢とチームと、沢山繋がってるから絶対に離れる事は、ないよね」
「……はい」
「ヨングは?結婚しなくても離れない?」
「離れません。……結婚は僕の我が儘です。ミンジェと一緒にいたくて、貴方を独占したくて…」
「ふふっ独占してるじゃん!まだ足りないのぉ?」
「 …… 足りてるけど、足らないんです…」
「ヨングは欲張りだなぁ。僕、もうぜ~んぶヨングにあげちゃってあげられるもの、ないんだけど?」
「…………未来を、貴方の未来を全部下さい」
僕は、前屈したミンジェの腕を引っ張り、
床を滑って来たところを抱き止めた。
小さな手を取って、左手の薬指にポケットから出した指輪を通す。
びっくりした顔のミンジェの可愛い黒目を覗き込んで、
「今度、お揃いのちゃんとしたやつ、 一緒に買いに行ってくれますか? 」
「……うん。もちろん」
「言いましたね?行きますよ、東京まで!」
「………………え?と、東京?」
TO BE CONTINUE…
Next Story♡
"今日の全体練習はここまでにしよう!後は各自で練習!"
振付け師のひと声で練習は解散となった。
僕は汗を流すため、取りあえずシャワーを浴びに行く予定だけどミンジェはどうするのだろう。
目線だけ動かしてミンジェを探すと、練習室のドアを一人で開けてそっと出ていく後ろ姿が見えた。
多分振付けで納得出来ない所を、一人で煮詰めたいんだろう。また倒れてしまわないか心配なので、後で覗いてみよう。
皆で使う大きな練習室とは違い、そのこじんまりとした部屋はほとんどミンジェ専用の個人部屋。
灯りは点いてるけど、音楽は聞こえてこないのでどうかしたのか慌てて部屋に入ったら、床に丸くなって眠るミンジェを見つけた。
練習生の頃からよく見る光景。
眠っているミンジェを起こさないように、ゆっくりと近づく僕も慣れたもの。
ミンジェの傍に音を立てないように腰を降ろすと、しばらく寝顔を堪能した。唇が少し突き出ているのが可愛くて、思わずにやける。
携帯で写真を撮って確認すると、まだ目元が赤いような気がした。
ミンジェの隣に添い寝の形で横になり、
頭を少し持ち上げて腕を下にすべり込ませた。
腕まくら、成功!
「……っふふ、ヨング!起きないと学校遅刻しちゃうよ……」
「え?学校?」
うわぁ、可愛い!なんか夢見てる?
寝惚けてるのかな?
「うぅぅ、遅刻しちゃうよ……」
朝の事がトラウマになってしまったのか?明らかにうなされている。
思わず、ぎゅっと抱きしめてしまった。
「……ヨング?」
ミンジェの小さな手が、弱々しく僕の胸を叩いた。慌てて腕を弛める。
今日のダンス練習、遅刻はしていないけど、いつも一番最初に練習室に入るミンジェは集合時間ギリギリだったから、自己嫌悪ぎみなのだろう。
朝、二人でシャワーを浴びて、ミンジェからスヒョンの匂いも、僕の匂いもすっかり洗い流されて、なんだか寂しくなったけれど、
" 今日はヨングのベッドに行くから…"
と約束出来て、僕はあっという間に機嫌が直ってしまった。
嬉しくて、シャワーを浴びながら何度もキスしていたら、時間がどんどん過ぎて……。
本当にギリギリになってしまい、ミンジェに怒られた。
その時は、こういうとこお兄さんだなぁって思った。
「今日は一緒に寝てくれる約束ですよ?」
「うん…そうだったね。ごめんね、こんなとこで寝てて…あれ?ヨング、シャワー浴びたのに床に寝ちゃったの ?! 」
ミンジェは僕に頭を預けたまま、目をゴシゴシと擦った。
ミンジェの仔犬のような、可愛らしい黒目を近くで見ると愛おしくて、堪らなくなってくる。
ミンジェは、"よっ"という感じで起き上がって、そのまま脚を伸ばして軽いストレッチを始めた。
なんとなく話があるのかなと思い、僕も起き上がった。
「……ヨング…あのさ、結婚の話ね。今すぐは難しいと思うんだ。僕たちはチームの目標があって、必ず叶えたい夢があるじゃん。」
「はい」
「だから今まで頑張ってきたし、これからも頑張っていかなきゃだよね。 …… だから僕たち……しばらく結婚出来ないと思うんだ」
「……はい」
「僕たちは、愛で繋がってるでしょ。ふふっ何か改めて言うと恥ずかしいな。愛と夢とチームと、沢山繋がってるから絶対に離れる事は、ないよね」
「……はい」
「ヨングは?結婚しなくても離れない?」
「離れません。……結婚は僕の我が儘です。ミンジェと一緒にいたくて、貴方を独占したくて…」
「ふふっ独占してるじゃん!まだ足りないのぉ?」
「 …… 足りてるけど、足らないんです…」
「ヨングは欲張りだなぁ。僕、もうぜ~んぶヨングにあげちゃってあげられるもの、ないんだけど?」
「…………未来を、貴方の未来を全部下さい」
僕は、前屈したミンジェの腕を引っ張り、
床を滑って来たところを抱き止めた。
小さな手を取って、左手の薬指にポケットから出した指輪を通す。
びっくりした顔のミンジェの可愛い黒目を覗き込んで、
「今度、お揃いのちゃんとしたやつ、 一緒に買いに行ってくれますか? 」
「……うん。もちろん」
「言いましたね?行きますよ、東京まで!」
「………………え?と、東京?」
TO BE CONTINUE…
Next Story♡
3
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
『定時後の偶然が多すぎる』
こさ
BL
定時後に残業をするたび、
なぜか必ず同じ上司が、同じフロアに残っている。
仕事ができて、無口で、社内でも一目置かれている存在。
必要以上に踏み込まず、距離を保つ人――
それが、彼の上司だった。
ただの偶然。
そう思っていたはずなのに、
声をかけられる回数が増え、
視線が重なる時間が長くなっていく。
「無理はするな」
それだけの言葉に、胸がざわつく理由を、
彼自身はまだ知らない。
これは、
気づかないふりをする上司と、
勘違いだと思い込もうとする部下が、
少しずつ“偶然”を積み重ねていく話。
静かで、逃げ場のない溺愛が、
定時後から始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる