異世界人にバレたらヤバい⁉︎魔女はタブレットを愛用する(タイトル変更しました)

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結界の境まで歩いてみることにした

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 12歳に若返った体は軽く、家を片付けたり、広い庭を探検するくらいなら疲れなど感じない。だからだろうか、さくらは調子に乗ってしまった。
 
 目を覚ましてから3日間は、指示通りタブレットとスマホ、スマートウォッチを同期したり、家や庭の探索、何より魔力の流し方をマスターするのに時間を要し、それなりに忙しかった。ただ3日目の午後には時間を持て余し始め、ソファにゴロゴロと転がりながらタブレットを見る時間も増えた。人間、暇だと余計なことを考えるものである。そう、さくらは結界のことを思い出したのだ。そして思った「半径500メートルなら楽に行けるんじゃない?」と…。

 翌日の朝、朝食を終え、簡単に身支度を済ませると軽食と飲み物をスマートウォッチ収納に入れ、家の探索で見つけたリュックを背負い玄関を出た。

 「とりあえず、真っ直ぐ進んでみようかな」

 足下は朝露に濡れた雑草、落ち葉で覆われていて、体が小さくなっているさくらには歩きづらい。まぁ、小さくなっているとはいうが、12才のさくらも34才のさくらも身長にはそれほど違いは無かったのだが…。

 意気揚々と前に進む。辺りには、ザッザッと枯葉を踏みしめる音が響き、気分は益々高揚する。

 「自然がいっぱいな場所を歩くなんて、子どもの時以来だなぁ~。」

 目の前には見たこともない草や木、所々に木々の隙間から木漏れ日が差し、幻想的な雰囲気をよりいっそう演出する。
 結界に守られているから危険な魔物なども出てくる心配もないから、軽いピクニック気分である。

 「あっ、そうだ。写真を撮っとこう」

 さくらは収納からスマホを取り出し、試し撮りとばかりに足下に自生する草にレンズを向ける。すると画面に写る被写体の横に文字が出てきた。

 植物名: ケラケラ草
 効 能: 適切な処理をして食せば美味しい薬草。憂鬱な気分も吹き飛ぶよ。ただ、そのまま食べたら笑いが止まらなくなるから要注意!

 「何これ…。鑑定機能が付いてるの?それに『ケラケラ草』って…。ケラケラ笑うから?何、そのネーミングセンス…。」

 こちらの世界に来てから、おかしなことばかり続いたせいか、冷静にツッコミを入れることを覚えた彼女は、ちょっとのことでは驚かなくなってしまった。

 実は、アプリを使ったのは今回が初めてだった。この3日間、便利アプリを使う必要もないくらい物が充実していたこともあるが、単純に怖かったのだ。下手にアプリを使うことで不用意にこの世界に関わることになるのではと…。

 しかしながら、さくらは気づいてしまった。どんなに気をつけていても、普通に「日本」にいた時の生活をしてしまうと嫌でもこちらの世界に関わってしまうことを。

 「よしっ!せっかくだから採取しよう。」

 色々と諦めたさくらは、見たことも聞いたこともない薬草や果実に興奮し、写真を撮ってから採取するというサイクルで夢中になって採取した。

 「そろそろ良いかなぁ。」

 採ったそばから収納されるので、どれだけの量になったかは分からないが、写真フォルダの中には、かなりの数の植物の写真が入っているのが分かる。

 そして冷静になった彼女は青褪める。

 時間の経過も忘れ、ついでにどちらの方向から来たかも分からなくなったことに、ここに来てようやき気付いたのだ。

 辺りを見回しても同じような景色、目印などもちろん付けている訳がない。

 「どうしよう…。本気で迷子なんだけど…」

 食べ物も飲み物もあるからと安心できるのは、家に帰れる保証があるからだ。今のさくらには家に帰れる保証がない…。

 ダラダラと冷や汗が流れる。

 さくらは呆然とし、そして思う。

 「途方に暮れる」って、こう言うことかと…。

 

 
 
 
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