Transfer student

shoma

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第1話 出会い

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ガラガラッ
教室の戸を横にスライドさせ中に入る
「おはよ~」そんな普通の挨拶をすると
信次から「おう、おはよう」と返事が
帰ってくる。その後、悠真と合流して
信次と3人で雑談をする。そんな時
悠真からこんな話題が出た。「そういやさ今日隣町から転入生くるらしいぞ。
そいつがまた不思議なオーラ纏ってんのよ」 すかさず 「へー」と気の入ってない返事で返してみた。「そんな明らかに興味無しみたいな反応すんなよ貴明~」 「しかし隣町からとは珍しいな」「おっ信次は興味もってくれた~?」「そこそこ」そんな感じで会話をしていると、「何話してんの?」と前から美穂がやってきた。
「転入生について話してたんだよ」
「なるほどねぇ~んでどんな奴なの?」
「男である事と、俺らと同級生になる
ことくらいしか分からねぇ」
「ふーん、イケメンかな?」「美穂はもう少し謙虚になれよ(笑)」「それ、どゆこと?」と4人で話していると、「はーい席について、ホームルームやるよー」と
先生の無駄に元気の良い声が教室に響く
「皆も知ってるかもしれないけど、今日から転入生来たから、仲良くね。
んじゃ入って~」 ガラガラッと戸が開くと1人の身なりが細い前髪で目が半分隠れた、いかにも暗い印象の青年が入ってきて、「真島真輔です。よろしく」と淡々
と述べ空いている席に歩いて行く。
しかもその席が俺の隣。偶然か?
「よろしく~」と声をかけると「うん、こちらこそ」と表情を一切変えずに返事が
返ってきた。やばいめちゃくちゃ気まづい...こんな時はテキトーな話題を振って
少し話してみよう。「俺貴明ってんだ
急で悪いけどよ、趣味とかある?」
「趣味かぁ...敢えて言うなら人間観察かな」思いもしない回答に呆然としてしまった。人間観察ってなんぞ?えっ怖ッ
そんな得体の知れない恐怖に支配されながらホームルームは終わりを告げた。
時は流れて昼休み、「飯だー!」「うるせぇよ悠真」「すまん、すまんでも貴明も
テンション上がるだろ?飯?」「この歳にもなって飯でんなテンション上がらねぇよ。」そんな飯談義をしている時前の席の聖奈が「二人とも元気良いね」と優しい口調で話しかけてきた。「飯ですから!」と鼻高々に悠真が腕を組む。「こいつをどうにかしてくれよ聖奈」「私は良いと思うよ?だって美味しいものって食べると幸せになるじゃない。」「ほら見ろ聖奈だってこう言ってんぞ~」「味方無し...か」
「そういや転入生の事どう思う?」
「私はちょっと暗いイメージかなぁ」
「俺もそんな感じ~」「実はさっき趣味聞いたら人間観察とか言ってきてさ、固まっちまったよ。」「おー怖ッ」「だろ?」
「流石に人間観察って言われると色々考えちゃうよね。」と2人は俺と全く似た思いを口にした。そして昼休みも終わり、
午後の授業を終わらせて、帰り支度を済ませて各々帰り出す。「長かったー」
「案外イケメンじゃなく普通だったね」
「だーかーらーそういう事を言わないの」
「でも暗いイメージはあるよな、しかも趣味人間観察だし。」「何それ、人間観察?マジウケんだけど(笑)」
「ウケないウケない」「でもその他はまだ知らないし、きっといい所あるよ。」
「聖奈は純粋でいい子だねー」なんて話してるうちにいつもの分かれ道に来て、
「んじゃまた明日な」「おう」「うん」
「了~解~」「うぃー」と5人は解散した。
さてダラダラ歩いて帰るか、と意気込み
ゆっくり歩いていると、背後からトントンと肩を叩かれ「ひゃーびびったぁ。なんだ真輔じゃん」「やぁ貴明、家こっちなの?」「そだよー」「そっか、じゃあ一緒だ。」「家着くまで一緒に歩くか?」
「うん。そうする。」そんなこんなで2人で歩く。「そういやまだ聞きたいことあんだけどいい?」「何?」「好きな色は?」
「黒かな。青も好きだけど。」「好きな漫画は」「漫画は読まないんだ」「マジ?」
「マジだよ。」「ふぇー驚いた。小説派?」
「うん。小学校の頃から」「すげぇな俺なんてあんな字だらけの本読む気にもならねぇ」「みんな最初はそう言うよ。」
なんて読書について話している内に
家に着いた。「んじゃ俺ここだから、じゃあな」「えっここなの?」「そうだよー」
「僕の家ここ」その言葉と同時に俺の家の真向かいを真輔は指さした。
偶然どころの騒ぎじゃねぇぞこれ。
マジ笑えねぇ...
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