Transfer student

shoma

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第2話 風の噂

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家が向かい合わせという事実を知って
から時間は流れ翌日の朝その日も特に
変わることなく分校へと向かおうと
貴明は支度を済ませ、朝食を取り
玄関を出た。「何故待ち伏せしてるんだ?」玄関の目の前に真輔が立っていた
「一緒に行こうと思って...ダメかい?」
「ダメとは言わないけど何の連絡も無しに立たれてると怖いから。因みにどれくらい待ってた?」「1時間ちょっと」
「もはやサイコパスレベル...まぁいいか
明日からはノックくらいしろよ?」
「分かった」そんな会話を終わらせて2人は学校に向かう。余談だがここは隣町
からもそれなりに距離のあるド田舎で
しかも農村のため家にインターホンなど
村の家には1つもなくノックするしかないのである。そんなこんなで2人は
学校に到着した。「おはよ~」「おはよ貴明」と悠真が反応する。「あれ~貴明2人で来たの~?マジ笑える(笑)」と茶化し
てくる美穂を横目に「これについては後で語ってやるよ」と普通の反応をしてやる。真輔は学校に着くとすぐに机に
突っ伏して寝てしまうので、影では
眠りの真輔なんて呼ばれている。
眠りの小〇郎と似てるのはご愛嬌(笑)
ホームルームの時間が始まる5分前には
近くの席のやつが起こしてやる。たまに俺も起こしたりする。家で寝れば良いものをやる事があるからと言ってあまり
寝れてないらしい。 そして昼休みになると俺は悠真と信次の3人で飯を話しながら食べるのだが、ふと俺はこう思った。
「真輔って飯どうしてんだろ?」「確かにこの時間になるとあいつ消えるよな」
「まだクラスに馴染めてないんだろ」
「すまん、ちょっとトイレ行ってくらぁ」
悠真と信次に断りを入れトイレへ向かう
トイレに入り小さい方をする所に立つ。
すると後ろにある個室から音が聞こえてきた。「なんの音だ?誰かいるのか?」
「いるよー」「その声は...真輔?」「うん」
「何してんの?」「ご飯食べてる...」
「もしかしなくても便所飯?」
「クラスに馴染めてなくて...」
心底驚いた。便所飯する奴とか漫画の
世界にしかいないと思ってた。
「教室に来い、悠真と信次と食べてるから、今からでも遅くないから一緒に食べるぞ」「いいの?」「誘ってんだから良いんだよ!」真輔を連れて教室に戻り2人に
事の事情を洗いざらい話した。
「ぶっ」と悠真がお茶を吹き出し、カランと箸を落として口をポカンと開けて信次が呆然とした。 そんなこんなで飯メンバーに真輔が加わったのであった。
そして午後の授業は寝ていた悠真が
怒られて笑いがうまれたりして幕を
閉じた。
そして帰り際いつも帰ってる4人に
真輔を誘っていいか聞くと4人とも
快く承諾してくれた。因みに家が向かい合わせということを話したら、皆が5分くらい爆笑した。こうして5人で帰り
最後には真輔と2人で歩くのだった。
「真輔って寝れてないみたいだけど何してんの?」「まぁ次の日の弁当作りとかしてるかな」「家庭的な男だなぁ」「親が...
いないから...」「え?」「母親が事故で死んで、親父は他の女と蒸発した。」いきなりのカミングアウトに反応することが出来ずに黙ってしまう。「ごめん、変なこと言っちゃったね」「こっちこそ、喋らせてすまん」謝る事しか出来なかった。
そして各々家に戻り一日が終わった。

翌日学校に着くと悠真から呼び出された。
「なんだ」「真輔について妙な噂が立った」
「なんじゃそら?」「奴が寝れてない理由だよ」「それはもう俺は聞いた、あまり大声では言えないがご両親がいないらしい。それで家事を自分でやってんだとよ。」「...」「どうした、黙り込んで?」
悠真が話の途中で黙るのは珍しい
悠真は基本喋りだしたら止まらないタイプの男だから。「地下...」「なんだって?」
「真輔のやつ夜な夜な地下に行ってるらしい...」ここで悠真の言っている地下とは
この村には言い伝えがあり、村唯一の
神社である。神奈木神社の裏の竹林の
中に戦争で使われた通路の入口が
残されており、その先には村で悪さ
をした人間を収容し、拷問にかけている
というのがその内容である。
自分も昔悠真と竹林に入りたしかにこの目でそれらしき入口を見つけているから
その先はどうであれ地下通路がある事自体は確認が取れている。因みに俺たちと仲のいい聖奈はこの神奈木神社の一人娘で休みの日や村の行事には巫女として活動している。その中でも村で年に1回
行われる神奈木祭には巫女演舞という
祭りの締めを担う大役を小学6年の頃から任されている。「でも何故真輔が地下通路の存在を知っている?根拠は?」
「何故知っているのは分からないでも
昨晩村の住人の人が真輔らしい人が
竹林に入っていくのを見たらしい」
「いつ頃だ?」「夜の7時半辺りと聞いた」
「まさか...ありえない、だって7時半は俺と家の前で別れてから約1時間くらいしか経ってないんだぞ」「真実かどうかはまだ分からない、だから貴明俺と2人で
真輔について少し調べてみないか?」
「馬鹿を言うのはよせ、そんな根拠もなしに深入りしたって時間の無駄だ。」
悠真の誘いを断り教室に戻る。
すると教室に真輔が居ないことに気がついた。
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