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ブランシェット家と王子の攻防3
しおりを挟む何度も婚約の許可を求める手紙を貰っていたし、
手紙や贈り物については報告を受けていたが、
いつの間に王子相手に陰険な嫌がらせをしていたんだと辺境伯は言葉もなかった。
さらに現在進行形で円卓上では自分を置いてけぼりにしてむしろ王子抹殺計画とも言えるのではという過激な案が飛び交っている。
聞いていなかったと耳を塞いでおきたいが、我が家から王族殺人の犯罪者を出さないためにも勇気を持って声をあげた。
「こちらの勝利条件はデビューのその日までレイラをブランシェットから出さないこと。
それだけだ。今まで報復のためならばと100歩譲って認めてきたが、王子はこちらに直接的に害を成したわけではない。これ以上の手出しは禁止する。」
「お父様は甘いのです!
このまま付け入らせたら直ぐに結婚に持ち込まれるわ。レイラはまだ16。
レイラが行き遅れと誹りを受けるギリギリ前まで側に置きたいという私の気持ちはどうなるのです!
王家にとられてしまったら殆ど顔も見れないわ。それならば、適当な男を婿にとって我が家におくわ。」
ー姉は24歳であり、この国では既に立派な行き遅れである。オールドミス道を爆走している姉が言うことではないなと弟3人は心の中で思っていたが、
報復が怖いので誰1人として口を開く事はなかった。
「それでもだ。相手を選ぶのはレイラだ。」
「でも…!」
辺境伯は夜会の際にレイラを求める王子の真意を知りたいと思い話をしたことがある。彼はレイラに関して以外は優秀で努力家であり、未来の王として足る人物だ。
それに世間話の中でレイラの名前が出た瞬間に瞳の奥に浮かんだ焔をみて、昔のオリアーナを思い出した。
きっとレイラを諦めることはないだろう。こちらがどれだけ妨害しても。だから、はっきりと婚約の断りの言葉は今まで伝えなかったし、適当な婚約者を立てることもしなかった。
「この話は終わりだ。これ以上の手出しは許さない」
最後まで渋っていた子ども達も静まり、会議は終了した。
(今度はお父様にバレないように…)と4人の子ども達の心からの同意は得られなかったが。
ーーーー
舞踏会前日
王子side
自分の勝利が確定した。
私が最も恐れていた事はレイラのデビューを自領の夜会で行われることだった。
地方の貴族や裕福でない貴族家ではそうすることも多い。そうなってしまえばレイラがブランシェット領から出てくることは無くなるだろう。
撒き餌はレイラの興味を王都に惹きつけるため。
舞踏会前にブランシェット領より守りの薄い王都に出てきてくれたら儲けもの程度の思いだった。
レイラが王都に行きたい。デビューは王宮でがいいと願ったのならレイラ命のブランシェット家が連れてこないわけがない。
そうするため洋菓子店やチョコレート店を出店したり、少女向けの本で菓子の広告と共に王子に令嬢が見初められる話を有名作家達に受注した。それに王都で舞踏会がテーマの歌劇を王都でも有名な劇団に上演させたりと様々な手を使った。
しかし、ここまでくるのは大変だった。
情報を得るのも難しいし、
ブランシェット家長女アウラの妨害は分かっていたことであり対処できたが、
ある日公務を終え自室に帰ると全裸の隣国の王女がいた。以前よりコナをかけられてはいたが、私はレイラ以外を娶るつもりもなく、相手にしてもいなかったのだが。
王宮内で最も守りが固い部屋の1つであるはずの私の部屋に侵入させるなど、誰がやったのか。
確実にブランシェット家の誰かだろうがここまで手を回せるところが恐ろしい。
ドアを開けた瞬間に閉めた。
そして抗議と共に厳重に梱包して隣国に即日送り返した。
それからも今日に至るまで数々の陰険でタチの悪い嫌がらせを受けたが、勝利条件を満たしたのはこちらだ。
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