19 / 22
ブランシェット家と王子の攻防3
しおりを挟む何度も婚約の許可を求める手紙を貰っていたし、
手紙や贈り物については報告を受けていたが、
いつの間に王子相手に陰険な嫌がらせをしていたんだと辺境伯は言葉もなかった。
さらに現在進行形で円卓上では自分を置いてけぼりにしてむしろ王子抹殺計画とも言えるのではという過激な案が飛び交っている。
聞いていなかったと耳を塞いでおきたいが、我が家から王族殺人の犯罪者を出さないためにも勇気を持って声をあげた。
「こちらの勝利条件はデビューのその日までレイラをブランシェットから出さないこと。
それだけだ。今まで報復のためならばと100歩譲って認めてきたが、王子はこちらに直接的に害を成したわけではない。これ以上の手出しは禁止する。」
「お父様は甘いのです!
このまま付け入らせたら直ぐに結婚に持ち込まれるわ。レイラはまだ16。
レイラが行き遅れと誹りを受けるギリギリ前まで側に置きたいという私の気持ちはどうなるのです!
王家にとられてしまったら殆ど顔も見れないわ。それならば、適当な男を婿にとって我が家におくわ。」
ー姉は24歳であり、この国では既に立派な行き遅れである。オールドミス道を爆走している姉が言うことではないなと弟3人は心の中で思っていたが、
報復が怖いので誰1人として口を開く事はなかった。
「それでもだ。相手を選ぶのはレイラだ。」
「でも…!」
辺境伯は夜会の際にレイラを求める王子の真意を知りたいと思い話をしたことがある。彼はレイラに関して以外は優秀で努力家であり、未来の王として足る人物だ。
それに世間話の中でレイラの名前が出た瞬間に瞳の奥に浮かんだ焔をみて、昔のオリアーナを思い出した。
きっとレイラを諦めることはないだろう。こちらがどれだけ妨害しても。だから、はっきりと婚約の断りの言葉は今まで伝えなかったし、適当な婚約者を立てることもしなかった。
「この話は終わりだ。これ以上の手出しは許さない」
最後まで渋っていた子ども達も静まり、会議は終了した。
(今度はお父様にバレないように…)と4人の子ども達の心からの同意は得られなかったが。
ーーーー
舞踏会前日
王子side
自分の勝利が確定した。
私が最も恐れていた事はレイラのデビューを自領の夜会で行われることだった。
地方の貴族や裕福でない貴族家ではそうすることも多い。そうなってしまえばレイラがブランシェット領から出てくることは無くなるだろう。
撒き餌はレイラの興味を王都に惹きつけるため。
舞踏会前にブランシェット領より守りの薄い王都に出てきてくれたら儲けもの程度の思いだった。
レイラが王都に行きたい。デビューは王宮でがいいと願ったのならレイラ命のブランシェット家が連れてこないわけがない。
そうするため洋菓子店やチョコレート店を出店したり、少女向けの本で菓子の広告と共に王子に令嬢が見初められる話を有名作家達に受注した。それに王都で舞踏会がテーマの歌劇を王都でも有名な劇団に上演させたりと様々な手を使った。
しかし、ここまでくるのは大変だった。
情報を得るのも難しいし、
ブランシェット家長女アウラの妨害は分かっていたことであり対処できたが、
ある日公務を終え自室に帰ると全裸の隣国の王女がいた。以前よりコナをかけられてはいたが、私はレイラ以外を娶るつもりもなく、相手にしてもいなかったのだが。
王宮内で最も守りが固い部屋の1つであるはずの私の部屋に侵入させるなど、誰がやったのか。
確実にブランシェット家の誰かだろうがここまで手を回せるところが恐ろしい。
ドアを開けた瞬間に閉めた。
そして抗議と共に厳重に梱包して隣国に即日送り返した。
それからも今日に至るまで数々の陰険でタチの悪い嫌がらせを受けたが、勝利条件を満たしたのはこちらだ。
0
あなたにおすすめの小説
(完)妹の子供を養女にしたら・・・・・・
青空一夏
恋愛
私はダーシー・オークリー女伯爵。愛する夫との間に子供はいない。なんとかできるように努力はしてきたがどうやら私の身体に原因があるようだった。
「養女を迎えようと思うわ・・・・・・」
私の言葉に夫は私の妹のアイリスのお腹の子どもがいいと言う。私達はその産まれてきた子供を養女に迎えたが・・・・・・
異世界中世ヨーロッパ風のゆるふわ設定。ざまぁ。魔獣がいる世界。
ため息ひとつ――王宮に散る花びらのように
柴田はつみ
恋愛
「離縁を、お願いしたいのです」
笑顔で、震えずに、エレナはそう言った。
夫は言葉を失った。泣いてくれれば、怒ってくれれば、まだ受け止め方があった。しかしあの静けさは、エレナがもう十分に泣き終わった後の顔だと、ヴィクトルにはわかった。
幼なじみと結ばれた三年間。すれ違いは静かに始まり、深紅のドレスの令嬢によって加速した。ため息を飲み込み、完璧な微笑みを保ち続けた公爵夫人が、最後に選んだのは――。
王宮に散る花びらのような、夫婦の崩壊と再生の物語。
【完結】お父様に愛されなかった私を叔父様が連れ出してくれました。~お母様からお父様への最後のラブレター~
山葵
恋愛
「エリミヤ。私の所に来るかい?」
母の弟であるバンス子爵の言葉に私は泣きながら頷いた。
愛人宅に住み屋敷に帰らない父。
生前母は、そんな父と結婚出来て幸せだったと言った。
私には母の言葉が理解出来なかった。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
イケメンエリートは愛妻の下僕になりたがる(イケメンエリートシリーズ第四弾)
便葉
恋愛
国内有数の豪華複合オフィスビルの27階にある
IT関連会社“EARTHonCIRCLE”略して“EOC”
謎多き噂の飛び交う外資系一流企業
日本内外のイケメンエリートが
集まる男のみの会社
そのイケメンエリート軍団のキャップ的存在
唯一の既婚者、中山トオルの意外なお話
中山加恋(20歳)
二十歳でトオルの妻になる
何不自由ない新婚生活だが若さゆえ好奇心旺盛
中山トオル(32歳)
17歳の加恋に一目ぼれ
加恋の二十歳の誕生日に強引に結婚する
加恋を愛し過ぎるあまりたまに壊れる
会社では群を抜くほどの超エリートが、
愛してやまない加恋ちゃんに
振り回されたり落ち込まされたり…
そんなイケメンエリートの
ちょっと切なくて笑えるお話
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる