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初めてのデート【後編】
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色々と邪魔が入ったものの、マナとのデートはそれなりに順調に進んで行った。女たちが現れて、マナのテンションを下げた時は少し心配したが、思っていた以上にマナは切り替えが上手いようだ。
あの後、食事をしたり、公園のベンチでお互いのことを話したり、プレゼントを渡したりと普通のデートをした。自分なりに計画したデートはそれなりに良いものだったと自負できる。
「マナ、今日は楽しめたかな?」
「はい!今まで男の人とこんな風に話したりすることも、優しくされたこともなかったので本当に嬉しかったですし、楽しめました」
そう思ってくれたのなら俺としてもこのデータは成功と断言できる。俺に気を遣って言ってくれているかもしれないが、少なくとも俺の目にマナは楽しめているように映った。
まぁ…成功だとは思うし、断言までしたが、最終的に次のお声が掛かるかで全てが決まる。マナのような人をこれからもターゲットにしていくことになるだろうし、第一号のお客さんぐらいリピーターにさせるぐらいはできないと。
「俺もマナとデートができてとても楽しかったよ」
こっちから次のデートを催促するような真似はできない。マナの意思で俺ともう一度デートをしたいと思ってくれないと意味がない。
「どこに連れてってもマナは新鮮な反応をしてくれるし、俺もデートをしていて、マナの表情を見るのが楽しかったかな」
少しマナをからかってみると、あたふたし始めた。
「そ、そんなぁ…」
「マナのそういう反応がとっても可愛いよ。ずっと見ていても飽きることがないのはマナの魅力だよね」
マナが王国騎士だというのをデートの間は忘れていた。だってどう見ても反応とか仕草が、ただの女の子だ。凛々しい感じでもなければ、頼りがいがある感じもない。元の世界だったらとっても人気があって、小動物系の女と言った感じか。
そんなことを考えているとマナが俺の目を射抜くように見つめてくる。
「どうしたんだ、マナ?」
「ヒロさんは私の事を一人の女性として扱ってくれますよね?」
「マナは魅力的な女性だからね」
「…そういうことを言ってくれるのはヒロさんぐらいです」
「それは周りの男に見る目がないのかもね」
この世界で生きて、一般的な価値観を共有している人間であればマナのことを美人とは思わないだろう。それはこの世界であれば仕方のない事だ。
「……ううん。たぶん、ヒロさんがおかしいんだと思う」
「そうかな?」
「うん。でも、私はそのおかしいところが嬉しかった。お金を得られたとしても私なんかとデートをしようなんて人間はいない。それなのに、ヒロさんは私を女として扱ってデートまでしてくれた」
それはお金を貰っているから。金銭が発生する以上はしっかりと仕事を全うしないわけにはいかない。
「それがとっても嬉しくて……ヒロさんさえよければたまにでいいので…これからも一緒にお出掛けとかしてくれませんか?」
その言葉を聞けて俺は心底安心した。自分のデートはマナを満足させるに至ったのだと。
「いいですよ。俺もマナとのデートは楽しかったですし」
「ほ、ほんとですか?」
「本当です」
「…よ、よかったぁ…」
こっちの方が良かったと胸をなで下ろす。第一号のお客さんの心をしっかりと射止められたんであれば今回の仕事はしっかりとできたと言ってもいい。
「これからもマナが会いたいと思った時に呼んでください。俺はいつでもマナのことを待っているので」
こんな歯の浮くようなセリフを自分が言っていることに対して、寒気がするものの、これも何度か繰り返せばいずれは慣れて来るだろう。
「…わ、わたしなんかでよければ」
そして俺とマナは別れた。
宿への道のりを歩きながら今日の成果とこれからの目標を考える。
リピーターの確保に成功はしたものの、これからもっとお客さんを増やしていけないといけない。マナが今回のことを話して広めてくれればいいが、性格的にマナが広告塔の役割を担うのは難しいだろう。
だから俺も個人的に広めるための活動をこれからもしていかないといけない。もっとお金を儲けるために。
マナとのデートを含めて改めて理解した。
やはりこの世界でマナのような女は差別を受けていること、俺が異質の人間であること。
そしてレンタル彼氏で儲けることは難しいかもしれないが、不可能ではない。今回マナが払ってくれた料金はそれなりのものだ。ぼったくりとまではいかないが、それなりの金額を支払ってもらった。それにも理由がある。あまり安くし過ぎると、俺の価値を下げることになる。
ある程度の付加価値がありつつ、それでも利用できない金額ではない辺りに設定したのだ。
だがその辺りはマナしかあの張り紙から来なかったことを踏まえれば、安くすることも検討しなければならない。
例えば1ヵ月だけの限定といった感じで格安にするなどして、最終的にはそれなりの金額設定を支払ってもらう。
次も利用したいと思わせることが一回目でしっかりできれば、多少高くても利用してくれるだろうしな。
これからはそういう感じでやっていくか。
あの後、食事をしたり、公園のベンチでお互いのことを話したり、プレゼントを渡したりと普通のデートをした。自分なりに計画したデートはそれなりに良いものだったと自負できる。
「マナ、今日は楽しめたかな?」
「はい!今まで男の人とこんな風に話したりすることも、優しくされたこともなかったので本当に嬉しかったですし、楽しめました」
そう思ってくれたのなら俺としてもこのデータは成功と断言できる。俺に気を遣って言ってくれているかもしれないが、少なくとも俺の目にマナは楽しめているように映った。
まぁ…成功だとは思うし、断言までしたが、最終的に次のお声が掛かるかで全てが決まる。マナのような人をこれからもターゲットにしていくことになるだろうし、第一号のお客さんぐらいリピーターにさせるぐらいはできないと。
「俺もマナとデートができてとても楽しかったよ」
こっちから次のデートを催促するような真似はできない。マナの意思で俺ともう一度デートをしたいと思ってくれないと意味がない。
「どこに連れてってもマナは新鮮な反応をしてくれるし、俺もデートをしていて、マナの表情を見るのが楽しかったかな」
少しマナをからかってみると、あたふたし始めた。
「そ、そんなぁ…」
「マナのそういう反応がとっても可愛いよ。ずっと見ていても飽きることがないのはマナの魅力だよね」
マナが王国騎士だというのをデートの間は忘れていた。だってどう見ても反応とか仕草が、ただの女の子だ。凛々しい感じでもなければ、頼りがいがある感じもない。元の世界だったらとっても人気があって、小動物系の女と言った感じか。
そんなことを考えているとマナが俺の目を射抜くように見つめてくる。
「どうしたんだ、マナ?」
「ヒロさんは私の事を一人の女性として扱ってくれますよね?」
「マナは魅力的な女性だからね」
「…そういうことを言ってくれるのはヒロさんぐらいです」
「それは周りの男に見る目がないのかもね」
この世界で生きて、一般的な価値観を共有している人間であればマナのことを美人とは思わないだろう。それはこの世界であれば仕方のない事だ。
「……ううん。たぶん、ヒロさんがおかしいんだと思う」
「そうかな?」
「うん。でも、私はそのおかしいところが嬉しかった。お金を得られたとしても私なんかとデートをしようなんて人間はいない。それなのに、ヒロさんは私を女として扱ってデートまでしてくれた」
それはお金を貰っているから。金銭が発生する以上はしっかりと仕事を全うしないわけにはいかない。
「それがとっても嬉しくて……ヒロさんさえよければたまにでいいので…これからも一緒にお出掛けとかしてくれませんか?」
その言葉を聞けて俺は心底安心した。自分のデートはマナを満足させるに至ったのだと。
「いいですよ。俺もマナとのデートは楽しかったですし」
「ほ、ほんとですか?」
「本当です」
「…よ、よかったぁ…」
こっちの方が良かったと胸をなで下ろす。第一号のお客さんの心をしっかりと射止められたんであれば今回の仕事はしっかりとできたと言ってもいい。
「これからもマナが会いたいと思った時に呼んでください。俺はいつでもマナのことを待っているので」
こんな歯の浮くようなセリフを自分が言っていることに対して、寒気がするものの、これも何度か繰り返せばいずれは慣れて来るだろう。
「…わ、わたしなんかでよければ」
そして俺とマナは別れた。
宿への道のりを歩きながら今日の成果とこれからの目標を考える。
リピーターの確保に成功はしたものの、これからもっとお客さんを増やしていけないといけない。マナが今回のことを話して広めてくれればいいが、性格的にマナが広告塔の役割を担うのは難しいだろう。
だから俺も個人的に広めるための活動をこれからもしていかないといけない。もっとお金を儲けるために。
マナとのデートを含めて改めて理解した。
やはりこの世界でマナのような女は差別を受けていること、俺が異質の人間であること。
そしてレンタル彼氏で儲けることは難しいかもしれないが、不可能ではない。今回マナが払ってくれた料金はそれなりのものだ。ぼったくりとまではいかないが、それなりの金額を支払ってもらった。それにも理由がある。あまり安くし過ぎると、俺の価値を下げることになる。
ある程度の付加価値がありつつ、それでも利用できない金額ではない辺りに設定したのだ。
だがその辺りはマナしかあの張り紙から来なかったことを踏まえれば、安くすることも検討しなければならない。
例えば1ヵ月だけの限定といった感じで格安にするなどして、最終的にはそれなりの金額設定を支払ってもらう。
次も利用したいと思わせることが一回目でしっかりできれば、多少高くても利用してくれるだろうしな。
これからはそういう感じでやっていくか。
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