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第一章 腐樹の森と呼ばれた地
第五話 二人の老少年少女
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「行くよ…手を上げたら結界を解除して」
そう言って私は魔法の準備を始める。魔力が全回復している訳ではないし、詠唱して魔力消費を減らすことにしたのだ。
「……えっと…《ダークスパイク》の詠唱って…あぁ……恥ずかしい…これ…」
私は《ダークスパイク》の詠唱を思い出したのだが…すごく厨二病、やばい…いやぁ…恥ずかしい。
「省略詠唱にしよ」
まぁ、それでも恥ずかしいのだけども…。……そもそも省略詠唱ってなんだ?知識しかない。私自身は習得してない…ってことを今更思い出した。……詠唱するしかない…かぁ…。私は…息を吸って…。
「……闇は溶け、沈み込み、そして、それは牙を向くだろう。その溶けた闇に命ず、我が敵を貫け!」
この瞬間、私は手を上げた。それと同時にエルネが結界を解除した、そしてもう片方の手を地面につけ…。
「《ダークスパイク》!」
その言葉を口から吐く。その瞬間、地面からは黒い棘が現れ、狼たちを突き刺した。しかし、効いてない奴もいた。だからこそ…。
「《光雨》!」
残っているのは闇属性魔法に耐性のある腐り獣だ。おそらくだけど…。
光の柱が天から降ってきた。光だから遮られることもない。
『……まだ残っているな。範囲に入っていなかった奴だろう。数は…二百か…』
「いやでも九百ぐらいだったし、七百は倒せたね」
フローゲルの言葉に私は返した。
「しっかし、やっぱり数減らせたのは良いことだよねー。お、おっとと…魔力が回復しきってないのに使ったから目眩が…」
すこし私はふらついた。いやー…結構キツイかなー…。
『…ほう?なんだこの気配、二つの気配がこっちに向かってきてるぞ』
「えっ?なに、敵の増援かなにか?流石に増えられるの困るんだけど…」
フローゲルさん。とんでもないこと言わないでほしいなぁ…冗談…じゃないよなぁ…はぁ、次はなに?この大群のボスかなにか?
「……?……おい、こんなところに人がいるぞ」
「んー?あぁ、ホントねー。てか囲まれてない?あの子たち」
不意に声が聞こえてきた。男性の声と女性の声、どちらを十代ぐらいの声だった。
『接近…くるぞ!』
フローゲルがそう叫んだ。私は二人に集中していた為に咄嗟に判断出来なかった。
後ろには狼が三匹、そしてその先頭にいる狼が私に前脚を振り下ろしてきていた。間に合わない。私はそう思った、けど…その狼は真っ二つに切られていた。そう、"真っ二つに"だ。
「油断はするな。君たちは囲まれているんだから」
そして、私は気づく、真っ二つになった狼の死体の先、そこに一人の男性がいた。速かった…あまりにも速すぎたのだ。
その手に握られているのは刀…刀!?なんであの人、刀握ってるの!?この世界の刀そんなに珍しい武器じゃないのかなぁ…。しっかし…見事な太刀筋だった、いや、殆ど見れてないけど、ここまで綺麗に真っ二つになるのは相当使い慣れているんだ。
「…すごい…」
私はついそう言葉を言った。思わず見惚れた。その切断面をとても綺麗だ。何度も思うけど綺麗だ。
「感想をもらすのは後だ。今は…目の前に集中しろ」
そう男性が言ったので私はすぐに刀を構えた。そして、一歩踏み出し…男性の先にいる。狼たちに握った刀を振るった。
「「ギャン!?」」
横払いで振ったから二匹ともに当たった。そして、左方向にいる狼の頭を…狩り取った。次は右方向の狼と思い構えたが必要はなかった。男性が既に斬り捨てていたからだ。
「無事か?」
「あっ、はい。大丈夫です。ところでほかのみんなを助けないと…」
私はすぐにフローゲルたちの支援に回ろうとしたけど必要はなかった。既に終わっていたからだ。
「こっちは終わったよー。そっちは?」
そう言う女性の人。茶髪でロングの女性が話しかけてきた。
「んー、こんなところでどうしたの?ここは危ないのよ?」
「あー…えっと…」
私はこれって言っていいのかな…?って思い言い淀んでしまった。そうするとフローゲルが喋りだした。
『いやのぉ…ユニーナ様のミスと言えば分かるかの?』
「あー、なるほど。それは災難だったね。じゃあ君は…クレアちゃんかな?」
男性の方がそう言い、私は鞘にしまってある刀を抜きすぐに構えた。
怖い、怖い、なんでこの人、私のこと知ってるの!?やだやだ、気持ち悪い!
「なんだろう…とても傷つくようなことを思われてる気がするな」
「……当たり前じゃないですか!突然、見知らぬ人に知られてるなんて!怖いにも程がありますよ!?」
『クレアよ。それは儂の時にも言うべきだったのではないか?』
……フローゲルはそもそも人じゃないしなぁ…。
『そう言う話でもないと思うのじゃが…』
「ナチュラルに心を読まないでくれない?」
『顔に出てたがの』
………フローゲルはまぁ、どうでもいいや。それよりも先にこの人たちが知ってる方が問題だからね!
「まぁ、俺たちが君のことを知ってる理由なんだが…君のお姉さんからだよ。まぁ、名前と変なところに飛ばされたってことぐらいしか教えてもらえなかったけどね」
「えっと…あぁ、リナさん…でしたっけ?」
えっ?なに、お姉ちゃん…お姉ちゃんでいいのかな?リナさんは私を晒し者にでもしたいの…?
『いや、そう言う意図はないだろう。多分、伝えてるのは絶対に漏らさないと信用してる人物だけだ。あの子は出会った時からそう言うのには敏感だったからな』
「確か…なんかリナちゃんの様子がイライラしてるように見えて、なにかあったのか聞いたのよねー」
と女性が言う。そして、女性は続けて…。
「そしたら……」
✽
~~回想~~
✽
「なんかイライラしてない?リナちゃん」
私はそう思い、目の前にいる白髪の天使 リナちゃんにそう聞いた。リナちゃんがイライラしてる時って魔力だだ漏れなのよねぇー…だから威圧感が…。そう言うところがまだ子供なんだと思うけど…。
「………」
「リナちゃん黙っていても分からないわよ?」
「………とができた」
ん?小さくて聞き取れなかった。なにができたのかしら…も、もしかして…彼氏!?
「彼氏は出来てない。てかどうやったら彼氏が出来た理論まで進むの」
「流れるように心を読まないでちょうだい。色々と困るから」
本当にこの子は…他者の心理を完全に把握でもしてるのかしら、正直、疑問だわ。
「じゃあ、なにができたの?」
「……ぃ…妹…が…できた…」
本当に小声だった。だけど…。
「えっ?い、妹!?えっえっえっ?どう言うこと?」
「えっと…ユニーナが"また"誤って殺しちゃった子を私の妹として転生させたみたい。でも本来だったらグーライ国に送るはずが、どっか変なところに送っちゃったって…だからちょっとイラついてた」
あぁ…またユニーナさんはやったんだ。あの神さんも覚えないなー…。
「なに!?リナ、お前子供が!?」
「ちょっと!?どこをどう聞いたらそうなるのよ!耳すら腐りだしたか、この老人!」
あーあ、アストロが、馬鹿な発言してるわ。どうやったら「妹ができた」が子供ができたに聞こえるのかしら…
「アリスも同じだよ」
「ちょっと!アストロと一緒にしないでよ!私は聞こえなかったから"彼氏"ができたのかなーって思っただけよ!?」
アストロと一緒されるのはちょっとひどい。
「はぁ!?アリスタよりかはマシだろ。俺の方が!」
「「いや、それはない」」
「ハモるなよ。そこ…」
アストロがすこし悲しそうにしてるが無視よ。無視。てかリナちゃんもそう思ってるんじゃない。
「同レベルとは言ってないから」
「それってただの付け足しただけにしか聞こえないんだけど…」
同レベルとは言ってないから、アストロと一緒にした訳じゃないは無理があるわ。リナちゃん…。
「完全に一緒にしたわけじゃないからセーフだよ。セーフ」
「「アウトだと思うよ。リナ(ちゃん)」」
「次はそっちが、ハモったね」
✽
~~回想終了~~
✽
「いや、突然、脳内に謎の映像流さないで、びっくりしたわ。てかなにそれ」
「これは【回想想起】のスキルを使用しただけよ。安心しなさい」
話も聞いてないのかな? 多分、この刀の男性の人がアストロ、女性がアリスタなんだと思う。ふーむ、なるほどねぇ…。天使…天使?
「アリスタがそう勝手に思ってるだけだ。気にするな。意外と情熱家でお人好しだけどな。怪我してるやつはほっとけないんだよ。あいつは」
「そ、そうなんだ。でもすごい人なんですよね?リナさんって」
リナさんってすごい人なんだと思う。だって…回想だったけど、魔力による威圧感がはっきりと伝わった。そこまで正確に憶えているなんて…。多分、すごいんだ。
「昔は私の弟子だったのになぁ…気づかぬ内に抜かれちゃったわ。あはは…悲しいわねぇ…。頑張って覚えてた、私独自の魔法はあの子、全部覚えちゃったし、しかもちゃっかり改造してたし…」
「だけどな。剣術に関してはダメダメだったよな。まったく覚えれなかったどころか覚える気もなかったよな」
えぇ…剣術とか使いやすくない?なんで覚える気ないのかなぁ…リナさんって魔法使いがいいのかな?
「本人曰く、昔からそんな運動系は苦手なんだとよ」
「そうなんですか…えっと…」
「アストロ・ブァレスだ。アストでいい」
男性、アストさんはそう名乗った。そして、女性の方も。
「アリスタ・カーバリアグルよ。アリスで良いわよー」
アリス…不思議の国のアリス?
「まぁ、貴女が今、思っていることは多分…不思議の国のアリスを浮かべたわね?」
「えっ!?な、なんで分かったの!?」
…リナさんも心読んでたし…アリスさんも心を読むことができるのかな…。
「くくっ…違う違う。アリスに関しては、元々、俺らがテキトーに決めただけなんだ。リナが「あっ、不思議の国のアリス!?」って言ったのが始まりだな」
そうアストさんは言った。
ん?…てか…老人…?老人って見た目じゃない…よね?
『クレア、二人の姿に惑わされるんじゃないぞ。あんな見た目でも年齢は80超えじゃからの』
「えっ?本当に80超えなの?」
えぇぇぇぇ…?この見た目が80…?あっ、エルフって可能性が…。
「「ないぞ(わよ)」」
アストさん、アリスさん。否定しないで!あと心を読まないで!
「私たち蚊帳の外だねー」
「…かやのそとー?なにそれー」
「蚊帳の外ってのは話に入れないことを言うんですよー」
二人はなに呑気に話してんのよ!
「ふふっ、まぁ、実際は…知らないほうがいいわよ」
✽
言えるわけがない。だって…ただ、自分の実験ミスで若返ったなんて…ははは…いやー、あんなミスするなんて、私もまだまだね。
✽
「……巻き込まれたんだよなぁ…俺に関しては」
「あはは、なんのことカシラネー。ワタシゼンゼンワカラナイワー」
この人もユニーナと同類か…。
「……なんかとっても失礼なことを思われた気がするわ?ユニーナさんと一緒にされた気が…」
「素晴らしいほど気のせいだよ」
「素晴らしいほど気のせいなの?」
そうそう素晴らしいほど気のせい気のせい。
「素晴らしいほど気のせいってなんだよ」
アストさん。そこを気にしちゃいけないって分からないかなー…。
私はにこにこ笑いながらアストさんに威圧する。
「おーい。ちびころ、威圧しようがお前の威圧じゃ怯みもせんぞー」
「……嫌味ですね。ホント、そんなところがリナさん嫌ってるんじゃないですか?」
アストさん。正味、この人、嫌いだなー。
「あっ、正解よ。よく分かったわね」
「やっぱりですか、多分、この人、デリカシーないことも言いますよね?」
私はアストさんに聞こえないとおもわれるぐらいの大きさでアリスさんに耳打ちした。
「聞こえてるわ。堂々と悪口言いやがって」
すこし不満そうにつぶやかないでください。別に可愛くもありません。アストさん。
「なんか辛辣なこと思われてない?絶対に思ってるよな?」
「さぁ、どうでしょうか?」
そんな会話をした後、私達は休憩出来る場所を探し始めたのだった…。
そう言って私は魔法の準備を始める。魔力が全回復している訳ではないし、詠唱して魔力消費を減らすことにしたのだ。
「……えっと…《ダークスパイク》の詠唱って…あぁ……恥ずかしい…これ…」
私は《ダークスパイク》の詠唱を思い出したのだが…すごく厨二病、やばい…いやぁ…恥ずかしい。
「省略詠唱にしよ」
まぁ、それでも恥ずかしいのだけども…。……そもそも省略詠唱ってなんだ?知識しかない。私自身は習得してない…ってことを今更思い出した。……詠唱するしかない…かぁ…。私は…息を吸って…。
「……闇は溶け、沈み込み、そして、それは牙を向くだろう。その溶けた闇に命ず、我が敵を貫け!」
この瞬間、私は手を上げた。それと同時にエルネが結界を解除した、そしてもう片方の手を地面につけ…。
「《ダークスパイク》!」
その言葉を口から吐く。その瞬間、地面からは黒い棘が現れ、狼たちを突き刺した。しかし、効いてない奴もいた。だからこそ…。
「《光雨》!」
残っているのは闇属性魔法に耐性のある腐り獣だ。おそらくだけど…。
光の柱が天から降ってきた。光だから遮られることもない。
『……まだ残っているな。範囲に入っていなかった奴だろう。数は…二百か…』
「いやでも九百ぐらいだったし、七百は倒せたね」
フローゲルの言葉に私は返した。
「しっかし、やっぱり数減らせたのは良いことだよねー。お、おっとと…魔力が回復しきってないのに使ったから目眩が…」
すこし私はふらついた。いやー…結構キツイかなー…。
『…ほう?なんだこの気配、二つの気配がこっちに向かってきてるぞ』
「えっ?なに、敵の増援かなにか?流石に増えられるの困るんだけど…」
フローゲルさん。とんでもないこと言わないでほしいなぁ…冗談…じゃないよなぁ…はぁ、次はなに?この大群のボスかなにか?
「……?……おい、こんなところに人がいるぞ」
「んー?あぁ、ホントねー。てか囲まれてない?あの子たち」
不意に声が聞こえてきた。男性の声と女性の声、どちらを十代ぐらいの声だった。
『接近…くるぞ!』
フローゲルがそう叫んだ。私は二人に集中していた為に咄嗟に判断出来なかった。
後ろには狼が三匹、そしてその先頭にいる狼が私に前脚を振り下ろしてきていた。間に合わない。私はそう思った、けど…その狼は真っ二つに切られていた。そう、"真っ二つに"だ。
「油断はするな。君たちは囲まれているんだから」
そして、私は気づく、真っ二つになった狼の死体の先、そこに一人の男性がいた。速かった…あまりにも速すぎたのだ。
その手に握られているのは刀…刀!?なんであの人、刀握ってるの!?この世界の刀そんなに珍しい武器じゃないのかなぁ…。しっかし…見事な太刀筋だった、いや、殆ど見れてないけど、ここまで綺麗に真っ二つになるのは相当使い慣れているんだ。
「…すごい…」
私はついそう言葉を言った。思わず見惚れた。その切断面をとても綺麗だ。何度も思うけど綺麗だ。
「感想をもらすのは後だ。今は…目の前に集中しろ」
そう男性が言ったので私はすぐに刀を構えた。そして、一歩踏み出し…男性の先にいる。狼たちに握った刀を振るった。
「「ギャン!?」」
横払いで振ったから二匹ともに当たった。そして、左方向にいる狼の頭を…狩り取った。次は右方向の狼と思い構えたが必要はなかった。男性が既に斬り捨てていたからだ。
「無事か?」
「あっ、はい。大丈夫です。ところでほかのみんなを助けないと…」
私はすぐにフローゲルたちの支援に回ろうとしたけど必要はなかった。既に終わっていたからだ。
「こっちは終わったよー。そっちは?」
そう言う女性の人。茶髪でロングの女性が話しかけてきた。
「んー、こんなところでどうしたの?ここは危ないのよ?」
「あー…えっと…」
私はこれって言っていいのかな…?って思い言い淀んでしまった。そうするとフローゲルが喋りだした。
『いやのぉ…ユニーナ様のミスと言えば分かるかの?』
「あー、なるほど。それは災難だったね。じゃあ君は…クレアちゃんかな?」
男性の方がそう言い、私は鞘にしまってある刀を抜きすぐに構えた。
怖い、怖い、なんでこの人、私のこと知ってるの!?やだやだ、気持ち悪い!
「なんだろう…とても傷つくようなことを思われてる気がするな」
「……当たり前じゃないですか!突然、見知らぬ人に知られてるなんて!怖いにも程がありますよ!?」
『クレアよ。それは儂の時にも言うべきだったのではないか?』
……フローゲルはそもそも人じゃないしなぁ…。
『そう言う話でもないと思うのじゃが…』
「ナチュラルに心を読まないでくれない?」
『顔に出てたがの』
………フローゲルはまぁ、どうでもいいや。それよりも先にこの人たちが知ってる方が問題だからね!
「まぁ、俺たちが君のことを知ってる理由なんだが…君のお姉さんからだよ。まぁ、名前と変なところに飛ばされたってことぐらいしか教えてもらえなかったけどね」
「えっと…あぁ、リナさん…でしたっけ?」
えっ?なに、お姉ちゃん…お姉ちゃんでいいのかな?リナさんは私を晒し者にでもしたいの…?
『いや、そう言う意図はないだろう。多分、伝えてるのは絶対に漏らさないと信用してる人物だけだ。あの子は出会った時からそう言うのには敏感だったからな』
「確か…なんかリナちゃんの様子がイライラしてるように見えて、なにかあったのか聞いたのよねー」
と女性が言う。そして、女性は続けて…。
「そしたら……」
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~~回想~~
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「なんかイライラしてない?リナちゃん」
私はそう思い、目の前にいる白髪の天使 リナちゃんにそう聞いた。リナちゃんがイライラしてる時って魔力だだ漏れなのよねぇー…だから威圧感が…。そう言うところがまだ子供なんだと思うけど…。
「………」
「リナちゃん黙っていても分からないわよ?」
「………とができた」
ん?小さくて聞き取れなかった。なにができたのかしら…も、もしかして…彼氏!?
「彼氏は出来てない。てかどうやったら彼氏が出来た理論まで進むの」
「流れるように心を読まないでちょうだい。色々と困るから」
本当にこの子は…他者の心理を完全に把握でもしてるのかしら、正直、疑問だわ。
「じゃあ、なにができたの?」
「……ぃ…妹…が…できた…」
本当に小声だった。だけど…。
「えっ?い、妹!?えっえっえっ?どう言うこと?」
「えっと…ユニーナが"また"誤って殺しちゃった子を私の妹として転生させたみたい。でも本来だったらグーライ国に送るはずが、どっか変なところに送っちゃったって…だからちょっとイラついてた」
あぁ…またユニーナさんはやったんだ。あの神さんも覚えないなー…。
「なに!?リナ、お前子供が!?」
「ちょっと!?どこをどう聞いたらそうなるのよ!耳すら腐りだしたか、この老人!」
あーあ、アストロが、馬鹿な発言してるわ。どうやったら「妹ができた」が子供ができたに聞こえるのかしら…
「アリスも同じだよ」
「ちょっと!アストロと一緒にしないでよ!私は聞こえなかったから"彼氏"ができたのかなーって思っただけよ!?」
アストロと一緒されるのはちょっとひどい。
「はぁ!?アリスタよりかはマシだろ。俺の方が!」
「「いや、それはない」」
「ハモるなよ。そこ…」
アストロがすこし悲しそうにしてるが無視よ。無視。てかリナちゃんもそう思ってるんじゃない。
「同レベルとは言ってないから」
「それってただの付け足しただけにしか聞こえないんだけど…」
同レベルとは言ってないから、アストロと一緒にした訳じゃないは無理があるわ。リナちゃん…。
「完全に一緒にしたわけじゃないからセーフだよ。セーフ」
「「アウトだと思うよ。リナ(ちゃん)」」
「次はそっちが、ハモったね」
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~~回想終了~~
✽
「いや、突然、脳内に謎の映像流さないで、びっくりしたわ。てかなにそれ」
「これは【回想想起】のスキルを使用しただけよ。安心しなさい」
話も聞いてないのかな? 多分、この刀の男性の人がアストロ、女性がアリスタなんだと思う。ふーむ、なるほどねぇ…。天使…天使?
「アリスタがそう勝手に思ってるだけだ。気にするな。意外と情熱家でお人好しだけどな。怪我してるやつはほっとけないんだよ。あいつは」
「そ、そうなんだ。でもすごい人なんですよね?リナさんって」
リナさんってすごい人なんだと思う。だって…回想だったけど、魔力による威圧感がはっきりと伝わった。そこまで正確に憶えているなんて…。多分、すごいんだ。
「昔は私の弟子だったのになぁ…気づかぬ内に抜かれちゃったわ。あはは…悲しいわねぇ…。頑張って覚えてた、私独自の魔法はあの子、全部覚えちゃったし、しかもちゃっかり改造してたし…」
「だけどな。剣術に関してはダメダメだったよな。まったく覚えれなかったどころか覚える気もなかったよな」
えぇ…剣術とか使いやすくない?なんで覚える気ないのかなぁ…リナさんって魔法使いがいいのかな?
「本人曰く、昔からそんな運動系は苦手なんだとよ」
「そうなんですか…えっと…」
「アストロ・ブァレスだ。アストでいい」
男性、アストさんはそう名乗った。そして、女性の方も。
「アリスタ・カーバリアグルよ。アリスで良いわよー」
アリス…不思議の国のアリス?
「まぁ、貴女が今、思っていることは多分…不思議の国のアリスを浮かべたわね?」
「えっ!?な、なんで分かったの!?」
…リナさんも心読んでたし…アリスさんも心を読むことができるのかな…。
「くくっ…違う違う。アリスに関しては、元々、俺らがテキトーに決めただけなんだ。リナが「あっ、不思議の国のアリス!?」って言ったのが始まりだな」
そうアストさんは言った。
ん?…てか…老人…?老人って見た目じゃない…よね?
『クレア、二人の姿に惑わされるんじゃないぞ。あんな見た目でも年齢は80超えじゃからの』
「えっ?本当に80超えなの?」
えぇぇぇぇ…?この見た目が80…?あっ、エルフって可能性が…。
「「ないぞ(わよ)」」
アストさん、アリスさん。否定しないで!あと心を読まないで!
「私たち蚊帳の外だねー」
「…かやのそとー?なにそれー」
「蚊帳の外ってのは話に入れないことを言うんですよー」
二人はなに呑気に話してんのよ!
「ふふっ、まぁ、実際は…知らないほうがいいわよ」
✽
言えるわけがない。だって…ただ、自分の実験ミスで若返ったなんて…ははは…いやー、あんなミスするなんて、私もまだまだね。
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「……巻き込まれたんだよなぁ…俺に関しては」
「あはは、なんのことカシラネー。ワタシゼンゼンワカラナイワー」
この人もユニーナと同類か…。
「……なんかとっても失礼なことを思われた気がするわ?ユニーナさんと一緒にされた気が…」
「素晴らしいほど気のせいだよ」
「素晴らしいほど気のせいなの?」
そうそう素晴らしいほど気のせい気のせい。
「素晴らしいほど気のせいってなんだよ」
アストさん。そこを気にしちゃいけないって分からないかなー…。
私はにこにこ笑いながらアストさんに威圧する。
「おーい。ちびころ、威圧しようがお前の威圧じゃ怯みもせんぞー」
「……嫌味ですね。ホント、そんなところがリナさん嫌ってるんじゃないですか?」
アストさん。正味、この人、嫌いだなー。
「あっ、正解よ。よく分かったわね」
「やっぱりですか、多分、この人、デリカシーないことも言いますよね?」
私はアストさんに聞こえないとおもわれるぐらいの大きさでアリスさんに耳打ちした。
「聞こえてるわ。堂々と悪口言いやがって」
すこし不満そうにつぶやかないでください。別に可愛くもありません。アストさん。
「なんか辛辣なこと思われてない?絶対に思ってるよな?」
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