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回想録8
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フクロウの何か問うような目を見つめながら、私は黙って帽子を脱ぎます。
思わず帽子を胸元に置きそうになりましたが、慌てて降ろします。気を抜くなと、フクロウはそれを教えてくれたのでしょう。身なりのいい執事がそんな私を見て少し口角が上がった様な気もしました。
招かれた玄関ホールは何本もの蝋燭によって明るく照らされるも、飾られた家紋入りのタペストリーが並ぶ廊下が品を表します。
比較してはいけないと思いながらも、バルビエ侯爵のお屋敷とは全く違いました。
もしかしたら、招かれたあのお屋敷はただの別邸で、バルビエ侯爵の城はまた別なのかもしれません。
真っ赤な絨毯の端をあまり歩かないように、執事の後を追います。廊下に飾られた肖像画や調度品なんかは夫人のセンスでしょうか。
キョロキョロしてはいけませんが、目に入れておくようにしておかなければなりません。
「こちらで少々お待ちください。」と控え室に案内されました。
完璧とまでは言えませんが、なんとか失礼のないようにここまでたどり着く事ができました。
今まで夜会やサロンには出入りしておりましたが、ここまでされるのは初めてですし、そんなに威圧的なものでもありませんでした。
案内されたお部屋は質素なものでしたが、招待客をもてなす茶菓子が置いてあるのを見ると、少なくとも邪険にされてはないようです。
「時間まで、お茶をお召し上がりください。」と、香り豊かな紅茶まで注いでくれました。
「ごゆっくりどうぞ。」
「メ、Merci(ありがとう)」と小さく答えました。聞こえていただろうかと不安にはなりましたが、聞き取ってくれたようで執事は微笑んで返し、部屋の隅に向かいました。
晩餐会のお客は私だけなのでしょうか?それとも他にいるのかは不明です。
不安を抑える為にお茶とお茶菓子で気持ちを落ちつけさせます。茶菓子は私の大好物なフィナンシェでした。
アーモンドを食べて、紅茶を飲むとその香りがより一層引き立ちます。
視界にいる執事が黙って私の様子を見ていますが、フクロウが侯爵家なら、彼は夜のミミズクのようだと思いましょう。
お茶を飲みきる頃、ノック音がしました。先に執事が確認し、誰かと話すと、私の方へ来ました。
「ダントン様、大変お待たせしました。準備が整いましたので、こちらへどうぞ。」
先程と同様執事の後へついてまいります。
途中に飾られてある鎧は年期が入っているのか所々黒ずんでおりました。
1歩進むたびにほんの少しだけ鎧のデザインが古くなっていきます。
それだけこの家の歴史を感じることができますが、今はその余韻に浸る暇はありません。
ジワッと手に汗が出て、顔がほてり始めます。歩く廊下があと数インチ長かったら、この短い距離で滝汗をかき、おろしたての燕尾服も何もかもめちゃくちゃだったと思います。
「こちらが今夜の晩餐会場となります。」
思わず帽子を胸元に置きそうになりましたが、慌てて降ろします。気を抜くなと、フクロウはそれを教えてくれたのでしょう。身なりのいい執事がそんな私を見て少し口角が上がった様な気もしました。
招かれた玄関ホールは何本もの蝋燭によって明るく照らされるも、飾られた家紋入りのタペストリーが並ぶ廊下が品を表します。
比較してはいけないと思いながらも、バルビエ侯爵のお屋敷とは全く違いました。
もしかしたら、招かれたあのお屋敷はただの別邸で、バルビエ侯爵の城はまた別なのかもしれません。
真っ赤な絨毯の端をあまり歩かないように、執事の後を追います。廊下に飾られた肖像画や調度品なんかは夫人のセンスでしょうか。
キョロキョロしてはいけませんが、目に入れておくようにしておかなければなりません。
「こちらで少々お待ちください。」と控え室に案内されました。
完璧とまでは言えませんが、なんとか失礼のないようにここまでたどり着く事ができました。
今まで夜会やサロンには出入りしておりましたが、ここまでされるのは初めてですし、そんなに威圧的なものでもありませんでした。
案内されたお部屋は質素なものでしたが、招待客をもてなす茶菓子が置いてあるのを見ると、少なくとも邪険にされてはないようです。
「時間まで、お茶をお召し上がりください。」と、香り豊かな紅茶まで注いでくれました。
「ごゆっくりどうぞ。」
「メ、Merci(ありがとう)」と小さく答えました。聞こえていただろうかと不安にはなりましたが、聞き取ってくれたようで執事は微笑んで返し、部屋の隅に向かいました。
晩餐会のお客は私だけなのでしょうか?それとも他にいるのかは不明です。
不安を抑える為にお茶とお茶菓子で気持ちを落ちつけさせます。茶菓子は私の大好物なフィナンシェでした。
アーモンドを食べて、紅茶を飲むとその香りがより一層引き立ちます。
視界にいる執事が黙って私の様子を見ていますが、フクロウが侯爵家なら、彼は夜のミミズクのようだと思いましょう。
お茶を飲みきる頃、ノック音がしました。先に執事が確認し、誰かと話すと、私の方へ来ました。
「ダントン様、大変お待たせしました。準備が整いましたので、こちらへどうぞ。」
先程と同様執事の後へついてまいります。
途中に飾られてある鎧は年期が入っているのか所々黒ずんでおりました。
1歩進むたびにほんの少しだけ鎧のデザインが古くなっていきます。
それだけこの家の歴史を感じることができますが、今はその余韻に浸る暇はありません。
ジワッと手に汗が出て、顔がほてり始めます。歩く廊下があと数インチ長かったら、この短い距離で滝汗をかき、おろしたての燕尾服も何もかもめちゃくちゃだったと思います。
「こちらが今夜の晩餐会場となります。」
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