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回想録12
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「その場に私も同席したかったよ。今度、また機会を伺って父に出しておこう。」
足をさらにバタつかせてはしゃいでる。相当嬉しかったのでしょう。
「今度はなにをしようかな。タコを食べる地域もあるみたいだから…いやシェフが嫌がるかな?」
……次も何か考えている様です。聞かなかった事にしましょう。
「ところでダントン、父とはどんな会話をしたの?」
「い、いえ、特に特別な会話もなく…ただ、医学論文について少々…」
怒らせたかもしれないとは言えませんでした。
「なんて答えたの?」
「あー……クレマン医師の人体解剖学について…ほんのちょっとだけ。」
「クレマン医師て、あの時々馬鹿げた論文書いてるアレ?」
「……えぇ、まぁ。」
「ぷっ、あっはっは!!!!本当に!?ふふ…」
もし、ここに侍女のエマ様がいたら、卒倒するでしょう。
「信じられない…まさか、あのクレマンを…ふふ…」
しばらく彼女は笑いを抑えれる事はできず、時折零れる笑い声を出しては落ち着かせを繰り返しておりました。
呼吸を整え、ようやく落ち着きを取り戻したマルグリット嬢は話始めました。
「父はね、あのクレマン医師の論文が好きなんだよ。時々、あぁも馬鹿げた論文を書くけども、解剖学に関しては素晴らしいんだ。」
晩餐会で侯爵閣下が言った言葉を思い出します。
――クレマン医師は悪くはない医者だからな。
肩の荷が降りたかのように、私は呆気にとられました。しかし何故、早足に食事を切り上げたのでしょうか?
「マルグリット嬢、侯爵閣下は…クレマン医師の話を聞いてすぐに食事を終えられました…。」
「ん?懐中時計を見てなかった?」
「えぇ、ですが、それは恐らく…私を家に返すか返さないかの時間の判断かと思いまして…。」
晩餐会は遅く終わることもあります。
道中決して安全とも言えません。侯爵閣下としては気を使うための時間だと思いました。
しかし、マルグリット嬢はすぐに否定しました。
「違うよ、ダントン。本当は父ももっと話したいんだけども、夜の研究が待ってるんだ。」
研究…ですか。たしかにこの家系なら、有り得る事でしょう。ですが、侯爵の家長という立場で許される立場なのでしょうか。
「学びは止めてはならぬ。我が家の家訓の一つだからね。」
私の考えを見透かしたかのように彼女は言いました。
おそらく、私以外にも同じような考えや、もしくは直接聞いてきた者もいたのでしょう。
「社交界よりも研究を――。
叡智を求める者を、拒んではならぬ。」
本当にこの一族らしい考えです。
知識だけなら未熟、知恵だけなら保守的……叡智はその頂きと言ったところでしょうか。
その学びは多岐に渡ります。ありとあらゆる…それこそ世界中の叡智を彼らは求めているのでしょう。
それこそ貴族の命綱と過言ではない社交界よりも自身の研究を選ぶのです。
晩餐会場に飾られた、蛇にそそのかされたアダムとイブが禁断の果実に手を付ける絵画。
改めてあの絵の意味を考えさせられました。
「――…マルグリット嬢はなにを学んでいるのですか?」
「私?」
「えぇ。マルグリット嬢も何か、されているのかと思ってます。」
「……うーん。なんだろう。」
意外にも彼女はすぐに答えられない様でした。
「……全て、かな。」
「と、言いますと?」
「父はひとつの事を極めようとしてるけども、私はありとあらゆる事…全てを知りたいんだ。」
パシャリと噴水に手を入れるマルグリット嬢。
「幼い頃、まだ伯父が生きてた頃。
伯父は侯爵家の跡取りという立場にも関わらず、冒険家になりたい夢を捨てきれなかったんだ。」
足をさらにバタつかせてはしゃいでる。相当嬉しかったのでしょう。
「今度はなにをしようかな。タコを食べる地域もあるみたいだから…いやシェフが嫌がるかな?」
……次も何か考えている様です。聞かなかった事にしましょう。
「ところでダントン、父とはどんな会話をしたの?」
「い、いえ、特に特別な会話もなく…ただ、医学論文について少々…」
怒らせたかもしれないとは言えませんでした。
「なんて答えたの?」
「あー……クレマン医師の人体解剖学について…ほんのちょっとだけ。」
「クレマン医師て、あの時々馬鹿げた論文書いてるアレ?」
「……えぇ、まぁ。」
「ぷっ、あっはっは!!!!本当に!?ふふ…」
もし、ここに侍女のエマ様がいたら、卒倒するでしょう。
「信じられない…まさか、あのクレマンを…ふふ…」
しばらく彼女は笑いを抑えれる事はできず、時折零れる笑い声を出しては落ち着かせを繰り返しておりました。
呼吸を整え、ようやく落ち着きを取り戻したマルグリット嬢は話始めました。
「父はね、あのクレマン医師の論文が好きなんだよ。時々、あぁも馬鹿げた論文を書くけども、解剖学に関しては素晴らしいんだ。」
晩餐会で侯爵閣下が言った言葉を思い出します。
――クレマン医師は悪くはない医者だからな。
肩の荷が降りたかのように、私は呆気にとられました。しかし何故、早足に食事を切り上げたのでしょうか?
「マルグリット嬢、侯爵閣下は…クレマン医師の話を聞いてすぐに食事を終えられました…。」
「ん?懐中時計を見てなかった?」
「えぇ、ですが、それは恐らく…私を家に返すか返さないかの時間の判断かと思いまして…。」
晩餐会は遅く終わることもあります。
道中決して安全とも言えません。侯爵閣下としては気を使うための時間だと思いました。
しかし、マルグリット嬢はすぐに否定しました。
「違うよ、ダントン。本当は父ももっと話したいんだけども、夜の研究が待ってるんだ。」
研究…ですか。たしかにこの家系なら、有り得る事でしょう。ですが、侯爵の家長という立場で許される立場なのでしょうか。
「学びは止めてはならぬ。我が家の家訓の一つだからね。」
私の考えを見透かしたかのように彼女は言いました。
おそらく、私以外にも同じような考えや、もしくは直接聞いてきた者もいたのでしょう。
「社交界よりも研究を――。
叡智を求める者を、拒んではならぬ。」
本当にこの一族らしい考えです。
知識だけなら未熟、知恵だけなら保守的……叡智はその頂きと言ったところでしょうか。
その学びは多岐に渡ります。ありとあらゆる…それこそ世界中の叡智を彼らは求めているのでしょう。
それこそ貴族の命綱と過言ではない社交界よりも自身の研究を選ぶのです。
晩餐会場に飾られた、蛇にそそのかされたアダムとイブが禁断の果実に手を付ける絵画。
改めてあの絵の意味を考えさせられました。
「――…マルグリット嬢はなにを学んでいるのですか?」
「私?」
「えぇ。マルグリット嬢も何か、されているのかと思ってます。」
「……うーん。なんだろう。」
意外にも彼女はすぐに答えられない様でした。
「……全て、かな。」
「と、言いますと?」
「父はひとつの事を極めようとしてるけども、私はありとあらゆる事…全てを知りたいんだ。」
パシャリと噴水に手を入れるマルグリット嬢。
「幼い頃、まだ伯父が生きてた頃。
伯父は侯爵家の跡取りという立場にも関わらず、冒険家になりたい夢を捨てきれなかったんだ。」
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