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プロローグ
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横スライドのドアを開けようと手を伸ばした。
その瞬間勝手にドアが動いた。
どうやら自動ドアだったらしい。
なんだ。
開けなくてよかったじゃん。
そう思ったら目の前に人が居た。
こちらを見て驚く白衣の女性だ。
同い年ぐらいの色白で白髪の美人だった。
「うわっ!びっくりした!遅いじゃない。早く座って」
女性は驚いたと自己申告すると席を薦めてきた。
白衣だから女医さんだろうか。
薦められるがままに椅子に座る。
白いこと以外はなんの変哲もないキャスターつきの椅子だ。
座面は丸く背もたれはなし。
いわゆる診察室の椅子。
椅子に座って女医さんの方を見るとやっぱり白かった。
白衣はもちろんのこと壁、パソコン、机、後ろの手洗い場、女医さんの持ってるバインダー、果ては女医さんの自身まで白かった。
目は親しみのあるブルネットだったが。
女医さんの見た目は同年代。
容姿はヨーロッパ系のアルビノの人に見えるが目だけが黒い。
遺伝の法則を無視した不思議な人だ。
「あなたは神を信じる?」
「はぁ」
「そう」
唐突におかしなことを聞いた女医さんに生返事を返す。
が女医さんは納得したようにうなずくと手元のバインダーになにやら書きこんだ。
手の動きを見るに丸だろうか?
いや。
俺わけわかんなくて生返事したんだけど。
神信じてるわけじゃないから。
この人女医さんじゃなくて女医さんに扮した宗教家なのか?
それとも精神医学に基づくカウンセリングの一環なのか?
でも神を信じるかどうかなんておかしな項目カウンセリングにあるだろうか?
混乱していると女性はウンウンとうなずき次の質問をした。
「あなたが思う神使はなんですか?」
「紳士、ですか?」
「ええ、神使です」
紳士?
またおかしな質問がきた。
というより質問のジャンルが飛びすぎて彼女の意図がわからない。
神を信じるかの次は誰が紳士的かだぞ。
俺じゃなくても混乱するわ。
紳士的な人物なんて少なくとも俺の周りには存在しない。
例えば誰だ?
芸能人なんてずっとドラマとかバラエティー見てないからわからない。
あ。
そういえば好きで見てるドラマあったわ。
紳士の国で有名なドラマ。
その主演で監督を勤めたりする俳優さんはどうだろうか。
共演者がとても紳士的だと言ってたし。
彼の出ていたラジオでもその人柄が垣間見えて好感が持てたし。
その紳士の国の俳優を挙げようとしたところで遮られた。
どうやら長く考えすぎたらしい。
しびれを切らしたのか女性が口を開いた。
「神使よ神使。神様のお使い。例えば八咫烏とか天使とか。そういう存在」
しんし?
ああ神使。
あのお狐さまとかそういう。
なるほど。
質問に一貫性があったわけだ。
つまりこの怪しい女性は宗教家のようだ。
だったら適当に答えればいいか。
近くの神社は神使が不明だからちょっと遠くの親しみやすい神使を答えてみる。
お揚げをお供えに持っていくあの神社のだ。
総本山や黄金の串かつ屋の方じゃない。
「でしたらお狐さまといいますかおいなりさんのイメージですね」
「お狐さま、ね。名前通りね」
そう言ってまた手元に書きこんでいる。
なんの参考にするんだろうか。
アンケートに参加する以上なにに使われるかは気になる。
「あの」
「なに?どうかした?」
「この結果はなにに使われるんでしょうか?」
「あなたがこれから行く先で使われるわ」
「これから行く先とはどこでしょう?」
「んー…一応あなたが必要とされる場所よ」
「必要とされる場所ですか」
「そう。必要とされる場所。次の質問いい?」
「あ、はい。どうぞ」
「あなたは魔法とはなんだと思う?」
は?
魔法?
その瞬間勝手にドアが動いた。
どうやら自動ドアだったらしい。
なんだ。
開けなくてよかったじゃん。
そう思ったら目の前に人が居た。
こちらを見て驚く白衣の女性だ。
同い年ぐらいの色白で白髪の美人だった。
「うわっ!びっくりした!遅いじゃない。早く座って」
女性は驚いたと自己申告すると席を薦めてきた。
白衣だから女医さんだろうか。
薦められるがままに椅子に座る。
白いこと以外はなんの変哲もないキャスターつきの椅子だ。
座面は丸く背もたれはなし。
いわゆる診察室の椅子。
椅子に座って女医さんの方を見るとやっぱり白かった。
白衣はもちろんのこと壁、パソコン、机、後ろの手洗い場、女医さんの持ってるバインダー、果ては女医さんの自身まで白かった。
目は親しみのあるブルネットだったが。
女医さんの見た目は同年代。
容姿はヨーロッパ系のアルビノの人に見えるが目だけが黒い。
遺伝の法則を無視した不思議な人だ。
「あなたは神を信じる?」
「はぁ」
「そう」
唐突におかしなことを聞いた女医さんに生返事を返す。
が女医さんは納得したようにうなずくと手元のバインダーになにやら書きこんだ。
手の動きを見るに丸だろうか?
いや。
俺わけわかんなくて生返事したんだけど。
神信じてるわけじゃないから。
この人女医さんじゃなくて女医さんに扮した宗教家なのか?
それとも精神医学に基づくカウンセリングの一環なのか?
でも神を信じるかどうかなんておかしな項目カウンセリングにあるだろうか?
混乱していると女性はウンウンとうなずき次の質問をした。
「あなたが思う神使はなんですか?」
「紳士、ですか?」
「ええ、神使です」
紳士?
またおかしな質問がきた。
というより質問のジャンルが飛びすぎて彼女の意図がわからない。
神を信じるかの次は誰が紳士的かだぞ。
俺じゃなくても混乱するわ。
紳士的な人物なんて少なくとも俺の周りには存在しない。
例えば誰だ?
芸能人なんてずっとドラマとかバラエティー見てないからわからない。
あ。
そういえば好きで見てるドラマあったわ。
紳士の国で有名なドラマ。
その主演で監督を勤めたりする俳優さんはどうだろうか。
共演者がとても紳士的だと言ってたし。
彼の出ていたラジオでもその人柄が垣間見えて好感が持てたし。
その紳士の国の俳優を挙げようとしたところで遮られた。
どうやら長く考えすぎたらしい。
しびれを切らしたのか女性が口を開いた。
「神使よ神使。神様のお使い。例えば八咫烏とか天使とか。そういう存在」
しんし?
ああ神使。
あのお狐さまとかそういう。
なるほど。
質問に一貫性があったわけだ。
つまりこの怪しい女性は宗教家のようだ。
だったら適当に答えればいいか。
近くの神社は神使が不明だからちょっと遠くの親しみやすい神使を答えてみる。
お揚げをお供えに持っていくあの神社のだ。
総本山や黄金の串かつ屋の方じゃない。
「でしたらお狐さまといいますかおいなりさんのイメージですね」
「お狐さま、ね。名前通りね」
そう言ってまた手元に書きこんでいる。
なんの参考にするんだろうか。
アンケートに参加する以上なにに使われるかは気になる。
「あの」
「なに?どうかした?」
「この結果はなにに使われるんでしょうか?」
「あなたがこれから行く先で使われるわ」
「これから行く先とはどこでしょう?」
「んー…一応あなたが必要とされる場所よ」
「必要とされる場所ですか」
「そう。必要とされる場所。次の質問いい?」
「あ、はい。どうぞ」
「あなたは魔法とはなんだと思う?」
は?
魔法?
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