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Ceci n'est pas une rêve.(これは夢ではない)
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外に居た2人に案内されて用を足したあと。
また2人に誘導されて部屋にもどってきた。
2人は部屋につくと俺にドアを開いてくれた。
でも。
そのままドアは閉じられた。
カリャリ。
閉じられたドアが。
独特の重苦しい雰囲気をかもしだす。
まるで閉じ込められているような。
そんな感覚に陥る。
はぁ。
緊張で強張った体をほぐしたくてため息をついてみる。
まだ固まったままだ。
背中を伸ばすように伸びをして。
後ろにそって。
ちょっとだけ体がほぐれた気がした。
この後どうしたらいいかわからなくて。
その場で立ちつくす。
すると。
シーンという耳が痛くなるような耳鳴りがしてくる。
このドアの向こうに兵士が2人。
赤毛にライムグリーンの瞳のとっつきやすそうな先輩兵士に群青色の髪と紺碧の瞳を持つ真面目そうな後輩兵士。
どちらも俺が相手にするには分が悪い。
別に逃げたいわけじゃないけど。
閉じ込められてると思うと外に出たくなる。
人間の性だ。
神経質にゆらりゆらりと動く尻尾が。
足元の絨毯を掃除する。
床を掃くほうきにはなりたくないので慌てて尻尾を掴んで止める。
床を掃除してしまったせいで。
毛先がボサボサになっていた。
急いで手櫛でととのえる。
なんとかグチャグチャの毛並みはなおった気がする。
よし。
と思ったところで軟禁されたかもしれない問題が再燃する。
気分は看守に監視される囚人だ。
イケメン看守とか《カルメン》かよ。
《カルメン》の場合護送官か。
まあ歌手によってはイケメンとは限らないけど。
でもだいたいテノール歌手イケメンなんだよな。
ムカつくことに。
これで外の2人がヤンデレだったら完璧だな。
《カルメン》ってカルメンがヤンデレ護送官引っ掛けて。
みごと逃げおおせたけど。
最終的にヤンデレ執着護送官に殺されるって話だからな。
あー。
なんか《ハバネラ》聞きたくなってきた。
《ハバネラ》はオペラの中でもかなり有名な歌だ。
曲名は知らずとも。
CMで一度は聞いたことがある。
そんなアリアだ。
アリアとはオペラの独唱曲のこと。
ただ《ハバネラ》は正確に言えば1人だけで歌うわけではないがアリアに分類されている。
メイン以外はコーラスだからだ。
ジプシーの女カルメンが問題を起こし投獄されることになった。
カルメンは脱走するために護送官を誘惑する。
その場面の曲だ。
妖艶な仕草で歌い上げるこの曲はオペラ《カルメン》の代名詞と言うべき曲だ。
ソプラノ歌手が歌いたい花形の曲と言えるだろう。
あー聞きたい。
でも。
CDプレーヤーもなければスマホもなくスマートスピーカーもない。
聞く手段がない。
もう自分で鼻歌歌うしかないか。
すぅと息をすって。
『らーむーえあのわぞー』
え!
声が出た!
ハバネラ歌ったら声が出た!!!
そういえば。
俺声でないのに歌おうとしてたな。
アホだー。
まあいいや。
なんか歌詞が舌ったらずだって?
うろ覚えフランス語だから仕方ないんだよ。
え?
本当に声出た?
もう一度歌ってみる。
『らーむーえあのわぞーるべる くにゅいねぷ あぷりーう゛ぉあぜ』
本当に出てる!
わ!
やった!
治った!
声出ないのやっと治った!
あれ?
やっぱり出ない。
治った!って叫んだのに。
出たのは空気だけ。
おかしい。
ハバネラ歌ったときは声が出てたのに。
どういうことだ?
歌うときだけ声が出るのか?
それともオペラ歌った時だけ?
うーん。
検証してみよう。
《ハバネラ》つながりで《CHICAGO》なんかどうだろう。
あの人殺しと悪徳弁護士の悪辣ショー。
幕開けの曲。
《All That Jazz》なんかいいと思う。
吸ってー。
吐いて。
それに合わせて手を上下に動かして。
歌い出す。
やっぱり。
声が出た。
歌をうたう時には声が出るようだ。
どうなってるんだ俺の喉。
さっきと同じように手を上下に一振り。
右足を横にひらき。
そのまま右脚をまげながらももをなでる。
《All That Jazz》の振り付けだ。
気分は一人カラオケ。
とはいえヒトカラなんてしたことないけど。
まあそんな気分ってこと。
妹と浮気した夫を両方殺害した女。
その女が裁判を有利に運ぶために。
ステージに立って脚光をあびる。
そんな場面だ。
日本じゃありえないが。
アメリカじゃ有名人なら陪審員が無罪判定を下してくれる。
かなり真っ黒くろすけな犯人であっても。
有名人なら無罪になれる。
有名なバスケットボールプレーヤーや俳優がいい例だ。
それがアメリカだった。
いや。
今もそういう気質が根強く残っているかもしれない。
歌い終わりに近づき盛り上がる場所がある。
そこをバスで歌う。
声楽の音域は下からバス、バリトン、テノール、アルト、メゾソプラノ、ソプラノ。
俺は男声で。
しかもバスだからアルトのキーがうまく歌えない。
まあカンタンテぐらいだから。
アルトは出せなくもない音域のはずなんだがなー。
ようはめっちゃ低い声でジャズっぽく。
ノリノリで歩きながら気持ちよく。
《All That Jazz》歌っていた。
適当なふりつけのダンスもどきを添えて。
その時。
《All That Jazz》の歌詞がないのは著作権の関係です。
豊見の歌う音域は今は一番高いバスですが、元はハイ・バリトンでした。
太ったせいと年とったせいで声が低くなったんです。
また2人に誘導されて部屋にもどってきた。
2人は部屋につくと俺にドアを開いてくれた。
でも。
そのままドアは閉じられた。
カリャリ。
閉じられたドアが。
独特の重苦しい雰囲気をかもしだす。
まるで閉じ込められているような。
そんな感覚に陥る。
はぁ。
緊張で強張った体をほぐしたくてため息をついてみる。
まだ固まったままだ。
背中を伸ばすように伸びをして。
後ろにそって。
ちょっとだけ体がほぐれた気がした。
この後どうしたらいいかわからなくて。
その場で立ちつくす。
すると。
シーンという耳が痛くなるような耳鳴りがしてくる。
このドアの向こうに兵士が2人。
赤毛にライムグリーンの瞳のとっつきやすそうな先輩兵士に群青色の髪と紺碧の瞳を持つ真面目そうな後輩兵士。
どちらも俺が相手にするには分が悪い。
別に逃げたいわけじゃないけど。
閉じ込められてると思うと外に出たくなる。
人間の性だ。
神経質にゆらりゆらりと動く尻尾が。
足元の絨毯を掃除する。
床を掃くほうきにはなりたくないので慌てて尻尾を掴んで止める。
床を掃除してしまったせいで。
毛先がボサボサになっていた。
急いで手櫛でととのえる。
なんとかグチャグチャの毛並みはなおった気がする。
よし。
と思ったところで軟禁されたかもしれない問題が再燃する。
気分は看守に監視される囚人だ。
イケメン看守とか《カルメン》かよ。
《カルメン》の場合護送官か。
まあ歌手によってはイケメンとは限らないけど。
でもだいたいテノール歌手イケメンなんだよな。
ムカつくことに。
これで外の2人がヤンデレだったら完璧だな。
《カルメン》ってカルメンがヤンデレ護送官引っ掛けて。
みごと逃げおおせたけど。
最終的にヤンデレ執着護送官に殺されるって話だからな。
あー。
なんか《ハバネラ》聞きたくなってきた。
《ハバネラ》はオペラの中でもかなり有名な歌だ。
曲名は知らずとも。
CMで一度は聞いたことがある。
そんなアリアだ。
アリアとはオペラの独唱曲のこと。
ただ《ハバネラ》は正確に言えば1人だけで歌うわけではないがアリアに分類されている。
メイン以外はコーラスだからだ。
ジプシーの女カルメンが問題を起こし投獄されることになった。
カルメンは脱走するために護送官を誘惑する。
その場面の曲だ。
妖艶な仕草で歌い上げるこの曲はオペラ《カルメン》の代名詞と言うべき曲だ。
ソプラノ歌手が歌いたい花形の曲と言えるだろう。
あー聞きたい。
でも。
CDプレーヤーもなければスマホもなくスマートスピーカーもない。
聞く手段がない。
もう自分で鼻歌歌うしかないか。
すぅと息をすって。
『らーむーえあのわぞー』
え!
声が出た!
ハバネラ歌ったら声が出た!!!
そういえば。
俺声でないのに歌おうとしてたな。
アホだー。
まあいいや。
なんか歌詞が舌ったらずだって?
うろ覚えフランス語だから仕方ないんだよ。
え?
本当に声出た?
もう一度歌ってみる。
『らーむーえあのわぞーるべる くにゅいねぷ あぷりーう゛ぉあぜ』
本当に出てる!
わ!
やった!
治った!
声出ないのやっと治った!
あれ?
やっぱり出ない。
治った!って叫んだのに。
出たのは空気だけ。
おかしい。
ハバネラ歌ったときは声が出てたのに。
どういうことだ?
歌うときだけ声が出るのか?
それともオペラ歌った時だけ?
うーん。
検証してみよう。
《ハバネラ》つながりで《CHICAGO》なんかどうだろう。
あの人殺しと悪徳弁護士の悪辣ショー。
幕開けの曲。
《All That Jazz》なんかいいと思う。
吸ってー。
吐いて。
それに合わせて手を上下に動かして。
歌い出す。
やっぱり。
声が出た。
歌をうたう時には声が出るようだ。
どうなってるんだ俺の喉。
さっきと同じように手を上下に一振り。
右足を横にひらき。
そのまま右脚をまげながらももをなでる。
《All That Jazz》の振り付けだ。
気分は一人カラオケ。
とはいえヒトカラなんてしたことないけど。
まあそんな気分ってこと。
妹と浮気した夫を両方殺害した女。
その女が裁判を有利に運ぶために。
ステージに立って脚光をあびる。
そんな場面だ。
日本じゃありえないが。
アメリカじゃ有名人なら陪審員が無罪判定を下してくれる。
かなり真っ黒くろすけな犯人であっても。
有名人なら無罪になれる。
有名なバスケットボールプレーヤーや俳優がいい例だ。
それがアメリカだった。
いや。
今もそういう気質が根強く残っているかもしれない。
歌い終わりに近づき盛り上がる場所がある。
そこをバスで歌う。
声楽の音域は下からバス、バリトン、テノール、アルト、メゾソプラノ、ソプラノ。
俺は男声で。
しかもバスだからアルトのキーがうまく歌えない。
まあカンタンテぐらいだから。
アルトは出せなくもない音域のはずなんだがなー。
ようはめっちゃ低い声でジャズっぽく。
ノリノリで歩きながら気持ちよく。
《All That Jazz》歌っていた。
適当なふりつけのダンスもどきを添えて。
その時。
《All That Jazz》の歌詞がないのは著作権の関係です。
豊見の歌う音域は今は一番高いバスですが、元はハイ・バリトンでした。
太ったせいと年とったせいで声が低くなったんです。
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