禁書館の魔導師は、万年2位の恋を綴る

秋津冴

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第二話 禁書館ライフ

事件の余波

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「お願いですから、そこから飛び降りないでください! 絶対にダメです! 死んでしまいます!」
 学園祭襲撃事件から三日後。私は保健室で目を覚ました翌日、再び全力でアーガムを止めようとしていた。
 場所は学園の魔法訓練場。五階建ての建物の屋上。
「大丈夫だって! 俺、高いところから落ちても平気だし!」
 アーガムは屋上の縁に立って、下を覗き込んでいた。
「平気なわけないでしょう! ここ、地上から20メートル以上ありますよ!?」
「でも、この前も三階から落ちたけど、ちょっと痛かっただけだし」
「ちょっとじゃないです! 普通の人なら大怪我です!」
 事の発端は、魔法訓練場の屋上に迷い込んだ子猫だった。
「でも、あの子猫、助けないと」
 アーガムが指差す先には、確かに小さな子猫がいた。屋上の端で、怯えて鳴いている。
「ニャー、ニャー」
「だからって、飛び降りて助けるのは違います! 普通に階段で行けばいいでしょう!」
「でも、時間かかるだろ? こっちの方が速いし」
「速い遅いの問題じゃありません!」
 私は頭を抱えた。
 この人は、本当に自分の安全というものを全く考えていない。
「じゃあ、どうすんだよ?」
「私が魔法で助けます」
「お前、まだ魔力回復してないんだろ?」
「このくらいなら大丈夫です」
 私は子猫に向かって魔法を唱えた。
「《風よ、優しく運べ――ジェントル・ウィンド》」
 柔らかな風が子猫を包み込み、ゆっくりと私たちの方へ運んでくる。
「ニャー?」
 子猫は不思議そうに鳴きながら、私の腕の中に収まった。
「ほら、これで解決です」
「おお、すげえ! やっぱお前、魔法上手いな!」
 アーガムが感心していた。
「当たり前です。あなたみたいに無茶なことはしません」
「ちぇ、つまんねえの」
 彼は屋上の縁から降りた。
 私はほっと息をついた。
「本当に……心配させないでください」
「悪い悪い。でも、お前が心配してくれるの、嬉しいぞ」
「嬉しいじゃないです! 護衛対象が危険なことをしたら、私の責任問題になるんです!」
「そっか。まあ、気をつけるわ」
 アーガムは申し訳なさそうに頭を掻いた。
 子猫は私の腕の中で、気持ちよさそうに丸くなっていた。
「この子猫、どうしましょう」
「学園で飼えばいいんじゃね?」
「そんな簡単に……」
 その時、訓練場の扉が開いた。
「おや、君たちか」
 現れたのは学園長だった。
「学園長……」
「ちょうど良かった。二人に話がある。私の部屋に来てくれるか?」
「はい……」
 私たちは顔を見合わせた。
 学園祭襲撃の件だろう。

 学園長室には、既に何人かの教師が集まっていた。
 エルザ先生、ギルバート先生、そして他の主要科目の教師たち。
「では、始めよう」
 学園長が席に着いた。
「三日前の学園祭の夜、禁書館が襲撃された。ネイサ・フィルメント、アーガム・フォン・エルドリア、二人から詳しく話を聞きたい」
「はい」
 私は立ち上がって、事件の詳細を報告した。
 四人の黒ローブの侵入者。高位魔導士。古代魔法の使用。禁呪の書を狙っていたこと。
「古代魔法……それは確かか?」
 エルザ先生が聞いた。
「はい。『破壊の竜』という術式を使用しました」
「破壊の竜……」
 学園長が眉をひそめた。
「それは、千年前に封印されたはずの魔法だ。誰がそんなものを……」
「分かりません。でも、相当な知識を持った者であることは確かです」
「侵入者たちは、全員逃亡したのか?」
「はい。転移魔法で」
「そうか……」
 学園長は腕を組んだ。
「これは、想像以上に深刻な事態だ」
 教師たちがざわめいた。
「学園長、これは王宮に報告すべきでは?」
「既に報告済みだ。王宮からも調査団が派遣される予定だ」
「しかし、なぜ禁呪の書を?」
「それが分かれば、苦労しない」
 ギルバート先生が唸った。
「禁呪は、使用すれば使用者も破滅する。まともな魔導士なら、手を出さない」
「つまり、侵入者たちは正気ではない、と?」
「もしくは、何か別の目的があるのかもしれん」
 教師たちの議論が続いた。
 私は黙って聞いていたが、一つの結論に達していた。
 オルビス。
 彼が黒幕である可能性が極めて高い。
 でも、証拠がない。
「ネイサ、アーガム」
 学園長が私たちを呼んだ。
「はい」
「君たちは、よく戦ってくれた。感謝する」
「いえ……」
「そして、今後も君たちに禁書館を守ってもらいたい」
 学園長は真剣な表情で言った。
「ただし、条件がある」
「条件……ですか?」
「ああ。君たちを、正式に『禁書館の守護者』として任命する」
「守護者……」
「これは、学園の公式な役職だ。禁書館の警備、管理、そして防衛を任せる」
 学園長は二つの徽章を取り出した。
 銀色の盾の形をした徽章。中央には、本と剣が交差したデザインが刻まれている。
「これが守護者の証だ。身に着けなさい」
 私たちは徽章を受け取った。
 ずっしりと重い。
 責任の重さを感じる。
「守護者として、君たちには特別な権限が与えられる」
「権限……ですか?」
「ああ。禁書館への自由な出入り。全ての魔導書への アクセス権。そして、緊急時には学園の魔法防衛システムを起動する権限だ」
「そんな……」
 私は驚いた。
 それは、教師陣と同等の権限だ。
「我々は、君たちを信頼している」
 学園長が言った。
「特に、ネイサ。君の魔法の腕前は、教師陣も認めている」
「あ、ありがとうございます……」
「そして、アーガム王子。君の戦闘能力と不屈の精神は、まさに守護者に相応しい」
「へへ、どうも」
 アーガムが照れくさそうに笑った。
「ただし」
 学園長の声が厳しくなった。
「これは危険な任務だ。命を落とす可能性もある」
「覚悟はできています」
 私は即答した。
「俺もだ」
 アーガムも頷いた。
「よろしい。では、正式に任命する」
 学園長が立ち上がった。
「ネイサ・フィルメント、アーガム・フォン・エルドリア。二人を、禁書館の守護者に任命する」
 私たちも立ち上がって、一礼した。
「謹んでお受けします」

 会議が終わった後、私たちは廊下を歩いていた。
「守護者、か」
 アーガムが徽章を見つめていた。
「なんか、重い役職だな」
「そうですね……」
 私も自分の徽章を見た。
 これから、私たちは正式に禁書館を守る立場になる。
 責任は重い。
 でも――
「でも、やりがいはありそうだな」
 アーガムが笑った。
「お前と一緒なら、何でもできる気がする」
「私も……あなたと一緒なら、頑張れます」
 私は素直に答えた。
 アーガムは少し驚いたように私を見た。
「お前、たまにそういうこと言うよな」
「え?」
「いや、なんでもない」
 彼は照れくさそうに顔を背けた。
 その横顔を見て、私の胸が温かくなった。
 この人と一緒なら――
 どんな困難も、乗り越えられる気がした。

 その日の午後、禁書館の警備強化工事が始まった。
 学園長の指示で、追加の防御魔法陣が設置されることになったのだ。
「すげえな、これ」
 アーガムが工事の様子を見ていた。
 魔法陣の専門家たちが、壁や床に複雑な術式を刻んでいく。
「これで、侵入者を感知する精度が上がるらしいぞ」
「そうですね。でも……」
 私は不安だった。
「どうした?」
「いえ……前回の侵入者は、警報魔法を解除していました」
「そうだったな」
「つまり、相当な知識を持っている。今回の強化も、突破される可能性があります」
「じゃあ、どうすんだ?」
「私たちが、最後の砦です」
 私は拳を握った。
「魔法陣が破られても、私たちが守る。それしかありません」
「そうだな」
 アーガムも頷いた。
「なら、訓練しようぜ。もっと強くなろう」
「訓練……ですか?」
「ああ。お前の魔法と、俺の筋肉。もっと連携を磨けば、もっと強くなれる」
「そうですね……」
 私は考えた。
 確かに、前回の戦闘では息が合っていた。
 でも、もっと改善できる部分はある。
「じゃあ、明日から訓練しましょう」
「おう!」
 アーガムは嬉しそうに笑った。
 その笑顔を見て、私も笑顔になった。

 夕方、私は師匠に詳細な報告をしていた。
「守護者に任命された、と」
 師匠は興味深そうに言った。
「それは好都合だ。より深く禁書館に関われる」
「はい。でも、師匠……」
「何だ?」
「事態は、予想以上に深刻です」
 私は真剣な表情で言った。
「四人の高位魔導士。古代魔法の使用。そして、組織的な動き」
「組織……」
「はい。彼らは単独犯ではありません。何か大きな組織が背後にいます」
「その組織の目的は?」
「分かりません。でも、禁呪の書を狙っている。それは確かです」
 師匠は深く考え込んだ。
「禁呪の書……もしそれが悪用されれば、王国全体が危険に晒される」
「はい」
「ネイサ、お前の任務を追加する」
「はい」
「組織の正体を突き止めろ。そして、黒幕を見つけ出せ」
「承知しました」
 通信が切れようとした時、師匠が付け加えた。
「それと、ネイサ」
「はい?」
「無理はするな。お前の命も大切だ」
「……はい」
 通信が切れた。
 私は窓の外を見た。
 夕日が、美しかった。
 でも、その美しさの裏には――
 暗い影が潜んでいる。
 組織。
 黒幕。
 そして――
 オルビス。
 全ての謎を、解き明かさなければならない。

 翌日、昼休み。
 私が食堂で昼食を取っていると、突然人の気配を感じた。
「やあ、ネイサ」
 振り返ると、オルビスが立っていた。
 その後ろには、例の三人の側近――ラザール、セリーナ、ダミアン。
「オルビス様……」
「一緒に食事をしてもいいかな?」
「あ、はい……」
 私は緊張しながら頷いた。
 オルビスは優雅に席に座った。
「学園祭の襲撃、大変だったそうだね」
「はい……」
「弟から聞いたよ。君が素晴らしい活躍をしたと」
「いえ、そんな……」
「謙遜することはない。君は本当に優秀だ」
 オルビスは微笑んだ。
 でも――
 その笑顔が、どこか作り物のように見えた。
「弟が無事で、本当に良かった」
「はい……」
「もし君がいなければ、弟は……」
 オルビスは言葉を切った。
 まるで、本当に心配しているかのように。
 でも、私には分かる。
 この人は、演技をしている。
「ところで」
 オルビスが話題を変えた。
「侵入者たちは、何を狙っていたんだい?」
「……禁呪の書です」
「禁呪の書……」
 オルビスは少し考え込んだ。
 でも、その表情――
 既に知っているような顔だった。
「恐ろしいことだね。禁呪が悪用されれば、大惨事になる」
「はい……」
「学園長も、警備を強化するそうだね」
「はい。追加の魔法陣が設置されています」
「それは良かった」
 オルビスは満足そうに頷いた。
「でも、それでも不安だろう?」
「え?」
「侵入者は、また来るかもしれない」
「……そうですね」
「だから、私も協力したい」
 オルビスが身を乗り出した。
「生徒会として、何かできることはないか?」
「いえ、大丈夫です……」
 私は警戒した。
 この人に、禁書館の情報を与えるわけにはいかない。
「そうか……残念だ」
 オルビスは少し寂しそうな表情を見せた。
 でも――
 その目は、笑っていなかった。
「では、何かあったら遠慮なく言ってくれ」
「はい……」
 オルビスは立ち上がった。
「それでは、失礼する」
 彼は優雅に去っていった。
 側近たちも、無言で後に続いた。
 私は、彼らの背中を見送った。
 そして――確信した。
 オルビスが、黒幕だ。
 あの演技。
 あの不自然な笑顔。
 既に禁呪のことを知っているような反応。
 全てが、怪しい。
 でも――証拠がない。
 王子を疑うには、確固たる証拠が必要だ。
「ニャア」
 突然、足元から声がした。
 見ると、ランスがいた。
「ランス……」
「見てたぞ。オルビスとの会話」
「……そう」
「あいつ、完全にクロだな」
「でも、証拠がないの」
 私は溜息をついた。
「どうすればいいのか……」
「証拠を見つけるしかないだろ」
「それが難しいのよ。相手は王子。簡単に調査できない」
「じゃあ、泳がせるか」
「泳がせる?」
「ああ。あいつが次の手を打つまで待つ。そして、その時に証拠を掴む」
 ランスの提案に、私は考えた。
 確かに、それしかないかもしれない。
「分かったわ。慎重に、観察を続ける」
「気をつけろよ。相手も、お前を警戒してるはずだ」
「ええ」
 私は立ち上がった。
 昼休みが終わる。
 午後の授業に向かわなければ。
 でも――心の中には、不安が渦巻いていた。


 その日の夜、禁書館で勤務をしていた時だった。
「なあ、ネイサ」
 アーガムが話しかけてきた。
「はい?」
「お前、今日の昼、兄貴と話してたろ?」
「はい……」
 見られていたのか。
「何話してたんだ?」
「学園祭襲撃の件です」
「そっか」
 アーガムは少し考え込んだ。
「なあ、お前、兄貴のこと疑ってるだろ?」
「え……」
 私は驚いた。
「なんで、そう思うんですか?」
「だって、お前、兄貴といる時、すげえ警戒してるもん」
「それは……」
「俺、気付いてるんだ。お前が、兄貴を信用してないこと」
 アーガムは真剣な表情で言った。
「でも、なんで?」
「……言えません」
 私は答えられなかった。
 証拠がない以上、軽々しく疑いを口にするわけにはいかない。
「そっか」
 アーガムは少し寂しそうだった。
「まあ、お前には理由があるんだろうな」
「はい……」
「でも、一つだけ言わせてくれ」
「何ですか?」
「兄貴は、俺の家族なんだ」
 アーガムの声が、少し震えていた。
「昔から、兄貴には世話になった。俺が魔力が少なくて落ち込んでた時も、励ましてくれたのは兄貴だった」
「……」
「だから、兄貴を疑いたくない。でも――」
 アーガムは拳を握った。
「お前が疑ってるなら、何か理由があるんだろうな」
「アーガム様……」
「いいよ。今は言わなくても」
 アーガムは笑った。
「いつか、お前が話してくれる時が来るだろ」
「はい……」
 私は胸が痛んだ。
 彼を欺いている。
 年齢も、正体も、そして今、兄への疑いも。
 全てが、嘘の上に成り立っている。
 それでも――
「ネイサ」
「はい?」
「俺、お前を信じてるから」
 アーガムは真っ直ぐに私を見た。
「お前が疑うなら、何か理由があるんだろう。だから、俺もお前を信じる」
「……ありがとうございます」
 私は涙が出そうになった。
 この人は、なんて優しいんだろう。
 私を信じてくれる。
 欺いている私を。
 その優しさが――嬉しくて、そして苦しかった。


 勤務が終わり、寮に戻った。
 部屋でランスと話していた。
「アーガムに、オルビスへの疑いを感づかれたわ」
「そうか。で、どうした?」
「言えなかった。証拠がないから」
「それでいいんじゃないか?」
 ランスは尻尾を揺らした。
「でも、アーガムは……私を信じてくれた」
「いい奴だな、あの王子」
「ええ……本当に」
 私は窓の外を見た。
 星が、輝いている。
「ねえ、ランス」
「ん?」
「私、このままでいいのかしら」
「何が?」
「嘘をつき続けること。彼を欺き続けること」
 私は胸に手を当てた。
「いつか、真実を告げなければならない。その時、彼はどう思うのかしら」
「それは……分からないな」
 ランスは正直に答えた。
「でも、お前にできることは、今を精一杯生きることだろ」
「今を……」
「ああ。悩んでも仕方ない。未来のことは、未来の自分に任せろ」
 ランスの言葉に、少し救われた気がした。
「そうね……今は、彼を守ることに集中する」
「それでいい」
 ランスはあくびをした。
「じゃあ、寝るか。明日も忙しいぞ」
「そうね」
 私はベッドに横たわった。
 天井を見つめながら、考えた。
 これから、どうなるのだろう。
 オルビスは、次に何を仕掛けてくるのか。
 そして――私とアーガムの関係は、どうなっていくのか。
 全ての答えは、まだ見えない。
 でも、一つだけ確かなことがある。
 私は、彼を愛している。
 そして――
 彼を守り抜く。
 どんな困難が待ち受けていても。
 それが――私の、覚悟だ。

 翌朝、私は早起きして魔法訓練場に向かった。
 アーガムとの合同訓練の約束があったからだ。
「よお、ネイサ! 早いな!」
 既にアーガムが来ていた。
「おはようございます」
「おう。じゃあ、さっそく始めるか」
「はい」
 私たちは訓練を始めた。
 アーガムが攻撃役、私が防御と支援役。
 彼の突進に合わせて、私が魔法で敵の動きを封じる。
 何度も何度も、繰り返した。
「ふう……」
 一時間後、私たちは休憩を取った。
「お前の魔法、すげえ精密だな」
「あなたの動きも、予測しやすいです」
「それって、褒めてんのか?」
「褒めてます」
 私は笑った。
 アーガムも笑った。
 そして――
「なあ、ネイサ」
「はい?」
「俺たち、いいコンビだよな」
「そうですね」
「これからも、ずっと一緒に戦えるといいな」
 彼の言葉に、私の胸が痛んだ。
 ずっと一緒に――
 それは、叶わない願い。
 いつか、この任務は終わる。
 そして、私は彼の前から消える。
 でも――
「はい。ずっと一緒に、戦いましょう」
 私は嘘をついた。
 また、嘘を。
 でも――
 今は、それでいい。
 この瞬間を、大切にしたい。
 彼と一緒にいられる、この時間を。
 たとえ、それが嘘の上に成り立っていても。
 私は――彼を愛している。
 その気持ちだけは、本物だから。
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