237 / 422
囚われの姫君?
236話
しおりを挟む
帝城の中と外で大きな騒動になっている中で、当然のように帝城にメイドとして潜入していた二人のメイドも、それぞれに行動を開始していた。
……もっとも、鋼の蜘蛛に所属しているダーナの方は、レジスタンスとして一応の戦闘訓練を受けてはいるものの、それはあくまでも一応だ。
不意を突けば兵士の数人を倒すことも出来るかもしれないが、正面から戦えば兵士に何とか勝てるといった程度の実力でしかない。
ましてや、騎士を相手にした場合は不意を突いても倒すことは難しいだろう。
そんなダーナに対して、メライナは元々が探索者……それも実力ある探索者だ。
それこそ、騎士の数人を相手にしても正面から勝てる実力は持っていたし、不意を突いて攻撃することが出来れば、より多くの騎士を相手にしても倒せるだろう。
そういう意味では、実際に行動が起きた今の状況ではメライナの方が頼りになるのは間違いなかった。
とはいえ、メライナも色々と行動する必要がある以上、人手は幾らあっても足りない。
そんな訳で、今もまたメライナとダーナの二人は一緒に行動していた。
「それで、どうするの? 心核とアランのどっちを先に?」
「それはこっちの味方が到着してからでしょうね。ただ、出来る限り行動しやすいようにしておくに越したことはないわ」
二人揃って、廊下を走らない程度の早歩きしながら、そのように言葉を交わす。
普段であれば目立ったかもしれないが、今は周囲を同じように歩いているメイドも多いし、それどころか走り回っている兵士たちも多数いる。
だからこそ、二人のメイドが移動していても特に気が付く様子はない。
「行動しやすいようにって……何をするのよ?」
「簡単なことよ。鍵のかかっている門を開けたり、その側に兵士がいたらその兵士を倒して見えない場所に移動させたり」
「……簡単? 簡単って、一体何だっけ?」
メライナの言葉に、ダーナはそう呟く。
少なくても、ダーナにしてみればメライナの言ってること、そしてやろうとしていることは、とてもではないが簡単そうには思えない。
「簡単でしょ? ダーナだって兵士の一人や二人は不意を突けば倒せるでしょうし」
「それは……」
メライナの言葉に、ダーナは黙り込む。
実際、それが出来るかどうかと言われれば、出来る。
だが、そのような真似をすれば明らかに危険だというのも、間違いのない事実なのだ。
「鋼の蜘蛛も、今回の一件で活躍する必要があるんでしょ?」
「それはそうだけど、こっちにはこっちで色々とやるべきことがあるのよ」
ダーナにしてみれば、元々自分は情報収集だけではなく、鋼の蜘蛛が行う作戦のためにメイドとして潜入していたのだ。
そうである以上、出来ればここであまり目立つような真似はしたくないというのが、正直なところなのだが……
(とはいえ、鋼の蜘蛛が全面的に協力している以上、私が手を貸さない訳にはいかないわね)
はぁ、と。小さく溜息を吐いてから、気分を切り替えるようにして口を開く。
「分かったわ。付き合うわよ」
結局ダーナとしては、そう言うことしか出来なかった。
そして二人は、まず最初に帝城の正門……ではなく、他にもいくつかある通用門の一つに向かう。
本来なら、正門を開けるのがいいのは間違いない。
だが、このような状況になっている以上、当然のように正門の側には多くの兵士や騎士が集まって防御を固めているだろうと、そう理解出来たからだ。
だからこそ、正門に比べれば守っているだろう者が少ない通用門の一つに向かったのだが……
「ちょっと、これは大丈夫なの?」
ダーナの口から、そんな声が漏れる。
当然だろう。視線の先には通用門を守る兵士が十人近く、そして騎士も一人存在していたのだから。
ダーナにとっては、とてもではないが自分とメライナでどうにか出来る戦力には思えなかった。
「どうするのよ? こんな場所にもこれだけの戦力を派遣してるとなると、厳しいわよ?」
兵士や騎士に聞こえないようにそう告げるダーナだったが、メライナは自信に満ちた笑みを浮かべ、口を開く。
「そうね。普通に戦ったらちょっと苦戦するでしょうし、そして苦戦したら、次々と援軍が来るのは間違いないわ。……私の武器があれば、それでもどうにかなったんだろうけど……」
当然の話だが、メイドとして帝城に潜入しているメライナは、普段探索者として活動しているときに使っている長剣を持ってきてはいない。
短剣程度なら隠し持てるのだが、普通のメイドが長剣を……それも、一目で業物と分かるだろう代物を持っているというのは、怪しすぎる。
メライナもそれが分かったいるからこそ、愛用の長剣は帝城に持ってきていない。
そうなると、どうにかして長剣を入手したいところだが……幸いにして、長剣というのはこの世界においても非常にありふれた武器だ。
一番……という訳ではないかもしれないが、三本の指に入るくらいには、武器全体の中で数の多い武器だろう。
実際、兵士の中の何人かも長剣を持っているし、騎士もまた長剣を手にしている。
(出来れば、騎士の長剣を奪いたいわね)
長剣と一口に言っても、当然だがその武器の性能は大きく違ってくる。
一般的な兵士が使っている長剣と、選ばれた存在の騎士が使っている長剣となれば、当然のように騎士の持つ長剣の方が高性能なのは当然だろう。
「それで、どうするのよ?」
「安心しなさい。正面から戦いを挑めば、勝つのは難しいわ。けど……相手が動揺している状況でなら、そこまで問題はないわ」
「……動揺?」
「ええ。多分レオノーラ様か……」
そうメライナが言った、ちょうどそのタイミングで、帝城に展開していた結界が破られ、メライナやダーナのいる場所からでも、結果を破って城に突入してきた黄金のドラゴンを見ることが出来た。
メライナたちが黄金のドラゴンを見ることが出来たということは、当然だが通用門の前にいた兵士や騎士も同様であり……あまりに予想外の展開に動きが止まったその瞬間、メライナはメイド服のスカート、太股のガーターベルトから抜いた短剣を手に、走り出す。
腕利きの探索者らしく、その走る速度は速い。
自分たちが頼りにしていたバリアが破られた直後だけに、そんなメライナの行動には兵士どころか騎士ですら気が付かない。
とはいえ、気が付かなかったのはそこまで長い時間ではない。
十秒あったかどうかといった程度の時間ではあったのだが、メライナのような腕利きの探索者にしてみれば、十秒という時間は実際に行動を起こし、その結果をもたらすには十分だった。
「ぐあっ!」
この場に唯一いた騎士が、首筋を短剣で切り裂かれて、噴水のように血飛沫を周囲にまき散らす。
メライナは、そんな騎士の血飛沫の方向すら調整し、兵士たちに対する目潰しとして利用する。
そして、メライナの行動はこれだけでは終わらず、一番厄介な騎士を倒した動きのままで、兵士に向かって斬りかかる。
一人目の兵士は騎士と同様に首を斬り裂かれて血を吹き出したものの、二人目の兵士に向かおうとしたときは、すでに兵士たちも黄金のドラゴンに結界を破壊された衝撃からは立ち直っており、襲ってきたメライナに向かってそれぞれが武器を構える。
緊張の一瞬。
しかし、その一瞬を破ったのはメライナではなく……ましてや兵士でもなく、一人離れた場所で待機していたダーナだった。
兵士たちの意識がメライナに向いているからこそ、ここまで上手い具合に隙を突けたのだろう。
それも、メライナがここにいる者たちのな中では最強だった騎士を一撃で殺したから、というのが大きい。
そんなメライナを、兵士たちは警戒しない訳にはいかなかったのだ。
そんな状況で、背後からダーナに襲われたのだ。
ダーナの能力はメライナに比べると低いが、それでも目の前にメライナという強敵を前にしている状況で、背後からダーナに襲われたというのは兵士たちに大きな衝撃と……何より、動揺を与える。
そしてメライナにしてみれば、相手が動揺したことに付け込むのは、そう難しい話ではない。
兵士たちに向かって突っ込んでいき……全ての兵士たちを殺すに、数分とかからなかった。
「ふぅ。じゃあ、さっさと終わらせましょう」
「……そうね」
短剣に付着している血を振り払い、騎士の長剣を奪いながらメライナが告げると、ダーナが口に出来る言葉はそれだけだった。
ダーナにしてみれば、メライナが強いというのは知っていたし、探索者であるというのも知っている。
だが、それはあくまでも知っていただけで、実際に目の前でメライナの実力を見て、初めて本当にメライナは腕利きの探索者であると、納得したのだ。
……メイド服を着ている女がそこまでの実力を発揮するのは、見ている者にしてみれば異様な者に映ったのは間違いないが。
ともあれ障害を排除したメライナは、素早く通用門を開ける。
残念なことに、通用門を開けた先に顔見知りどころか、レジスタンスの者たちの姿もなかった。
黄金のドラゴンが結界を破壊したのは先程なのだから、当然ではあるのだろうが。
「取りあえず、他の通用門も開けに行きましょう。ここ一ヶ所だけだと、中に入ろうとする人たちが狭くてなかなか中に入れないでしょうし」
「……本気? この通用門ですら、あれだけの人数が守ってたのよ? 他の通用門だって、同じような人数で守っているはずよ」
メライナの言葉に、ダーナは信じられないといった様子でそう告げる。
だが、メライナは騎士から奪った長剣を手に、心配はないと頷く。
「さっきは無理だったけど、この長剣があればそれなりに戦いようはあるわ。……さすがガリンダミア帝国の騎士だけあって、一級品を使ってるわね」
長剣を見ながら呟くメライナの言葉に、ダーナは嫌そうな表情を浮かべる。
ダーナの国が攻められたときのことを思い出したのだろう。
もしくは、従属国から吸い取った富を使って騎士たちに一級品の武器を持たせていることにか。
そのおかげでメライナが満足するような武器を得られたのは、皮肉でしかなかったが。
こうして、メライナとダーナの二人は、複数の通用門を守っている兵士や騎士を倒しては、通用門を開けていくのだった。
……もっとも、鋼の蜘蛛に所属しているダーナの方は、レジスタンスとして一応の戦闘訓練を受けてはいるものの、それはあくまでも一応だ。
不意を突けば兵士の数人を倒すことも出来るかもしれないが、正面から戦えば兵士に何とか勝てるといった程度の実力でしかない。
ましてや、騎士を相手にした場合は不意を突いても倒すことは難しいだろう。
そんなダーナに対して、メライナは元々が探索者……それも実力ある探索者だ。
それこそ、騎士の数人を相手にしても正面から勝てる実力は持っていたし、不意を突いて攻撃することが出来れば、より多くの騎士を相手にしても倒せるだろう。
そういう意味では、実際に行動が起きた今の状況ではメライナの方が頼りになるのは間違いなかった。
とはいえ、メライナも色々と行動する必要がある以上、人手は幾らあっても足りない。
そんな訳で、今もまたメライナとダーナの二人は一緒に行動していた。
「それで、どうするの? 心核とアランのどっちを先に?」
「それはこっちの味方が到着してからでしょうね。ただ、出来る限り行動しやすいようにしておくに越したことはないわ」
二人揃って、廊下を走らない程度の早歩きしながら、そのように言葉を交わす。
普段であれば目立ったかもしれないが、今は周囲を同じように歩いているメイドも多いし、それどころか走り回っている兵士たちも多数いる。
だからこそ、二人のメイドが移動していても特に気が付く様子はない。
「行動しやすいようにって……何をするのよ?」
「簡単なことよ。鍵のかかっている門を開けたり、その側に兵士がいたらその兵士を倒して見えない場所に移動させたり」
「……簡単? 簡単って、一体何だっけ?」
メライナの言葉に、ダーナはそう呟く。
少なくても、ダーナにしてみればメライナの言ってること、そしてやろうとしていることは、とてもではないが簡単そうには思えない。
「簡単でしょ? ダーナだって兵士の一人や二人は不意を突けば倒せるでしょうし」
「それは……」
メライナの言葉に、ダーナは黙り込む。
実際、それが出来るかどうかと言われれば、出来る。
だが、そのような真似をすれば明らかに危険だというのも、間違いのない事実なのだ。
「鋼の蜘蛛も、今回の一件で活躍する必要があるんでしょ?」
「それはそうだけど、こっちにはこっちで色々とやるべきことがあるのよ」
ダーナにしてみれば、元々自分は情報収集だけではなく、鋼の蜘蛛が行う作戦のためにメイドとして潜入していたのだ。
そうである以上、出来ればここであまり目立つような真似はしたくないというのが、正直なところなのだが……
(とはいえ、鋼の蜘蛛が全面的に協力している以上、私が手を貸さない訳にはいかないわね)
はぁ、と。小さく溜息を吐いてから、気分を切り替えるようにして口を開く。
「分かったわ。付き合うわよ」
結局ダーナとしては、そう言うことしか出来なかった。
そして二人は、まず最初に帝城の正門……ではなく、他にもいくつかある通用門の一つに向かう。
本来なら、正門を開けるのがいいのは間違いない。
だが、このような状況になっている以上、当然のように正門の側には多くの兵士や騎士が集まって防御を固めているだろうと、そう理解出来たからだ。
だからこそ、正門に比べれば守っているだろう者が少ない通用門の一つに向かったのだが……
「ちょっと、これは大丈夫なの?」
ダーナの口から、そんな声が漏れる。
当然だろう。視線の先には通用門を守る兵士が十人近く、そして騎士も一人存在していたのだから。
ダーナにとっては、とてもではないが自分とメライナでどうにか出来る戦力には思えなかった。
「どうするのよ? こんな場所にもこれだけの戦力を派遣してるとなると、厳しいわよ?」
兵士や騎士に聞こえないようにそう告げるダーナだったが、メライナは自信に満ちた笑みを浮かべ、口を開く。
「そうね。普通に戦ったらちょっと苦戦するでしょうし、そして苦戦したら、次々と援軍が来るのは間違いないわ。……私の武器があれば、それでもどうにかなったんだろうけど……」
当然の話だが、メイドとして帝城に潜入しているメライナは、普段探索者として活動しているときに使っている長剣を持ってきてはいない。
短剣程度なら隠し持てるのだが、普通のメイドが長剣を……それも、一目で業物と分かるだろう代物を持っているというのは、怪しすぎる。
メライナもそれが分かったいるからこそ、愛用の長剣は帝城に持ってきていない。
そうなると、どうにかして長剣を入手したいところだが……幸いにして、長剣というのはこの世界においても非常にありふれた武器だ。
一番……という訳ではないかもしれないが、三本の指に入るくらいには、武器全体の中で数の多い武器だろう。
実際、兵士の中の何人かも長剣を持っているし、騎士もまた長剣を手にしている。
(出来れば、騎士の長剣を奪いたいわね)
長剣と一口に言っても、当然だがその武器の性能は大きく違ってくる。
一般的な兵士が使っている長剣と、選ばれた存在の騎士が使っている長剣となれば、当然のように騎士の持つ長剣の方が高性能なのは当然だろう。
「それで、どうするのよ?」
「安心しなさい。正面から戦いを挑めば、勝つのは難しいわ。けど……相手が動揺している状況でなら、そこまで問題はないわ」
「……動揺?」
「ええ。多分レオノーラ様か……」
そうメライナが言った、ちょうどそのタイミングで、帝城に展開していた結界が破られ、メライナやダーナのいる場所からでも、結果を破って城に突入してきた黄金のドラゴンを見ることが出来た。
メライナたちが黄金のドラゴンを見ることが出来たということは、当然だが通用門の前にいた兵士や騎士も同様であり……あまりに予想外の展開に動きが止まったその瞬間、メライナはメイド服のスカート、太股のガーターベルトから抜いた短剣を手に、走り出す。
腕利きの探索者らしく、その走る速度は速い。
自分たちが頼りにしていたバリアが破られた直後だけに、そんなメライナの行動には兵士どころか騎士ですら気が付かない。
とはいえ、気が付かなかったのはそこまで長い時間ではない。
十秒あったかどうかといった程度の時間ではあったのだが、メライナのような腕利きの探索者にしてみれば、十秒という時間は実際に行動を起こし、その結果をもたらすには十分だった。
「ぐあっ!」
この場に唯一いた騎士が、首筋を短剣で切り裂かれて、噴水のように血飛沫を周囲にまき散らす。
メライナは、そんな騎士の血飛沫の方向すら調整し、兵士たちに対する目潰しとして利用する。
そして、メライナの行動はこれだけでは終わらず、一番厄介な騎士を倒した動きのままで、兵士に向かって斬りかかる。
一人目の兵士は騎士と同様に首を斬り裂かれて血を吹き出したものの、二人目の兵士に向かおうとしたときは、すでに兵士たちも黄金のドラゴンに結界を破壊された衝撃からは立ち直っており、襲ってきたメライナに向かってそれぞれが武器を構える。
緊張の一瞬。
しかし、その一瞬を破ったのはメライナではなく……ましてや兵士でもなく、一人離れた場所で待機していたダーナだった。
兵士たちの意識がメライナに向いているからこそ、ここまで上手い具合に隙を突けたのだろう。
それも、メライナがここにいる者たちのな中では最強だった騎士を一撃で殺したから、というのが大きい。
そんなメライナを、兵士たちは警戒しない訳にはいかなかったのだ。
そんな状況で、背後からダーナに襲われたのだ。
ダーナの能力はメライナに比べると低いが、それでも目の前にメライナという強敵を前にしている状況で、背後からダーナに襲われたというのは兵士たちに大きな衝撃と……何より、動揺を与える。
そしてメライナにしてみれば、相手が動揺したことに付け込むのは、そう難しい話ではない。
兵士たちに向かって突っ込んでいき……全ての兵士たちを殺すに、数分とかからなかった。
「ふぅ。じゃあ、さっさと終わらせましょう」
「……そうね」
短剣に付着している血を振り払い、騎士の長剣を奪いながらメライナが告げると、ダーナが口に出来る言葉はそれだけだった。
ダーナにしてみれば、メライナが強いというのは知っていたし、探索者であるというのも知っている。
だが、それはあくまでも知っていただけで、実際に目の前でメライナの実力を見て、初めて本当にメライナは腕利きの探索者であると、納得したのだ。
……メイド服を着ている女がそこまでの実力を発揮するのは、見ている者にしてみれば異様な者に映ったのは間違いないが。
ともあれ障害を排除したメライナは、素早く通用門を開ける。
残念なことに、通用門を開けた先に顔見知りどころか、レジスタンスの者たちの姿もなかった。
黄金のドラゴンが結界を破壊したのは先程なのだから、当然ではあるのだろうが。
「取りあえず、他の通用門も開けに行きましょう。ここ一ヶ所だけだと、中に入ろうとする人たちが狭くてなかなか中に入れないでしょうし」
「……本気? この通用門ですら、あれだけの人数が守ってたのよ? 他の通用門だって、同じような人数で守っているはずよ」
メライナの言葉に、ダーナは信じられないといった様子でそう告げる。
だが、メライナは騎士から奪った長剣を手に、心配はないと頷く。
「さっきは無理だったけど、この長剣があればそれなりに戦いようはあるわ。……さすがガリンダミア帝国の騎士だけあって、一級品を使ってるわね」
長剣を見ながら呟くメライナの言葉に、ダーナは嫌そうな表情を浮かべる。
ダーナの国が攻められたときのことを思い出したのだろう。
もしくは、従属国から吸い取った富を使って騎士たちに一級品の武器を持たせていることにか。
そのおかげでメライナが満足するような武器を得られたのは、皮肉でしかなかったが。
こうして、メライナとダーナの二人は、複数の通用門を守っている兵士や騎士を倒しては、通用門を開けていくのだった。
0
あなたにおすすめの小説
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
残念ながら主人公はゲスでした。~異世界転移したら空気を操る魔法を得て世界最強に。好き放題に無双する俺を誰も止められない!~
日和崎よしな
ファンタジー
―あらすじ―
異世界に転移したゲス・エストは精霊と契約して空気操作の魔法を獲得する。
強力な魔法を得たが、彼の真の強さは的確な洞察力や魔法の応用力といった優れた頭脳にあった。
ゲス・エストは最強の存在を目指し、しがらみのない異世界で容赦なく暴れまくる!
―作品について―
完結しました。
全302話(プロローグ、エピローグ含む),約100万字。
【完結】剣聖と聖女の娘はのんびりと(?)後宮暮らしを楽しむ
O.T.I
ファンタジー
かつて王国騎士団にその人ありと言われた剣聖ジスタルは、とある事件をきっかけに引退して辺境の地に引き籠もってしまった。
それから時が過ぎ……彼の娘エステルは、かつての剣聖ジスタルをも超える剣の腕を持つ美少女だと、辺境の村々で噂になっていた。
ある時、その噂を聞きつけた辺境伯領主に呼び出されたエステル。
彼女の実力を目の当たりにした領主は、彼女に王国の騎士にならないか?と誘いかける。
剣術一筋だった彼女は、まだ見ぬ強者との出会いを夢見てそれを了承するのだった。
そして彼女は王都に向かい、騎士となるための試験を受けるはずだったのだが……
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』
見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装…
俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。
突然の事で戸惑うクラスメート達…
だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。
「またか…」
王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。
そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。
そして俺はというと…?
『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』
「それよりも不知火君は何を得たんだ?」
イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
6月22日
HOTランキングで6位になりました!
6月23日
HOTランキングで4位になりました!
昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°.
6月24日
HOTランキングで2位になりました!
皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる