304 / 422
メルリアナへ
303話
しおりを挟む
「へぇ。ロッコーモとある程度互角に戦えた訳ね。私が予想していたよりも、獣牙衆は強いのかしら」
ロッコーモが熊の獣人の男に勝ったという報告を聞き、レオノーラがそう呟く。
レオノーラにしてみれば、獣牙衆という部隊がどのくらい強いのかは具体的に分からなかった。
だからこそ、ロッコーモに負けたとはいえ、ある程度互角に戦うことが出来たというのは、驚きだったのだろう。
「どうだろな。互角に戦えたとはいえ、戦いのそのものは圧倒的にロッコーモさんが有利だったんだろ?」
報告によると、倒された獣人の男はロッコーモの攻撃をかなり受けたが、ロッコーモが受けた攻撃は数発といったところ。
無傷という訳ではないが、重傷といった訳でもない。
その辺りを客観的に見れば、やはりロッコーモが圧倒的に勝ったと、そのような感想を抱くのは当然だろう。
「そうかもしれないわね。それでも私が予想していたより獣牙衆が強かったというのは、はっきりしたわ。それに、ロッコーモが戦っている間に他の獣牙衆が襲ってくるのかと思ってたけど、そういうこともなかったみたいだしね」
「そうなんだよな。これは完全に予想外だった。いい意味でか、悪い意味でかは微妙なところだが」
あそこまで堂々と自分の姿を見せて、自分が勝ったらクラリスを奪っていこうとした相手だ。
普通に考えれば、それは囮だと判断してもおかしくはないだろう。
実際、アランもまたそのように思っていたのだから。
自分に注意を惹き、その隙を突いてクラリスを殺すなり奪うなりするといったような。
「もしかして、こうやって守りを固めたから、獣牙衆が攻撃出来なかったとか?」
「そうなると、ロッコーモと戦った獣人は完全に捨て駒にされた形ね」
「かもな。けど、報告を聞く限りだと、自分から進んで捨て駒になったって感じじゃないか? 戦いを楽しむために」
アランの言葉に、レオノーラもそうかもしれないわねと頷く。
「何にせよ、今回の件で獣牙衆が本当に動いていることは明確になったわ。そうなると、これからの対処も色々と変わってくるわね」
捕虜となった相手――連れ歩くのは大変なので、捕らえた場所にそのまま残してきたが――から、獣牙衆が動いているというのは聞いていた。
クラリスの言霊を使っての情報収集だっただけに、その情報が嘘だとはレオノーラも思っていない。
しかし、それでもその獣人が知っている情報しか話せない以上、何らかの間違った情報を理解している……といった可能性も否定は出来なかった。
そういう意味では、しっかりと獣牙衆が敵に回ったということを確認出来たのは大きい。
「それで、あの熊の獣人はどうするんだ? 以前の夜襲のときの獣人たちのように、その辺に置いていくなんて真似は出来ないぞ」
あのときの獣人は、強さそのものは大したことはなかった。
それこそ、見張りをしていた探索者たちが、重傷を負うようなことはなく全員倒せる程度のものだったのだから。
そのような獣人たちに比べると、熊の獣人は曲がりなりにもロッコーモとある程度戦うことが出来るだけの実力を持っていた。
そんな相手を、夜襲をしてきた獣人たちと一緒にするといった真似はアランには出来ない。
「捕虜にするか、それとも……」
その言葉の先は、アランが何を言わなくても理解出来た。
つまり、殺した方がいいと。
実際、雲海や黄金の薔薇の中でも純粋な戦闘力という点では上位に位置するロッコーモとそれなりに戦えたというのは、無視出来ない。
このまま見すごした結果、あとで重要な戦いのときにあの熊の獣人が出て来て、それによってアランたちに大きな被害を与えるといったことになれば、目も当てられない。
であれば、捕虜にするか殺した方がいいのは間違いない。
とはいえ、アランとしては出来れば殺すのではなく捕虜にしたかった。
捕虜にした場合、それこそあれだけの巨体であることを考えると、食料の消費は間違いなく激しいし、それ以外にも相応に腕の立つ者を見張りとする必要もある。
それでも効率だけを考えて相手を殺すといった真似は、アランはしたくない。
だからこそ、レオノーラが少し考えてから、捕虜にするといったときは安堵する。
表情に出さないようにはしているが、何だかんだかとアランと付き合いの深い――長いではない――レオノーラは、アランがどんなことを考えているのかを理解していた。
「捕虜にした方が、色々と情報を貰えるでしょう? ……もっとも、あの性格だと重要な情報を持ってるかどうかは分からないけど」
熊の獣人の性格から、レオノーラはそう簡単に情報を渡したりはしないと、そう判断したのだろう。
アランにしてみれば、負けたのだから積極的に情報を話すのではないかと思ったのだが、レオノーラはそんなアランの考えとは違ったらしい。
「もし情報を話さないようなら、クラリスに頼むしかないわね。……アランが頼めば、意外とあっさりと引き受けてくれるかもしれないけど」
「どうだろうな。俺が頼んだからって、そう簡単に引き受けたりはしないと思うけど。……それでも、必要なら頼んでみるよ」
そんなアランの言葉に、レオノーラは頷く。
(レオノーラとクラリスは相性が悪いしな。ときどき親しそうに話しているのを見たこともあるから、本格的に嫌いあっているって訳でもないんだろうけど)
アランにとって、レオノーラとクラリスの関係は不思議なものだ。
そんな風に思っていると、やがてロッコーモが獣人の男を引き連れてレオノーラの前までやってくる。
(もう目を覚ましたのか。……この辺も獣人らしいタフさってところなんだろうな。まぁ、クラリスが近くにいても、ロッコーモさんとレオノーラがいる状況で無茶は出来ないと思うけど)
アランは熊の獣人の男を、改めて見る。
厳つい顔の熊の耳が生えている姿は、いっそユーモラスと言ってもいい。
だが、実際にはある程度はロッコーモと互角に戦えるだけの実力を持っているのだ。
それを思えば、外見で油断するというのは馬鹿のすることだ。
何しろ相手は獣牙衆。
獣人の中でも少数精鋭の部隊の者なのだから。
(特殊部隊ってイメージとは全然違ったけどな)
アランの中にあった特殊部隊のイメージは、少なくても正々堂々と正面から戦いを挑むといったようなものではない。
それこそ野営をしているときに音もなく侵入し、誰にも気づかれることなくクラリスを奪っていくといったような真似をする者たちだ。
「おう、邪魔するぜ。……へぇ、ロッコーモ以外にもこんな強そうな奴がいるのか」
獣人の男は、レオノーラを見て感心したように呟く。
正々堂々と戦いを挑んで来たのを見れば分かるように、獣人の男にとっては強者との出会いは嬉しいのだろう。
「そっちは……何でこんな場所にいるんだ?」
そのような性格だからこそ、生身での戦闘では明らかに弱いと分かるアランに対しては、不思議そうに尋ねる。
強者が揃っているこの中で、アランの生身での強さは下から数えた方が早い。
心核を使えば話は別なのだが、獣人の男にそこまで考えろという方が無理だろう。
「何でって言われてもな。俺も雲海の一員だからだけど?」
普段は目上の者に対しては丁寧な言葉遣いをするアランだったが、目の前にいるのは敵……それもアランにとっては妹のような存在のクラリスに危害を加えようとした相手だ。
それだけに、アランにしてみれば丁寧な言葉遣いをする必要もない相手だという認識だった。
獣人の男も元々礼儀や言葉遣いといったものに対して、特に興味がなかったのだろう。
アランの言葉遣いを前にしても、特に気にした様子もなく会話を続ける。
「お前が? いやまぁ、別に全員が強いって訳じゃないんだろうから、おかしな話じゃないんだろうが……」
そう言いつつも、あまり納得していない様子を見せる。
獣人の男にしてみれば、ロッコーモのように自分に勝った相手がいる集団なのだから、それこそ強い相手ばかりだと、そう認識していたのだ。
「アランと話す前に、こちらから色々と聞きたいのだけど、いいかしら?」
「おう、いいぜ。あんたはかなりの強さを持ってるからな」
その言葉に、アランは自分が質問をしなくてよかったと、しみじみ思う。
今の話から考えると、恐らくこの獣人の男はアランが何かを聞いても、それに対して素直に答えるといったような真似はしなかったと、そう理解出来たからだ。
この獣人の男の判断基準は、やはり強さなのだろう。
(そう考えると、もしかしたらゼオンを見せたら態度が変わるのか?)
そう思わないでもなかったが、何となくこの獣人の男はアランがゼオンを召喚してそれを見せても、それはあくまでも心核の力で、アラン本人の力ではないと、そう言いそうに思えた。
心核は当然アランの力なのだが、獣人だけに……あるいはこの獣人の男の個人的な嗜好からか、そのように判断するのだろう。
「まず最初に聞きたいのは、クラリスを狙って動いている獣牙衆は何人?」
「さぁ? 俺はあくまでも命令されたように動いただけだし。他にも命令されてる奴がいるかもしれないが、俺は知らない」
レオノーラの言葉に、あっさりとそのような言葉が返される。
「なるほど。知らない情報は相手に教えようがないものね。……そういう風に命令を受けているのは、貴方だけ? それとも他の獣牙衆も同じ感じ?」
「大体同じ感じだな。ただ、たまに何人か集団で動くようなこともある。俺たちの強さを思えば、そういうことは滅多にないけどな」
それは、また……
アランは声に出さなかったが、しみじみとそんな風に思う。
今の説明を聞く限りでは、獣牙衆という名前こそあれど、基本的には個々で動く者たちなのだと、そう理解したためだ。
(獣人でも、その特性とか能力の違いとかあるだろうし、性格も色々と違う。そう思えば、ある意味で個人で動くというのは正しいのかもしれないな)
また、個人で動くとなると、獣牙衆を一人や二人倒したところで、他の獣牙衆には意味がない。
本当に面倒なことになったと、しみじみと思うのだった。
ロッコーモが熊の獣人の男に勝ったという報告を聞き、レオノーラがそう呟く。
レオノーラにしてみれば、獣牙衆という部隊がどのくらい強いのかは具体的に分からなかった。
だからこそ、ロッコーモに負けたとはいえ、ある程度互角に戦うことが出来たというのは、驚きだったのだろう。
「どうだろな。互角に戦えたとはいえ、戦いのそのものは圧倒的にロッコーモさんが有利だったんだろ?」
報告によると、倒された獣人の男はロッコーモの攻撃をかなり受けたが、ロッコーモが受けた攻撃は数発といったところ。
無傷という訳ではないが、重傷といった訳でもない。
その辺りを客観的に見れば、やはりロッコーモが圧倒的に勝ったと、そのような感想を抱くのは当然だろう。
「そうかもしれないわね。それでも私が予想していたより獣牙衆が強かったというのは、はっきりしたわ。それに、ロッコーモが戦っている間に他の獣牙衆が襲ってくるのかと思ってたけど、そういうこともなかったみたいだしね」
「そうなんだよな。これは完全に予想外だった。いい意味でか、悪い意味でかは微妙なところだが」
あそこまで堂々と自分の姿を見せて、自分が勝ったらクラリスを奪っていこうとした相手だ。
普通に考えれば、それは囮だと判断してもおかしくはないだろう。
実際、アランもまたそのように思っていたのだから。
自分に注意を惹き、その隙を突いてクラリスを殺すなり奪うなりするといったような。
「もしかして、こうやって守りを固めたから、獣牙衆が攻撃出来なかったとか?」
「そうなると、ロッコーモと戦った獣人は完全に捨て駒にされた形ね」
「かもな。けど、報告を聞く限りだと、自分から進んで捨て駒になったって感じじゃないか? 戦いを楽しむために」
アランの言葉に、レオノーラもそうかもしれないわねと頷く。
「何にせよ、今回の件で獣牙衆が本当に動いていることは明確になったわ。そうなると、これからの対処も色々と変わってくるわね」
捕虜となった相手――連れ歩くのは大変なので、捕らえた場所にそのまま残してきたが――から、獣牙衆が動いているというのは聞いていた。
クラリスの言霊を使っての情報収集だっただけに、その情報が嘘だとはレオノーラも思っていない。
しかし、それでもその獣人が知っている情報しか話せない以上、何らかの間違った情報を理解している……といった可能性も否定は出来なかった。
そういう意味では、しっかりと獣牙衆が敵に回ったということを確認出来たのは大きい。
「それで、あの熊の獣人はどうするんだ? 以前の夜襲のときの獣人たちのように、その辺に置いていくなんて真似は出来ないぞ」
あのときの獣人は、強さそのものは大したことはなかった。
それこそ、見張りをしていた探索者たちが、重傷を負うようなことはなく全員倒せる程度のものだったのだから。
そのような獣人たちに比べると、熊の獣人は曲がりなりにもロッコーモとある程度戦うことが出来るだけの実力を持っていた。
そんな相手を、夜襲をしてきた獣人たちと一緒にするといった真似はアランには出来ない。
「捕虜にするか、それとも……」
その言葉の先は、アランが何を言わなくても理解出来た。
つまり、殺した方がいいと。
実際、雲海や黄金の薔薇の中でも純粋な戦闘力という点では上位に位置するロッコーモとそれなりに戦えたというのは、無視出来ない。
このまま見すごした結果、あとで重要な戦いのときにあの熊の獣人が出て来て、それによってアランたちに大きな被害を与えるといったことになれば、目も当てられない。
であれば、捕虜にするか殺した方がいいのは間違いない。
とはいえ、アランとしては出来れば殺すのではなく捕虜にしたかった。
捕虜にした場合、それこそあれだけの巨体であることを考えると、食料の消費は間違いなく激しいし、それ以外にも相応に腕の立つ者を見張りとする必要もある。
それでも効率だけを考えて相手を殺すといった真似は、アランはしたくない。
だからこそ、レオノーラが少し考えてから、捕虜にするといったときは安堵する。
表情に出さないようにはしているが、何だかんだかとアランと付き合いの深い――長いではない――レオノーラは、アランがどんなことを考えているのかを理解していた。
「捕虜にした方が、色々と情報を貰えるでしょう? ……もっとも、あの性格だと重要な情報を持ってるかどうかは分からないけど」
熊の獣人の性格から、レオノーラはそう簡単に情報を渡したりはしないと、そう判断したのだろう。
アランにしてみれば、負けたのだから積極的に情報を話すのではないかと思ったのだが、レオノーラはそんなアランの考えとは違ったらしい。
「もし情報を話さないようなら、クラリスに頼むしかないわね。……アランが頼めば、意外とあっさりと引き受けてくれるかもしれないけど」
「どうだろうな。俺が頼んだからって、そう簡単に引き受けたりはしないと思うけど。……それでも、必要なら頼んでみるよ」
そんなアランの言葉に、レオノーラは頷く。
(レオノーラとクラリスは相性が悪いしな。ときどき親しそうに話しているのを見たこともあるから、本格的に嫌いあっているって訳でもないんだろうけど)
アランにとって、レオノーラとクラリスの関係は不思議なものだ。
そんな風に思っていると、やがてロッコーモが獣人の男を引き連れてレオノーラの前までやってくる。
(もう目を覚ましたのか。……この辺も獣人らしいタフさってところなんだろうな。まぁ、クラリスが近くにいても、ロッコーモさんとレオノーラがいる状況で無茶は出来ないと思うけど)
アランは熊の獣人の男を、改めて見る。
厳つい顔の熊の耳が生えている姿は、いっそユーモラスと言ってもいい。
だが、実際にはある程度はロッコーモと互角に戦えるだけの実力を持っているのだ。
それを思えば、外見で油断するというのは馬鹿のすることだ。
何しろ相手は獣牙衆。
獣人の中でも少数精鋭の部隊の者なのだから。
(特殊部隊ってイメージとは全然違ったけどな)
アランの中にあった特殊部隊のイメージは、少なくても正々堂々と正面から戦いを挑むといったようなものではない。
それこそ野営をしているときに音もなく侵入し、誰にも気づかれることなくクラリスを奪っていくといったような真似をする者たちだ。
「おう、邪魔するぜ。……へぇ、ロッコーモ以外にもこんな強そうな奴がいるのか」
獣人の男は、レオノーラを見て感心したように呟く。
正々堂々と戦いを挑んで来たのを見れば分かるように、獣人の男にとっては強者との出会いは嬉しいのだろう。
「そっちは……何でこんな場所にいるんだ?」
そのような性格だからこそ、生身での戦闘では明らかに弱いと分かるアランに対しては、不思議そうに尋ねる。
強者が揃っているこの中で、アランの生身での強さは下から数えた方が早い。
心核を使えば話は別なのだが、獣人の男にそこまで考えろという方が無理だろう。
「何でって言われてもな。俺も雲海の一員だからだけど?」
普段は目上の者に対しては丁寧な言葉遣いをするアランだったが、目の前にいるのは敵……それもアランにとっては妹のような存在のクラリスに危害を加えようとした相手だ。
それだけに、アランにしてみれば丁寧な言葉遣いをする必要もない相手だという認識だった。
獣人の男も元々礼儀や言葉遣いといったものに対して、特に興味がなかったのだろう。
アランの言葉遣いを前にしても、特に気にした様子もなく会話を続ける。
「お前が? いやまぁ、別に全員が強いって訳じゃないんだろうから、おかしな話じゃないんだろうが……」
そう言いつつも、あまり納得していない様子を見せる。
獣人の男にしてみれば、ロッコーモのように自分に勝った相手がいる集団なのだから、それこそ強い相手ばかりだと、そう認識していたのだ。
「アランと話す前に、こちらから色々と聞きたいのだけど、いいかしら?」
「おう、いいぜ。あんたはかなりの強さを持ってるからな」
その言葉に、アランは自分が質問をしなくてよかったと、しみじみ思う。
今の話から考えると、恐らくこの獣人の男はアランが何かを聞いても、それに対して素直に答えるといったような真似はしなかったと、そう理解出来たからだ。
この獣人の男の判断基準は、やはり強さなのだろう。
(そう考えると、もしかしたらゼオンを見せたら態度が変わるのか?)
そう思わないでもなかったが、何となくこの獣人の男はアランがゼオンを召喚してそれを見せても、それはあくまでも心核の力で、アラン本人の力ではないと、そう言いそうに思えた。
心核は当然アランの力なのだが、獣人だけに……あるいはこの獣人の男の個人的な嗜好からか、そのように判断するのだろう。
「まず最初に聞きたいのは、クラリスを狙って動いている獣牙衆は何人?」
「さぁ? 俺はあくまでも命令されたように動いただけだし。他にも命令されてる奴がいるかもしれないが、俺は知らない」
レオノーラの言葉に、あっさりとそのような言葉が返される。
「なるほど。知らない情報は相手に教えようがないものね。……そういう風に命令を受けているのは、貴方だけ? それとも他の獣牙衆も同じ感じ?」
「大体同じ感じだな。ただ、たまに何人か集団で動くようなこともある。俺たちの強さを思えば、そういうことは滅多にないけどな」
それは、また……
アランは声に出さなかったが、しみじみとそんな風に思う。
今の説明を聞く限りでは、獣牙衆という名前こそあれど、基本的には個々で動く者たちなのだと、そう理解したためだ。
(獣人でも、その特性とか能力の違いとかあるだろうし、性格も色々と違う。そう思えば、ある意味で個人で動くというのは正しいのかもしれないな)
また、個人で動くとなると、獣牙衆を一人や二人倒したところで、他の獣牙衆には意味がない。
本当に面倒なことになったと、しみじみと思うのだった。
0
あなたにおすすめの小説
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
残念ながら主人公はゲスでした。~異世界転移したら空気を操る魔法を得て世界最強に。好き放題に無双する俺を誰も止められない!~
日和崎よしな
ファンタジー
―あらすじ―
異世界に転移したゲス・エストは精霊と契約して空気操作の魔法を獲得する。
強力な魔法を得たが、彼の真の強さは的確な洞察力や魔法の応用力といった優れた頭脳にあった。
ゲス・エストは最強の存在を目指し、しがらみのない異世界で容赦なく暴れまくる!
―作品について―
完結しました。
全302話(プロローグ、エピローグ含む),約100万字。
【完結】剣聖と聖女の娘はのんびりと(?)後宮暮らしを楽しむ
O.T.I
ファンタジー
かつて王国騎士団にその人ありと言われた剣聖ジスタルは、とある事件をきっかけに引退して辺境の地に引き籠もってしまった。
それから時が過ぎ……彼の娘エステルは、かつての剣聖ジスタルをも超える剣の腕を持つ美少女だと、辺境の村々で噂になっていた。
ある時、その噂を聞きつけた辺境伯領主に呼び出されたエステル。
彼女の実力を目の当たりにした領主は、彼女に王国の騎士にならないか?と誘いかける。
剣術一筋だった彼女は、まだ見ぬ強者との出会いを夢見てそれを了承するのだった。
そして彼女は王都に向かい、騎士となるための試験を受けるはずだったのだが……
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』
見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装…
俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。
突然の事で戸惑うクラスメート達…
だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。
「またか…」
王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。
そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。
そして俺はというと…?
『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』
「それよりも不知火君は何を得たんだ?」
イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
6月22日
HOTランキングで6位になりました!
6月23日
HOTランキングで4位になりました!
昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°.
6月24日
HOTランキングで2位になりました!
皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる