314 / 422
メルリアナへ
313話
しおりを挟む
夜……ギジュの屋敷にある部屋で眠っていたアラン、不意に目が覚めた。
とはいえ、それは別に敵が襲ってきた気配を感じて目が覚めたといったようなことではなく、単純にトイレに行きたいと思って目が覚めたのだが。
屋敷に用意された部屋はそれなりに快適ではあったが、それでも部屋にトイレはない。
あるいは屋敷の主人たるギジュや大事な客人のクラリスの部屋には、トイレがあってもおかしくはなかったが。
ともあれ、部屋にトイレがない以上、用を足すにはきちんと部屋の外に用意されたトイレに行く必要がある。
そんな訳で、若干寝惚けた状態ではあったがトイレに向かい、用を足したあとで部屋に戻ろうとしている中で、不意にアランの耳に声が聞こえてきた。
いや、正確には何かが声として明確に聞こえたといった訳ではなく、何かの声が聞こえてきたような気がした……といった表現が正しい。
普段であれば、まだ眠いのだから聞こえてきた声を気にせず部屋に戻っただろう。
しかし、その声が聞こえた瞬間、アランは目を覚ます。
時間がしっかりと確認は出来ないが、外の様子を見れば明るくなる様子はない。
まだ真っ暗の様子を見れば、真夜中と言ってもいいだろう。
今がそのような状況である以上、聞こえてきた声が誰の声なのかということ確認しておく必要があった。
ここで何も行動せず、結果として護衛対象のクラリスに危害を加えられるといったようなことは、絶対に避けるべきなのだから。
(とはいえ、多分大丈夫だとは思うけど)
もし何かを企んでいる者がいたとしても、別にこのような場所で話す必要はないだろう。
それこそ、どこか人に聞かれる心配のない部屋といったような場所で話せばいい。
だというのに、このような場所で話をしているとなれば、それこそ何か後ろ暗いところがあるような話ではなく、何かの打ち合わせや……場合によっては単に雑談をしているだけといった可能性も否定は出来ない。
であれば、わざわざ聞きに行く必要もないのかもしれないが……それでも万が一を考えてのアランの行動だった。
だったのだが……
「それで、クラリスの様子はどうなんだ?」
聞こえてきたクラリスの名前に、アランは足を止める。
「待て」
すると、そんなアランの様子に気が付いたかのように、クラリスの名前を出したのとは別の人物がそう言った。
(え? もしかしてこれって)
そう思いながらも、向こうに気が付かれた以上はここで引き返すのも何だと思いながら、再度歩み始める。
もし何か後ろ暗いことを考えているような相手だった場合、自分だけでどうにかなるのか。
そんな思いもあったのだが、そうなったら即座に誰かを呼ぶといったような真似をすればいいと、そう判断する。
この先にいるのは、敵なのか。
あるいは、敵ではなくても何か後ろ暗いことを考えているような相手ではないのか。
そう思いながら進み……やがてアランが見たのは、狼の獣人のガーウェイ。
もう一人には見覚えがないが、服装からしてこの屋敷で働いているような者でないのは確実だ。
「ガーウェイさん? 一体こんな夜中にどうしたんです? それに、そっちの人……この屋敷の人じゃないですよね?」
服装からこの屋敷の人じゃないと言ったアランだったが、実際には今日この屋敷に来たばかりで、働いている者を全員知っている訳ではない。
そうである以上、ガーウェイがもし話していた相手……二十代くらいのネズミの獣人の男が屋敷で働いている相手だと言えば、あるいはその言葉を信じたかもしれなかったが。
この場で納得しても、あとでしっかりと確認をした可能性はあったが。
「ああ、お前は……アランだったか? ロルフの友達の」
友達という表現に、アランはそうなのか? と若干疑問に思う。
実際、アランはロルフとはそれなりに喋る。
しかし、それで友達かと言われると、素直に頷けないところがあるのも事実だ。
それでも今は友達云々より、ガーウェイがここで何をしていたのかを聞く方が先だろうと判断し、友達云々というところには特に突っ込んだりせず、話を続ける。
「それで、結局こんな真夜中にんな場所で一体何をしてたんですか?」
「ちょっとこいつに外の情報を探ってきて貰ったんだよ」
自分が疑われているというのを理解したのか、それとも単純に隠す必要もないと判断したのか、それはアランにも分からない。
だが、あっさりとそう告げるガーウェイの言葉に、アランはネズミの獣人の男に視線を向ける。
視線を向けはするが、特に何かを言うようなことはない。
そんなアランの態度に何を思ったのか、ネズミの獣人の男はガーウェイに頭を下げるとその場から走り去る。
それはまるでアランの前から逃げるようにすら感じられる行動。
見るからに怪しいそんな行動に、アランは何かを言おうとするも、それよりも前にガーウェイが口を開く。
「で、アランはこんな真夜中に何をしてるんだ? 見張りの類は必要ないってギジュさんが言ってただろ?」
「いえ、ちょっとトイレに。部屋にトイレがないので」
「ああ、そうか。その辺、ちょっと不便だよな。けど、部屋にトイレあるような部屋なんて、そうある訳じゃないし。……ふわああああ……そろそろ、俺も眠くなってきたから、寝るか。じゃあな」
そう言い、アランの前から立ち去る。
そんなガーウェイを呼び止めようとするアランだったが、今この状況でそのような真似をしても意味はない。
それどころか、ガーウェイに心酔しているロルフ辺りに今回の一件を知られると、間違いなくアランが責められるだろう。
何故ガーウェイさんがそのような真似をする必要があるのか、と。
そんな風に言って。
(どうすればいい? ロルフに言うのは無理なら、クラリスに話すか?)
幸い、アランはクラリスから兄のように慕われている。
アランがクラリスに会いたいと思えば、すぐに会うことは出来るだろう。……もちろん、今のような真夜中にクラリスに会うといったような真似は出来ないので、会うとしても明日になるだろうが。
ただし、アランがクラリスに慕われているとはいえ、それは当然ながら無条件で何でもアランの言葉を信じるといったような訳ではない。
クラリスもアランを慕ってはいるが、それはあくまでも私的な面での話であって、公的な面ではクラリスはあくまでも自分の一族のために動く必要がある。
(取りあえず、明日ジャスパーさんにでも相談してみるか)
自分だけで判断することは出来ないと判断し、アランはそう結論づけるのだった。
翌日、アランはメイドによって起こされると、身支度をして食堂に向かう。
ガーウェイの件があったので、考えすぎた結果として少し寝るのが遅くなり、結果としてメイドに起こされるまではぐっすりに眠ってしまっていた。
一体自分は何をやってるんだ。
そんな風に思いつつ、廊下を歩く。
正直なところ、こうして食堂に向かうのが遅くなったのは失態だという認識がアランにはあった。
自分がいない間に、ガーウェイが食堂にいる面々に妙なことを吹き込んでいたら、一体どうすればいいのか。
そんな風に思いながら食堂に到着すると……
「よう、遅かったな」
アランにそう声をかけてきたのは、ロルフ……ではなく、ガーウェイ。
まさか今の状況でガーウェイが自分に声をかけてくるとは思っていなかっただけに、アランは反応が少し遅れる。
「……昨夜、あのあと眠れなくて、少し寝坊してしまいました」
暗に昨夜の件を含ませてガーウェイの反応を見るアランだったが、当の本人はアランのそんな様子を見ても特に気にした様子もなく頷く。
「そうか。けど、眠れるときはしっかり眠っておいた方がいいぞ。いざというとき、睡眠不足で判断力が鈍るってのは、正直どうかと思うしな」
「そうですね。昨夜の件がなければ、そういう風に思うようなこともなかったと思うんですけど」
「あの程度で眠れないというのは、探索者としてはどうかと思うけどな」
そんな二人の会話に興味をもったのか、近くで話を聞いていたロルフは興味深そうに口を開く。
「ガーウェイさん、一体昨夜何があったんですか?」
よし! よく聞いてくれた!
そう内心で叫ぶアラン。
この状況では、アランがガーウェイに聞いても上手い具合に話を誤魔化されそうな気がした。
だが、それは昨夜の一件を知っているアランだからこそであって、その辺の事情を知らないロルフが尋ねたのであれば、ガーウェイもアランに対するように誤魔化すことは出来ないだろう。
そう思い、アランはロルフに対して感謝の言葉すら口にしたかったのだが……
「ん? ああ、昨夜情報を持ってきた知り合いと話しているところで、アランに会ってな」
あっさりと昨夜の一件を口にする。
何か言い繕って誤魔化すのではないか?
そうアランは思っていただけに、ガーウェイのこの言葉には完全に意表を突かれた形だ。
あまりにも自然な様子で口に出したので、アランもそれに対して何かを言うようなことはなく……
「情報? 一体何が分かったんですか?」
改めてアランが口を開くよりも前に、ロルフがそう尋ねる。
ロルフのその言葉に、アランは取りあえず様子を見ることにする。
出遅れたという点はあるが、それ以上に今の状況でそのようなことを言ったりしたら、それがガーウェイの狙い通りなのではないかと、そういった予想もあったからだ。
幸い、アランの聞きたいことはロルフが聞いてくれているので、今の状況で自分がわざわざ場を乱すような真似をすることもないだろうという思いもあった。
ロルフに尋ねられたガーウェイは、何故かアランを一瞥したあとで口を開く。
「ああ。やっぱりゴールスが色々と動いているらしい」
ゴールスという名前に、ロルフだけではなく食堂にいた他の面々もまた動きを止める。
ゴールスがクラリスを殺そうとしているのは、当然だがアランたちも知っていた。
だが、それでもやはり直接動いているといったような話を聞くと、その件に思うところがあるのは間違いないのだ。
「ゴールスの狙いは、クラリス一人だ。そういう目的で動いてるらしい」
そんなガーウェイの言葉に、狙われていると改めて明言されたクラリスは緊張した様子を見せるのだった。
とはいえ、それは別に敵が襲ってきた気配を感じて目が覚めたといったようなことではなく、単純にトイレに行きたいと思って目が覚めたのだが。
屋敷に用意された部屋はそれなりに快適ではあったが、それでも部屋にトイレはない。
あるいは屋敷の主人たるギジュや大事な客人のクラリスの部屋には、トイレがあってもおかしくはなかったが。
ともあれ、部屋にトイレがない以上、用を足すにはきちんと部屋の外に用意されたトイレに行く必要がある。
そんな訳で、若干寝惚けた状態ではあったがトイレに向かい、用を足したあとで部屋に戻ろうとしている中で、不意にアランの耳に声が聞こえてきた。
いや、正確には何かが声として明確に聞こえたといった訳ではなく、何かの声が聞こえてきたような気がした……といった表現が正しい。
普段であれば、まだ眠いのだから聞こえてきた声を気にせず部屋に戻っただろう。
しかし、その声が聞こえた瞬間、アランは目を覚ます。
時間がしっかりと確認は出来ないが、外の様子を見れば明るくなる様子はない。
まだ真っ暗の様子を見れば、真夜中と言ってもいいだろう。
今がそのような状況である以上、聞こえてきた声が誰の声なのかということ確認しておく必要があった。
ここで何も行動せず、結果として護衛対象のクラリスに危害を加えられるといったようなことは、絶対に避けるべきなのだから。
(とはいえ、多分大丈夫だとは思うけど)
もし何かを企んでいる者がいたとしても、別にこのような場所で話す必要はないだろう。
それこそ、どこか人に聞かれる心配のない部屋といったような場所で話せばいい。
だというのに、このような場所で話をしているとなれば、それこそ何か後ろ暗いところがあるような話ではなく、何かの打ち合わせや……場合によっては単に雑談をしているだけといった可能性も否定は出来ない。
であれば、わざわざ聞きに行く必要もないのかもしれないが……それでも万が一を考えてのアランの行動だった。
だったのだが……
「それで、クラリスの様子はどうなんだ?」
聞こえてきたクラリスの名前に、アランは足を止める。
「待て」
すると、そんなアランの様子に気が付いたかのように、クラリスの名前を出したのとは別の人物がそう言った。
(え? もしかしてこれって)
そう思いながらも、向こうに気が付かれた以上はここで引き返すのも何だと思いながら、再度歩み始める。
もし何か後ろ暗いことを考えているような相手だった場合、自分だけでどうにかなるのか。
そんな思いもあったのだが、そうなったら即座に誰かを呼ぶといったような真似をすればいいと、そう判断する。
この先にいるのは、敵なのか。
あるいは、敵ではなくても何か後ろ暗いことを考えているような相手ではないのか。
そう思いながら進み……やがてアランが見たのは、狼の獣人のガーウェイ。
もう一人には見覚えがないが、服装からしてこの屋敷で働いているような者でないのは確実だ。
「ガーウェイさん? 一体こんな夜中にどうしたんです? それに、そっちの人……この屋敷の人じゃないですよね?」
服装からこの屋敷の人じゃないと言ったアランだったが、実際には今日この屋敷に来たばかりで、働いている者を全員知っている訳ではない。
そうである以上、ガーウェイがもし話していた相手……二十代くらいのネズミの獣人の男が屋敷で働いている相手だと言えば、あるいはその言葉を信じたかもしれなかったが。
この場で納得しても、あとでしっかりと確認をした可能性はあったが。
「ああ、お前は……アランだったか? ロルフの友達の」
友達という表現に、アランはそうなのか? と若干疑問に思う。
実際、アランはロルフとはそれなりに喋る。
しかし、それで友達かと言われると、素直に頷けないところがあるのも事実だ。
それでも今は友達云々より、ガーウェイがここで何をしていたのかを聞く方が先だろうと判断し、友達云々というところには特に突っ込んだりせず、話を続ける。
「それで、結局こんな真夜中にんな場所で一体何をしてたんですか?」
「ちょっとこいつに外の情報を探ってきて貰ったんだよ」
自分が疑われているというのを理解したのか、それとも単純に隠す必要もないと判断したのか、それはアランにも分からない。
だが、あっさりとそう告げるガーウェイの言葉に、アランはネズミの獣人の男に視線を向ける。
視線を向けはするが、特に何かを言うようなことはない。
そんなアランの態度に何を思ったのか、ネズミの獣人の男はガーウェイに頭を下げるとその場から走り去る。
それはまるでアランの前から逃げるようにすら感じられる行動。
見るからに怪しいそんな行動に、アランは何かを言おうとするも、それよりも前にガーウェイが口を開く。
「で、アランはこんな真夜中に何をしてるんだ? 見張りの類は必要ないってギジュさんが言ってただろ?」
「いえ、ちょっとトイレに。部屋にトイレがないので」
「ああ、そうか。その辺、ちょっと不便だよな。けど、部屋にトイレあるような部屋なんて、そうある訳じゃないし。……ふわああああ……そろそろ、俺も眠くなってきたから、寝るか。じゃあな」
そう言い、アランの前から立ち去る。
そんなガーウェイを呼び止めようとするアランだったが、今この状況でそのような真似をしても意味はない。
それどころか、ガーウェイに心酔しているロルフ辺りに今回の一件を知られると、間違いなくアランが責められるだろう。
何故ガーウェイさんがそのような真似をする必要があるのか、と。
そんな風に言って。
(どうすればいい? ロルフに言うのは無理なら、クラリスに話すか?)
幸い、アランはクラリスから兄のように慕われている。
アランがクラリスに会いたいと思えば、すぐに会うことは出来るだろう。……もちろん、今のような真夜中にクラリスに会うといったような真似は出来ないので、会うとしても明日になるだろうが。
ただし、アランがクラリスに慕われているとはいえ、それは当然ながら無条件で何でもアランの言葉を信じるといったような訳ではない。
クラリスもアランを慕ってはいるが、それはあくまでも私的な面での話であって、公的な面ではクラリスはあくまでも自分の一族のために動く必要がある。
(取りあえず、明日ジャスパーさんにでも相談してみるか)
自分だけで判断することは出来ないと判断し、アランはそう結論づけるのだった。
翌日、アランはメイドによって起こされると、身支度をして食堂に向かう。
ガーウェイの件があったので、考えすぎた結果として少し寝るのが遅くなり、結果としてメイドに起こされるまではぐっすりに眠ってしまっていた。
一体自分は何をやってるんだ。
そんな風に思いつつ、廊下を歩く。
正直なところ、こうして食堂に向かうのが遅くなったのは失態だという認識がアランにはあった。
自分がいない間に、ガーウェイが食堂にいる面々に妙なことを吹き込んでいたら、一体どうすればいいのか。
そんな風に思いながら食堂に到着すると……
「よう、遅かったな」
アランにそう声をかけてきたのは、ロルフ……ではなく、ガーウェイ。
まさか今の状況でガーウェイが自分に声をかけてくるとは思っていなかっただけに、アランは反応が少し遅れる。
「……昨夜、あのあと眠れなくて、少し寝坊してしまいました」
暗に昨夜の件を含ませてガーウェイの反応を見るアランだったが、当の本人はアランのそんな様子を見ても特に気にした様子もなく頷く。
「そうか。けど、眠れるときはしっかり眠っておいた方がいいぞ。いざというとき、睡眠不足で判断力が鈍るってのは、正直どうかと思うしな」
「そうですね。昨夜の件がなければ、そういう風に思うようなこともなかったと思うんですけど」
「あの程度で眠れないというのは、探索者としてはどうかと思うけどな」
そんな二人の会話に興味をもったのか、近くで話を聞いていたロルフは興味深そうに口を開く。
「ガーウェイさん、一体昨夜何があったんですか?」
よし! よく聞いてくれた!
そう内心で叫ぶアラン。
この状況では、アランがガーウェイに聞いても上手い具合に話を誤魔化されそうな気がした。
だが、それは昨夜の一件を知っているアランだからこそであって、その辺の事情を知らないロルフが尋ねたのであれば、ガーウェイもアランに対するように誤魔化すことは出来ないだろう。
そう思い、アランはロルフに対して感謝の言葉すら口にしたかったのだが……
「ん? ああ、昨夜情報を持ってきた知り合いと話しているところで、アランに会ってな」
あっさりと昨夜の一件を口にする。
何か言い繕って誤魔化すのではないか?
そうアランは思っていただけに、ガーウェイのこの言葉には完全に意表を突かれた形だ。
あまりにも自然な様子で口に出したので、アランもそれに対して何かを言うようなことはなく……
「情報? 一体何が分かったんですか?」
改めてアランが口を開くよりも前に、ロルフがそう尋ねる。
ロルフのその言葉に、アランは取りあえず様子を見ることにする。
出遅れたという点はあるが、それ以上に今の状況でそのようなことを言ったりしたら、それがガーウェイの狙い通りなのではないかと、そういった予想もあったからだ。
幸い、アランの聞きたいことはロルフが聞いてくれているので、今の状況で自分がわざわざ場を乱すような真似をすることもないだろうという思いもあった。
ロルフに尋ねられたガーウェイは、何故かアランを一瞥したあとで口を開く。
「ああ。やっぱりゴールスが色々と動いているらしい」
ゴールスという名前に、ロルフだけではなく食堂にいた他の面々もまた動きを止める。
ゴールスがクラリスを殺そうとしているのは、当然だがアランたちも知っていた。
だが、それでもやはり直接動いているといったような話を聞くと、その件に思うところがあるのは間違いないのだ。
「ゴールスの狙いは、クラリス一人だ。そういう目的で動いてるらしい」
そんなガーウェイの言葉に、狙われていると改めて明言されたクラリスは緊張した様子を見せるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
残念ながら主人公はゲスでした。~異世界転移したら空気を操る魔法を得て世界最強に。好き放題に無双する俺を誰も止められない!~
日和崎よしな
ファンタジー
―あらすじ―
異世界に転移したゲス・エストは精霊と契約して空気操作の魔法を獲得する。
強力な魔法を得たが、彼の真の強さは的確な洞察力や魔法の応用力といった優れた頭脳にあった。
ゲス・エストは最強の存在を目指し、しがらみのない異世界で容赦なく暴れまくる!
―作品について―
完結しました。
全302話(プロローグ、エピローグ含む),約100万字。
【完結】剣聖と聖女の娘はのんびりと(?)後宮暮らしを楽しむ
O.T.I
ファンタジー
かつて王国騎士団にその人ありと言われた剣聖ジスタルは、とある事件をきっかけに引退して辺境の地に引き籠もってしまった。
それから時が過ぎ……彼の娘エステルは、かつての剣聖ジスタルをも超える剣の腕を持つ美少女だと、辺境の村々で噂になっていた。
ある時、その噂を聞きつけた辺境伯領主に呼び出されたエステル。
彼女の実力を目の当たりにした領主は、彼女に王国の騎士にならないか?と誘いかける。
剣術一筋だった彼女は、まだ見ぬ強者との出会いを夢見てそれを了承するのだった。
そして彼女は王都に向かい、騎士となるための試験を受けるはずだったのだが……
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』
見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装…
俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。
突然の事で戸惑うクラスメート達…
だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。
「またか…」
王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。
そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。
そして俺はというと…?
『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』
「それよりも不知火君は何を得たんだ?」
イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
6月22日
HOTランキングで6位になりました!
6月23日
HOTランキングで4位になりました!
昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°.
6月24日
HOTランキングで2位になりました!
皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる