346 / 422
獣人を率いる者
345話
しおりを挟む
サイの獣人は、巨体という言葉が相応しい姿をしていた。
そして部屋の中には、ゴールスと思われるサイの獣人以外にも数人の人影がある。
その全員が、明らかに腕利きの者たちだった。
「来たか」
そう呟くサイの獣人……ゴールス。
何故その人物がゴールスなのだとアランが認識したのかといえば、部屋の中にある豪華な椅子にそのサイの獣人が座っていたためだ。
また、クラリスや他の面々からゴールスについての情報収集をしている以上、この部屋の中にいるサイの獣人が一人であることから考えて、ゴールスなのは間違いなかった。
「ええ、来ました」
圧力を感じさせる言葉を発したゴールスではあったが、クラリスは一歩も退いた様子がなくゴールスに言葉を返す。
そんなクラリスの様子に、少しだけ眉を動かすゴールス。
まさか、クラリスがこうも堂々と自分に言葉を発してくるとは思わなかったのだろう。
そんなゴールスを見て、アランもまた驚く。
(耳栓の類はないな。やっぱり何らかの手段で俺たちの会話を聞いていたのか?)
クラリスは、ここで言霊を使うような真似はしないと、そう断言していた。
アランにしてみれば甘いという感想を抱くが、クラリスの性格を考えればそれも仕方がないかという思いがある。
ゴールスは何らかの手段で自分たちの会話を聞いており、それによってこうして正面から堂々と渡り合っているのではないか、と。
(そうなると、怪しいのは……)
それ以上は何も言葉を発さず、無言で視線を交わしているクラリスとゴールスをそのままに、アランは部屋の中にいる相手を確認していく。
(五人……思ったよりは少ないな)
三階の中でも最も広い部屋だけに、五人……いや、ゴールスとアランたちを含めれば全部で九人いるというのに、狭苦しさは感じない。
そんな五人の獣人は、一見すれば特に構えている様子はない。
だが、それはあくまでも客観的に見てそう見えないだけで、もしアランたちが何か妙な動き……具体的にはゴールスを傷付けようとした場合、即座に反撃をするといった準備が整っていた。
そこまではアランも分からなかったが、見た感じでは間違いなく自分たちを警戒している。
……こうして本拠地の中でも一番警備が厳重な場所にやって来たのだから、そのように警戒するのも当然だろうが。
「それで、何の用事でここまで来たんだ?」
沈黙を破り、ゴールスが尋ねる。
その目には、すでにクラリスに対する侮りの色はない、
こうして一言だけだが会話を交わし、その結果としてクラリスは子供だが決して侮っていい相手ではないと、そう理解したのだ。
「今日は少し聞きたいことがあって来ました。……ゴールス、貴方は何故一族の長になりたいのですか? そして、一族の長になって何をしたいのですか?」
「俺が一族の長になったらか? そうなったら、もちろん一族に繁栄をもたらすさ」
「繁栄、ですか。言葉だけで言うのなら容易いでしょう。ですが、それは具体的にどのように?」
ゴールスから一切視線を逸らさず、クラリスは尋ねる。
その瞳には、ある意味言霊以上の力が宿っていた。
だからこそ、ゴールスを前にしても怯えるといった様子がないのだろう。
……もしゴールスが本気になれば、それこそクラリスは一瞬にして死んでしまう。
いくら言霊といったような絶対的な力をもっていようとも、言霊というのはあくまでも口で命令をすることによって効果を発揮する。
耳栓を使って言葉を防ぐのは難しいかもしれないが、それなら言葉を口に出させなければいいだけの話でもある。
もしくは、アランとレオノーラというクラリスと一緒にここにきた二人を頼りにしているのかもしれないが、ゴールスの側には五人の腕利きがいるのだ。
今この状況で正面からやり合えば、勝つのは自分たちだと思える。
それでも実際に手を出すといったような真似は出来ない。
手を出せば勝てるだろうが、そのような真似をした場合は色々と問題が大きくなるためだ。
実際にはクラリスが強引に自分の屋敷に侵入した以上、本来なら問題はないのだが。
あるいは、それで大きな騒動になったりした場合、これまでの自分の後ろ暗い行動が非難される恐れもあった。
そのようなことがあったとしても、力でどうにかするのは不可能ではない。
不可能ではないが、だからといってそのような真似を意図的にする必要もなかった。
「そうだな。俺のように力のある者が支配すれば、一族は明るい未来に向かう。それは当然のことだろう?」
「……具体的には、何をどのようにするのですか?
抽象的なことしか口にしないゴールスに、クラリスは追撃するように尋ねる。
実際、自分がガリンダミア帝国と繋がっているということは、ゴールスにとっても大きな理由となっている。
しかし、今の状況でそれを口にするといったようなことをした場合、間違いなく自分にとって大きなダメージとなるだろう。
それを理解しているからこそ、今の状況でその件を口にする訳にはいかない。
「現在俺と敵対している相手に、それを話せると思うか? ……むしろ、そういう意味では俺の方こそ聞きたい。お前のような子供が一族の長になってどう他の者を導くつもりだ? 言霊を使い、無理矢理命令を聞かせるつもりか?」
「そんなことは考えていません。……もしそのつもりがあるのなら、それこそここで言霊を使ってゴールスをどうにかすると思いませんか?」
クラリスの口からそのような言葉が漏れた瞬間、ゴールスの視線は厳しくなる。
それこそ、敵意が巨体から滲み出した……といった表現が相応しいだろう。
当然ながら、ゴールスもクラリスの言霊については強く警戒しているのだろう。
もっとも、アランにしてみればゴールスの気持ちも十分に理解出来るのだが。
いや、正確には分からないから想像するしかないというのが正しい。
アランは前世の存在のおかげか、言霊の効果がない。
だからこそ、言霊を使われた者たちの様子から考えて、そういうものなのだろうと、そのように思う。
「そうだな。だが、もしそんなことをすれば、どうなるか……それはお前が一番よく理解しているだろう?」
ゴールスの念を押すような言葉。
クラリスはそんなゴールスの言葉にも、全く怯んだ様子もなく頷く。
「ええ、そうですね。……ですが、私は貴方を殺すために暗殺者を送るなどという、みっともない真似はしません」
みっともないという言葉に、ゴールスの顔がピクリと動く。
だが、ゴールスが見せた反応はそれだけのまま、口を開く。
「何のことを言ってるのか分からないな。俺が暗殺者を送っただと? 何の証拠もなく、そのようなことを言われても困る」
誤魔化した!?
ゴールスの言葉を聞き、アランは思わず内心で叫ぶ。
そもそも、今の状況でクラリスを狙うべき人物というのは、それこそゴールス以外に存在しない。
何より……
「私を暗殺しに来た犯人、生け捕りにしてるのですが?」
そう、クラリスには暗殺者本人という絶対的な証拠があった。
黒豹の女の獣人。
ジャスパーですら、捕らえるのに少し苦労をする程度の実力を持っている相手だ。
獣牙衆の一員であるというのも、ガーウェイによってすでに確定している。
そのような相手を捕らえているのだから、それ以上の証拠はないだろう。
だが……そんなクラリスの言葉に、ゴールスは馬鹿らしいと余裕の笑みを浮かべる。
「暗殺者が俺からの依頼だと口にしたと? ……だとすれば、それはそれで余計に俺の潔白の証明となるだろう。暗殺者がこちらを誤魔化す為に、そのように言ってるといった可能性は、否定出来ないのだからな」
「それは……」
ゴールスが言ったのは、暗殺者の言葉は信用出来ないといったものだ。
アランから見れば、それは言い掛かりでしかない。
ないのだが……実際、暗殺者の口から出た言葉にどれだけの信憑性があるのかと言われれば、アランとしても素直に信じることが出来ないのは事実だった。
「それに、暗殺者になら俺も狙われている。……俺の場合はお前以外にも敵対している相手がそれなりにいるから、その暗殺者がお前の仕業であるとは思っていない。だからこそ、俺を狙った暗殺者がクラリスから頼まれたと言っても、それを信用することはなかったのだが……お前は違うのか?」
ゴールスの主張に、クラリスは反論出来ない。
もちろん、クラリスはゴールスに対して暗殺者を送るといったような真似はしていない。
だが、そのようなことがあったと言われれば、クラリスとしても何も言えないのだ。
「私の名前を出したのですか。……では、その暗殺者に会わせて下さい。もしゴールスが望むのであれば、言霊を使ってその暗殺者に依頼人について話させましょう」
「悪いがそいつはもういない。暗殺者だぞ? 生かしておけば、それこそいつまたこちらを狙ってくるのかも分からないんだ。そうである以上、出来る限りすぐ殺した方がいいのは、間違いない」
断言するゴールスを見て、アランは疑問を抱く。
(交渉するにしても、少し強気すぎないか? 今の状況は、はっきり言ってゴールスの方が追い詰められてるんだ。それこそ、クラリスの気が変われば……あっさりと言霊を使われかねない。なのに、ここまで堂々と嘘を吐くのか?)
すでにアランは、ゴールスが暗殺者に狙われたという言葉すら恐らくは嘘だろうと判断していた。
クラリスが暗殺者に狙われたから、自分も狙われたことにしたのだろうと。
普通なら、そのような言葉が信じられるはずもない。
だが……ゴールスはこのデルリアにいて大きな影響力を持っている。
それこそ、本人がその気になれば偽りの暗殺者を作る程度の事は何の問題もなく出来る、それだけの影響力が。
当然ながら、アランだけではなくクラリスやレオノーラもまた、そんなゴールスの言葉の裏にある考えを予想することは出来たのだろう。
だが、それでも今の状況を思えば、確たる証拠がない以上、反論は出来なかった。
「ともあれ……このままお互い、無意味な争いをしても意味はありません。退いてくれと言っても、そちらは退かないのでしょう。ならば……獣人らしく、力で勝負しませんか?」
そう、クラリスは告げるのだった。
そして部屋の中には、ゴールスと思われるサイの獣人以外にも数人の人影がある。
その全員が、明らかに腕利きの者たちだった。
「来たか」
そう呟くサイの獣人……ゴールス。
何故その人物がゴールスなのだとアランが認識したのかといえば、部屋の中にある豪華な椅子にそのサイの獣人が座っていたためだ。
また、クラリスや他の面々からゴールスについての情報収集をしている以上、この部屋の中にいるサイの獣人が一人であることから考えて、ゴールスなのは間違いなかった。
「ええ、来ました」
圧力を感じさせる言葉を発したゴールスではあったが、クラリスは一歩も退いた様子がなくゴールスに言葉を返す。
そんなクラリスの様子に、少しだけ眉を動かすゴールス。
まさか、クラリスがこうも堂々と自分に言葉を発してくるとは思わなかったのだろう。
そんなゴールスを見て、アランもまた驚く。
(耳栓の類はないな。やっぱり何らかの手段で俺たちの会話を聞いていたのか?)
クラリスは、ここで言霊を使うような真似はしないと、そう断言していた。
アランにしてみれば甘いという感想を抱くが、クラリスの性格を考えればそれも仕方がないかという思いがある。
ゴールスは何らかの手段で自分たちの会話を聞いており、それによってこうして正面から堂々と渡り合っているのではないか、と。
(そうなると、怪しいのは……)
それ以上は何も言葉を発さず、無言で視線を交わしているクラリスとゴールスをそのままに、アランは部屋の中にいる相手を確認していく。
(五人……思ったよりは少ないな)
三階の中でも最も広い部屋だけに、五人……いや、ゴールスとアランたちを含めれば全部で九人いるというのに、狭苦しさは感じない。
そんな五人の獣人は、一見すれば特に構えている様子はない。
だが、それはあくまでも客観的に見てそう見えないだけで、もしアランたちが何か妙な動き……具体的にはゴールスを傷付けようとした場合、即座に反撃をするといった準備が整っていた。
そこまではアランも分からなかったが、見た感じでは間違いなく自分たちを警戒している。
……こうして本拠地の中でも一番警備が厳重な場所にやって来たのだから、そのように警戒するのも当然だろうが。
「それで、何の用事でここまで来たんだ?」
沈黙を破り、ゴールスが尋ねる。
その目には、すでにクラリスに対する侮りの色はない、
こうして一言だけだが会話を交わし、その結果としてクラリスは子供だが決して侮っていい相手ではないと、そう理解したのだ。
「今日は少し聞きたいことがあって来ました。……ゴールス、貴方は何故一族の長になりたいのですか? そして、一族の長になって何をしたいのですか?」
「俺が一族の長になったらか? そうなったら、もちろん一族に繁栄をもたらすさ」
「繁栄、ですか。言葉だけで言うのなら容易いでしょう。ですが、それは具体的にどのように?」
ゴールスから一切視線を逸らさず、クラリスは尋ねる。
その瞳には、ある意味言霊以上の力が宿っていた。
だからこそ、ゴールスを前にしても怯えるといった様子がないのだろう。
……もしゴールスが本気になれば、それこそクラリスは一瞬にして死んでしまう。
いくら言霊といったような絶対的な力をもっていようとも、言霊というのはあくまでも口で命令をすることによって効果を発揮する。
耳栓を使って言葉を防ぐのは難しいかもしれないが、それなら言葉を口に出させなければいいだけの話でもある。
もしくは、アランとレオノーラというクラリスと一緒にここにきた二人を頼りにしているのかもしれないが、ゴールスの側には五人の腕利きがいるのだ。
今この状況で正面からやり合えば、勝つのは自分たちだと思える。
それでも実際に手を出すといったような真似は出来ない。
手を出せば勝てるだろうが、そのような真似をした場合は色々と問題が大きくなるためだ。
実際にはクラリスが強引に自分の屋敷に侵入した以上、本来なら問題はないのだが。
あるいは、それで大きな騒動になったりした場合、これまでの自分の後ろ暗い行動が非難される恐れもあった。
そのようなことがあったとしても、力でどうにかするのは不可能ではない。
不可能ではないが、だからといってそのような真似を意図的にする必要もなかった。
「そうだな。俺のように力のある者が支配すれば、一族は明るい未来に向かう。それは当然のことだろう?」
「……具体的には、何をどのようにするのですか?
抽象的なことしか口にしないゴールスに、クラリスは追撃するように尋ねる。
実際、自分がガリンダミア帝国と繋がっているということは、ゴールスにとっても大きな理由となっている。
しかし、今の状況でそれを口にするといったようなことをした場合、間違いなく自分にとって大きなダメージとなるだろう。
それを理解しているからこそ、今の状況でその件を口にする訳にはいかない。
「現在俺と敵対している相手に、それを話せると思うか? ……むしろ、そういう意味では俺の方こそ聞きたい。お前のような子供が一族の長になってどう他の者を導くつもりだ? 言霊を使い、無理矢理命令を聞かせるつもりか?」
「そんなことは考えていません。……もしそのつもりがあるのなら、それこそここで言霊を使ってゴールスをどうにかすると思いませんか?」
クラリスの口からそのような言葉が漏れた瞬間、ゴールスの視線は厳しくなる。
それこそ、敵意が巨体から滲み出した……といった表現が相応しいだろう。
当然ながら、ゴールスもクラリスの言霊については強く警戒しているのだろう。
もっとも、アランにしてみればゴールスの気持ちも十分に理解出来るのだが。
いや、正確には分からないから想像するしかないというのが正しい。
アランは前世の存在のおかげか、言霊の効果がない。
だからこそ、言霊を使われた者たちの様子から考えて、そういうものなのだろうと、そのように思う。
「そうだな。だが、もしそんなことをすれば、どうなるか……それはお前が一番よく理解しているだろう?」
ゴールスの念を押すような言葉。
クラリスはそんなゴールスの言葉にも、全く怯んだ様子もなく頷く。
「ええ、そうですね。……ですが、私は貴方を殺すために暗殺者を送るなどという、みっともない真似はしません」
みっともないという言葉に、ゴールスの顔がピクリと動く。
だが、ゴールスが見せた反応はそれだけのまま、口を開く。
「何のことを言ってるのか分からないな。俺が暗殺者を送っただと? 何の証拠もなく、そのようなことを言われても困る」
誤魔化した!?
ゴールスの言葉を聞き、アランは思わず内心で叫ぶ。
そもそも、今の状況でクラリスを狙うべき人物というのは、それこそゴールス以外に存在しない。
何より……
「私を暗殺しに来た犯人、生け捕りにしてるのですが?」
そう、クラリスには暗殺者本人という絶対的な証拠があった。
黒豹の女の獣人。
ジャスパーですら、捕らえるのに少し苦労をする程度の実力を持っている相手だ。
獣牙衆の一員であるというのも、ガーウェイによってすでに確定している。
そのような相手を捕らえているのだから、それ以上の証拠はないだろう。
だが……そんなクラリスの言葉に、ゴールスは馬鹿らしいと余裕の笑みを浮かべる。
「暗殺者が俺からの依頼だと口にしたと? ……だとすれば、それはそれで余計に俺の潔白の証明となるだろう。暗殺者がこちらを誤魔化す為に、そのように言ってるといった可能性は、否定出来ないのだからな」
「それは……」
ゴールスが言ったのは、暗殺者の言葉は信用出来ないといったものだ。
アランから見れば、それは言い掛かりでしかない。
ないのだが……実際、暗殺者の口から出た言葉にどれだけの信憑性があるのかと言われれば、アランとしても素直に信じることが出来ないのは事実だった。
「それに、暗殺者になら俺も狙われている。……俺の場合はお前以外にも敵対している相手がそれなりにいるから、その暗殺者がお前の仕業であるとは思っていない。だからこそ、俺を狙った暗殺者がクラリスから頼まれたと言っても、それを信用することはなかったのだが……お前は違うのか?」
ゴールスの主張に、クラリスは反論出来ない。
もちろん、クラリスはゴールスに対して暗殺者を送るといったような真似はしていない。
だが、そのようなことがあったと言われれば、クラリスとしても何も言えないのだ。
「私の名前を出したのですか。……では、その暗殺者に会わせて下さい。もしゴールスが望むのであれば、言霊を使ってその暗殺者に依頼人について話させましょう」
「悪いがそいつはもういない。暗殺者だぞ? 生かしておけば、それこそいつまたこちらを狙ってくるのかも分からないんだ。そうである以上、出来る限りすぐ殺した方がいいのは、間違いない」
断言するゴールスを見て、アランは疑問を抱く。
(交渉するにしても、少し強気すぎないか? 今の状況は、はっきり言ってゴールスの方が追い詰められてるんだ。それこそ、クラリスの気が変われば……あっさりと言霊を使われかねない。なのに、ここまで堂々と嘘を吐くのか?)
すでにアランは、ゴールスが暗殺者に狙われたという言葉すら恐らくは嘘だろうと判断していた。
クラリスが暗殺者に狙われたから、自分も狙われたことにしたのだろうと。
普通なら、そのような言葉が信じられるはずもない。
だが……ゴールスはこのデルリアにいて大きな影響力を持っている。
それこそ、本人がその気になれば偽りの暗殺者を作る程度の事は何の問題もなく出来る、それだけの影響力が。
当然ながら、アランだけではなくクラリスやレオノーラもまた、そんなゴールスの言葉の裏にある考えを予想することは出来たのだろう。
だが、それでも今の状況を思えば、確たる証拠がない以上、反論は出来なかった。
「ともあれ……このままお互い、無意味な争いをしても意味はありません。退いてくれと言っても、そちらは退かないのでしょう。ならば……獣人らしく、力で勝負しませんか?」
そう、クラリスは告げるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
残念ながら主人公はゲスでした。~異世界転移したら空気を操る魔法を得て世界最強に。好き放題に無双する俺を誰も止められない!~
日和崎よしな
ファンタジー
―あらすじ―
異世界に転移したゲス・エストは精霊と契約して空気操作の魔法を獲得する。
強力な魔法を得たが、彼の真の強さは的確な洞察力や魔法の応用力といった優れた頭脳にあった。
ゲス・エストは最強の存在を目指し、しがらみのない異世界で容赦なく暴れまくる!
―作品について―
完結しました。
全302話(プロローグ、エピローグ含む),約100万字。
【完結】剣聖と聖女の娘はのんびりと(?)後宮暮らしを楽しむ
O.T.I
ファンタジー
かつて王国騎士団にその人ありと言われた剣聖ジスタルは、とある事件をきっかけに引退して辺境の地に引き籠もってしまった。
それから時が過ぎ……彼の娘エステルは、かつての剣聖ジスタルをも超える剣の腕を持つ美少女だと、辺境の村々で噂になっていた。
ある時、その噂を聞きつけた辺境伯領主に呼び出されたエステル。
彼女の実力を目の当たりにした領主は、彼女に王国の騎士にならないか?と誘いかける。
剣術一筋だった彼女は、まだ見ぬ強者との出会いを夢見てそれを了承するのだった。
そして彼女は王都に向かい、騎士となるための試験を受けるはずだったのだが……
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』
見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装…
俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。
突然の事で戸惑うクラスメート達…
だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。
「またか…」
王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。
そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。
そして俺はというと…?
『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』
「それよりも不知火君は何を得たんだ?」
イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
6月22日
HOTランキングで6位になりました!
6月23日
HOTランキングで4位になりました!
昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°.
6月24日
HOTランキングで2位になりました!
皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる