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二章 資金不足と過酷な戦争
43話 漂う嫌な香り
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「訓練村はとても良い場所ですわ。志の高い若人達が汗をかきながら自己研鑽をしているのです」
「というとニアもそこで訓練してたの?」
「はい。プルテン領にて騎士を目指す者はまず一年は訓練村で鍛錬を積むのです。そこでの訓練を終えることで晴れて町の訓練場を使う事ができるのです」
元の世界でいう小中高学校のようなシステムだ。
「卒業試験とかはあるの?」
「ええ、勿論ありますとも」
「ニアはどうやってクリアしたんですか!?」
「試験内容は1年間で培って来た全てを使って一本の丸太を斬るというものでしたので、力技で切らせていただきましたわ」
その頃から力技だったのか。
「因みに試験監督からはなんて言われたか覚えてる?」
「君の事は一生忘れられないよ。何かしらの形で大成するだろうから頑張れと励まされましたわ」
励まされてると理解しているのがなんとも辛い。そして、試験監督はかなり良い人だ。
「木が切れなかったらもう一年やり直しですわ。私の年は156人いて、切れたのは私を含めて15人でしたわ」
フィジカルだけで技術を補いすぎやしないか?そりゃあ、試験監督の記憶にも残るわ。
「テツロー!剣を研ぐお小遣い稼ぎしても良いですか?きっと儲かると思うんです!」
「おー良いね。俺より商売上手かも」
「ですねっ!」
そこは「そんな事ないですよー」とか言ってよ。俺の心は意外と傷つきやすいんだよ?
「すんすん・・・なんか木が燃える匂いがしませんか?」
ドワーフの嗅覚はヒュームのと比べるとかなり優れているという。昔からいつ危険物が出てくるか鉱山に住んでいた事からすぐさま危険を察知できるように発達したのだとか。
実際、ハガネさんの嗅覚はとても優秀であり、幾度も助けられて来た。故に彼女の鼻からの情報は信用できる。
「方角は?」
「あたし達がまっすぐ向かっている方向です。それと・・・血肉が焼ける匂いがします」
「訓練村から?一体何が・・・あっ!ニア!」
気づいた頃にはニアは俺の横から消え、数百m先を走っていた。プレートアーマーと腰に剣を携えている女性の脚力とは思えない。
止まれと言っても止まらないだろうし、ここからでは聞こえない。そもそも止める必要もない。俺達も今から行くのだから。
「テツロー嫌な予感、そして匂いが漂って来ています。もし危険だと思ったらニアを気絶させて撤退させることも視野に入れておいてください」
「他にはなんの匂いがするの?」
「獣の匂い・・・魔獣人の匂いがします」
「というとニアもそこで訓練してたの?」
「はい。プルテン領にて騎士を目指す者はまず一年は訓練村で鍛錬を積むのです。そこでの訓練を終えることで晴れて町の訓練場を使う事ができるのです」
元の世界でいう小中高学校のようなシステムだ。
「卒業試験とかはあるの?」
「ええ、勿論ありますとも」
「ニアはどうやってクリアしたんですか!?」
「試験内容は1年間で培って来た全てを使って一本の丸太を斬るというものでしたので、力技で切らせていただきましたわ」
その頃から力技だったのか。
「因みに試験監督からはなんて言われたか覚えてる?」
「君の事は一生忘れられないよ。何かしらの形で大成するだろうから頑張れと励まされましたわ」
励まされてると理解しているのがなんとも辛い。そして、試験監督はかなり良い人だ。
「木が切れなかったらもう一年やり直しですわ。私の年は156人いて、切れたのは私を含めて15人でしたわ」
フィジカルだけで技術を補いすぎやしないか?そりゃあ、試験監督の記憶にも残るわ。
「テツロー!剣を研ぐお小遣い稼ぎしても良いですか?きっと儲かると思うんです!」
「おー良いね。俺より商売上手かも」
「ですねっ!」
そこは「そんな事ないですよー」とか言ってよ。俺の心は意外と傷つきやすいんだよ?
「すんすん・・・なんか木が燃える匂いがしませんか?」
ドワーフの嗅覚はヒュームのと比べるとかなり優れているという。昔からいつ危険物が出てくるか鉱山に住んでいた事からすぐさま危険を察知できるように発達したのだとか。
実際、ハガネさんの嗅覚はとても優秀であり、幾度も助けられて来た。故に彼女の鼻からの情報は信用できる。
「方角は?」
「あたし達がまっすぐ向かっている方向です。それと・・・血肉が焼ける匂いがします」
「訓練村から?一体何が・・・あっ!ニア!」
気づいた頃にはニアは俺の横から消え、数百m先を走っていた。プレートアーマーと腰に剣を携えている女性の脚力とは思えない。
止まれと言っても止まらないだろうし、ここからでは聞こえない。そもそも止める必要もない。俺達も今から行くのだから。
「テツロー嫌な予感、そして匂いが漂って来ています。もし危険だと思ったらニアを気絶させて撤退させることも視野に入れておいてください」
「他にはなんの匂いがするの?」
「獣の匂い・・・魔獣人の匂いがします」
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