129 / 181
五章 魔獣人の根源
128話 仮称:オイルスライム
しおりを挟む
オイルの匂いのするスライム。正式名称が分からないので仮称でオイルスライムと名付けることにする。
ただ、仮称であるためスライムではないと思う。スライムは水滴のように丸い形をしており、真ん中に全ての臓器が詰まっている核があるのに対して、オイルスライムはスライムの特徴に一つも当てはまらない。
「そもそもコイツらは魔物なのか?トラコ、何か知ってるか?」
「知らない知らない知らない知らない・・・」
駄目だ。仲間と自分を傷つけられたトラウマにとらわれてしまっている。頼りにはできないみたいだ。
「とりあえず・・・炎魔法『フレイム』!」
オイルと言ったらこれだろという魔法を放ち、引火する。確かにオイルスライムは炎に包まれたものの、一向に量が減る気配がない上に暴れ回っているせいで寧ろ危ない。こちらに萌えている体の破片が飛んでくる。
「あぶなっ!氷魔法!!」
氷の魔法で周囲360度に氷の壁を作り、オイルスライムから自分とトラコを守る。すると、オイルスライム達は氷の壁を貫くべく体を細く鋭くし始めた。思い出される2人の魔獣人の遺体。2人に空いていた穴は、どちらも同じサイズで今、目の前にいるオイルスライムも同じくらいの細さになっている。
骨や肉を無視して貫ける力に俺の薄い氷の壁が勝てるわけがない。
「スキル解放『緊急脱出』!!」
生命の危機を感じ取った時に発動できるスキル。発動すると安全な位置までワープする事ができる。スキル『緊急脱出』はオイルスライムから100m離れた場所が安全だと判断したみたいだ。
とても便利なスキルだが、連発は不可能で次の使用には1時間待たなければならない。しかも完全に視界から消え去ったわけではないので、オイルスライムはすぐに俺を見つけると合体して俺よりも背丈の高いエイリアンのような姿に変貌した。
マズイ・・・俺の力じゃ倒せないな。何か弱点を探さなければ。炎は駄目だったし、氷も俺レベルだと凍らせる事は不可能だ。そもそも魔法全般クオリティが低すぎて魔法で解決できない。
ゴミスキルを譲渡するか?いやそもそもスキルを譲渡できるのか?仮に譲渡できるとしてもどうやって触れるんだ?触れた瞬間に殺される。
そういえばこんなに量があり、分裂や合体が自由なのにどうして俺とジュリエットは襲われなかったのだろうか。俺達とトラコ達の違い。たった1つの違いで俺達は襲われなかったに違いない。
俺は遺跡探索をする時に何をした?松明がないので明かりをつけた。病原菌等が怖くて『聖女の光』で、光の魔法に浄化属性を付与した。
そして今の俺は『聖女の光』を使用していない。
「これだ!!スキル解放『聖女の光』!!」
辺りを照らす光魔法に浄化属性が付与される。エイリアンの姿を取っていたオイルスライムの形がどんどん崩れていく。あちこちから蒸気が上がっており、みるみるうちに小さくなっていく。
「ピィィィィィィィ!!」
人を意図も簡単に刺し殺せる存在とは思えない位可愛い悲鳴を上げながら浄化属性の光が当たらない更に奥へと逃げてしまった。
ただ、仮称であるためスライムではないと思う。スライムは水滴のように丸い形をしており、真ん中に全ての臓器が詰まっている核があるのに対して、オイルスライムはスライムの特徴に一つも当てはまらない。
「そもそもコイツらは魔物なのか?トラコ、何か知ってるか?」
「知らない知らない知らない知らない・・・」
駄目だ。仲間と自分を傷つけられたトラウマにとらわれてしまっている。頼りにはできないみたいだ。
「とりあえず・・・炎魔法『フレイム』!」
オイルと言ったらこれだろという魔法を放ち、引火する。確かにオイルスライムは炎に包まれたものの、一向に量が減る気配がない上に暴れ回っているせいで寧ろ危ない。こちらに萌えている体の破片が飛んでくる。
「あぶなっ!氷魔法!!」
氷の魔法で周囲360度に氷の壁を作り、オイルスライムから自分とトラコを守る。すると、オイルスライム達は氷の壁を貫くべく体を細く鋭くし始めた。思い出される2人の魔獣人の遺体。2人に空いていた穴は、どちらも同じサイズで今、目の前にいるオイルスライムも同じくらいの細さになっている。
骨や肉を無視して貫ける力に俺の薄い氷の壁が勝てるわけがない。
「スキル解放『緊急脱出』!!」
生命の危機を感じ取った時に発動できるスキル。発動すると安全な位置までワープする事ができる。スキル『緊急脱出』はオイルスライムから100m離れた場所が安全だと判断したみたいだ。
とても便利なスキルだが、連発は不可能で次の使用には1時間待たなければならない。しかも完全に視界から消え去ったわけではないので、オイルスライムはすぐに俺を見つけると合体して俺よりも背丈の高いエイリアンのような姿に変貌した。
マズイ・・・俺の力じゃ倒せないな。何か弱点を探さなければ。炎は駄目だったし、氷も俺レベルだと凍らせる事は不可能だ。そもそも魔法全般クオリティが低すぎて魔法で解決できない。
ゴミスキルを譲渡するか?いやそもそもスキルを譲渡できるのか?仮に譲渡できるとしてもどうやって触れるんだ?触れた瞬間に殺される。
そういえばこんなに量があり、分裂や合体が自由なのにどうして俺とジュリエットは襲われなかったのだろうか。俺達とトラコ達の違い。たった1つの違いで俺達は襲われなかったに違いない。
俺は遺跡探索をする時に何をした?松明がないので明かりをつけた。病原菌等が怖くて『聖女の光』で、光の魔法に浄化属性を付与した。
そして今の俺は『聖女の光』を使用していない。
「これだ!!スキル解放『聖女の光』!!」
辺りを照らす光魔法に浄化属性が付与される。エイリアンの姿を取っていたオイルスライムの形がどんどん崩れていく。あちこちから蒸気が上がっており、みるみるうちに小さくなっていく。
「ピィィィィィィィ!!」
人を意図も簡単に刺し殺せる存在とは思えない位可愛い悲鳴を上げながら浄化属性の光が当たらない更に奥へと逃げてしまった。
58
あなたにおすすめの小説
大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
児童書・童話
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
目立ちたくない召喚勇者の、スローライフな(こっそり)恩返し
gari@七柚カリン
ファンタジー
突然、異世界の村に転移したカズキは、村長父娘に保護された。
知らない間に脳内に寄生していた自称大魔法使いから、自分が召喚勇者であることを知るが、庶民の彼は勇者として生きるつもりはない。
正体がバレないようギルドには登録せず一般人としてひっそり生活を始めたら、固有スキル『蚊奪取』で得た規格外の能力と(この世界の)常識に疎い行動で逆に目立ったり、村長の娘と徐々に親しくなったり。
過疎化に悩む村の窮状を知り、恩返しのために温泉を開発すると見事大当たり! でも、その弊害で恩人父娘が窮地に陥ってしまう。
一方、とある国では、召喚した勇者(カズキ)の捜索が密かに行われていた。
父娘と村を守るため、武闘大会に出場しよう!
地域限定土産の開発や冒険者ギルドの誘致等々、召喚勇者の村おこしは、従魔や息子(?)や役人や騎士や冒険者も加わり順調に進んでいたが……
ついに、居場所が特定されて大ピンチ!!
どうする? どうなる? 召喚勇者。
※ 基本は主人公視点。時折、第三者視点が入ります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる