いらないスキル買い取ります!スキル「買取」で異世界最強!

町島航太

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五章 魔獣人の根源

130話 最強の武器

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「いや、あのスキルがあるじゃないか。全身金属の敵にはこのスキルがあまりにも有効打すぎる!スキル解放『発錆』!」

 ハガネさんからもらった発錆。武器を使う時は不便極まりないスキルだけども、こういう金属で全身を固めた敵には有効打になる。

「そらぁ!錆びろ!!」

 両手の平で触れる。しかし、ゴーレムの白いボディは一切錆びる事なく、俺は拳をまともに食らってしまった。

「お゛ゔ!?・・・な、なんで?あれ金属じゃないの?」

「テツロウ、あれは金属の中でもかなり特殊な魔法の白金マジックプラチナだと思う。錆びない代わりに硬度が高くないプラチナを魔法で強化したもの。だから、錆びないし鉄並みに硬い・・・」

「へぇ~魔法って奥深い。欠点まで補う事ができるのか・・・ってだったらどうやって倒したら良いの!?」

「分からない・・・!私に効かないでよ!!」

 その後、ゴミスキルを押し売りして倒そうと試みたが、オイルスライムはやはり生物では無かったからか押し売りすることが出来ずに俺の傷だけが増えていった。

「テツロウ!しっかりして!!」

 正直トラコの声かけが無ければ意識を失っていると思う。そのくらいパンチがヘビーだ。

 ただ、傷だけを作っているわけではない。ゴーレムの状態も把握することに成功している。

 あのゴーレムは何かが中に入って操縦するタイプではない。中身まで機械がぎっしりと詰まっている。おかげで以前戦ったゴーレムよりも硬いしパンチが重い。

 オイルスライムが中に入ってから動き出した事からオイルスライム自体がゴーレムを動かす燃料になっていると思われる。

 動きが鈍いのは俺が聖女の光で量を減らしたからだろう。量が減ってない状態でゴーレムに入られたら俺は今頃肉塊だ。

 では、ゴーレムの関節などの隙間から浄化属性が付与された光を差し込めば勝てると思った。

 だけど、ゴーレムはそこらへんの対策はバッチリ俺が近づいて光を差し込もうとした瞬間に超防御モードのような状態になる事で光が差し込むのを防いでしまうのだ。

 その隙間すらも貫通できればオイルスライムの量を減らして動けなくする事が可能なのだが、一体どうしだものか・・・。

「こういう時こそ、柔軟な考えだ。哲郎、何か考えろ。スキルの応用でなんとかなる相手のはずだ。例えば関節部分を錆びさせるとか・・・」

 柔軟な考えがスキルを成長させる。果たして柔軟な考えはスキルだけを成長させるのだろうか?

 否、様々な面を成長させる。剣術だって、戦略だって、魔法だって!

「・・・どうして俺は『聖女の光』を光魔法でしか使わなかったんだ?」

 炎の魔法に使えば対魔の炎になるし、水の魔法に使えば聖水になるんじゃないか?

 勝てないのは自分の想像力不足だからではないか?

「スキル解放『聖女の光』。水魔法『アクア』」

 聖女の光によって即席の聖水が完成する。完成した聖水を哲郎は凝縮し、水鉄砲ようにして放つ。

「いけえぇぇぇぇぇ!!」

 ゴーレムを動かす絡繰もショートしたのか電気を放ち始める。聖水鉄砲をやめさせるべくゴーレムは俺の元へと向かってきたが、マジックプラチナの拳が届く寸前で機能停止してしまった。

「足りないのは実力じゃない。想像力だ・・・!!」

 柔軟な考えこそ、最強の武器だったんだ。
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