いらないスキル買い取ります!スキル「買取」で異世界最強!

町島航太

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五章 魔獣人の根源

132話 真っ白な古書館

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 古書館への道を探していると、壁に一部だけ色の違う黒色の壁を見つける事ができた。トラコにすぐに報告して調べ始める。

「これは・・・魔法道具だ。多分だけど魔力を流し込めば起動すると思うよ」

 流石は科学が無い代わりに魔法がある世界だ。科学とかの立ち位置に魔法が全て存在している。

 言われた通りに魔力を流すと、文字が浮かび上がる。液晶のようなものか。液晶には日本語もといパンジグ語が表示されている。

『パンジグの名産物を答えろ』

 まさかの問題だった。俺はパンジグについては詳しくないのでトラコに答えてもらう。

「紫芋」

『正解』

 サツマイモかな?この世界に来てから食べていないから食べたいな・・・。

『パンジグが開発した汚染した水を浄化する技術の名称は?』

 いきなり難易度が跳ね上がったが大丈夫だろうか。

『電気魔法式浄化システム』

『正解』

『最後の質問。我がパンジグの信念を答えよ』

「一源三流。国の為に流す血、社会の為に流す汗、仲間の為に流す涙」

『正解。真のパンジグ人よ。そなたに知識を授けよう』

 地面が揺れ始め、真っ白な床の一部がとび出して本棚になる。本棚は次々と出てきて1分後には、俺達がゴーレムと戦っていた場所は立派な図書館になっていた。

「まさかここ自体が古書館だったなんて・・・」

「流石は私達のご先祖様ね。早速探しましょ」

「ああ、探そう。歴史の書を・・・」

 そして同時並行で禁書である魔導書も見つけなければならない。彼女の手に渡ったら絶対に読ませてはくれないだろうし、読んだら最後、コンパスは火の海となってしまう。その前に見つけて禁書を読む事で対策法を練らなければならない。

 国を破壊できるような魔法があるのならば、その魔法から守る魔法も存在するはずだ。何としてでも見つけなければならない。ならないのだが・・・まるで見つからない。

 何しろ蔵書されている本があまりにも多すぎて見つからないのだ。不幸中の幸いなのが、本のほとんどが読んだ事の無い小説ばかりという事。

 その中には歴史の書もあるが、魔獣人が生まれた事については言及されていなかった。丁度200年前で記載が終わっている歴史の書ばかりだった。まあ、200年前に作られて蔵書され、そのまま放置されていた場所だから当たり前と言ったら当たり前なのだが、一体どうしたものか。

「ん?なんだこのうっすい本は」

 まるで同人誌のように薄い本を本と本の隙間から見つけ手に取ってみると、表紙にはこう書いてあった。

『爆発魔法の境地』

 とても興味深い魔法についての魔導書だった。
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